カテゴリー「クラシック音楽・ブルックナー」の12件の記事

2020年6月13日 (土)

ブルックナーの交響曲第0番にハマってみた・・・

先月末(2020年5月)に、ブルックナーの交響曲第1番について記事を書きました。

ヨッフム&BPOによるブルックナー:交響曲第1番~別次元の名演(附:大作曲家の交響曲第1番ベスト5)

 

この記事を書くにあたって、

朝比奈隆のブルックナー交響曲全集(SACDシングルレイヤー)を聴きました。

第1番だけ聴く予定が、「せっかくだから、順番に、第0番も聴いてみよう」と、

たいして期待していなかった第0番を聴くきっかけになりました。

 

ブルックナーの第1番自体、まともに聴くのは20年ぶりぐらい、

第0番も同じくらい久しぶりでしょう。

ブルックナーの交響曲にどっぷりハマった若き日々・・・

しかし、第0番と第1番は価値を見出せませんでした。

第2番なら、ジュリーニ&シカゴ響盤という名盤で何度も聴いたことがありますが、

それでも、第3番以降の曲に比べると、聴いた回数はわずかにすぎません。

 

第0番は、たしか、

インバル指揮フランクフルト放送交響楽団(現:hr交響楽団)ので聴きました。

 

(参考)Bruckner: Symphonies 0-9 / Symphony in F Minor CD, ボックスセット, インポート

 

まさしく、「へー」で1回聴いて終わりだった・・・

聴いた、という事実しか残らなかった感じです。

当時、後述の朝比奈隆指揮のブルックナー交響曲全集(通常CD)も持っていましたが、

第0番は聴く気がまったくなかったです。

 

そんな私が、ブルックナーの交響曲第1番の魅力にようやく気付き、

(ブルックナーの交響曲を本格的に聴き始めて、20数年の時が流れていました・・・)

ついでに、第0番もそれなりにステキな曲だと気づくことができました。

特に第1楽章。

まぎれもなく、ブルックナーの刻印が刻まれています。

今の私にとっては、少なくとも交響曲第1番よりも、

この第0番の方が、ステキに感じています。

 

第0番再発見のきっかけになった、朝比奈隆盤はコチラ↓

ブルックナー: 交響曲全集(0-9番)、アダージョ第2番、「朝比奈隆ブルックナーを語る」<タワーレコード限定>

 

せっかくなので、比較のために何枚か入手してみることにしました。

1枚目は、シモーネ・ヤング指揮ハンブルク・フィルハーモニカー(SACDハイブリッド盤)。

1~9番は持っていましたが、あえて第0番は聴くこともなかろうと、

揃えていませんでしたが、この機会に入手しました。

 

アントン・ブルックナー:交響曲 第0番 ニ短調 WAB100《1896》(Anton Bruckner : Symphonie Nr.0)[SACD-Hybrid] CD, Hybrid SACD, インポート, SACD

 

第3番以降の大迫力な演奏と違って、こじんまりとした感じに仕上がっています。

申し訳ないですが、曲の魅力を伝えるまでには至っていない盤かもしれません。

 

さて、本命2盤を紹介しましょう。

第0番を聴くなら、この2盤があれば、もう十分ではないでしょうか?

 

1枚目は、朝比奈隆指揮東京都交響楽団(フォンテック、通常CD)

 

ブルックナー 交響曲第0番 ライブ

 

通常CDですが、音の迫力は、

前述の朝比奈隆指揮大阪フィルハーモニー交響楽団盤よりも上です。

特に第1楽章!

あたかも後期の交響曲のような、重厚かつ愉しい演奏です。

この曲の美点、力強さを十二分に引き出した名盤です。

交響曲第0番を聴くなら、まずファースト・チョイスです。

 

もう1盤は、

スクロヴァチェフスキ指揮読売交響楽団盤(DENON、SACDハイブリッド盤)です。

旧盤(ザールブリュッケン放送交響楽団)もそれなりに評価が高いようですが、

単品で入手が難しいようなので(全集は入手可)、

それなら、思い切ってSACDにしよう、と思いました。

そして見事大当たり!

 

ブルックナー:交響曲第0番 SACD

 

(参考)ブルックナー:交響曲全集[12CDs]

 

音の迫力こそ、朝比奈盤に軍配を上げますが、

それに匹敵するぐらい、聴いていて愉しく心地よい感じがしました。

録音は当然ながら優秀です。

 

朝比奈隆&東京都交響楽団盤、スクロヴァチェフスキ指揮読売交響楽団、

この2盤を聴いてからだと、朝比奈隆指揮大阪フィル盤、シモーネ・ヤング盤は、

影が薄くなってしまいました・・・

この2盤を繰り返し繰り返し、何度も聴いていました。

第3番以降の曲と比較しなければ、それなりに愉しめる曲なのだ、と実感しました。

2020年5月31日 (日)

ヨッフム&BPOによるブルックナー:交響曲第1番~別次元の名演(附:大作曲家の交響曲第1番ベスト5)

