カテゴリー「クラシック音楽・シベリウス」の16件の記事

2019年1月25日 (金)

シベリウス:交響曲第3番Op.52聴き比べ(SACD&Blu-ray Audio編)

2018年年末〜2019年年始、一番よく聴いたクラシック音楽は、
シベリウスの交響曲第3番です。

ところで、みなさんは、シベリウスの交響曲で初めてハマったのは、第何番でしょうか?
私はたぶん人並みに(?)、交響曲第2番からです。
カラヤン&BPO盤(DG)ではピンと来なかったのが、
バーンスタイン&VPO盤を聴いて、一気に好きになりました。
(ただし、今聴くと、クドい気がします。)

(参考)バーンスタイン&VPO盤

それから、バーンスタイン&VPO盤で、第1番、第5〜第7番もステキだとわかり、
第3、第4番以外は好きになりました。
それから何十年かして、つい最近になってから、
苦手だった第4番もようやくその魅力がわかるようになりました。

(参考記事)
レイフ・セーゲルスタム(Leif Segerstam)指揮ヘルシンキ・フィルによるシベリウスの交響曲第4番〜聴く「視点」がようやく見えた!
シベリウス:交響曲第4番聴き比べ〜ベルグルンド(Berglund)盤3盤を中心に

これで、第3番以外の曲は全部気に入ったわけですが、
どういう訳か、第3番はイマイチピンと来なかったのです。

しかし、2018年年末に、
Blu-ray Audioのシベリウス交響曲全集(後述)をなんとなく聴き流しているうちに、
「交響曲第3番も、イイナ・・・」と思えるようになりました。
そこで、全集としてではなく、第3番だけ聴いてみると・・・
そう、第1楽章では、森の小動物がピョコピョコと木陰や切り株から顔を出しているような、
そんな光景が頭に浮かんできました。
シベリウス流の「田園」交響曲なんだなと、一気に好きになりました。
(「田園」というよりは、「森林」なんでしょうけど・・・)

ちなみに、膨大な録音を残したカラヤンでさえ、
なぜか第3番だけは録音を残していません。
The Archives of Herbert von Karajanという、
カラヤンのディスコグラフィーを網羅したサイトによると、
第1番は1回、第2番は2回、第4番と第5番に至っては4回、
第6番は3回、第7番は2回の正規録音があるとのことです。※ライブ録音は除く)
後述する、サー・サイモン・ラトル指揮BPO盤の解説によると、
ベルリン・フィルでのこの交響曲第3番初演は、
2010年2月9日で、初演者はサー・サイモン・ラトルとのこと。
他の交響曲は遅くとも1938年までにはBPOで初演されているそうです。

思うに、あのカラヤンでさえ取り上げなかったのは、
第2番までのポピュラー路線と、第4番以降の晦渋路線どちらでもない、
過渡期的な作風だから、なのかもしれませんね・・・
(これは私の憶測に過ぎませんが・・・)
私にとっても、やはりどっちつかずの作品、という評価でしかなったものです。
しかしその「どっちつかずさ」も、一度判れば魅力にさえ感じました。

もう一つ付け加えて言えば、第3番をさらに純化させていくと、
第6番の世界になるのかも・・・と思いました。
第3番と第6番がカップリングされている盤を聴くと、
あまり切れ目を感じさせません。
(これは余談ですね・・・)

それでは聴き比べです。
オススメ順に紹介します。
指揮者・オケ名・レーベル・録音年月・
スペック(SACD ハイブリッドorシングルレイヤー、Blu-ray Audio)、
2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。
なお、今回、通常CDへの評は割愛しました。
(参考までには載せましたが・・・)

◯オスモ・ヴァンスカ指揮ミネソタ管弦楽団(BIS)
2015年5〜6月
SACDハイブリッド Surround/SACD Stereo/CD
カップリング シベリウス:交響曲第6番&第7番

☆4.5
第1楽章 10:41
第2楽章 10:40
第3楽章 08:47

この第3番を本当に「愉しい」「美しい」と思わせてくれた盤です。
特に第1楽章は、秋の野山を散歩していると、いろいろな小動物に出くわしたり、
可憐な花を見かけたりしたような気分的高揚を感じます。
第2楽章、第3楽章も同様です。
まず一番にオススメしたい演奏です。
オケがアメリカの団体だからといって、侮るなかれ!

なお、同じ指揮者で、ラハティ交響楽団を指揮した全集盤もあります。
交響曲第5番の初稿盤の録音といった、資料的価値は高いですが、
演奏・録音ともに、断然ミネソタ管弦楽団の方をオススメします。

(参考)ラハティ管弦楽団盤(全集)(BIS)

(☆3.5相当)
第1楽章 10:15
第2楽章 11:12
第3楽章 08:51


◯パーヴォ・ベルグルンド指揮ボーンマス交響楽団(WARNER)
1977年6月
SACDハイブリッド SACD Stereo/CD
シベリウス交響曲全集(※タワレコ限定)

※下のは通常CD盤です。

こちらがSACD盤です。タワレコ限定盤です。
シベリウス: 交響曲全集 (第1番-第7番), 管弦楽曲集<タワーレコード限定>

☆4.5
第1楽章 10:45
第2楽章 11:13
第3楽章 09:01

スケール雄大ですが、後述のバルビローリ盤のようなゆったり感はありません。
過不足なく響いており、極めて模範的・理想的な演奏といえます。
特に第3楽章は、大自然が鳴動しているかのような、
壮大な光景が見えてくるようです。
なお、一般的には、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団盤の方が、
評価が高いようですが、
私はボーンマス交響楽団盤の方を評価しています。
ヘルシンキ・フィル盤は、あまりにも「極北の」演奏すぎて、
理解と共感を拒んでいるかのような素っ気なさがあるからです。

(参考)パーヴォ・ベルグルンド指揮ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団盤(WARNER)通常CD

(☆3.5相当)
第1楽章 10:16
第2楽章 09:48
第3楽章 08:31

◯サー・サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(KING INTERNATIONAL)
2015年1〜2月
SACDハイブリッド Surround/SACD Stereo/CD
シベリウス交響曲全集

※可能であれば、SACDよりも、
Blu-ray&Blu-ray Audio盤付の方をオススメします。

☆4.0
第1楽章 10:13
第2楽章 09:21
第3楽章 08:43

カラヤン時代のベルリン・フィルとは違って、
力で押し切るような演奏ではなく、
「自然」を感じられる、穏やかな演奏となっています。
第1楽章は小動物が顔をひょこひょこのぞかせているような感じになっています。
第2、第3楽章は、しっとりと聴かせる演奏となっています。
(CD+Blu-ray&Blu-ray Audio付の盤を選んでおけばよかったと思いました・・・)
なお、私は未聴で、購入予定もありませんが、
バーミンガム市交響楽団を指揮した盤もあります。

