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2020年1月29日 (水)

NHK総合・クローズアップ現代+「防げるか 大人の“いじめ”」(2020年1月29日放送)~もう「いじめ」という言葉を使わず、ストレートに「暴行」「名誉棄損」「パワハラ」と言おう!

2020年1月29日放送のNHK総合「クローズアップ現代+」では、

防げるか? 大人の“いじめ”」と題して、前半では、

特に教育現場での「いじめ」を取り上げ、

後半では、それ以外での「大人のいじめ」を取り上げていました。

 

番組を観ていて、特にひどいなぁ・・・と思ったのが、

教育現場でのいじめです。

「いじめは決してダメ!」と言っている教師が、

裏では陰湿ないじめを繰り返して、同僚の教員を、

退職やうつ病に追い込んでいる、というとんでもない偽善です。

 

(ある意味、「いじめはダメ!」と、道徳教育を推進している、

政府自体が、高齢者や非正規雇用の人を「いじめ」ているし、

「桜を見る会」の件や、景気悪化を素直に認めず、台風のせいにするなどの、

平気で嘘をついているトップが君臨する限り、こういう悪はなくならないのでしょう・・・)

 

そもそも「いじめ」という言葉そのものが、

事象をオブラートで包むものになっているとなっていると思います。

文部科学省でいくら広範囲に定義づけようとも、

「児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係のある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものも含む。)であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの。」
(引用元:いじめの定義の変遷|文部科学省))

一般的には、小学生の悪ふざけぐらいにレベルダウンして受け取られます。

ですから、「いじめ」という言葉ではなく、

法律用語を適用して、事象を眺めてみれば、いかにその行為が触法なものか、

客観的に判断できるのでは、と考えます。

「暴行」「恐喝」「強要」「名誉棄損」・・・

あるいは、ようやく声があがるようになった、「セクハラ」「パワハラ」・・・

 

私は、学校で「道徳」なんて教えても、あまり意味がないと考えています。

(真に「道徳」を教えられるのは、家庭や宗教です。)

それよりも、法律をどうして教えないのか、と疑問です。

ベストセラーになっている、『こども六法』のようなもので十分です。

そうすれば、強い者に怯えるよりも、

「法」という、普遍的に国民を守ってくれる存在を武器に、

「いじめ加害者」に対して戦うことができるのです。

 

こども六法→私も読みました!

 

大人の「いじめ」のきっかけは、被害者の能力不足などが挙げられていましたが、

そこから、「攻撃」の対象にしてしまうのは、

人間の持つ、いわば「正義中毒」というものなのでしょう・・・

 

最近、新聞かAmazonかどこで知ったか忘れましたが、

人は、なぜ他人を許せないのか? 』という本が出版されたことを知りました。

 

人は、なぜ他人を許せないのか? 

 

Amazonから内容を転載しますと・・・

 

(引用)

内容紹介

炎上、不謹慎狩り、不倫叩き、ハラスメント…

世の中に渦巻く「許せない」感情の暴走は、
脳の構造が引き起こしていた!


人の脳は、裏切り者や社会のルールから外れた人など、わかりやすい攻撃対象を見つけ、
罰することに快感を覚えるようにできています。
この快楽にはまってしまうと、簡単には抜け出せなくなり、罰する対象を常に探し求め、
決して人を許せないようになってしまいます。

著者は、この状態を正義に溺れてしまった中毒状態、「正義中毒」と呼んでいます。
これは、脳に備わっている仕組みであるため、誰しもが陥ってしまう可能性があるのです。

他人の過ちを糾弾し、ひとときの快楽を得られたとしても、日々誰かの言動にイライラし、必要以上の怒りや憎しみを感じながら生きるのは、苦しいことです。

本書では、「人を許せない」という感情がどのように生まれるのか、その発露の仕組みを脳科学の観点から解き明かしていきます。
「なぜ私は、私の脳は、許せないと思ってしまうのか」を知ることにより、自分や自分と異なる他者を理解し、心穏やかに生きるヒントを探っていきます。

内容(「BOOK」データベースより)

世の中に渦巻く「許せない」感情は、なぜ生まれるのか?歪んだ正義感の裏に潜む、驚くべき脳の構造に迫る!