先日、タワレコで、オイゲン・ヨッフム指揮ベルリン・フィル他による、

ブルックナーの交響曲第1番~第3番+宗教曲集のSACDハイブリッド盤を購入しました。

順番に聴いてみました。

交響曲第1番、第2番、第3番どれも彫りが深い名演ですが、

中でも交響曲第1番は別格の演奏でした。

ブルックナー: 交響曲全集Vol.1(交響曲第1-3番、モテット集)+<特別収録>交響曲第3番第2楽章リハーサル(SA-CD層のみ)<タワーレコード限定>

(1枚モノ)

 

ブルックナーの交響曲全集は、かつて10セット以上もっていた時期もありますが、

今は何盤かだけになりました。

それでも、特に、0番~2番は、3番以降に比べると、ほとんど聴く気がなかった、というのが、

正直なところです。

(3番以降の曲ならそれなりの盤数がありますが・・・)

 

確かに、ブルックナーの交響曲第1番は、「名曲」レベルか、と言われれば、

「あと一歩」ぐらいのところの曲でしかないと思います。

しかし、ヨッフム&BPOの演奏が、名曲たらしめていると言っても過言でないです。

 

家にあった、他のCD、SACDを聴いてみました。

朝比奈隆指揮日本フィル(SACDシングルレイヤー)

ブルックナー: 交響曲全集(0-9番)、アダージョ第2番、「朝比奈隆ブルックナーを語る」<タワーレコード限定>

オイゲン・ヨッフム指揮シュターツカペレ・ドレスデン(通常CD)

(1枚モノ)

(全集)

シモーネ・ヤング指揮ハンブルク・フィル(SACDハイブリッド)

 

同じヨッフム盤でも、シュターツカペレ・ドレスデン盤の方は、

音の迫力がありません。

朝比奈隆盤も、ヨッフム&BPO盤に比べると、カラーと白黒ぐらいの違いがあります。

ヨッフム&BPO盤に迫りそうだったのが、シモーネ・ヤング盤です。

これは、録音の迫力によるところが大です。

それでも、ヨッフム&BPO盤は、まさに別次元の演奏といえます!

 

ちなみに、朝比奈盤では、SACDシングルレイヤー1枚に、

交響曲第0番から第2番まで収録されていますので、

順番に聴いてみると、曲としては、第0番の方が面白いな、と思いました。

そのうち集中的に聴いてみたいと思います。

 

(おまけ)

ところで、大作曲家の交響曲第1番といえば、皆さんは何を思い浮かべますか?

大作曲家の交響曲第1番ベスト5というのを、今回考えてみました。

残念ながら、ブルックナーの交響曲第1番は、ベスト10には入ると思いますが、

ベスト5には無理かも・・・

私なりの、大作曲家の交響曲第1番ベスト5は、以下のとおりです。

1位 ブラームス:交響曲第1番

2位 マーラー:交響曲第1番「巨人」

3位 シベリウス:交響曲第1番

4位 ベートーヴェン:交響曲第1番

5位 シューマン:交響曲第1番「春」

次点 プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」

2020年5月 8日 (金)

マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団のSACD10枚組(2)~追加でさらに4枚

先日の記事の続きです。

マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団のSACD10枚組~休日にとりあえず4枚聴いてみた(2020年5月 6日)

 

 

 この記事の後、さらに4枚追加で聴いてみました。

SACD3のブルックナー:交響曲第7番、SACD4のブルックナー:交響曲第8番、

SACD9のショスタコーヴィチ:交響曲第7番、SACD10のチャイコフスキー:交響曲第5番他、です。

 

特に素晴らしいのは、ブルックナーの交響曲第7番と、チャイコフスキーの交響曲第5番でした。

両曲とも、これといって指揮者の「オレはこうやるぞ!」といった意気込みは微塵も感じられない一方、

音の響かせ方がとても心地よく、

そう、ブラウン管テレビから液晶テレビ、

いや4Kテレビを観ているかのような細部の鮮明さが感じられました。

音だけでここまで聴かせるのは、まさに職人技といったところでしょう。

録音も素晴らしく、機会があればまた聴いてみたくなります。

 

ブルックナーの交響曲第8番、ショスタコーヴィチの交響曲第7番は・・・

やめておきましょう。ただ、標準的な、模範的な演奏といえます。

しかし、1回聴けば十分かも・・・

2020年1月 5日 (日)

2019~2020年末年始の音楽番組あれこれ(クラシック音楽を中心に)

2019年~2020年の年末年始、皆様はいかがお過ごしでしたか。

私ども夫婦はのんびり過ごしました。

さて、この年末年始、いくつかの音楽関係のテレビ番組を観ました。

 

まずは、12月31日、大晦日恒例の紅白歌合戦。

N響の第9が始まるまで(19:15~20:00)観ていました。

あまり印象に残るものはありませんでしたが、

演歌歌手の島津亜矢さんが、中島みゆきさんの名曲「糸」を歌っていたのは、

良かったと思いました。

しかし一方、

どうしてご本人の持ち歌(私は演歌にあまり詳しくないのでよくわかりませんが)ではなく、

カバー曲を歌うことになったのか、選曲のセンスに疑問をもちました。

 