(参考)交響曲全集(通常CD)

◯サー・ジョン・バルビローリ指揮ハレ管弦楽団(WARNER)
1969年5月
SACDハイブリッド SACD Stereo/CD
シベリウス交響曲全集(※タワレコ限定で、既に廃盤扱いです。)

※下の全集は通常CD盤です。

分売盤(第6番とのカップリング)

☆4.0
第1楽章 12:16
第2楽章 11:16
第3楽章 09:23

他の演奏に比べて、テンポがゆったりとしており、
スケール感が雄大な印象を受けます。
それはまるで、大型の船に乗ってフィヨルドをクルーズしているかのようなイメージです。
一音一音慈しまれて奏でられるような響きが、シベリウスを超えて、
ブルックナーの大宇宙さえ感じさせるほどです。
あえて難点を言えば、第3楽章が少しもたれ気味かも・・・


◯ハンヌ・リントゥ指揮フィンランド放送交響楽団(ALTHAUS MUSIK)
2015年
Blu-ray PCM STEREO DTS-HD MASTER AUDIO 5.1ch
シベリウス交響曲全集

☆4.0
第1楽章 10:44
第2楽章 09:41
第3楽章 09:47

標準的な演奏。過不足なくフィンランドの大自然が音で描かれています。
このBlu-rayの交響曲全集では、演奏だけではなく、
● ドキュメンタリー「シベリウス、リントゥと7つの交響曲」(ナレーター:ハンヌ・リントゥ)
と、
● 「ソート・オブ・シベリウス!」
というドキュメンタリーやシベリウスについてまとめたバイオグラフィ映像がついており、
曲の理解を助けてくれます。

交響曲第3番の解説では、第3楽章に「神に祈る人」というコラール風の旋律がある、
と教えてくれました。

(→文章で読みたいのであれば、「シベリウスの交響曲第3番」という記事がオススメです。)

◯ロリン・マゼール指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(DECCA)
1968年3月
Blu-ray Audio 2.0pcm 24-bit/96kHz 2.0dolby true HD 24-bit/96kHz
シベリウス交響曲全集(CD付)

☆4.0
第1楽章 09:26
第2楽章 08:15
第3楽章 08:46

金管が吠えまくる!
まるでブルックナーみたいです。
フィンランドとか田園風景というイメージはわきませんが、
まるでロッキー山脈みたいな岩でゴツゴツした岩肌や、
荒々しい荒涼とした自然が見えてくるようです。
あまり愉悦感はありませんが、ここまでやればGood!です。

こういう、CDとBlu-ray Audio付の長時間録音ものが、
最近DECCAやDGから出ていますが、
はっきりいって、CDは不要ですね・・・
しかも、CDは紙ジャケットで出し入れしにくいのもマイナスです。
Blu-ray Audioだけで販売してほしいものです。

◯サー・コリン・デイヴィス指揮ロンドン交響楽団(LSO Live)
2003年10月
Blu-ray Audio 5.0/5.1 DTS-HD MA 24bit/96khz
2.0 DTS-HD 24bit/96khz
シベリウス交響曲全集(ハイブリッドSACD付)

☆3.5
第1楽章 11:26
第2楽章 11:05
第3楽章 08:26

全体的に控え目の演奏です。東洋的な高原の風景が見えてきそうです。
落ち着いて堪能できる感じ、でしょうか・・・

Blu-ray Audioがついていたら、はっきりいって、SACDでさえ不要ですね。
どっちかだけで十分ではないでしょうか。

◯オッコ・カム指揮ラハティ交響楽団(BIS)
2012年5月、2013年1月
SACDハイブリッド SACD 5.0 Surround /SACD Stereo /CD
シベリウス交響曲全集

☆3.5
第1楽章 10:11
第2楽章 10:05
第3楽章 08:55

静かで、穏やかで、温かいイメージです。
(温かい、といっても、冬の北海道程度ですが・・・)

今回評は書きませんが、我が家にある通常CDも紹介しておきます。
※紹介済のものは除きます。
(演奏時間も省略します。)

○オッコ・カム指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(DG)
※タワレコ限定、全集
シベリウス: 交響曲第1番-第3番, 他<タワーレコード限定>

○ヘルベルト・ブロムシュテット指揮サンフランシスコ交響楽団(DECCA)


※全集

○レイフ・セーゲルスタム指揮ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団(ONDINE)


※全集。
通常CDなら、この全集がオススメです。

2019年1月 4日 (金)

2018年12月のページビュー(PV)数ベスト10記事一覧 付:謹賀新年2019

2019年、新年明けましておめでとうございます。
本年も、当ブログをよろしくお願い致します。

さて、2018年12月のページビュー(PV)数ベスト10記事は以下のとおりです:
(※トップページ及びカテゴリを除く)
ベスト3までは記事リンクをつけています。

一位.「カトリック」か「カソリック」か?~誤用に潜む軽蔑と無知
二位.インクルーシブ(インクルージョン)教育は子どもにとって本当に幸福なのか?
~おすすめブログ記事「脱インクルージョン教育」(ブログ名:斜に構えてみる)

三位.マーラー:交響曲第7番聴き比べ14種類
四位.気分が落ち込んだ時に聴いてみたくなるクラシック音楽(重症編)
五位.「学び合い学習」は日本の義務教育崩壊を招く!
~おすすめ記事『【解答乱麻】 TOSS代表・向山洋一 亡国の教育「学び合い学習」』

六位.クリスマスの讃美歌
The snow lay on the ground/雪はつもり(讃美歌第二編127)※私訳とmidi付

七位.SACDとBlu-ray Audio、どちらが優れているか?〜音響、価格、将来性・・・
八位.原点にして、もしかして終着点?
〜ショルティ(Sir Georg Solti)による、ベートーヴェン:交響曲全集(80年代録音)

九位.ブラームス:交響曲第1番聴き比べ12種〜カラヤン盤5種を中心に・・・
十位.シベリウスによるクリスマスの讃美歌~喜びはむねに(讃美歌21・271番)※midi付

先月の記事で、季節柄、クリスマスにちなむ記事がランクインしたのは、
嬉しく思いました。
六位の「クリスマスの讃美歌
The snow lay on the ground/雪はつもり(讃美歌第二編127)※私訳とmidi付
」と、
十位の「シベリウスによるクリスマスの讃美歌
~喜びはむねに(讃美歌21・271番)※midi付
」です。

年末年始には、シベリウスの交響曲第2、第3、第5、第6番をよく聴いていました。
凍てつくような寒さのこの時期に実にぴったりです。
特にオススメの演奏は、オスモ・ヴァンスカ指揮ミネソタ管弦楽団のものです。