(引用終)

 

まだ入手していませんが、近々読んでみたいと思う内容です。

 

ちょっと脱線しましたね。

いずれにせよ、日本の教育現場は、性善説に立つ考え方に基づいています。

しかし、人間は罪に陥りやすい、悪を喜ぶこともある、という、

現実認識から言えば、性善説モデルで物事を進めるには限界があります。

大人も含めて、人間は弱い者いじめを楽しむ傾向にある、

だからこそ、法で身を守る、泣き寝入りしない、というのを教えるのは、

大切なことではないでしょうか。

 

2020年1月16日 (木)

NHK総合・クローズアップ現代+「シリーズ 検証・かんぽ問題①②」(2020年1月15日、16日放送)(附:権力に屈したNHK~日本のジャーナリズムに未来はあるのか?)

この報道そのものは、ジャーナリズムの仕事として極めて優れたものといえます。

かんぽ生命の不適正契約を告発した、大スクープでしたから・・・

今回、NHK総合・クローズアップ現代+

「シリーズ 検証・かんぽ問題①②」(2020年1月15日、16日放送)を視聴しました。

シリーズ 検証・かんぽ問題①実態解明と顧客救済は?

シリーズ 検証・かんぽ問題②郵政グループ 再生への課題は?

 

非常によくまとめられて、かんぽ生命の「手口」(問題点)を指摘していますし、

顧客側からの立場、郵便局員の内部告発及び内部資料、そして、かんぽ生命トップの見解。

さすがNHK!と絶賛したいところですが・・・

(実際、この番組だけ考えると、その内容は、文句なしにすばらしいし、

見るに値するものだといえます。)

 

しかし、残念なことに、既に毎日新聞他で報道があったとおり、

かんぽ生命の不正について、NHKが暴こうとすると、

かんぽ生命が、総務省を通してNHKに圧力をかけ、

それに屈して、NHKは一時、この問題を自ら封印してしまったことです。

NHK報道巡り異例「注意」 経営委、郵政抗議受け かんぽ不正、続編延期(2019年9月26日毎日新聞)

新聞労連ジャーナリズム大賞に毎日新聞「NHKかんぽ不正報道への圧力」報道(2020年1月16日毎日新聞)

池上彰が解説! 日本郵政とNHKの闇「スクープを潰されたNHK“現場の無念”」(2019年11月17日文芸春秋)

NHKは日本郵政の「圧力」になぜ屈したか、ウラに隠された事情(2019年9月29日現代ビジネス)

 

ぜひ、かんぽ生命の件を告発したのなら、自分たち自身のことも告発してほしいものです。

(たぶん無理なのでしょうが・・・)

 

昨今、特に東日本大震災以降、日本のジャーナリズムは、

着々と「大本営発表」化しつつあると危惧しています。

たとえば、昨日(2020年1月15日)のニュース。

「緩やかな景気拡大続く 日銀総裁、増税の影響に言及せず」(2020年1月15日東京新聞)

東京新聞だけでなく、NHK他も、日銀総裁の景気判断をただ垂れ流していました。

識者はこう見ています。

ゼロ」の衝撃!(三橋貴明氏のブログ「新世紀のビッグブラザーへ2020年1月16日記事)

【藤井聡】政府の「大本営発表」に騙されるな!10%消費税で「焦土」と化しつつある日本経済

(新経世済民新聞2020年1月15日記事)

 

新聞社は、軽減税率適用という特権と引き換えに、消費税引き上げという悪政にNO!を言う声を、

自ら封印してしまいました。

NHKと民放は、放送法改正か、スポンサーの圧力をチラつかせられると、

すぐにダンマリで、芸能人が不倫したとかその類のどうでもいい報道に逃げています。

 