続いて、N響の第9。

今年はシモーネ・ヤングさんの指揮。

女性が年末のN響の第9を指揮するのは、初めてとのことでした。

私は、実力があれば、男性、女性、LGBT・・・関係ないと思っています。

第1楽章は、なかなかの演奏だったと思います。

しかし、第2楽章、第3楽章は少しパワーダウン。

第4楽章は、途中からスピードアップして、熱が入っているなぁ・・・と感じました。

全体的には、安全運転な演奏ではない印象になったので、

なかなかの演奏だったと思います。

 

シモーネ・ヤングさんの指揮では、ブルックナーとブラームスのSACDが名演だと思いますので、

ぜひ聴いてみてください。

実際、私は過去記事で、ブラームスの交響曲第1番、ブルックナーの交響曲第3番、第9番で、

高評価をしています。

シモーネ・ヤング(Simone Young)指揮ハンブルク・フィル

(Philharmoniker Hamburg)による、ブルックナー:交響曲第3番(1873年初稿版)

 

ブルックナー:交響曲第9番聴き比べ(3)〜その他編4盤

 

ブラームス:交響曲第1番、SACDで聴き比べ6盤

 

 

ブルックナー:交響曲全集 ボックスセット(通常CD)

 

ブラームス:交響曲第1番(ハンブルク・フィル/ヤング) インポート, SACD

 

その後(21:20~)、紅白ではなく、

NHKBSプレミアムの映画「大いなる西部」を観ることになりました。

映画が終わってから(23:40頃)、ようやく、

テレビ東京/BSテレビ東の、

東急ジルベスターコンサート2019-2020にチャンネルを合わせました。

奇しくも、こちらでも女性の指揮者(沖澤のどかさん)が活躍していました。

昨年(2019年)のブザンソン国際指揮者コンクールで優勝した方です。

例年と違って、指揮者は2名体制でした。

メインプログラムである、カウントダウンの曲(ホルストの「木星」)は、

山田和樹さんの指揮でした。

年が明けて、最初の曲は武満徹編曲の「さくら」でしたが、

次の曲である、森山直太朗の「さくら」(独唱)の編曲版は、合唱がとても美しかったです。

あと、ベートーヴェンの生誕250年を記念して、

「第9」第4楽章の声楽が入るところからの抜粋演奏もありました。

さすがにN響の「第9」を聴いてからだと、少し・・・

ソプラノの森麻季さんだけは別格でしたが。

放送時間の関係か、尻切れトンボ的で終わってしまったのは少し残念でした。

 

1月1日といえば、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート!

今年の指揮はアンドリス・ネルソンスさん。

今年の選曲は、かなり通好みというか、なじみの曲が乏しいというか・・・

第1部は通して聴きましたが、第1部が終わった後は、

裏番組の、東京フレンドパークを観てしまいました。

第2部の大半は、録画で観ました。

スッペの「軽騎兵序曲」、ヨハン・シュトラウスⅡの「トリッチ・トラッチ・ポルカ」、

あと恒例の2曲、これ以外はすべて初めて聴く曲でした。

(そういえば、ベートーヴェン作曲の「12のコントルダンス」の中に、

交響曲第3番「英雄」の第4楽章に出てくるメロディがありました!

第7曲にあたるのが、それです。)

 

私は買いませんが、一応、今回のコンサートのCD、BDを紹介しておきます。

 

ニューイヤー・コンサート2020(CD)

ニューイヤー・コンサート2020 [Blu-ray]

 

さて、年末年始の音楽番組で、一番面白かったのが、

NHK総合で1月1日に放送された、「NHKバーチャル紅白歌合戦」でした。

本家の紅白歌合戦よりこちらの方が面白いのでは、とさえ思ったほどです。

VTuber(YouTubeなどで活躍するヴァーチャルアーティスト)を紅組、

実際の歌手を白組にした、コンパクトな歌合戦でした。

VTuberの歌は価値がよくわからないのが多かったですが、

白組の方は、結構豪華でした。

あの演歌の大御所、細川たかしさんが、「宇宙戦艦ヤマト」の主題歌を歌う、というのもありました。

圧巻は、やはり森口博子さんの「水の星へ愛をこめて」と、

高橋洋子さんの「残酷な天使のテーゼ」、「魂のルフラン」でした!

特に森口博子さんの歌声は、年末年始の音楽番組中で、最も感動しました!

ちょうど、2019年12月30日の日本レコード大賞で、企画賞を受賞されましたね。

森口博子 ガンダムカバーでレコ大企画賞 Z主題歌「水の星へ愛をこめて」を熱唱 

このニュース、Yahoo!ニュースで知りました。放送観たかったと思いました・・・

おめでとうございます!!!

