カテゴリー「クラシック音楽・シューマン」の11件の記事

2020年3月31日 (火)

シューマン:交響曲第1番「春」私のベスト3盤

もう春が来ましたね。

「春」といえば、クラシック音楽では、

ヴィヴァルディの「四季」の「春」や、

ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第5番「春」

あるいは、ストラヴィンスキーの「春の祭典」とか、

「春」がタイトルにつく曲がいくつもあります。

その中で、今回はシューマンの交響曲第1番「春」を取り上げます。

 

シューマンの交響曲4曲のうち、一番人気があるのは、

当然、第4番です。

では、この第1番の人気は?

予想では、4→3→1→2の順ですが、いかがでしょうか?

 

今回この盤を取り上げたのは、

サー・ジョン・エリオット・ガーディナー指揮ロンドン交響楽団による新譜を入手したからです。

 

ガーディナー盤は、旧盤があります。

今回家にあるだけの「春」を聴いてみました。

パーヴォ・ヤルヴィ盤(SACDとBlu-ray)、カラヤン&BPOもそれなりの演奏でしたが、

今回特に素晴らしいと思ったのは、次の3盤です。

 

ベスト1

ジョージ・セル指揮クリーブランド管弦楽団(SONY)SACDシングルレイヤー

(カップリング:交響曲第3番「ライン」)

第1楽章 9:50

第2楽章 5:54

第3楽章 5:38

第4楽章 9:01

 

SACDシングルレイヤー(2020年3月31日現在、まだ販売中!)

シューマン:交響曲全集(SACDハイブリッド)

シューマン:交響曲全集(通常CD)

 

一番がっしりした演奏で、実にみずみずしい!

何度でも聴きたくなります。

第1楽章など、一番早いテンポですが、なぜかどの演奏よりも、

「春」(→雪解けの川の流れなど)を感じさせます。

 

ベスト2

サー・ジョン・エリオット・ガーディナー指揮オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック(ARCHIV)

(シューマン:交響曲全集他)※通常CD

第1楽章 10:47

第2楽章 6:19

第3楽章 5:13

第4楽章 7:43

 

 

通常CDですが、演奏、録音共に素晴らしい!

端正さの中に、時折見せるロマンティックさ・・・

同じ指揮者のSACD盤も素晴らしいですが、どちらか1枚ならこっちをとります。

 

ベスト3

ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮ドレスデン国立管弦楽団(WARNER)SACDハイブリッド

(シューマン:交響曲全集)

第1楽章 11:29

第2楽章 7:00

第3楽章 5:24

第4楽章 8:14

 

 

中古品にさえ、3月31日現在、71000円もの値段がついていることにビックリ!

最も重量級の演奏で、ヨーロッパの古城が見えてきそうな、

風格ある感じがステキです。

2019年12月19日 (木)

シューマン:交響曲第2番ハ長調op.61聴き比べ

シューマンの交響曲の代表作といえば、なんといっても、第4番です。

では、一番の不人気作といえば?

人によって違うかもしれませんが、表題がついた第1番「春」や第3番「ライン」よりも、

やはり第2番を挙げるのが妥当だと思います。

シューマンらしい、躁鬱の差が激しい作品です。

第1楽章の威容から、第2楽章は早くも幻想的な世界へ。

第3楽章はラフマニノフやマーラーも顔負けの沈鬱さ・・・

なんとかトンネルを抜けて、一応ハッピーエンド?の第4楽章で終わります。

第4楽章は、第4番の第4楽章のような輝かしいカタルシスまでには至りません。

なんかこう書くと、いいところがあまりなさそうですが、

第4番とはまた違った、独特の魅力があるのも事実です。

 

初めてこの曲(の一部)を聴いたのは、何十年も前です。

レナード・バーンスタインが、PMFを指揮して、札幌の地でこの曲を演奏しました。

そのリハーサルの様子のレーザーディスク(死語!)で、

特に第2楽章、第3楽章がすごく印象的でした。

第3楽章の並外れた暗さ・・・

もう、ほとんどマーラーかショスタコーヴィチ並?

(バーンスタインの音楽への愛、人々への愛がすごく伝わる貴重な映像資料だと思いました。)

ただ、一方で、シューマンの交響曲第2番=鬱すぎる作品、として、

聴くのを敬遠する要因となったのも事実です。

 

(参考)バーンスタイン/与えるよろこび The Last Date in Sapporo 1990 [DVD]

 

 

 

 

今回、聴き比べをしてみよう、というきっかけは、

ジョン・エリオット・ガーディナー指揮ロンドン交響楽団のSACDを入手したことでした(後述)。

最初はもっぱら第4番ばかり聴いていましたが、流し聴き程度に、

カップリングの第2番を聴いているうちに、なかなかいいな、と思えるようになりました。

 

今回紹介するのは7盤です。

(2018年までなら、第4番の聴き比べをした時のように、

全集だけで10種類以上あったと思いますが、今年になって大幅に処分したので、

現在は7盤だけになってしまいました・・・)

 

それでは、聴き比べです。

オススメ順に紹介します。

指揮者、オケ名、レーベル、録音年月、

スペック(通常CD、SACD ハイブリッドorシングルレイヤー、Blu-ray)、

(2ch Stereo or Surround etc...)、カップリング曲の順です。

☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。

 

〇カラヤン指揮ベルリン・フィル(DG)

1971年2月

SACDシングルレイヤー(SACD Stereo 2ch)

シューマン交響曲全集 

 

 

☆4.5

第1楽章 10:48

第2楽章 7:02

第3楽章 10:39

第4楽章 7:53

 

あたかもブラームスの曲のようなシンフォニックな響きを見事に引き出しています。

それでいて、第3楽章でも深刻になりすぎず、鬱な世界さえ心地よく感じられます。

シューマンはオーケストレーションがイマイチ、なんて風評を吹き飛ばしてくひびかせれます。

 