日本は自由な国、と考えている方が今でも多いと思いますが、

国際的にみると、「報道の自由度ランキング」では、

日本は67位、G7中では最下位なのです。

ネトウヨちゃんたちが罵倒して止まない、韓国よりも下です。

「報道の自由度ランキング」日本の順位、前年と変わらず(2019年4月18日朝日新聞)

報道の自由度ランキング(世界経済のネタ帳2019年5月7日)

報道の自由度ランキング、なぜ日本はG7で最下位なのか

 

最近、日本は「先進国」ではなく、「衰退途上国」である、という言葉を知って、

少しショックでした。

「発展途上」ではない。日本を衰退途上国に落とした5つのミス(

 

私たち有権者、市民が、NHKを初めとする、

マスメディアの報道を鵜呑みにせず、

なおかつ、マスメディアの自己浄化を期待しつつ(無理そうですが・・・)、

権力を監視したり、「事実は何か」を考えたりしていかないと、

あっという間に、戦前の「大本営発表」の時代に逆戻りなのです。

(なんだかとりとめのない感想になってしまいました・・・)

2020年1月 6日 (月)

春採湖の夕暮れと丹頂鶴の朝(附:釧路観光の改善へひとこと)

年末年始の休暇を利用して、釧路へ行ってきました。

今回のメインは、鶴居村で丹頂鶴を見ることでした。

 

毎年、お正月3が日のどれかで、NHKなどで、

鶴居村の鶴のニュースが出ます。

(参考)2020年のニュース。

新年にタンチョウの優雅な姿を 

鶴居村役場近くの、鶴居・伊藤サンクチュアリと、

もう少し釧路市よりの鶴見台では、何度も見た事がありましたが、

ニュースで取り上げられる、早朝の丹頂鶴を眺めるのは、初めてとなりました。

 

その前に・・・

釧路市では、春採湖の一周に挑戦しました。

夕陽がとてもきれいな場所です。

この冬は雪が全然なかったですが、寒かったので、

湖は結氷していました。

凍った湖に夕陽が映えると、とてもキラキラと輝いていました。

 

ルートを説明します。

春採湖畔にある、春採湖ネイチャーセンター(冬季休業)の駐車場に車を駐車させ、

そこから博物館、海側へ向かって歩き始めました。

(逆回りするなら、春採アイスアリーナ側から・・・)

だいたいスタートしたのが15時頃でした。

釧路の市立病院、博物館の下側を歩いていると、

カラスがたくさんいました。それこそ百羽以上・・・

少し恐怖を感じるほどでした。

さて、湖畔に立つ小学校(後述)の手前ぐらいになると、

夕陽がとても美しく、凍った水面を照らしていました。

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釧路市は、一応、春採湖を一周する道を整備していましたが、

たとえば前述の小学校

(後で調べてみると、実は10年以上も前に廃校になった、旧柏木小学校です。)

の横の木道は、ずっと傾いていました。

雪がなかったので、歩きやすかったですが、

雪が積もったら、どんな感じなのでしょうかね・・・

先ほどのカラスがいっぱいいる場所も、人によっては怖くて通れないかもしれません。

あと、春採湖畔沿い~釧路港へ続く、昨年(2019年)6月に廃止された、

臨港線跡(既に線路はすべて撤去されていました。)も、

何か活用の途がないものでしょうか・・・

(たとえば小樽の手宮線跡みたいな感じで・・・)

日本最後の石炭輸送専用鉄道が消える!釧路「太平洋石炭販売輸送 臨港線」が廃止へ

 

とはいえ、素晴らしい夕陽の景色は、釧路市にとってもすごい財産ではないでしょうか。

ちなみに、釧路の博物館の駐車場のところも、春採湖を一望しつつ、

美しい夕陽を眺めることができますよ。

美しい夕陽を眺めるスポットは、幣舞橋だけではないのです!