シベリウス : 交響曲 第3番 第6番 第7番 (Sibelius : Symphonies Nos 3・6・7 / Minnesota Orchestra | Osmo Vanska) [SACD Hybrid] [輸入盤] [日本語帯・解説付] Hybrid SACD

シベリウス : 交響曲 第2番 | 交響曲 第5番 (Sibelius : Symphonies Nos 2 & 5 / Minnesota Orchestra , Osmo Vanska) [SACD Hybrid] [輸入盤・日本語解説付] Hybrid SACD

あと、Blu-ray Audio盤だと、第1番から第7番までディスクを変えずに、
なんとなく流し聴きができます。
演奏の質はだいたい合格点ぐらいですが、便利ですよ。
ロリン・マゼール指揮ウィーン・フィルの演奏による全集です。

Sibelius: the Seven Symphonies Box set, CD, Import


今年も、そして今月もご愛読よろしくお願いいたします。
皆様に神様の祝福が豊かにありますように!

主があなたを祝福し、あなたを守られるように。
主が御顔の光であなたを照らし
あなたに恵みを与えられるように。
主が御顔をあなたに向けて
あなたに平和を賜るように。

(聖書協会共同訳 旧約聖書 民数記6:24〜26)

(おまけ)
道東某所で2018年の年末に撮影した夕焼けの写真です。
こういう素晴らしい夕焼けを見ると、
頭の中に、シベリウスの交響曲第5番の終楽章が鳴り響いてきました。

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2017年11月 6日 (月)

SACDとBlu-ray Audio、どちらが優れているか?〜音響、価格、将来性・・・

SACDとBlu-ray Audio、どちらが優れているか?
なんとなく、Yahoo!知恵袋的な見出しになってしまいましたね。
結論から申しますと、私はBlu-ray Audioの方が、
音響、価格、将来性のいずれにおいても優れていると思います。

先日、所有CD等の整理をしていた時に、
前からやってみたかった、
SACD(シングルレイヤー)と、Blu-ray Audioの聴き比べをすることとなりました。
たまたま、カール・ベーム指揮ウィーン・フィルによる、
ブルックナーの交響曲第4番の演奏が、
SACDシングルレイヤーとBlu-ray Audioどちらもありました。
今まではとりあえず買っておけ、と、比較しようとは思いませんでした。
(そうこうしているうちに、次から次へと新しい盤に埋もれていまい・・・)

基本は同じ演奏ですし、一応、この曲の名盤の一つなので、
演奏そのものについては今回は触れません。
ひたすら、響き、特に冒頭のブルックナー開始や、
トゥッティの響きなど、第1楽章の聴いた感じについて述べます。

ブルックナー:交響曲第4番<ロマンティック> Limited Edition, SACD

SACDシングルレイヤー(2ch Stereo)
価格:3741円(Amazon 2017.11.5現在)※定価4629円

ブルックナー:交響曲第4番《ロマンティック》 形式: Blu-ray Audio

リニアPCM 96kHz/24bit
DTS master Audio(96kHz/24bit)
Dolby True HD(96kHz/24bit)
価格:1080円(Amazon 2017.11.5現在)※参考価格3600円

最初に、SACDで聴きました。
冒頭のブルックナー開始、もちろん通常CDよりはっきり聴こえます。
素晴らしい録音ですが・・・
冒頭の1分間ほどで一旦聴くのを止めました。
続いて、Blu-ray Audioで聴いてみました。
モードは、Dolby True HD(96kHz/24bit)を選択しました。
こちらも最初の1分間ほどで止める予定でした。
すると・・・
Blu-ray Audioの方が、冒頭のブルックナー開始が、
ハッキリ、クッキリ、しかもまろやかに聴こえてきます!
盛り上がってからのトゥッティも決してうるさくありません。
なんとなくそのまま聴き続けてしまい、あっという間の約20分間でした。
(第1楽章だけ聴きました。)
ブルックナーの「ロマンティック」はしばらくぶりに聴くことになりました。
久々に、聴く喜びが湧き上がりました。

これはもしかして、私の今までのSACDへの偏執は、間違いだったのかも・・・
思い切って、AmazonでDGやDECCAのBlu-ray Audioを安売りしているうちに、
何本も買い占めてしまいました。

続いて、シベリウスのヴァイオリン協奏曲。
チョン・キョンファ(Vn)、アンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団の名盤です。
SACDの方は、私の父にプレゼントして、大変喜ばれたものです。
(ついでに私自身のためにも買ってしまいましたが・・・)

チャイコフスキー&シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 Limited Edition, SACD

SACDシングルレイヤー(2ch Stereo)
価格:4241円(Amazon 2017.11.6現在)※定価4629円

チャイコフスキー&シベリウス:ヴァイオリン協奏曲(形式: Blu-ray Audio)

リニアPCM 96Khz/24bit(ステレオ)/ 192Khz/24bit(ステレオ)
価格:1134円(Amazon 2017.11.6現在)※参考価格3780円

この曲は、ブルックナーの原始霧みたいに、幽かなオケ伴奏から、
まさに香の煙が立ち上るかのごとく、ヴァイオリン独奏が聴こえてきます。
オケの最弱音がどう聴こえるかが、オーディオ的には一番のポイントでしょう。

SACDも通常CDではよく聴こえないようなところまで、しっかりと捉えていますが、
Blu-ray Audioではさらにはっきりくっきり鮮明に聴こえます。
しかも変に強調したところは皆無です。

これは軍配がまたもやBlu-ray Audioにあがりました。
ただし、このBlu-ray Audio、
カップリングのチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲で、
第2楽章と第3楽章の区切るところが間違っています。
(SACDとBlu-ray Audioで、第2楽章、第3楽章の演奏時間が違っています!)
※通して聴くと何の支障もありませんが・・・

ただ、カラヤン指揮ウィーン・フィルによる、
ホルストの惑星では、もしかすると互角か、
下手するとSACDの方が聴きやすいかもしれません。

ホルスト:組曲「惑星」 Limited Edition, SACD

SACDシングルレイヤー(2ch Stereo)
価格:3772円(Amazon 2017.11.6現在)※定価4629円

ホルスト:組曲《惑星》(形式: Blu-ray Audio)

リニアPCM 96Khz/24bit(ステレオ)/ 192Khz/24bit(ステレオ)
価格:1134円(Amazon 2017.11.6現在)※参考価格3780円