どうして本家の紅白歌合戦の方に声がかからなかったのだろう、と不思議なほどでした。

リアルタイムで「Zガンダム」を観ていた世代としては、まさに感涙モノでした。

しかも、歌っていた当時の透明感を残しつつも、歌唱力は全然衰えることなく、

むしろ表現力が大幅にアップしているという稀有な歌声ですね。

ガンダムの映像はないですが、ガンダムっぽい世界観の宇宙戦の映像バックはステキでした。

(ガンダムよりは、マクロス(劇場版)やマクロスFの最終決戦みたいな・・・)

高橋洋子さんの歌のバックには、エヴァ初号機がモロに出ていましたが、

もう一工夫、一ひねりが必要かな、とも思いました。

最後の紅白の結果は・・・

オトナの事情で、勝敗なしでした。

 

GUNDAM SONG COVERS

↑実は私も所有しています。

2019年4月 2日 (火)

ブルックナー:交響曲第9番聴き比べ(3)〜その他編4盤

ブルックナーの交響曲第9番、聴き比べ第3回目、最終回です。

今回は、ウィーン・フィル、ベルリン・フィル以外のオケでの演奏を取り上げます。

 

それでは、聴き比べです。

指揮者、オケ名、レーベル、録音年月、スペック(SACD、CD等)、

カップリング曲、Amazonへのリンク(ジャケット画像)又は、タワレコへのリンク、

演奏時間の順です。その後に、評価です。

☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。

前回と同様、聴く前の予想と、聴き比べての結果、という形で書いてみます。

 

◯カルロ・マリア・ジュリーニ指揮シカゴ交響楽団(WARNER)※SACDはタワレコ限定

1976年12月

SACDハイブリッド(SACD Stereo、CD)

カップリング曲 ブルックナー:交響曲第2番(2枚組)

 

ブルックナー: 交響曲第2番、第9番<タワーレコード限定> 

(以下は通常CDです。)

Carlo Maria Giulini: The Chicago Years オリジナルレコーディングのリマスター, ボックスセット, インポート

第1楽章 25:16

第2楽章 11:05

第3楽章 26:42

 

◯朝比奈隆指揮新日本フィルハーモニー交響楽団(タワレコ限定)

1980年6月

SACDシングルレイヤー(SACD Stereo)

ブルックナー交響曲全集(SACD3枚組)

 

【SACD】ブルックナー: 交響曲全集(0-9番)、アダージョ第2番、「朝比奈隆ブルックナーを語る」<タワーレコード限定>

(以下は通常CDで、しかもプレミア付きの価格なので、参考まで・・・

SACDを聴ける環境があるならば、上記タワレコ盤をオススメします。)

朝比奈隆メモリアル・ボックス/ブルックナー交響曲全集 限定版

第1楽章 27:28

第2楽章 10:47

第3楽章 28:18

 

◯ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(DECCA)

※タワレコ限定

1995年1月

通常CD

カップリング ブルックナー:弦楽オーケストラのためのアダージョ 変ト長調

(弦楽五重奏曲 第3楽章より編曲)

 

CD】ブルックナー: 交響曲第9番, 弦楽オーケストラのためのアダージョ<タワーレコード限定>

(以下、どうしてもAmazonで買いたいという人向けに、参考まで・・・)

Bruckner;Symphony No.9 インポート

第1楽章 24:48

第2楽章 10:08

第3楽章 25:17

 

◯シモーネ・ヤング(Simone Young)指揮

ハンブルク・フィルハーモニカー(Philharmoniker Hamburg )(OEHMS)

2014年10月

SACDハイブリッド(SACD Multichannel,CD)

カップリング なし

Bruckner: Symphony No 9 Hybrid SACD, SACD, インポート

第1楽章 24:32

第2楽章 11:50

第3楽章 22:36

 

さて、前回に引き続き今回も、4盤の基本データを紹介したところで、

これから、聴き比べる前の予想と、聴き比べてみての感想を書きます。

 

聴くポイントは前回までと同様、

1.第1、第2楽章の厳しさ

2.第3楽章の金管コラールと浄福感

でしょうね・・・

 

聴き比べる前の予想は、

1.ヤング盤

2.朝比奈盤

3.ジュリーニ盤

4.ブロムシュテット盤

という順でした。

実際、この予想の通りでした。

 

ヤング盤☆4.5

朝比奈盤☆4.0

ジュリーニ盤☆4.0

ブロムシュテット盤☆3.5

といったところでしょう。

 

シモーネ・ヤング盤は、SACDマルチチャンネルというのが最大のウリで、

もう、圧倒的な音の洪水です!

音の洪水の中に飲み込まれてしまいました・・・

今回聴き比べたすべてのSACD、CDの中でも、

最も録音が素晴らしいものといえます。

女性の指揮者だからといって、侮ることなかれ!