 

後で知ったのですが、前述の旧柏木小学校跡は、

教会っぽいかわいらしい建物がそのまま残されています。

一時期、教育大附属中学校の臨時校舎として使われていたようですが、

(今でもGoogleマップではその記載になっているようです。)

利用もせずに放置しておくのはもったいないと思います。

美瑛町のビブレ(廃校になった小学校を利用し、宿泊施設と高級レストランにしています。)のような、

夕陽と星空(釧路は住宅街でも星がきれいに見えます!)を眺める、

ちょっとおしゃれな宿泊施設にするとか、何か手を打てばいいのに・・・と思ってしまいました。

校舎のすぐ近くには、有名な竹老園東屋総本店(ここの蕎麦、大好きです!)もあります。

さらには、数百メートル歩けば、千代ノ浦海岸もあります。

海と湖をわずかな移動で楽しむことさえできます。

すごく惜しい存在です。

 

湖の反対側(博物館方面から見て)に行くと、線路を跨ぐように作られた歩道橋がありました。

ここからの眺めも素晴らしかったです。

旧臨港線跡沿いに歩いていると、妻は後ろ向き(夕陽の方)に歩き続けました。

それぐらい、夕陽が美しかったのです!

 

湖を一周し終えたら、すっかり夜になっていました。

機会があったら、また一周してみたいと思いました。

 

さて、鶴居村の話に移りましょう。

この時期の釧路地方の日の出は7時頃。

雪がなく、道路も凍結していなかったので、車で走りやすかったです。

(路面凍結していたら、早朝に出かけようとは思わなかったかもしれません。)

釧路市湿原展望台

(釧路湿原の観光写真に出てくる、湿原を蛇行する釧路川はまったく見えませんが・・・

→川の蛇行が見えるのは、「細岡展望台」の方です。)の横を通り、

鶴居村の音羽橋へ。

NHKのニュースで毎年お正月頃報道されるところです。

鶴見台の手前、「コッタロ湿原」へ行く道の途中にあります。

 

ちなみに、釧路市湿原展望台の近くの駐車スペースあたりから、

日の出少し前の荘厳な景色を眺めることができました。

(車で通りすぎただけでした。写真撮っておけばよかった・・・)

 

さて、現地に到着!

時刻は6:40頃でしたが、音羽橋の上(車用と歩行者用があります。)には、

大きな望遠レンズを構えた、20~30人ぐらいの人がいました。

中国系の外国人の姿もありました(タクシーで来ていました。)

私どもはといえば、せいぜい10倍ズーム付きのスマホだけでした・・・

 

行った日の気温は、おそらくマイナス15度くらいだったのでは、と思いました。

(実際、天気予報等でもそうなっていました。)

すごく寒いですので、もし行かれる方は、頭の上から足先まで、防寒の用意を忘れずに!

 

音羽橋から、実際に鶴たちが片足を水面に入れて眠るところまで、

300メートル~500メートルぐらいありました。

TVだと、すぐ近くに見えるような感じですが、

実際は違いました。

肉眼では白い点の塊ぐらいにしか見えません。

少なくとも双眼鏡ぐらいは持っていった方がいいと思います。

 

いよいよ7時すぎ。

日の出とともに、丹頂鶴たちも少しずつ起きはじめ、

空へと羽ばたいていきます。

写真を紹介します。

 

黒い点のようなのが、丹頂鶴です。

 

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橋の上にはカメラを持った人だかり・・・

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おまけとして・・・

釧路市内に戻る際、一般の住宅の玄関先に、丹頂鶴が来ているのを発見!

(白いのが丹頂鶴です)

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さて、釧路市の観光について・・・

JRで釧路に来ると、駅舎が古臭いのが気になります。

1961年に建てられた、とのことですが、

保存すべき建物、という感じでもなさそうです。

札幌駅、旭川駅、函館駅、帯広駅、岩見沢駅・・・

駅はマチの顔であり、上に挙げた道内の主要駅はどれも、

立派に作り替えられています。

また、駅を中心とした街づくりが続いています。

しかし釧路市は、既に釧路駅がマチの中心ではありません。

マチの中心はイオン(イオン釧路中央、釧路町のイオン釧路)です。

バスもそこを中心に運行されているようです。

 

まずは、JR釧路駅を現代的な建物にするとか、

あるいは、旭川のように、JR旭川駅の横にイオンを隣接させるなど、

駅を中心にした街づくりをもう一度考えてはいかがでしょうか。

 