DG、DECCAのBlu-ray Audioを取り扱っているのは、
「ハピネット」という会社です。
Blu-ray Audioでは、
リニアPCM 96Khz/24bit(ステレオ)/ 192Khz/24bit(ステレオ)
という規格のものよりも、
リニアPCM 96kHz/24bit
DTS master Audio(96kHz/24bit)
Dolby True HD(96kHz/24bit)
」となっている盤の方は断然オススメです。
特にホームシアターシステム(サラウンドが聴ける環境)を導入しているならば、ぜひ!
1000円ちょっとで買えるなら、まずはGetした方がいいかもしれません。
音の迫力が違いますよ。

SACDという規格自体、確かに通常CDと比べると格段に音質がいいですが、
やはり、SACDが再生できるプレーヤーが一般的ではない、というのが、
大きな欠点です。
対して、Blu-ray Audioは基本、Blu-rayと同じなので、
1万円以下のBlu-rayプレイヤーでもお手軽に再生できるわけです。
汎用性・経済性では完全にSACDを上回っています。
なおかつ、大容量です。
(SACDは4.7GB、Blu-ray Audioは25GB)

たとえば、カラヤン指揮ベルリン・フィルによる、
1960年代録音のベートーヴェン:交響曲全集。
6枚組のSACDハイブリッド盤をもっていましたが、
よく調べると、Blu-ray Audio盤が出ているではありませんか!
しかも、DISKは1枚!
こちらも、SACDを手放して、Blu-ray Audioに切り替えることにしました。

(参考)
Symphonies (Bonus CD) (Hybr) (Ms) CD, Hybrid SACD, SACD, Import

参考価格 10700円(Amazon 2017.11.6現在)

9 Symphonien Import(形式: Blu-ray Audio)

参考価格 2316円+送料350円(Amazon 2017.11.6現在)


近日、カール・リヒターによる、バッハの4大宗教曲の名録音が、
Blu-ray Audio(+CD11枚、DVD4枚 計16枚)で発売予定です。
私も予約しました。
マタイ受難曲、ヨハネ受難曲、クリスマス・オラトリオ、ミサ曲ロ短調の4作品が、
Blu-ray Audio1枚で聴ける、というのは、すごいとは思いませんか?
こちらも、マタイ受難曲とミサ曲ロ短調のSACDシングルレイヤーを持っていましたが、
手放すことにしました。
(ただ、このセット、通常CDは不要かな、と思いましたが・・・)

Bach: Sacred Works (11CD+4DVD+BLU-RAY) Box set, CD+DVD, Import

参考価格 8593円(Amazon 2017.11.6現在)

以下はいずれもSACDシングルレイヤー、2chステレオです。

(参考)
バッハ:ミサ曲 ロ短調 Limited Edition, SACD

参考価格 5199円(Amazon 2017.11.6現在)定価6912円

バッハ:マタイ受難曲 Limited Edition, SACD

参考価格 9096円(Amazon 2017.11.6現在)定価10368円

バッハ:クリスマス・オラトリオ Limited Edition, SACD

参考価格 9424円(Amazon 2017.11.6現在)定価10368円

バッハ:ヨハネ受難曲 Limited Edition, SACD

参考価格 5918円(Amazon 2017.11.6現在)定価6912円

最近では、通常CD何枚か組に、Blu-ray Audioがセットされるものがいくつも出ています。
私としては、通常CDはおまけで、大していらないと思います。

ロンドン交響楽団の自主レーベル、LSOでは、
サー・ジョン・エリオット・ガーディナー指揮による、
メンデルスゾーンの交響曲集や、
サー・コリン・デイヴィス指揮によるシベリウスの交響曲全集が、
SACD+Blu-ray Audioのセットで販売されています。
こうなると、結局聴くのはBlu-ray Audioの方ばかりになり、
SACDすら不要だったのでは、とも思ってしまいましたが・・・

(参考)
Symphony No. 5 'Reformation' (Hybrid SACD+Audio BLU-RAY) CD, CD+Blu-ray, Hybrid SACD, Import, Limited Edition, SACD

Sibelius Symphonies Nos 1-7 Box set, CD, Hybrid SACD, SACD, Import

ということで、今回の記事、結論としては、
高いSACDシングルレイヤー(ハイブリッドも含めて)に手を出す前に、
まずはBlu-ray Audioで出ていないか、一度調べた方がお得ですよ、
ということでした。
参考になれば幸いです。

もちろん、再生環境によっては、もしかするとSACDの方がすばらしいのかもしれません。
あくまで今回の記事は、我が家のホームシアター的再生環境
(何十万もお金をかけるようなレベルではありませんが・・・)での結論ですので、
悪しからず・・・

ちなみに、今ではダウンロードのハイレゾ音源の方が、
おそらくさらに高スペックなのですが、
私はどうも、形がないものよりも、目に見えるディスクがあった方が、
気持ち的に満足です。
ダウンロードでないと手に入らない廃盤を別とすれば、
たぶんそちらには、手を出さない予定です・・・

2017年6月 6日 (火)

札幌市手稲区・前田森林公園の藤(2017年6月上旬)

先日(2017年6月上旬某日)、妻と一緒に、
札幌市手稲区の前田森林公園に行ってきました。
毎年5月下旬から6月上旬にかけて見頃になる、
藤を観たかったからです。

車を持たない我が家にとって、
前田森林公園に行くのは結構時間がかかります。
地下鉄南北線、北24条駅から、
1番乗り場出発の北海道中央バス北72「前田森林公園行き」に乗車し、
バスでおよそ30分です。
前田森林公園のHPでは、他に地下鉄東西線宮の沢駅や、
JR手稲駅からのバスも載っていますが、
前田森林公園からかなり遠いバス停までしか行きません。
なお、北24条駅からのバスも、1時間に1本程度しかありません。)

このバスの終点はバス停「前田森林公園」ですが、公園に入りやすいのは、
1つ手前のバス停「前田森林公園入口」です。
(終点まで行って入口が遠くなってしまいました・・・)

さて、公園に入って100メートルほど行くと、美しい白樺並木が拡がっていました。
まるで、ロシアかフィンランドの景色かのよう・・・

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ちょうど家から外出する前に、ハンヌ・リントゥ指揮フィンランド放送交響楽団による、
シベリウスの交響曲第1番のBlu-rayを視聴していました。
シベリウスの繊細さがよくわかるすばらしい演奏でした。
(特に普段は金管に埋もれて聴こえないハープの音色が、
まるで夜空に広がるオーロラのようにさやかに聴こえてくるところには感動しました!
そのうち機会があれば、このBlu-rayについて書いてみたいと思っています。)
演奏の素晴らしさを思い出しながら、足を進めました。

前田森林公園は、公園内に全長600メートルの浅い運河があり、
その両側には、ポプラ並木が広がっています。
(全部で240本もあるそうです・・・)

ちょうど行った時には、運河に子連れのカモがいました。
かわいいので、写真に撮る人が何人もいました。

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さて、お目当ての藤棚は、運河の果てにありました。
藤の甘い香りが漂っていました・・・

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展望台付近から、運河と手稲山方面を見渡す景色です。

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展望台付近の藤棚。これでもまだ半分なのです・・・

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この眺めは、さながら風景画のようでした・・・

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今年(2017年)は6月3日、4日に「ふじまつり」が行われました。
藤の甘い香りに誘われるように、
公園内のヨーロッパ的で美しい運河沿いを歩いてみるのはいかがですか?