録音が素晴らしい盤で聴きたいなら、このシモーネ・ヤング盤を迷わずオススメします。

 

朝比奈隆盤は、とても剛毅な演奏です。

とても男性的で、バレンボイムが弾き振りするモーツァルトのピアノ協奏曲や、

ムラヴィンスキーが指揮するチャイコフスキーの交響曲みたいな力強さがあります。

このSACDは、3枚組ですが、

1枚で交響曲第7番、第8番、第9番を通して聴くことができます。

ついつい通して聴いてしまいました・・・

多少、演奏のアラが聴こえてしまいますが、そんな些細なことにこだわらず、

思わず引き込まれてしまう演奏といえます。

 

ジュリーニ盤は、端正な演奏です。

ウィーン・フィルを振っての演奏と比べると、

さほど個性的ではありませんが、

歌心にあふれています。

ショルティ時代全盛期のあのシカゴ響が・・・

 

ブロムシュテット盤は、オマケの「アダージョ」のために残しておいたものです。

こちらは標準的な演奏といえます。

 

全3回に分けての聴き比べ記事を終えて、

結論として、オススメ盤を4枚挙げると・・・

 

1.シモーネ・ヤング盤

2.ヨッフム盤(DG)

3.朝比奈隆盤(新日本フィル、1980)

4.シューリヒト盤

ということになりました。

2019年3月28日 (木)

ブルックナー:交響曲第9番聴き比べ(2)〜ベルリン・フィル・SACD編3盤

ブルックナーの交響曲第9番、聴き比べ第2回目です。

今回は、ベルリン・フィルのSACDシングルレイヤー編となります。

 

それでは、聴き比べです。

指揮者、オケ名(今回はすべてベルリン・フィル)、

レーベル、録音年月、スペック(今回はすべてSACDシングルレイヤー)、

カップリング曲、Amazonへのリンク(ジャケット画像)、演奏時間の順です。

その後に、評価です。

☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。

前回と同様、聴く前の予想と、聴き比べての結果、という形で書いてみます。

 

◯オイゲン・ヨッフム指揮ベルリン・フィル(DG)

1964年12月

SACDシングルレイヤー

カップリング曲 ブルックナー:テ・デウム

ブルックナー:交響曲 第9番、テ・デウム(紙ジャケット仕様) 限定版, SACD

 

第1楽章 23:14

第2楽章 09:48

第3楽章 27:50

 

◯カラヤン指揮ベルリン・フィル(DG)

1975年9月

SACDシングルレイヤー

カップリング曲 

ブルックナー:交響曲第7番、交響曲第8番、テ・デウム

ワーグナー:ジークフリート牧歌

※SACD3枚組

ブルックナー:交響曲第7番~9番、テ・デウム限定版, SACD

 

 

第1楽章 24:58

第2楽章 10:41

第3楽章 26:06

 

◯ギュンター・ヴァント指揮ベルリン・フィル(SONY)

1998年9月

SACDシングルレイヤー

カップリング曲 

ブルックナー:交響曲第4番、交響曲第5番、交響曲第7番、交響曲第8番

※SACD5枚組

ブルックナー:交響曲選集1996-2001 (完全生産限定盤) 限定版, SACD

 

第1楽章 26:11

第2楽章 10:22

第3楽章 24:56

 

さて、前回に引き続き、3盤の基本データを紹介したところで、

これから、聴き比べる前の予想と、聴き比べてみての感想を書きます。

 

聴くポイントは前回と同様、

1.第1、第2楽章の厳しさ

2.第3楽章の金管コラールと浄福感

でしょうね・・・

 

聴き比べる前の予想は、

1.ヨッフム盤

2.ヴァント盤

3.カラヤン盤

という順でした。

実際、この予想の通りでした。

 

ヨッフム盤☆4.5

ヴァント盤☆4.0

カラヤン盤☆3.5

というところでした。

どれも響きが充実しており、聴き応え抜群でした。

あえて1枚、というなら、迷わずヨッフム盤をオススメします。

 

ところで、私はヴァント&ベルリン・フィル盤のSACDマルチチャンネル盤を持っていました。

それらを売り払って、SACDシングルレイヤー盤を買ってみたのですが・・・

マルチで聴ける環境にあり、超高級オーディオ機器を持っているわけでないなら、

マルチチャンネル盤を手放す必要はなかったのかな・・・と思いました。

 

あと、「終楽章が未完であれば代わりに『テ・デウム』を 」

というブルックナーの発言(1894年)に基づき、

第3楽章の後に、「テ・デウム」を置く録音のやり方を、

ヨッフム盤、カラヤン盤では採用しています。

(SACDシングルレイヤーならではの、長時間収録を生かしてのモノですね。)

確かに、ベートーヴェンの「第9」みたいな感じにはなりますが、

私としては、第3楽章の静かな終焉が一番ベストなのでは、と思っています。

2019年3月17日 (日)

ブルックナー:交響曲第9番聴き比べ(1)〜VPO・SACD編3盤

先日(2019年3月上旬)、
ギュンター・ヴァント指揮ベルリン・フィルによる、
「ブルックナー:交響曲選集1996-2001」のSACDシングルレイヤーを入手し、
合わせて、エソテリックからの、
ジュリーニ指揮ウィーン・フィルの、
ブルックナー:交響曲第9番のSACDハイブリッドを入手しました。