あと、釧路駅~幣舞橋の間に、大きな無料駐車場を作って(駐車場代は釧路市が負担)、

観光バスを駐車してでも、夕陽を見る観光ができやすいようにするなどはいかがでしょうか。

中心部の北大通が、地元に住む人たちにはあまり関係のない、

ビジネスホテルとかばかりだと、

ますます人が閑散とするわけです。

釧路市民にとっても、ぜひ行きたい場所にする、というのも大事だと思います。

(一時期、サラ金とケイタイのショップばかり、という時期もあったそうですが・・・)

 

春採湖も、一周できる道路をきちんと整備し、

市民が楽しめるような仕掛け、たとえば小学生向けに、

土日にスタンプラリーをするとか、

そういうのをしてはいかがと思いました。

あと、たとえば「目指せ!夕陽名人(マスター)」とか、

ある1か月で夕陽の名所めぐりスタンプラリーをするとか・・・

釧路市民ではない、ヨソからの視点で客観的に見つめなおす必要があると思います。

(余所者があれこれ余計な口出ししてゴメンナサイ・・・)

2019年9月17日 (火)

オネシモは盗みをしたのか?〜教会学校説教案への疑問(2019年9月15日)

今私が所属している教会の教会学校では、福音派のCS成長センターが発行する、

『成長』誌を用いています。

2019年9月15日は、

新約聖書の「ピレモン(フィレモン)への手紙」からの説教となっていました。

その日は私の説教担当ではなく、別な方がしました。

その方は、『成長』誌のグレード2(幼児〜小2向け)の説教案を、

ほぼそのまま丸読みするような形で子どもたちに説教していました。

それを聞いていた私は、ある1点にすごく違和感を覚えました。

曰く、「オネシモはご主人の家の金を盗んで逃げ出したのです。

この表現は、『成長』誌2019.7-8-9月No.166のP.134に書かれています。

(ということで、上記は引用、ということになります。)

 

確かに、ピレモン(フィレモン)18節(※『ピレモンへの手紙』は1章しかありません。)には、

もし彼(オネシモ)があなた(ピレモン)に何か損害を与えたか、負債を負っているなら、その請求は私(パウロ)にしてください。

(新約聖書 ピレモンへの手紙18節新改訳2017)

という記述があります。

だからといって、「オネシモは主人から盗みを働いた。」という証拠になるでしょうか?

小学校低学年向けのお話だからといって、

曖昧な話をさももっともらしく断言するのは如何かと思いました。

実際、この『成長』誌のグレード3(小2〜小6向け)では、

ピレモンは何らかの迷惑をかけて、主人の家を飛び出したのです。

(『成長』No.166のP.136より引用)とトーンダウンしています。

 

しかし残念ながら、グレード4(小6〜高1向け)では、

オネシモは、盗みを働いたか何かで主人に損害を与え、」(同誌P.138より引用)とされ、

グレード5(高校生、青年、成人)では、

オネシモとは「有益な者」という意味ですが、おそらく主人のお金を盗んで逃げたのでしょうから、およそその名にふさわしくない奴隷でした。」(同誌P.140より引用)

という記述に戻っていました。

 

参考までに、家に帰ってから、

カトリックのフランシスコ会訳や、岩波書店の新約聖書(新約聖書翻訳委員会訳)、

塚本虎二訳新約聖書で、そういう訳注がないか探してみました。

カトリックあたりなら、「オネシモは盗みをした、という伝承がある」とか書かれていそうですが、

そんな注解は書いていませんでした。

塚本虎二訳では、15〜16節への略註(P.980)で、

「なぜ脱走したかは書いていない。」と記述がありました。

すなわち、「盗みをした」とは断言できないし、

あるいは「盗みをしていない」とも言えないのです。

岩波書店訳では、「解説」のところで、

「(この手紙の)執筆意図は明白である。すなわち、かつてパウロの導きでキリスト教徒となったフィレモンが所有していた奴隷オネシモスが、主人の許から、おそらくいくばくかの金銭と共に、脱走してパウロのところに逃亡してきたのだが、そのオネシモスも獄中でキリスト者となったので、今パウロは彼を主人の許に送り返そうとしている。(以下省略)」