〇ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮ドレスデン国立管弦楽団(WARNER)

1972年9月

SACDハイブリッド(SACD Stereo 2ch)

シューマン交響曲全集

 

☆4.0

第1楽章 12:31

第2楽章 6:39

第3楽章 10:18

第4楽章 7:56

 

サヴァリッシュ、といえば、N響アワーで安全運転な演奏を聴かせる指揮者、

ぐらいの認識しかありませんでしたが、

この全集を聴くと、必ずしもそうでもない、ということがわかりました。

彫りの深い演奏を聴かせてくれます。

 

〇サー・ジョン・エリオット・ガーディナー指揮ロンドン交響楽団(LSO)

2018年3月

SACDハイブリッド(SACD Stereo 2ch、SACD Multi-ch、通常CD)

カップリング シューマン:ゲノフェーファ序曲、交響曲第4番(1841年版)

 

 

☆4.0

第1楽章 12:11

第2楽章 7:06

第3楽章 9:14

第4楽章 8:13

 

モダンオケでの演奏にも関わらず、古楽的なきびきびとした演奏に仕上がっています。

音響だけでいえば、後述のパーヴォ・ヤルヴィ盤と並んで充実しています。

カラヤンの演奏のような脂ぎったものが苦手ならオススメです。

 

〇ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団(SONY)

1960年10月

SACDシングルレイヤー(SACD Stereo 2ch)

カップリング シューマン:交響曲第4番、ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲

※現在入手しづらいですので、下では交響曲全集の方で紹介しています。

 

☆4.0

第1楽章 10:41

第2楽章 6:41

第3楽章 11:07

第4楽章 7:52

 

あっさりとした演奏にも関わらず、何度でも聴いてみたくなるような、

音楽そのものの美しさを十分に引き出した演奏といえます。

モーツァルトの曲を聴くような感覚でシューマンの躁鬱世界を堪能?できます。

 

〇パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン(SONY)

2011年4月

SACDハイブリッド(SACD Stereo 2ch、SACD Multi-ch、通常CD)

カップリング シューマン序曲集(4曲)

 

☆4.0

第1楽章 11:48

第2楽章 7:28

第3楽章 10:00

第4楽章 8:11

 

勢いのある、若々しさを感じられる演奏です。

後述のBlu-rayとどちらを取るか迷うところです。

ライブ感でいえば、後述のBlu-rayの方をオススメします。

 

〇パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン (C major)

2012年

Blu-ray(PCM Stereo、DTS-HD MA5.1)

シューマン交響曲全集

 

 

☆4.0

第1楽章 11:56

第2楽章 7:28

第3楽章 9:41

第4楽章 8:15

 

基本的には、前述のSACD盤とあまり大差ありません。

好みの問題の範疇でしょう。

 

〇サー・ジョン・エリオット・ガーディナー指揮

オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック (ARCHIV)

1997年

通常CD

シューマン交響曲全集

 

☆3.5

第1楽章 12:03

第2楽章 6:58

第3楽章 10:05

第4楽章 8:23

 

 

 

演奏は従来のモダンオケ演奏と一線を画した、すがすがしい印象です。

あとはせいぜい、音質のことぐらいでしょうが、あまり気にならないなら、

この盤でも十分満足です。

 

ところで、今まで「聴き比べ」記事を書いてきましたが、

もうそろそろ、「聴き比べ」記事を書くことはやめようと考えました。

理由は、書くのにかなり時間がかかることと(この記事を書くまでに至るので1か月ぐらいかかりました。)、

聴いて新鮮な印象のうちに書いた方が書く私としても楽しいからです。

よって、今後は、1盤1盤ごとに記事を書くようにしたいと思います。

これからもよろしくお願いいたします。

2018年11月30日 (金)

シューマン:ピアノ五重奏曲Op.44聴き比べ6盤

よく読んでいるクラシック音楽関係のブログの一つ、
クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~」で、
最近(2018年11月)、
シューマンのピアノ五重奏曲のいろいろな盤を取り上げていました。
それで興味を持ち、今回聴き比べにまで至りました。
もちろん、この曲は以前から知っていましたし、
なかなかいい曲だとは思っていましたが、
何盤も聴き比べるまではしていませんでした。
とても聴きやすく、楽しい曲です。

それでは、聴き比べです。
☆の低→高順に紹介します。
ピアニスト、弦楽四重奏団名、レーベル、録音年月、
スペック(通常CD,SACD ハイブリッドorシングルレイヤー)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。

◯ペーター・レーゼル(P)、ゲヴァントハウス弦楽四重奏団(ドイツ・シャルプラッテン)
1983〜1984年
通常CD
カップリング曲
シューマン:ピアノ四重奏曲

☆3.0
第1楽章 8:30
第2楽章 8:18
第3楽章 4:34
第4楽章 6:49

この盤をイチオシにされる方もいろいろなブログで見かけましたが、
上記ブログでは、「S」評価!)
私としては、第1楽章冒頭があまり元気なく始まるところで、
大きくマイナスとしました。
ただ、そこを抜けると、模範的な演奏だと思いました。

◯ヤン・パネンカ(P)、スメタナ四重奏団(DENON)
1986年9〜10月
通常CD
カップリング曲
ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲第2番

☆3.5
第1楽章 8:54
第2楽章 8:39
第3楽章 4:49
第4楽章 7:09

標準的な演奏といえます。

○レナード・バーンスタイン(P)、ジュリアード弦楽四重奏団(SONY)
1965年4月
通常CD
カップリング曲
シューマン:弦楽四重奏曲全集(全3曲)、ピアノ四重奏曲