2016年11月 2日 (水)

シベリウス:交響曲第7番Op.105聴き比べ(SACD&Blu-ray Audio編)

最近、ロリン・マゼール指揮ウィーン・フィルによる、
シベリウスの交響曲全集のCD+Blu-ray Audioを入手しました(後述)。
そこで、SACDとBlu-ray Audioによる、
シベリウスの交響曲第7番の聴き比べを企画してみました。
(なぜ交響曲第7番かというと・・・一番短いからです。)

それでは聴き比べです。
オススメ順に紹介します。
指揮者・オケ名・レーベル・録音年月・
スペック(SACD ハイブリッドorシングルレイヤー、Blu-ray Audio)、
2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。

◯オスモ・ヴァンスカ指揮ミネソタ管弦楽団
2015年5〜6月
SACDハイブリッド Surround/Stereo
カップリング シベリウス:交響曲第3番&第6番

☆4.5
22:01

最もシベリウスらしさを感じさせる演奏です。
指揮者とオーケストラの存在を忘れて、
ひたすらシベリウスの音楽世界だけに浸ることができます。
録音も優秀です。

◯ロリン・マゼール指揮ウィーン・フィル
1966年2月
Blu-ray Audio(+通常CD)
2ch 96kHz 24bit
※シベリウス交響曲全集(「カレリア」組曲&「タピオラ」含む)

☆4.5
21:23

ヴァンスカ盤とは対極に、指揮者・オーケストラが雄弁に物語っています。
シベリウスというよりは、チャイコフスキーみたいな感じです。
シベリウスの本質云々とはほど遠い演奏ですが、
これだけ音の愉しさを堪能してくれるならOKです。
録音も60年代とは思えないほど鮮明です。
ところで、この全集、
CDとBlu-ray Audioがセット販売なのですが、
どっちがオマケなのでしょうね。
私からすれば、CDがオマケにしか思えません。

◯コリン・デイヴィス指揮ロンドン交響楽団
2003年9月
SACDハイブリッド Surround/Stereo
Blu-ray Audio 
5.1ch Surround DTS-HD MA 24bit/96kHz
※シベリウス交響曲全集(「大洋の女神」、「クレルボ交響曲」、「ポポヨラの娘」含む)

☆4.0
22:27

標準的な演奏といえます。
録音優秀です。
こちらは、SACDハイブリッド盤にBlu-ray Audioが付属しています。
こうなると、どちらがメインなのでしょうか・・・
ちなみに、SACDとBlu-ray Audioで同じ演奏を聴き比べてみると、
SACDよりもBlu-ray Audioの方が若干柔和に聴こえました。
かといって、SACDが劣るかというと、そうでもないような・・・
何百万もするオーディオ裝置があれば、優劣がはっきりするのかもしれませんが、
少なくとも我が家のオーディオではよくわかりませんでした。
好みの問題と、
1枚でシベリウスの交響曲全集を通して聴ける、というメリットの問題かもしれません。

◯オッコ・カム指揮ラハティ交響楽団
2013年1月
SACDハイブリッド Surround/Stereo

☆3.5
22:40

絶賛する方が多いようですが、
私にすると、
少しぼやけた感じ(良く言えば、「凍てつく」演奏ではなく「温もりのある」演奏?)がしました。
しかし、北欧の大自然を感じさせる演奏であることは間違いないです。

2016年4月10日 (日)

シベリウス:交響曲第2番聴き比べ6盤〜ただし、SACDに限る・・・

シベリウスの代表曲の1つ、交響曲第2番。
いろいろ意見はありましょうが、この曲がシベリウスの交響曲の中で、
最も有名かつ親しみやすい、というのは、異論がないはずです。
私もシベリウスの交響曲で初めて聴いたのはこの作品です。
(一番最初に聴いたシベリウス作品は・・・たぶん「フィンランディア」だと思います。)
たぶん、カラヤン指揮ベルリン・フィル(旧EMI)だったと記憶しています。
図書館で借りて聴きました(もう何十年も前です。)。
しかし・・・全然魅力的に思えなかったです。
その後、バーンスタイン指揮ウィーン・フィル盤(DG)に出会って、
シベリウスの魅力に開眼しました。
ただ、今バーンスタイン盤を聴くとしたら、
バーンスタインの体臭プンプンで、辟易すると思います。
人気を感じない、神々しいまでの大自然の美・・・
それこそ、シベリウスの魅力の真髄です。
交響曲第2番は、第3番以降の厳しさや理解を拒むようなものはなく、
美しい旋律美に満ちています。

シベリウスの交響曲第2番の名盤は、それこそたくさんあると思いますが、
今回は、SACD(シングルレイヤー、ハイブリッド問わず)に限定して、
聴き比べをしてみました。
2016年4月10日現在、6盤あります。
(ちなみに、通常CDは、9枚あります。)
上からオススメ順です。
後述のカラヤン指揮フィルハーモニア管盤までがオススメです。
指揮者→オケ名→カップリング曲→レーベル→録音年→
シングルレイヤー(S)orハイブリッド(H)の順です。

◯オスモ・ヴァンスカ指揮ミネソタ管盤(カップリング:交響曲第5番)BIS 2011 H

第1楽章09:11
第2楽章16:28
第3楽章05:47
第4楽章14:38
TOTAL46:14

今回の聴き比べで最も素晴らしかったものです。
ミネソタ管はアメリカのオケですが、響きは北欧そものです。
指揮者の解釈云々よりも、曲そのものの美しさ、北欧の情景が目に浮かんでくるようです。

◯オッコ・カム指揮ラハティ響盤(交響曲全集) BIS 2013 H

第1楽章 09:41
第2楽章 14:26
第3楽章 06:11
第4楽章 14:23
TOTAL 44:56

本場のオケ、ラハティ響を指揮した盤ですが、
凍てつくような表現にまで至らず、
むしろ少し暖かな感じの演奏です。

◯セル指揮クリーブランド管盤(ライヴ・イン・東京 1970)SONY 1970 S

第1楽章09:20
第2楽章12:56
第3楽章05:52
第4楽章14:26

ジョージ・セルが亡くなる前に来日した時の演奏です。
多少、ノイズが混じりますが、聴いているうちに気にならなくなります。
フィンランドの大自然は微塵も感じませんが、
むしろ、この後のカラヤン盤と同様、
オーケストラ曲としてのこの曲の魅力を十二分に引き出しています。
曲が終わると同時に「ブラボー!」が叫ばれるのは残念ですが、
自分も当時の聴衆だったとしたら、熱狂したかもしれません。