(岩波書店訳P.927より引用終)

とありました。

あくまで、盗みは「おそらく」という予測にすぎません。

新共同訳のスタディ版の註では、

オネシモはフィレモンからお金か所有物を盗んでいたのかもしれない。*あるいは逃亡した事自体が負債とも考えられる。

(聖書スタディ版 新共同訳 新約聖書P.400より引用)

と書かれていました。

この註はある程度納得がいきます。

 

 

フランシスコ会訳

 

塚本虎二訳新約聖書

 

岩波書店 新約聖書

 

聖書 新共同訳 スタディ版

 

 

私としては、「盗んだ」か、「盗んでいない」かよりも、

少なくとも聖書や伝承から断言できない曖昧な事を、

あたかも事実のように子どもたちに伝えるのが、

問題だと思った訳です。

 

あと、グレード2の説教案では、

「悪いことをした人を許しなさい」(いい子ちゃんしようね!)という結論になってしまい、

当時の奴隷制度の中で、使徒パウロが大胆にも

キリストにつくバプテスマ(洗礼)を受けたあなたがたはみな、キリストを着たのです。ユダヤ人もギリシア人もなく、奴隷も自由人もなく、男も女もありません。あなたがはみな、キリスト・イエスにあって一つだからです。

(新約聖書ガラテヤ人への手紙3:27〜28新改訳2017)と主張した革新性が、

ぼやけてしまったように思えました。

だから私はその後の高学年向けの分級で、

「奴隷」という言葉について説明し、

なおかつ、「盗みをした、と先程話があったのは、

低学年向けの説明であり、実際はどうかわからない。」

という解説をすぐさましました。

 

ところで、「奴隷」というのは、現在存在しないはずですが・・・

たまたま、先日(2019年9月11日)放送の、

テレビ東京系「未来世紀ジパング」という番組で、

今知るべき世界の大問題」と題して、

東南アジアにおける現代の奴隷について特集しているのを観ました。

恐るべき人権侵害です!

観ていてとても衝撃を受けました・・・

そういう奴隷によって、

日本の食卓にあがるエビが水揚げされているのかもしれないのです・・・

また、日本の恥とも言える、「技能実習制度」も、

かなり奴隷労働に近いとも言えます。

おそらく10年以内ぐらいに、

第2の「従軍慰安婦」問題のような国際的な人権侵害問題になるのでは、

と私は危惧しています。

(従軍慰安婦問題自体は、本来、韓国政府が保証すべき問題なのが、

国際法上の見解だと私は思っています。)

 

私なら、過去の問題ではなく、現代の問題としての「奴隷」を解説してから、

それらを超えたキリスト者における愛を説く、というやり方で、

子どもたちにお話したいな、と思いました。

2019年7月23日 (火)

NHK総合・クローズアップ現代+「“京アニは日本の宝”世界に広がる支援の輪」(2019年7月22日放送)

2019年7月18日に発生した、

京都アニメーション(以下「京アニ」)へのテロ事件。

あまりにも甚大な被害に絶句しました・・・

 

民放での報道は、京アニの素晴らしさよりも、

犯人像や、建物の構造があたかも死を招いたかのような、

そういう方へ重きを置いていました。

(軍用とか原子炉とかでない限り、ガソリン撒かれて無事な建物など、

どこにもないはずです!

京アニの過失を問うのは、「いじめはいじめられる側も悪い」というのと同じです!)