☆3.5
第1楽章 9:15
第2楽章 8:38
第3楽章 4:21
第4楽章 7:22

ピアノが骨太な印象を受けました。
指揮者兼ピアニストと、
超ミニマムオーケストラが共演する小さな「協奏曲」という感じを受けました。


◯イェルク・デームス(P)、バリリ四重奏団(ユニバーサル・ミュージック)
1956年
通常CD(MONO)
カップリング曲
シューマン:ピアノ四重奏曲

☆4.0
第1楽章 6:46
第2楽章 9:30
第3楽章 4:58
第4楽章 6:59

録音はモノラルですが、全く気にならないぐらいです。
古き良き時代の馥郁たる香り漂うような、
味わい深い演奏です。


◯田部京子(P)、カルミナ四重奏団( DENON)
2008年1月
SACDハイブリッド(SACD 4ch Surround, SACD Stereo, CD)
カップリング曲
シューベルト:ピアノ五重奏曲「ます」

☆4.0
第1楽章 8:39
第2楽章 8:05
第3楽章 4:43
第4楽章 7:22

後述のクレール=マリ・ル・ゲ&マンデルリング四重奏団盤を知らなければ、
多分この盤を私のイチオシとしていたと思います。
みずみずしい演奏です。

クレール=マリ・ル・ゲ(P)、マンデルリング四重奏団( audite)
2009年5月
SACDハイブリッド(SACD Surround, SACD Stereo, CD)
カップリング曲
シューマン:ピアノ四重奏曲

☆4.5
第1楽章 8:48
第2楽章 8:12
第3楽章 4:52
第4楽章 7:27

録音、演奏ともにベストです!
録音の鮮明さから、
他の盤では聴き逃していたようなところまでクローズアップされるところが、
いくつもあり、聴いていて新鮮でした。

2018年1月 8日 (月)

2017-2018 年末年始によく聴いたCD2盤

2017年末から2018年お正月にかけて、
帰省先に8枚のCD(ほとんどがSACD)を持って行きました。
その中で最もよく聴いた2盤を紹介します。

最も聴いたのが、
チャールズ・マッケラス指揮スコットランド室内管弦楽団による、
モーツァルトの後期交響曲(第38番〜第41番)集です。
2枚組で、第38番と第39番で1枚、第40番と第41番でもう1枚です。
そのうち、もっぱら聴いていたのが(実家で借りた車内等で)、
第38番「プラハ」と第39番が収録された盤です。
特に好きなのが「プラハ」の方。
冒頭は「ドン・ジョヴァンニ」みたいな重苦しい響きですが、
「トンネルを抜けたら雪国」ならぬ、きらめく青い海が拡がっているかのような、
実に爽やかな曲です。
マッケラス盤は、録音がとても鮮明で、細部がよく聴こえます。
オリジナルか、モダンか、といった野暮な議論が不要なほど、
この曲の愉しさが満開に溢れている演奏だと思います。
何回繰り返して聴いても飽きがきません。

Mozart: Symphonies 38 Hybrid SACD, Import

もう1枚は、上記の盤よりは聴く頻度は少なかったです。
上岡敏之指揮ヴッパータール交響楽団による、
シューマンの交響曲第4番
(カップリングは、ブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」)でした。
※この盤、Amazonとタワレコでは新品なし、HMVでは取り寄せ扱いとなっていました。
(2018.1.8現在)

シューマンの交響曲第4番も、「闇から光へ」といった感じの曲ですね。
シューマンの交響曲第4番は、以前聴き比べ記事を書きました。
その中では、クレンペラー盤やフルトヴェングラー盤に高評価をつけていましたが、
今回はなぜか上岡敏之盤で聴きたいと思って持っていきました。
正解だったと思います。

シューマン:交響曲第4番 Hybrid SACD

2018年も、光溢れる1年となりますように・・・

2017年6月22日 (木)

シューマン:4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュトゥック op.86聴き比べ

シューマンの交響曲全集をいろいろ集めている中で、
この曲が収録されている盤がいくつかありました。
単なるホルン協奏曲ではなくて、「4本のホルン」という設定とタイトルから、
少しワクワクして聴いてみたら・・・
結構ステキな曲でした!
「4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュトゥック op.86」です。
全3楽章、20分前後の曲です。
特に第1楽章冒頭のホルンのカッコ良さ!!!
シューマンファン以外には知られていないようですが、
もっと広く親しまれてもいいのでは、と思ってしまいました。

それでは、聴き比べです。
録音年月順に紹介します。
指揮者、オケ名、レーベル、
ホルン奏者名(H1,H2,H3,H4と表記)、録音年月、
スペック(通常CD,SACD ハイブリッドorシングルレイヤー)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。
なお、ホルン奏者のH2以下は、輸入盤の場合、
日本での一般的なカタカナ表記と違うことがあるかもしれません、悪しからず・・・

◯フランツ・コンヴィチュニー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(BERLIN Classics)
H1:ペーター・ダム、H2:ヘルマン・メルケル、
H3:ヴェルナー・ピルツ、H4:ゲオルク・ベーナー
1960年、1961年(詳細不明)
通常CD
シューマン交響曲全集(3枚組)

☆3.5
第1楽章 7:57
第2楽章 5:44
第3楽章 6:23

交響曲全集 コンヴィチュニー&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管(3CD)

古めかしい城から甲冑の騎士が出てくるような冒頭。
ホルンの上手さが他の盤と比べるとイマイチな気もしますが・・・
コンヴィチュニー・ファンか、ペーター・ダムのファン向けか、
あるいはシューマンの交響曲全集のオマケと割り切るか・・・


◯ジークフリート・クルツ指揮シュターツカペレ・ドレスデン(BERLIN Classics)
H1:ペーター・ダム、H2:クラウス・ピーツォンカ、
H3:ディーター・パンサ、H4:ヨハネス・フリーメル
1983年7月
通常CD
※ホルン協奏曲集(ウェーバー、ロルツィング、サン=サーンス、シューマン)