◯コリン・デイヴィス指揮ロンドン交響楽団(カップリング:ポポヨラの娘) LSO Live 2005 H

第1楽章09:42
第2楽章14:53
第3楽章06:06
第4楽章14:02

とても精緻な演奏です。
オーケストラ曲としての魅力を十分引き出しています。

◯カラヤン指揮フィルハーモニア管 WARNER 1960 H

第1楽章09:58
第2楽章14:24
第3楽章06:08
第4楽章15:18

年末年始の帰省で、実家に帰った時に、
なぜかこのジャケットのLPレコードがあったので、
興味を持ちました。
カラヤンらしい重厚さがありますが、ベルリン・フィル時代のような感じではなく、
意外にも結構聴きやすいです。

◯ベルグルンド指揮ロンドン・フィル(カップリング:交響曲第7番)LPO 2005 H

第1楽章10:14
第2楽章14:06
第3楽章06:03
第4楽章13:20
TOTAL43:43

ベルグルンドといえば、シベリウスのスペシャリスト。
期待していたのですが、この盤はちょっといただけなかったです。
第1楽章の出だしから、普通は曲想が拡がっていくような感じになるところ、
どんどん収縮していくような印象さえ受けました。
今回紹介した中ではかなり異質な演奏でした。
(異質であっても、説得力があれば別なのですが・・・)
最後まで盛り上がらないし、これはたぶん売却決定?
ベルグルンドの名誉のために言えば、ヘルシンキ・フィル盤と、
ボーンマス響盤は、名演ですよ。
(ヨーロッパ室内管弦楽団盤は・・・フツーかな?)

なお、今回の聴き比べは、あくまでSACDに限ったものです。
通常CDを含めての名盤決定は、別の機会にしたいと思います。
(セーゲルスタム、ベルグルンド/ヘルシンキ・フィル、ブロムシュテット、
ヴァンスカ/ミネソタ管又はラハティ響盤あたりが最有力候補でしょうか?)

2016年3月31日 (木)

シベリウス:交響曲第4番聴き比べ〜ベルグルンド(Berglund)盤3盤を中心に

シベリウスの交響曲の中で、最も難解と言われる、交響曲第4番。
私もつい最近まで、よくわからないので敬遠していました。
しかし・・・
今月初めに記事を書いた通り、
(→レイフ・セーゲルスタム(Leif Segerstam)指揮ヘルシンキ・フィルによるシベリウスの交響曲第4番〜聴く「視点」がようやく見えた!
レイフ・セーゲルスタム指揮ヘルシンキ・フィルの演奏で、
ようやくこの曲の美しさや「愉しさ」さえ、ひしひしとわかるようになりました。
私にとっての「シベリウス・ルネサンス」となりました。
(ただし交響曲に限りますが・・・)
今年の2月末から現在に至るまでに、
あっという間に所有盤が増えました。
現在(2016年3月下旬)、交響曲全集だけで10種類あります。
録音の古い順に名前だけ挙げておきましょう。
(いくつかは今後処分するかもしれませんが・・・)
・バルビローリ指揮ハレ管弦楽団(WARNER)1966〜70
・ザンデルリンク指揮ベルリン放送交響楽団(BERLIN Classics→edel)1971〜79
・ベルグルンド指揮ボーンマス交響楽団(WARNER)1972〜78
・ベルグルンド指揮ヘルシンキ・フィル(WARNER)1984〜87
・ブロムシュテット指揮サンフランシスコ交響楽団(DECCA)1989〜95
・コリン・ディヴィス指揮ロンドン交響楽団(SONY)1992〜94
・オスモ・ヴァンスカ指揮ラハティ交響楽団(BIS)1995〜97
・ベルグルンド指揮ヨーロッパ室内管弦楽団(FINLANDIA→タワレコ)1995〜97
・セーゲルスタム指揮ヘルシンキ・フィル(ONDINE)2002〜04
・オッコ・カム指揮ラハティ交響楽団(BIS)2012〜14※SACD

今回取り上げる、交響曲第4番は、上記の全集に含まれる他に3枚あります。
・カラヤン指揮ベルリン・フィル(DG)1965
・ザンデルリンク指揮ベルリン放送交響楽団(avex)1977※SACD
※上記全集盤と同じ録音ですが、SACD化されたものです。
・オスモ・ヴァンスカ指揮ミネソタ管弦楽団(BIS)2012※SACD

それでは、1枚ずつ取り上げていきましょう。
録音年代順ではなく、上からオススメの順です。
セーゲルスタム盤からコリン・ディヴィス盤まではオススメ盤です。
(1枚ものなら、ヴァンスカ/ミネソタ管盤か、
ベルグルンド/ヘルシンキ・フィル盤がオススメです。
全集のファーストチョイスとしては、
ベルグルンド/ボーンマス響盤及びブロムシュテット盤がコストパフォーマンス高です。)

①・セーゲルスタム盤(交響曲全集&ヴァイオリン協奏曲、フィンランディア)ONDINE 2003

第1楽章11:13
第2楽章04:54  
第3楽章11:25
第4楽章10:17
37:50

既にこの盤については記事を書いていますので今回はコメントを割愛します。

②・ブロムシュテット盤(交響曲全集)DECCA 1989

第1楽章10:31
第2楽章4:41  
第3楽章10:59
第4楽章10:09

特筆すべきは、第4楽章に、
作曲者が意図した通りの「鐘(チューブラー・ベル)」を使っていることです。
ただし、どうしてもNHKの「のど自慢」を連想してしまいます・・・
アメリカのオケながら、凍てついた響きを北欧のオケと見紛うほどに醸しだしています。
それでいて、第1楽章の雄弁さも見事です。

③・ヴァンスカ・ミネソタ管盤(交響曲第1番&第4番)※SACD BIS 2012

第1楽章11:59
第2楽章04:17  
第3楽章13:10
第4楽章08:48
38:28

SACDで聴くならこれがオススメです。
過不足ない、模範的な演奏といえます。
ラハティ響のものよりも一層北欧らしさを感じます。

④・ベルグルンド/ヘルシンキ・フィル盤(交響曲第4番&第7番) WARNER 1984

第1楽章09:38
第2楽章04:41  
第3楽章09:55
第4楽章09:47

シベリウスの交響曲第4番の名盤として挙げられることの多い盤ですが、
セーゲルスタム盤などで一度「わかった!」体験をしてから聴くと、
価値がわかると思います。
入門盤としてはオススメできませんが、
極北のシベリウス演奏としての価値はゆるぎません。

⑤・オッコ・カム/ラハティ響盤(交響曲全集)※SACD BIS 2014

第1楽章11:16
第2楽章04:50  
第3楽章11:46
第4楽章09:51
38:07

今回聴き比べた中で、第3楽章が最も秀逸でした。
録音も優秀です。
少し温かなシベリウス?