ブルックナー:交響曲選集1996-2001 (完全生産限定盤) 限定版, SACD

(参考)
ブルックナー:交響曲第9番 CD

そこで、上記2盤に共通する、
ブルックナーの交響曲第9番を聴き比べてみることにしました。

ブルックナーの交響曲第9番は、ブルックナーの作品としては比較的短いとはいえ、
演奏時間が約60分にもなります。
我が家に残った(先日、かなり手放したので・・・)盤だけでも、
まだ10盤あります。
全部聴いたら約600分=10時間・・・

それならば、カテゴリごとに分類してはどうか、と思いました。
すなわち、(1)ウィーン・フィル(3盤)、
(2)ベルリン・フィル(3盤)
(3)その他(4盤)

ということで、今回は、第1回目として、
ウィーン・フィルによる3盤を聴き比べてみました。
今回はすべてSACDです。

それでは聴き比べです。
指揮者・オケ名・(ブルックナーなので版名)、レーベル・録音年月・
スペック(SACD ハイブリッドorシングルレイヤー、Blu-ray Audio)、
2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。
今シリーズは、予想と聴き比べての結果、という形で書いてみます。

◯カール・シューリヒト指揮ウィーン・フィル(旧EMI)
ノーヴァク版
1961年11月
SACDハイブリッド SACD Stereo/CD
カップリング ブルックナー:交響曲第8番(2枚組)

Symphonies No.8 & 9 Hybrid SACD, インポート

(上記はおそらく入手しづらいので、通常CDも紹介しておきます。)

第1楽章 25:37
第2楽章 10:28
第3楽章 20:17


◯カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ウィーン・フィル(DG→エソテリック)
ノーヴァク版
1988年6月
SACDハイブリッド SACD Stereo/CD
カップリング なし

※こちらは通常CDです。

第1楽章 28:10
第2楽章 10:50
第3楽章 29:35

◯ニコラウス・アーノンクール指揮ウィーン・フィル(BMG)
ベンヤミン=グンナー・コールス校訂、ブルックナー協会版全集
新クリティカル・エディション(2000年)による
2002年8月
SACDハイブリッド SACD Surround 5.1ch/SACD Stereo/CD
カップリング なし
(※2枚組ですが、1枚目は第4楽章の断片演奏とレクチャー)

ブルックナー:交響曲第9番 Hybrid SACD

第1楽章 24:16
第2楽章 10:39
第3楽章 23:56

さて、3盤の基本データを紹介したところで、
これから、聴き比べる前の予想と、
聴き比べてみての感想を書きます。

聴くポイントとしては、
1.第1、第2楽章の厳しさ
2.第3楽章の金管コラールと浄福感
でしょうか・・・

聴き比べる前の予想は、
ジュリーニ盤
アーノンクール盤
シューリヒト盤
という順でした。

特にシューリヒト盤は、CDで聴いたときに、
第3楽章がアウトだった記憶があります。

しかし実際に連続して聴いてみると、
ジュリーニ盤
シューリヒト盤
アーノンクール盤
の満足度順となりました。

アーノンクール盤は、資料的な価値が高いので、
当面は手放さないつもりですが、
ファースト・チョイスにはおすすめしません。
(しかし、これでも十分な演奏といえましょう。)

ジュリーニ盤☆4.0
シューリヒト盤☆4.0
アーノンクール盤☆3.5といったところでしょう。

ジュリーニ盤の重量級の演奏は格別ですが、
私としては、ヨッフムやヴァントがBPOを指揮したものには少し及ばないかな、
とも思いました。
第3楽章だけ聴けば、他のどの盤よりも天国的な響きがする感じでした。

シューリヒト盤の第3楽章は、SACDで聴くとそれほどチャチな感じはしませんでした。
ただ、シューリヒト盤とジュリーニ盤では、
第3楽章の演奏時間が10分も違いますね・・・

シューリヒト盤の凄いところは、第1、第2楽章です。
この厳しさは見事でした。
第3楽章はなんだかセカセカしてしまっているところは少し残念です。
しかし全体としては、かの宇野先生が激賞しているだけあって、
聴けば聴くほど滋味がでてくるような演奏といえます。

アーノンクール盤は、上記2盤のちょうど中間的な、中庸な演奏といえます。
これはこれで十分堪能できますが・・・

ブルックナーのこの曲自体へのコメントは、
既に記事を書いておりますので、
よろしければそちらをご覧ください。
天国への蛇足?〜ラトル指揮ベルリン・フィルによるブルックナーの交響曲第9番・第4楽章

2017年6月20日 (火)

NHKEテレ・クラシック音楽館「新日本フィルハーモニー交響楽団演奏会」(2017年6月18日放送)

指揮者の上岡敏之さん登場、ということで録画して視聴しました。
(以下敬称略)
2017年6月18日放送のNHKEテレ・クラシック音楽館で、
2017年5月12日・横浜みなとみらいホールで収録された、
新日本フィルの演奏会を放映していました。
曲目は、
ヴァーグナー:「タンホイザー」序曲、
「ヴェーゼンドンクの五つの詩」(ソプラノ:カトリン・ゲーリング)、
ブルックナー:交響曲第3番」、
アンコールとして、J・S・バッハ:「アリア」(管弦楽組曲第3番より)。