☆4.5
第1楽章 7:51
第2楽章 5:27
第3楽章 6:10

ホルン協奏曲集(ウェーバー、ロルツィング、サン=サーンス、シューマン)

※私は国内盤ではなく、輸入盤で所有しています。

録音がすばらしく、ホールの残響がまるでお城か、
中世のゴシック様式の教会にいるかのよう・・・
(実際は、ドレスデンのルカ教会で収録。)
颯爽としており、第1楽章冒頭の印象は、
まるで鮮やかな衣装のイケメン4人騎士が、
かっこよく入場してくるようなイメージです。
通常CDであれば、このアルバムがファースト・チョイスです。

◯ジョン・エリオット・ガーディナー指揮、
オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック(ARCHIV)
ロジャー・モンゴメリー、スーザン・デント、ギャヴィン・エドワーズ、ロバート・マスケル
(誰がどの担当かは不明)
1997年5月、10月
通常CD
※シューマン交響曲全集(5枚組)

☆4.0
第1楽章 7:09
第2楽章 5:02
第3楽章 5:39

Collector's Edition: Schumann Box set, CD, Import

軽やかな感じ。中世の騎士というよりは、
現代のスポーツカーというイメージかも・・・
すっきりとした演奏で、聴きやすいです。
オリジナル楽器とかそういう先入観抜きでも十分堪能できます。


◯バレンボイム指揮ベルリン・フィル(EUROARTS)
デイル・クレヴェンジャー、シュテファン・ドール、
イグナシオ・ガルシア、ゲオルク・シェレッケンベルガー
(誰がどの担当かは不明)
1998年4月
DVD(PCM Stereo)
バレンボイム/ベルリン・フィル イン・ベルリン国立歌劇場 [DVD]
※タワレコかHMVで入手することをオススメします。

☆3.0
第1楽章ー第3楽章(通し) 21:08

バレンボイム/ベルリン・フィル イン・ベルリン国立歌劇場 [DVD]

(タワレコ)
Orchestra Soloists - Beethoven, Schumann, Liszt, Wagner

録音がイマイチなので、かなり損しています。
もっと細部がはっきりくっきりしていれば、
間違いなく☆4.0か☆4.5の評価だったかもしれません・・・

◯パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン(SONY)
シュテファン・ドール、エルケ・シュルツェ・ヘッケルマン、
フォルカー・グレーヴェル、トーマス・ゾンネン
(誰がどの担当かは不明)
2012年12月
SACDハイブリッド(SACD 5ch multi、CD)
カップリング:序曲・スケルツォとフィナーレ、交響曲第4番

☆4.0
第1楽章 7:16
第2楽章 4:37
第3楽章 5:57

シューマン:交響曲第4番、序曲・スケルツォとフィナーレ&コンツェルトシュトゥック SACD

いい意味でも悪い意味でも、癖のない演奏です。
21世紀のスタンダードとなるのかも・・・
ホルンとオケのバランスがちょうどよいです。
SACDマルチでこの曲を聴きたいなら、この盤がオススメです。

2017年6月15日 (木)

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その4)21世紀のスタンダードは?

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ、
第4回(最終回)は、21世紀に入ってからのの録音です。

21世紀の録音となると、SACDマルチチャンネルや、
Blu-rayも含まれます。
ただのSACD 2chStereoよりも音の迫力が有利な面がありますが・・・

それでは、聴き比べです。
録音年月順に紹介します。
指揮者・オケ名、レーベル、録音年月、
スペック(通常CD,SACD ハイブリッドorシングルレイヤー)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。

◯クルト・ザンデルリンク指揮ベルリン放送交響楽団(harmonia mundi)
2002年5月19日
通常CD
※Berliner Sinfonie-Orchester KURT SANDERLING(5枚組CDBOX)
ザンデルリンク引退コンサートを中心としたもの

☆4.0
第1楽章 12:03
第2楽章 04:39
第3楽章 05:47
第4楽章 10:21

Various Symphonies/Concertos Box set, Import

長い指揮者人生の有終の美を飾るにふさわしい、
まさに大団円という言葉がぴったりな演奏です。
第4楽章は、「人生いろいろあったけど、ハッピーエンドを迎えた・・・」
ということを思わせるような感じです。
人生の絶対肯定!

なお、ザンデルリンクの最後の演奏会の演目は、
◯ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲
◯モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番(ピアノ:内田光子)
◯シューマン:交響曲第4番
の3曲でした(どれもCDBOXに収録)。
特に、内田光子のピアノによる、モーツァルトのピアノ協奏曲第24番は、
バレンボイムの旧録音と並ぶ、超名盤だと思います。
「ハイドンの主題による変奏曲」も名演奏です。

(参考)Mozart: the Complete Piano Con Box set, CD, Import

◯ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団(ARTE NOVA→SONY?)
2003年10月
通常CD
※シューマン交響曲全集

☆4.0
第1楽章 09:44
第2楽章 03:42
第3楽章 05:45
第4楽章 08:02

シューマン:交響曲全集

※我が家にあるのは、下の50枚組CDSET。
Great Symphonies.The Zurich Years 1995-2014 Limited Edition, Original recording remastered, Box set, Import

細部で「おやっ?」(たいていは装飾音)と思うところが幾つもあり、
聴いてみて新鮮さがあります。
(何回も聴くとどうなのでしょうか?)
ただし、スケールは小さめです。

◯トーマス・ダウスゴー(Thomas Dausgaard)指揮スウェーデン室内管弦楽団(BIS)
2007年5月、10月
SACDハイブリッド(SACD SURROUND、SACD STEREO、CD STEREO)
カップリング  交響曲第3番、マンフレッド序曲、「ヘルマンとドロテア」序曲