⑥・ベルグルンド/ボーンマス響盤(交響曲全集)WARNER 1975

第1楽章10:52
第2楽章04:47  
第3楽章11:17
第4楽章10:26

ベルグルンド盤では、
ヘルシンキ・フィルとヨーロッパ室内管の演奏の中間ぐらいにあたります。
この曲の入門編としては、案外最適なのかも・・・

⑦・ザンデルリンク盤(交響曲全集) BERLIN Classics→edel 1977

同一録音のSACDもあります。
ザンデルリンク盤(交響曲第4番他※SACDハイブリッド)avex

通常CDの時間で書きます。
第1楽章10:48
第2楽章04:47  
第3楽章10:05
第4楽章10:23
36:14

北欧というよりは、ドイツ音楽のがっしりとした感じがします。
(ザンデルリンクが指揮すると、ショスタコーヴィチもドイツ音楽風に聴こえます・・・)
SACDハイブリッド盤は既に入手が難しいかも・・・

⑧・コリン・ディヴィス/ロンドン響盤(交響曲全集) SONY 1994

第1楽章10:55
第2楽章04:53  
第3楽章12:17
第4楽章09:13

第4楽章に、鉄琴と鐘(チューブラー・ベル)を併用しています。
カラヤン盤よりも雄弁ですが、シベリウスの本質を踏み外していません。
なお、コリン・ディヴィスの指揮では、他にボストン響や、
ロンドン響との再録音(SACD)がありますが、
私はまだ聴いていません。

・カラヤン/BPO盤(交響曲第4番〜第7番他)DG 1965

第1楽章10:01
第2楽章04:46 
第3楽章12:00
第4楽章09:21

金管の強奏はチャイコフスキーの曲並になっているので、
部分的にはシベリウスらしさが吹っ飛んでいますが、
ベルリン・フィルのうまさには脱帽です。
北欧よりもロシア音楽と割りきって聴いてみたらいいのかも?

・ベルグルンド/ヨーロッパ室内管弦楽団(交響曲全集)FINLANDIA 1995

第1楽章09:18
第2楽章05:02  
第3楽章09:11
第4楽章09:29

ベルグルンド盤ではこの演奏をイチオシにする方も多いようですが・・・
フィンランドらしさや、北欧風情を期待するには向いていません。
純粋音楽としてのシベリウスを堪能するにはオススメかも。

・バルビローリ盤(交響曲全集)WARNER 1969

第1楽章09:56
第2楽章04:46 
第3楽章11:08
第4楽章10:27

温かいシベリウスです。

・ヴァンスカ/ラハティ響盤(交響曲全集)BIS 1997

第1楽章11:36
第2楽章04:29  
第3楽章14:04
第4楽章09:04
39:27

全体的に録音が小さめです。
ミネソタ管盤の方をオススメします。

第4楽章を聴くと、私は雪融けの野を、野うさぎが駆けていく様子が目に浮かびます。
ただ、最後は、こっそり忍び寄る狐か他の肉食獣に、
あっけなくやられてしまう(静かで悲劇的な響きで終わるので)・・・

第1楽章の冒頭は確かに暗鬱な響きですが、
そこを乗り越えれば、きれいな雪景色(?)が待っています。
(第1楽章の最初と第4楽章の最後をつなげてみれば、
作曲者の夢オチなのかもしれませんね・・・)

2016年3月 3日 (木)

レイフ・セーゲルスタム(Leif Segerstam)指揮ヘルシンキ・フィルによるシベリウスの交響曲第4番〜聴く「視点」がようやく見えた!

シベリウスの交響曲の中で、最も難解・晦渋とされるのが、
交響曲第4番Op.63です。
何回か聴いても、暗くて憂鬱な感じがするので、
曲の魅力がよくわかりませんでした。

先日、シベリウスのヴァイオリン協奏曲の記事を書きました。
(→BS日テレ・読響シンフォニックライブ〜オスモ・ヴァンスカ指揮、エリナ・ヴァハラ独奏によるシベリウスのヴァイオリン協奏曲(2016年2月27日放送)
その関係で、家にあるシベリウスのヴァイオリン協奏曲のCDを聴き直していました。
(現在、4盤所有中。)
聴き比べの記事
(→シベリウス:ヴァイオリン協奏曲Op.47
〜ヒラリー・ハーン(Hilary Hahn)のDG録音他
)では、
それほど高評価ではなかった、
レイフ・セーゲルスタム(Leif Segerstam)指揮ヘルシンキ・フィル&
ペッカ・クーシスト(Vn)の演奏も、もう一度聴きました。
(シベリウス:交響曲全集&ヴァイオリン協奏曲の中の1枚)

レイフ・セーゲルスタム(Leif Segerstam)指揮ヘルシンキ・フィルによる、
シベリウス:交響曲全集&ヴァイオリン協奏曲(4枚組)
ペッカ・クーシスト(Vn)

ついでに聴いてみようと思った、交響曲第4番が、
実は超名演だったのです!
ベルグルンド指揮ヘルシンキ・フィルや、
カラヤン指揮ベルリン・フィルといった、一般的な名盤では、
決して垣間見ることのできなかった、この曲の真の魅力が、
ようやく見えた気がしました。

例えて言えば、ステレオグラム(立体視するための絵)で、
ある状態・視点でみると、立体的な字や絵が浮かび上がって見えてくる、
そんな感じでしょうか。
(私はニガテですが・・・)
凍てつく暗い夜の中にも、天空にはオーロラが舞っていたり、
少しずつ春の訪れが近づいていたり・・・
第4楽章では、雪原の中で少しずつ雪融けがある中、
うさぎたちが跳び跳ねているような光景が見えてきました・・・

念のため、家にある他の盤でも同じように感じるのか
(何かヴィジョンが見えるのか)、聴き比べてみました。
我が家にあるのは、上記の他に3盤です。

パーヴォ・ベルグルンド指揮ヘルシンキ・フィル(EMI)
(交響曲第1〜4番、2枚組)

カラヤン指揮ベルリン・フィル(DG)
(交響曲第4〜7番他、2枚組)