ホールの音響の問題なのか、録音がイマイチなのか、
全体的に音質がパッとしなかった印象を受けました。

この演奏会でのメインプログラムである、
ブルックナーの交響曲第3番についてのみコメントします。
(「ヴェーゼンドンクの五つの詩」での、
ソプラノのカトリン・ゲーリングの声は美しかった、とだけ書いておきます。)

ギュンター・ヴァントや朝比奈隆、
あるいはカール・ベームらが指揮した名盤から、
ブルックナーの交響曲第3番は、
ゴツゴツ、トゲトゲした印象をもっていました。
ブルックナーらしさがついに全開した、記念碑的な作品です。

しかし、上岡敏之指揮新日本フィルの演奏は、
どこもトゲトゲしたところやゴツゴツしたところがなく、
まるで磨いた玉のようでした。
チェリビダッケの指揮ぶりが一番近いかも・・・
それがプラスに作用していればいいのですが、
ブルックナーのこの曲に関しては、マイナスに働いているように思えました。
あと、印象的だったのが、タメすぎるブルックナー休止・・・
(特に第1楽章・・・)
ここまでやり過ぎると、ちょっとなぁ・・・と思いますが、
もし宇野功芳センセイが生きていて、この演奏を聴いたら、
なんとおっしゃるのだろう、と思わず考えてしまいました。
「ブルックナーの本質を外している」というのか、
それとも、「クナやチェリビダッケ、シューリヒト以来の凄演!」とベタ褒めするのか・・・
今時の指揮者としては、相当に個性的な演奏であったのは確かです。
そういう意味では、次に何をやってくれるか、ワクワクすることができる、
日本人指揮者の中では稀有な存在ではあります。

上岡敏之指揮の演奏では、シューマンやベートーヴェンの「第9」、
マーラーの第1、第5などの盤を持っていますが、
いずれも名演です。
しかし、ブルックナーはどうなのでしょう?
史上最遅のブル7と言われた盤、私は未だに手を出していませんし、
たぶんパスかもしれませんね・・・
上岡敏之指揮では、ブルックナー以外に期待した方がいいかも・・・

ブルックナー:交響曲第7番(2枚組!収録時間92分!)

ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(ハース版)

以前ブルックナーの交響曲第3番について記事を幾つか書いていますので、
よろしければお読みください。

シモーネ・ヤング(Simone Young)指揮ハンブルク・フィル(Philharmoniker Hamburg)による、ブルックナー:交響曲第3番(1873年初稿版)
ブルックナー:交響曲第3番(1889年第3稿)聴き比べ4盤〜朝比奈、ヴァント、セル、ベーム・・・

2016年8月 4日 (木)

シモーネ・ヤング(Simone Young)指揮ハンブルク・フィル(Philharmoniker Hamburg)による、ブルックナー:交響曲第3番(1873年初稿版)

ブルックナーといえば、「原典版」がいくつもあるので有名ですね。
先日、聴き比べ記事を書いた、交響曲第3番も、
第1稿から第3稿まで、出版楽譜が6種類もあるそうです。
ただ、一般的には、最後の第3稿(改訂版か原典版)で演奏されます。
今までは、ノヴァーク版かハース版どちらを使っているかしか、
気にも止めていませんでしたが、
第3番の第1稿はどんな感じなんだろうと興味をもって、
女性指揮者(いい演奏をするなら、男性も女性もバイも関係ないと思いますが・・・)、
シモーネ・ヤング指揮ハンブルク・フィルのSACDハイブリッド版を入手しました。

聴き終えて、強く思ったのは、
「フツーの第3稿で、この指揮者&オケの演奏をぜひ聴きたい!」
ということでした。
音の迫力は超優秀です。
スピーカーがまさに音の洪水になってしまいました!

まずは、第1稿と、第3稿で、どのくらい演奏時間が違うか、
比較してみましょう。

(第1稿)シモーネ・ヤング盤
第1楽章 25:26
第2楽章 19:20
第3楽章 06:40
第4楽章 17:09

(第3稿)セル盤
第1楽章 20:05
第2楽章 15:31
第3楽章 7:22
第4楽章 12:22

(参考)セル盤

シモーネ・ヤング盤を聴いていると、
「未完のトルソー」という感じが否めません。
はっきり言えば、「できそこないのブルックナー」という感じなのですが、
録音の凄まじさ、生々しさが、補って余りあります。
蛹から必死に脱皮して今にも羽を広げようともがいている蝶みたい?