☆4.0
第1楽章 09:38
第2楽章 03:34
第3楽章 05:26
第4楽章 07:39

Schumann: Symphonies Nos. 3 & 4 [Hybrid SACD] SACD, Import

キビキビとした演奏です。
第4楽章を聴くと、実に爽快さを感じました。
こんなに爽やかな曲だったっけ?
なぜか、フランクの交響曲の第3楽章フィナーレを思い出してしまいました・・・
なお、ダウスゴー指揮では、初稿版(original version 1841)の録音もありますが、
今回は取り上げません。

(参考)
Syms 2 & 4 Hybrid SACD, SACD, Import

◯上岡敏之指揮ヴッパータール交響楽団(DENON)
2008年10月
SACDハイブリッド(SACD SURROUND、SACD STEREO、CD STEREO)
カップリング  ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲

☆4.0
第1楽章 10:37
第2楽章 04:01
第3楽章 05:21
第4楽章 08:54

シューマン:交響曲第4番 Hybrid SACD

第3楽章の長いタメをプラスと見るか、マイナスと見るかで、
評価が分かれるかも?
(私はプラスにとりましたが・・・)
フルトヴェングラー指揮の名盤を少しスケールダウンして、
音を鮮明にしたような感じがします。
第4楽章が特に生き生きとしています。


◯パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン(SONY)
2011年12月
SACDハイブリッド(SACD SURROUND、SACD STEREO、CD STEREO)
カップリング  序曲・スケルツォとフィナーレOP.52、
4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュトゥックOP.86

☆4.0
第1楽章 10:22
第2楽章 03:58
第3楽章 05:32
第4楽章 09:38

シューマン:交響曲第4番、序曲・スケルツォとフィナーレ&コンツェルトシュトゥック SACD

"I LOVE Schumann!"と公言してはばからない、
P・ヤルヴィのシューマン愛が詰まった、
若々しく力強い演奏です。録音も優秀です。
ベートーヴェンの交響曲全集(DVD)と並んで、
21世紀のスタンダード演奏になるかもしれませんね・・・

(参考)ベートーヴェン:交響曲全集~2009年ボン・ベートーヴェン音楽祭ライヴ [DVD]


◯パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン( C major)
2012年?
Blu-ray(DTS-HD MA5.1 / PCMステレオ)
※シューマン交響曲全集 SCHUMANN AT PIER2

☆4.0
第1楽章 10:40
第2楽章 04:18
第3楽章 05:30
第4楽章 09:43

シューマン : 交響曲全集 (Robert Schumann : The Symphonies / The Deutsche Kammerphilharmonie Bremen , Paavo Jarvi / + A Concert Film by Christian Berger) [Blu-ray] [輸入盤] [日本語解説付]

映像付です。
基本的な解釈はSACD盤とほぼ同じです。
ボーナス映像その他を考えると、揃えておく価値はあると思います。
(若干ながら、こちらの方が演奏・録音共に優れているかも?)
なお、映像の字幕は、「英独仏西中韓」です(;д;)

今回でひとまずシューマン:交響曲第4番の聴き比べシリーズが終わりです。
今回の聴き比べ記事に間に合わなかった盤は、各記事の追記で取り上げることにします。

(参考)
シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その1)1950〜1960年代まで
シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その2)1970年代
シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その3)1980年〜1990年代まで

2017年6月10日 (土)

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その3)1980年〜1990年代まで

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ、
第3回は、1980〜90年代の録音です。

80年代は、巨匠の時代の終わりという感じです。
90年代に入ると、ジョン・エリオット・ガーディナー指揮、
オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティックによる、
初稿版(original version 1841)の録音(後述)が出てきます。
我が家には、ガーディナー盤の他に、
トーマス・ダウスゴー指揮スウェーデン室内管弦楽団盤がありますが、
今回は初稿版(及びマーラー版)については取り上げません。

(参考)Syms 2 & 4 Hybrid SACD, SACD, Import
※こちらの第4番は、初稿版です。

それでは、聴き比べです。
録音年月順に紹介します。
指揮者・オケ名、レーベル、録音年月、
スペック(通常CD,SACD ハイブリッドorシングルレイヤー)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。
なお、特記しない限り、モノラル録音ではありません。


◯バーンスタイン指揮ウィーン・フィル(DG)
1984年2月
通常CD
※シューマン交響曲全集(2枚組CD)

☆3.0
第1楽章 11:48
第2楽章 05:13
第3楽章 05:54
第4楽章 09:29

シューマン:交響曲全集

一般的には評価の高い盤ですが、あまり感銘を受けませんでした。
録音も、少しか細い感じがしました。
ただ、第4楽章のラストの熱狂は、
「さすが、レニー!!」という感じでした。
(汗だくで指揮したのでしょうね・・・)


◯チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団(Altus)
1986年10月
SACDシングルレイヤー(SACD2chSTEREO)
カップリング ムソルグスキー(ラヴェル編曲):「展覧会の絵」、
ドヴォルザーク:スラブ舞曲第8番

☆4.0
第1楽章 11:30
第2楽章 05:07
第3楽章 06:42
第4楽章 09:18

シューマン : 交響曲 第4番 他 (Schumann : Symphony No.4, Mussorgsky : Pictures at an Exhibition / Celibidache, Munchner Philharmoniker) [SACD シングルレイヤー] SACD

日本でのライブ録音です。
クレンペラー盤とは違った意味での巨大なスケール感で、
全体的にはまるで象が踊っているかの印象さえ受けました。
クレンペラー盤やサヴァリッシュ盤のようなゴツゴツさは無く、
どこもかしこもふんわりしており、
どこにも(悪い意味で→耳をさすような)尖った響きはありません。
シューマンを聴くというよりは、チェリビダッケの至芸を聴くための盤です。
録音は優秀です。
時折指揮者のうなり声が聴こえてきます。