バルビローリ指揮ハレ管弦楽団(WARNER)
(交響曲全集他)

結論から言うと、まず、バルビローリ盤は冒頭少し聴いただけで、
もうパスと思いました・・・
流麗なカラヤン盤でさえ、
シベリウスの魅力の「狭き門」は閉じたままでした。
ベルグルンド盤は、セーゲルスタム盤に近いものの、
今まで通りの、晦渋である、
という印象の域からぬけ出すことはできませんでした。

北国の漆黒と白銀の美しさを見る「視点」を、
ようやくセーゲルスタム盤を聴いて、つかむことができたように思えました。
ここ数日、頭の中には、第4楽章の冒頭を中心に、
いくつかの旋律の断片が流れています・・・

2016年2月27日 (土)

BS日テレ・読響シンフォニックライブ〜オスモ・ヴァンスカ指揮、エリナ・ヴァハラ独奏によるシベリウスのヴァイオリン協奏曲(2016年2月27日放送)

月に1度放映される、BS日テレの「読響シンフォニックライブ」。
毎回録画はしていますが、興味が無い曲や、たいした演奏でないと、
すぐに消去してしまうことが多いのですが・・・
今回の放送は違いました!

オスモ・ヴァンスカが読響を指揮して、
シベリウスのヴァイオリン協奏曲を演奏しました。
ソリストはエリナ・ヴァハラ
失礼ながら、私にとっては初耳のヴァイオリニストでした。

最初の響きからして、日本のオケだということを忘れてしまいそうでした。
曲が進めば進むほど、演奏者の存在を忘れて、
大自然の美に畏怖するような感さえ抱きました。
オーケストラのいざという時の迫力!
(金管の力強さは、フィンランドを通り越してロシアのオケ並?)
そして、ソリストも、いい意味でまったく奏者の存在を超えて、
ただただシベリウスの音の大自然を、
ハイビジョンカメラであるかのように垣間見せてくれました。
第2楽章の途中で、あまりの美しさで、涙が出てきました。
早朝の放送だったので、録画してみましたが、
思わず3回続けて視聴してしまいました・・・

エリナ・ヴァハラのCDは、あまりないようです。
かなりマニアックな曲の録音ばかりですね。
こちらはハイドンのヴァイオリン協奏曲のSACDです。

ソリストの素晴らしさ以上に、
読響をあたかもフィンランドのオケのようにしてしまう、
オスモ・ヴァンスカの指揮は只者ではないと思いました・・・
ラハティ響との演奏が有名ですが、
最近では、アメリカのミネソタ管弦楽団と、
シベリウス作品をレコーディングしています。
下は、2014年度のグラミー賞
(Grammy Award for Best Orchestral Performance)を受賞したアルバムです。
シベリウスの交響曲第1番、第4番を収録したSACDです。
そのうち手に入れるかも・・・

シベリウスのヴァイオリン協奏曲については何度か記事を書いていますので、
よろしければお読みください。
それにしても、なんと素敵な曲なのでしょうか・・・

シベリウス:ヴァイオリン協奏曲Op.47〜ヒラリー・ハーン(Hilary Hahn)のDG録音他
NHKEテレ・クラシック音楽館<ハンヌ・リントゥ指揮 フィンランド放送交響楽団演奏会>(2015年11月29日放送)〜諏訪内晶子ソロによる、シベリウス:ヴァイオリン協奏曲の驚異的な美しさ!

2015年11月30日 (月)

NHKEテレ・クラシック音楽館<ハンヌ・リントゥ指揮 フィンランド放送交響楽団演奏会>(2015年11月29日放送)〜諏訪内晶子ソロによる、シベリウス:ヴァイオリン協奏曲の驚異的な美しさ!

霧が立ち込めるようなオケの弱音の中、
諏訪内晶子さんが奏でるヴァイオリン・ソロの音色が、
オーロラがひらめく別世界へと誘いました・・・

2015年11月29日放送のNHKEテレ・クラシック音楽館では、
2015年11月4日、サントリーホールでの、
ハンヌ・リントゥ指揮 フィンランド放送交響楽団演奏会を放映していました。
(コンサートから1ヶ月も経たないで放送されるとは!)
演奏は、オール・シベリウス・プログラムで、
1.交響詩「フィンランディア」作品26
2.ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
3.交響曲 第2番 ニ長調 作品43
の3曲と、アンコール2曲が放映されました。
珍しくリアルタイムで観ました。
フィンランディアと、交響曲第2番は、
佳演程度かな、と思います。
特段すごく感動したとかはありませんでした。
(アンコールも同様・・・)
しかし、ヴァイオリン協奏曲は別格でした!
諏訪内晶子さんのこの曲におけるソロは、
たぶん現在、世界最高ではないかと思います。
北極圏の長い夜の中、空には美しい星とオーロラがひろがり、
トナカイなどの野生動物が寒さをこらえつつ蠢いている・・・
そんな光景が目に浮かぶようです。
ソリストの存在すら忘れて、シベリウスの脳内に響いていた音が、
忠実に再現されているかのようでした。
ソリストとオーケストラが対峙するのではなく、
渾然一体となって、音の大自然が繰り広げられていました・・・

リアルタイムで観たほかに、録画してあったので、
もう2回も繰り返し視聴してしまいました。
CD化されたら、ぜひ欲しいぐらいです。

諏訪内晶子さんのシベリウス:ヴァイオリン協奏曲の演奏CDについては、
先日記事を書きましたので、よろしければお読みください。
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲Op.47〜ヒラリー・ハーン(Hilary Hahn)のDG録音他
シベリウスのヴァイオリン協奏曲のCDなら、
迷わず諏訪内晶子さんのCDをファーストチョイスしてほしいものです。


演奏の前に、指揮者のハンヌ・リントゥ氏が、
第1楽章のカデンツァの位置について触れ、
「中間部分にカデンツァを配置することで、
アーチ型の構造になっている」というような発言をしていました。
なるほど・・・

諏訪内晶子さんは、先日、2015年11月24日に放送された、
「N響 in 北京~日中友好 音の架け橋~」で、
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲のソロを弾いていました。
(こちらは、2015年10月31日、北京 国家大劇院音楽庁での収録)
この時のソロも素晴らしかったですが、N響はまぁまぁ(安全運転?)・・・
なお、この放送、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲以外は、
全部カットしました。
諏訪内晶子さんとメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の相性は・・・
メンコン(メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を略すとこうなるそうです。)は、
ロマンティックな歌いまわしがぴったりなので、
大絶賛とまではいかなかったです。

本題に戻って・・・
ともあれ、涙がこぼれそうなぐらいの美演をテレビ録画で満喫できたのは、
実に幸いでした!

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