ブルックナーの未発見の交響曲が見つかった、というぐらいの気持ちで、
交響曲第3番第3稿のことは忘れて聴いてみると、
それなりにすばらしい曲なのでは、と思いました。
(随所に第3稿の完成した響きが聴こえるけども、
別な曲、と考えた方がスッキリする気がします。)
女性とブルックナーって、あまり合わない気がしますが、
シモーネ・ヤングはブルックナーの聞かせどころをよくわかっているようです。
願わくば、第1稿シリーズではなく、
一般的なノヴァーク版かハース版での録音を望みたいものです。

(参考記事)
ブルックナー: 第3番 バージョン問題 (稿問題/版問題)
※第1稿のオススメ版の一つとして、シモーネ・ヤング盤が取り上げられています。
この方は、第1稿の方が優れているとお考えのようですが・・・

2013年1月15日 (火)

天国への蛇足?〜ラトル指揮ベルリン・フィルによるブルックナーの交響曲第9番・第4楽章

先日、飛行機の機内放送で、
サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルによる、
ブルックナーの交響曲第9番の演奏を聴きました。
後で調べると、2012年2月のライブ録音、とのことです。
機内での退屈しのぎのBGM的に流していただけなので、
しっかりと聴く、というほどではありませんでした。
演奏はなかなかのものですが、感動するほどではなかったかな・・・

国内盤 [Hybrid SACD, SACD]

輸入盤(通常CD)

さて、第3楽章も終わり、違う曲を選ぼうか・・・と思っていた矢先、
聴きなれない不吉な感じの音楽が・・・
えっ、第4楽章?!
第3楽章コーダの「天国」での浄福から、
一気に「煉獄」か(カトリック的に言えば)、
あるいは終末の世界に突き落とされたような不穏な音楽・・・

部分的に、ブルックナーの他の交響曲からの引用らしきところがあったり、
学問的には興味深いものがあるのでしょうが、
正直、「天国」への蛇足のように思えました。
冗長で退屈、第3楽章の幸福感をぶち壊すような楽章です。
ラトルの演奏は、他の補筆版による演奏に比べれば、
かなりすばらしいものと言えましょうが、
ベルリン・フィルの美音によっても、
第4楽章の音楽的価値を伝えることはできなかったといえます。

ブルックナーの「第9」の第3楽章は、疑いなく、
彼の全作品の中で最も美しいものです。
音楽の中で、大天使や終末の救いの様子が見えてきそうなほどです。
聖書の終末の救いの様子の箇所を想起させます。

すなわち、合図の号令がかかり、大天使の声が聞こえて、神のラッパが鳴り響くと、主御自身が天から降って来られます。すると、キリストに結ばれて死んだ人たちが、まず最初に復活し、それから、わたしたち生き残っている者が、空中で主と出会うために、彼らと一緒に雲に包まれて引き上げられます。このようにして、わたしたちはいつまでも主と共にいることになります。
(新約聖書テサロニケの信徒への手紙Ⅰ4:16〜17新共同訳)

ブルックナー自身は、この曲が完成しなかったら、
第4楽章の代わりに「テ・デウム」を演奏するよう示唆したそうですが、
(朝比奈隆指揮大阪フィルのCDで、実際にカップリングしたものがありましたが・・・)
交響曲第9番は、第3楽章で終わることこそ、最も美しい終わり方だと思います。

以前、クルト・アイヒホルンの演奏による、
「第9」第4楽章補筆完成版(サマーレ&マッツカ校訂)を聴いたことがあります。

アイヒホルンによるブルックナー・交響曲選集

フィナーレのところは確かに感動的ですが、そこに至るまでは、
やはり天才の霊感が欠けている、気の抜けたような代物に過ぎませんでした。
ブルックナー・マニアなら、聴く価値があるのかも知れませんが、
一般にはおすすめできません。
シューベルトの「未完成」と同様、この曲は第3楽章までで十分なのです。

作曲者の死後、別の作曲者・学者が補筆完成したものとしては、
モーツァルトの「レクイエム」、プッチーニの「トゥーランドット」、
マーラーの「交響曲第10番」のデリック・クック版が、
成功した例として挙げられますが、
他の場合はは大抵、「蛇足」みたいなものです。
ブルックナーは、形式的な人ですから、
第4楽章を作って完成させるのを望んでいたとは思いますが、
天がそれをストップさせたのかもしれませんね。

ブルックナーの「第9」は、ブルックナーの作品の中で最も好きな作品なので、
いろいろな指揮者の演奏で聴きました。
ヴァント(NDRとBPO)、朝比奈隆(何種類か)を始めとして、
カラヤン(二種類)、バーンスタイン、ムラヴィンスキー、
マタチッチ、ベーム、ジュリーニ(新旧)、シューリヒト、クレンペラー、
ヨッフム(新旧)、ワルター、レーグナー・・・(他にもあったはず・・・)
この中でオススメを2枚あげておきます。
ギュンター・ヴァント&BPOと、ジュリーニ&VPO盤です。
曲そのものの美しさを細部まで楽しみたいなら、ヴァント盤を、
第3楽章が最も美しい演奏なら、ジュリーニ盤です。
まるで大天使が終末のラッパを力強く高らかに奏しているのが見えるかのようです。

ヴァント盤(Hybrid SACD)

ジュリーニ盤

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