◯カラヤン指揮ウィーン・フィル(DG)
1987年5月
通常CD
※シューマン交響曲全集

☆4.0
第1楽章 11:00
第2楽章 04:50
第3楽章 05:51
第4楽章 08:54

Symphonies Box set, CD, Import

1971年のBPOとの録音のような、精悍さ、力強さ、
輝かしさは確かに減じていますが、
ギラギラしていた70年代にはない、
人生の最後の残照のようなものが全体的ににじみ出ているかのような演奏です。
ウィーン・フィルのふんわりとした響きもプラスに作用しています。
第3楽章から第4楽章にかけての橋渡しとなる部分での、
沈滞感は独特でした。
第4楽章は、「人生、これでよかったのだ!」と言わんばかりの、
おおらかな肯定感、微笑みが見えるようでした・・・


◯ジョン・エリオット・ガーディナー指揮、
オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック(ARCHIV)
1997年5月、10月
通常CD
※シューマン交響曲全集

☆4.0
第1楽章 9:55
第2楽章 3:39
第3楽章 5:13
第4楽章 1:34+7:34

Collector's Edition: Schumann Box set, CD, Import

オリジナル楽器による演奏ですが、
モダン楽器かオリジナル楽器か、そんなことはどうでもいいです。
曲の美しさと愉しさを十分に教えてくれる演奏です。
耳にすんなりと入ってきます。
収録時間を見ると全体的に短いように思えますが、
実際聴いてみると、ちょうどいい長さと思います。
あっさりしていてしつこくないが、
細部の美しさは光っています。

次回は21世紀に入ってからの録音を取り上げる予定です。

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その1)1950〜1960年代まで
シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その2)1970年代

2017年6月 8日 (木)

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その2)1970年代

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ、
第2回は、1970年代の録音です。

それでは、聴き比べです。
録音年月順に紹介します。
指揮者・オケ名、レーベル、録音年月、
スペック(通常CD,SACD ハイブリッドorシングルレイヤー)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。
なお、特記しない限り、モノラル録音ではありません。


◯カラヤン指揮ベルリン・フィル(DG)
1971年1〜2月
通常CD
※シューマン交響曲全集(3枚組CDBOX)

☆4.0
第1楽章 10:37
第2楽章 04:42
第3楽章 05:47
第4楽章 08:48

Symphonies Box set, CD, Import

充実した響きでありながら耳あたりがよく、聴きやすいです。
シューマンよりはカラヤンを堪能するための盤といえます。
BGM的に聴くなら最適かも?

余談ですが、シューマンの交響曲はボリュームを小さくしても、
結構楽しめます。
ブルックナーやマーラーではそうはいきませんが・・・


◯ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮ドレスデン国立管弦楽団(WARNER)
1972年9月
SACDハイブリッド(2chステレオ)
※シューマン交響曲全集(3枚組SACD)

☆4.5
第1楽章 10:21
第2楽章 04:10
第3楽章 05:16
第4楽章 07:51

シューマン:交響曲全集

サヴァリッシュというと、N響との演奏で安全運転な演奏をする指揮者、
というイメージしかなかったですが(失礼!)、
この盤での演奏は、極めて精悍です。
冒頭の響きから、ムード音楽的なカラヤン盤とは違います。
(決してカラヤン盤を貶しているわけではありません、念のため・・・)
ゴツゴツとした手触りというか・・・
全体的に厳しく凛とした演奏となっています。
前回紹介したクレンペラー盤とは違った意味で、
重量級の演奏が繰り広げられます。
これぞヨーロッパ、これぞドイツ、という響きです。
録音も教会の空気感というか、奥行きを感じられ、優秀です。


◯ズービン・メータ指揮ウィーン・フィル(DECCA)
1976年6月
通常CD
※シューマン交響曲全集(2枚組)

☆3.5
第1楽章 11:16
第2楽章 05:09
第3楽章 06:27
第4楽章 07:43

Schumann: the Four Symphonies/Manfred Overture/Gen Import

※タワレコ限定版の方が入手しやすいかも?
我が家のは下記タワレコ限定盤です。
シューマン: 交響曲全集<タワーレコード限定>

ウィーン・フィルの柔らかな響きが魅力的です。
第1楽章こそ迫力が少し物足りない気がしますが、
第2楽章以降はウィーン・フィルの美感が十分に引き出されています。
たとえば、第2楽章のヴァイオリン・ソロのところは、
蕩けるような甘美さがあります。
カラヤン盤同様、聴き流すにはいい盤かもしれませんね・・・

次回は1980〜90年代の録音を取り上げる予定です。

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その1)1950〜1960年代まで

※カテゴリ「クラシック音楽・シューマン」を新設しました。
そのうち他の作曲家についても少しずつ加えていく予定です。

2017年6月 7日 (水)

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その1)1950〜1960年代まで

シューマンの交響曲は、本当につい最近まで、苦手でした・・・
おそらく、故・宇野センセイが「シューマンの交響曲は暗くて苦手・・・」
といった感じの記事を書いたのが「刷り込み」になり、
どうも敬遠していました。
(たとえば、『改訂新版 宇野功芳のクラシック名曲名盤総集盤』(講談社)には、
シューマンの交響曲第3番のところで、

(引用)
シューマンは四曲のシンフォニーを書いたが、本書では一番、三番のみを扱った。一般には四番の人気が高いが、あのように暗い音楽は僕には耐えられない。レコード雑誌の月評用にまわってくるCDは聴かざるを得ないが、曲目を自由に選べる単行本ではかんべんしていただきたい。四番をとるくらいなら、僕は二番に指を屈する。
(同書P.200から引用終)

とまで書いています。

また、シューマンのオーケストレーションといえば、
かのマーラーが手を加えた「マーラー版」があるほど、
シューマン=オーケストレーションがイマイチ、というイメージがつきまとっていました。
N響のコンサート放送などで視聴したときも、
なんとなくイマイチな感じでした。

シューマンの交響曲の真価に気付かされたのは、
ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団の演奏(後述)によってです。
シューマンの交響曲だから、というよりは、
ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団のSACDだからコレクションしてみた、
という感じでした。
最初に買ったのが、交響曲第1番&第3番の方でした。
あまり期待せずに聴いてみると、「結構いい曲なのでは?」と思えるようになりました。
それから次々とSACDを中心に買い集め、
気づけばあっという間に交響曲全集だけで10種類以上(2017年6月上旬現在)・・・

シューマンの交響曲は、
シューベルトとブルックナーの架け橋のような存在なのかな、
などと勝手に思っています。
シューベルトほど旋律の美しさはなく、
ブルックナーほどの壮大さはありませんが、
「クラスで2,3番目にカワイイ女の子」みたいな、独自の魅力があります。

それはさておき、シューマンの交響曲で一番親しみやすいのは、
宇野センセイの意見はさておき、やはり第4番でしょう。
全4楽章で、30分ほどの曲ですが(マーラーならこれだけで1つの楽章!)、
初めて聴くなら、思い切って第3楽章と第4楽章だけを聴いてみるのがいいのかもしれません。
(私は特に第3楽章→第4楽章が好きです。)
鬱屈した第1楽章〜第3楽章を経て、
いきなり陽光が燦燦と輝く第4楽章を聴くと、
一種のカタルシスを感じます。

今回から、聴き比べ記事は、一度に十数盤を取り上げるのではなく、
幾つか(だいたい4〜6盤ずつ)に分割して書くことにしました。
シューマンの交響曲第4番は、年代ごとに、
4つに分割して記事を書くことにします。
今回は第1回目、フルトヴェングラーの名盤(後述、1953年録音)から、
1960年代までの録音4盤を取り上げます。

それでは、聴き比べです。
録音年月順に紹介します。
指揮者・オケ名、レーベル、録音年月、
スペック(通常CD,SACD ハイブリッドorシングルレイヤー)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。
(今回は全てSACDです。)

◯フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル(DG)
1953年5月
SACDシングルレイヤー(MONO)
カップリング マンフレッド序曲

☆4.5
第1楽章 11:51
第2楽章 05:20
第3楽章 05:55
第4楽章 07:54

シューマン:交響曲第4番 Limited Edition, SACD

宇野センセイ風に表現するなら、
「切れば血が出るような」というのがピッタリです。
楽器がどうのこうの、というよりは、
音楽そのものが躍動感をもって鳴り響いている・・・
オケが一丸となって燃えているのがよく伝わってきます。
モノラル録音ですが、鑑賞には全然差し支えありません。
往年の巨匠の芸に只々圧倒されるばかりです。
通常CDもロングセラーですが、
これは高くてもSACDで聴くのをオススメします。


◯カラヤン指揮ベルリン・フィル(WARNER)
1957年4月
SACDハイブリッド(MONO)
カップリング ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」第1幕への前奏曲と愛の死、
「タンホイザー序曲」、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲

☆3.5
第1楽章 10:33
第2楽章 04:27
第3楽章 05:20
第4楽章 08:18

ワーグナー:管弦楽曲集&シューマン:交響曲第4番 SACD

フルトヴェングラー盤を聴かなければ、それなりの結構立派な演奏ですが、
線の細いモノラル録音を超えてまではみ出てくるものが少ないかな、とも思いました。
カラヤン好きな方ならともかく、カラヤン指揮ので聴きたいなら、
70年代・80年代のDG盤の方をオススメします。
ただし、モノラルながら、聴きやすいですよ。


◯クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団(WARNER)
1960年5月
SACDハイブリッド(2chSTEREO,CD)
カップリング メンデルスゾーン:交響曲第3番、第4番、「フィンガルの洞窟」

☆4.5
第1楽章 11:26
第2楽章 03:54
第3楽章 05:18
第4楽章 07:44

Symphonies No.3 & 4 SACD, Import

エソテリック盤はとんでもない値段・・・

国内盤
メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」、シューマン:交響曲第4番

もっとお得なら・・・輸入盤CDBOXを!

重量級のパンチが冒頭から繰り広げられます。
極めて重厚な演奏で、まるでブラームスのように響いてきます。
クレンペラーのこの演奏は、
シューマンの交響曲第4番の素晴らしさを迫力ある音で引き出しています。


◯ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団(SONY)
1960年3月
SACDシングルレイヤー(2chSTEREO)
カップリング 交響曲第2番、ウェーバー:「オベロン」序曲

☆4.0
第1楽章 08:40
第2楽章 03:51
第3楽章 05:10
第4楽章 07:35

シューマン:交響曲第2番ハ長調&第4番ニ短調ほか Limited Edition, Blu-spec CD

※AmazonではSACDシングルレイヤー盤が売り切れのようです・・・
便宜上、Blu-spec CDを挙げておきます。

シューマン:交響曲全集

クレンペラー盤と比べると、実に軽やかであっさりしています。
それでいて、響きの充実は素晴らしく、聴き疲れしません。
フルトヴェングラーやクレンペラー盤のような重量級はちょっと・・・という方に、
ぜひオススメします。
私も、ジョージ・セルの指揮だからこそ、
すんなりとシューマンの世界に入れたのかもしれません。
何度でも聴いてみたくなる演奏です。

2014年3月17日 (月)

シューマンのピアノ協奏曲イ短調Op.54聴き比べ〜本命はグリモー旧盤とリパッティ盤・・・

先日、大型書店のクラシック音楽に関する書籍コーナーで、
ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた』という本を見つけました。
著者は青山通という方。出版社はアルテスパブリッシングです。
(↑著者によるブログ記事あります。ブログ名:東京エンタメ日記
ウルトラセブン関連の記事が多数あります。他に、コンサートの記録などです。)


 



 


 


内容は、著者が7歳の時にリアルタイムで放送していた、
「ウルトラセブン」の最終話に使われていた音楽である、
シューマンのピアノ協奏曲の第1楽章の音源を探し当てるまでの奮闘がメインです。
(ウルトラセブンが好きな人にはオススメかも・・・)
当時はインターネットはおろか、VHSビデオさえまだ存在しない時代です。
そんな中で試行錯誤しながら、なんと7年もの年月をかけて、
ようやく探し当てたのが、
リパッティのピアノ、カラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏だった・・・
その執念には敬服しました。
リパッティの演奏については後で述べるとして、
確かに幼い頃再放送で見たウルトラセブン最終回では、
シューマンの音楽が始まると同時に、光と影のコントラストになり、
非常に忘れがたいものがありました。
今回改めて動画で見ても、特撮の名場面の一つではないかと改めて認識しました。


 


 


ウルトラセブンとシューマンのピアノ協奏曲イ短調


 


 


さて、本題の、シューマンのピアノ協奏曲の聴き比べに移りましょう。
つい先日まで我が家にあるシューマンのピアノ協奏曲のCDは4種類でしたが、
上記で紹介した本に触発され
(結局本は買っておらず、立ち読みで済ませたわけですが・・・)、
リパッティ(P)/カラヤン指揮フィルハーモーニア管弦楽団盤も買って、
5種類となりました。


 


録音の古い順→各楽章の演奏時間を記載します。


 


リパッティ(P)
カラヤン指揮フィルハーモニア管(1948)MONO EMI
1;14:24
2;05:05
3;10:12


 


アニー・フィッシャー(P)
クレンペラー指揮フィルハーモニア管(1960、1962)EMI
1;15:16
2;05:39
3;11:21
(クレンペラーの「協奏曲集」CDBOXに収録)


 


ネルソン・フレイレ(P)
ルドルフ・ケンペ指揮ミュンヘン・フィルハーモニック(1968)
1;15:16
2;05:34
3;10:46
(カップリング;グリーグ:ピアノ協奏曲)


 


エレーヌ・グリモー(P)
ジンマン指揮ベルリン・ドイツ交響楽団(1995)
1;14:54
2;05:05
3;10:30
(カップリング;R・シュトラウス:ブルレスケ)


 


エレーヌ・グリモー(P)
エサ=ペッカ・サロネン指揮シュターツカペレ・ドレスデン(2005)
1;15:00
2;05:40
3;10:26
(カップリング;クララ・シューマンの歌曲、ブラームスの曲)


 


この曲に思い入れがある人なら、
たぶんアルゲリッチ盤とか、リヒテルやツィメルマン盤を挙げるかもしれません。
実は、リパッティ盤とグリモーの旧盤を除けば、
シューマンの曲を聴きたいからではなく、
カップリングでシューマンのピアノ協奏曲が入っていた、という程度でした。


 


アニー・フィッシャー(P)クレンペラー盤は、
一回聴けば十分かな・・・
胃もたれするようなテンポ感で、ブラームスの曲みたいです。


 


グリモーの新盤は、結構期待していたのですが、
オーケストラが冷たすぎるというか、
美しいけれど血が通っていない演奏です。
(1枚のCDを構成するやり方はグリモーの美学があって独特ですが・・・)
この2枚については推薦なしです。


 


意外によかったのが、ネルソン・フレイレ(P)、
ケンペ指揮ミュンヘン・フィルハーモニク盤です。
このCD、グリーグのピアノ協奏曲を聴くためだけに買ったもので、
今回初めて、このCDのシューマンのピアノ協奏曲を聴きました。


 



 


 


ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」に対して、
「ピアノ協奏曲の女王」的なイメージ
(初演者がクララ・シューマンだし・・・)があるのは事実です。
しかしこのCDは、きわめて剛毅な、男性的な演奏です。
なおかつ繊細さも併せ持つ、隠れた名演ではないでしょうか。
オーケストラ伴奏も質実剛健です。


 


グリモーの旧盤は、長らく私の愛聴盤でした。
この曲の素晴らしさに初めて気付かされたCDです。
特に第2楽章から第3楽章への高揚感、
第3楽章終盤の美しさは何度聴いてもすばらしいものです。
(シューマンのピアノ協奏曲で一番好きな楽章は、
第3楽章です。特に終盤、
だいたい9:30〜10:00ぐらいのところは、
美しい夕焼けをバックに川のそばを走っていく人が見えるようです。
たぶん、青春のイメージなのでしょうね・・・)
ちなみに、カップリングのR・シュトラウス;ブルレスケは、
未だに聴いていません・・・


 



 


 


リパッティ盤は、第1楽章、第2楽章が名演です。
もちろん第3楽章も、前述のところ以外なら名演といえます。
(その部分だけちょっと残念・・・)
モノラル録音とは思えないほど状態のいい録音です。
ピアノの素晴らしさでは他を圧倒すると思います。
カラヤンの指揮もスケールが大きく、見事なサポートとなっています。


 


リパッティの名前は以前から知っていましたが、
モノラル録音というのがネックになって、
どうも敬遠していました。
(演奏が素晴らしくても、
たとえばパブロ・カザルスによるバッハの無伴奏チェロ組曲などは、
音が悪くて聴くのが苦痛です・・・)
今回手に入れた7枚組のCDBOXでは、
EMIに残された録音の集大成となっています。
今回紹介したシューマンのピアノ協奏曲や、
ショパンのワルツなどは絶品です。
(モノラル録音であるのも忘れるほど・・・
時々音の濁りが出てふと現実を思い出しますが・・・)


 


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