 

紹介されるアニメも、「涼宮ハルヒ」のEDダンスとか、

アニメ=オタク、のステレオタイプなものが多かったように思えました。

放火殺人で京アニの責任を問う毎日の驕り ガソリンの"爆燃"を知らずに執筆か

 

 

 

2019年7月22日に放送された、

NHK総合・クローズアップ現代+「“京アニは日本の宝”世界に広がる支援の輪」では、

京アニ作品の魅力である、繊細な描写や、

「ツルネ」の舞台となった長野県長野市のところなど、

短時間ながら、魅力をきちんと伝えていました。

そう、まさに「聖地巡礼」ができる繊細緻密な風景描写こそ、

京アニの魅力の一つなのです。

また、世界中のファンの声も伝えていました。

NHK『クロ現』で緊急特集「京都アニメーション 世界に広がる支援の輪」

 

少しいただけなかったのは、

安否不明者の家族(おそらく遺族になられる・・・)に、

まだ気持ちの整理がつかないうちに、インタビューしているところでした。

この事件に限らず、悲劇的な事件が起こった都度、

ご遺族の方にすぐインタビューするのは、あまり好ましく思えません。

 

京アニの八田社長のメッセージをNHKの武田アナが代読するあたりから、

見ていられませんでした・・・

声を震わせながら、なんとかかろうじて司会の役目を果たす姿は、

視聴者の思いを代弁しているかのようでした。

「京アニ好き」NHK武田アナ、クロ現で声震える場面 「たけたんにつられて泣いてしまった」

 

私も、京アニ作品では、

「けいおん!」、「日常」、「氷菓」、「甘城ブリリアントパーク」、

そして「響け!ユーフォニアム」シリーズ、「聲の形」、「リズと青い鳥」を観ました。

特に「響け!ユーフォニアム」シリーズと「聲の形」には感銘を受けました。

また、「リズと青い鳥」の手法は、アニメの新たな可能性を示唆するものでした。

それらの作品の原画が、訳のわからないいいがかりによって、

永久に失われてしまったというのは、世界にとっても大きな損失です。

それ以上に、ハイクオリティな作品を作るスタッフの方々が、

今の所34名も失われたという人的被害の大きさです。

亡くなられた方々のみならず、重軽傷を負った方々も合わせると、

世界のアニメ界にとって計り知れないほどの大きな損失です。

京都アニメーション放火事件の悲劇は、日本アニメの価値と「世界的な喪失感」の大きさを浮き彫りにした

 

私も微力ながら、アニメファンの一人として、

募金で協力しようと考えております。

京都アニメーション様支援募金のお知らせ(アニメイト)

今、「京アニ」のためにできること。事件の影響は計り知れないほど甚大

 

それと、ガソリン携行缶での販売は、身分証明書の提示や、

資格を持った人以外には10L以上の販売を禁止するなど、

新たなテロを防ぐ対策(法改正)が緊急に必要だと思います。

(農業用や除雪用などに困らないようなものに・・・)

2019年5月 1日 (水)

2019年4月のページビュー(PV)数ベスト10記事一覧

2019年4月のページビュー(PV)数ベスト10記事は以下のとおりです:

(※トップページ及びカテゴリを除く)

ベスト3までは記事リンクをつけています。

 

一位.「カトリック」か「カソリック」か?~誤用に潜む軽蔑と無知

二位.インクルーシブ(インクルージョン)教育は子どもにとって本当に幸福なのか?

~おすすめブログ記事「脱インクルージョン教育」(ブログ名:斜に構えてみる)

三位.NHKEテレ・ららら♪クラシック「トムとジェリーとクラシック」

(2019年4月5日放送)〜実は十二音技法まで使われていた!

四位. マーラー:交響曲第7番聴き比べ14種類

五位.学び合い学習」は日本の義務教育崩壊を招く!

~おすすめ記事『【解答乱麻】 TOSS代表・向山洋一 亡国の教育「学び合い学習」』

六位.メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調op.64聴き比べ6盤

〜女性ヴァイオリニスト対決?

七位.SACDとBlu-ray Audio、どちらが優れているか?〜音響、価格、将来性・・・

八位.宿題を出す先生、出さない先生、どちらがいい先生?

〜学力をつけるのは授業か、宿題か?

九位. エルガー・エニグマ変奏曲op.36聴き比べ4盤

十位.グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調op.16 聴き比べ7盤

 

先月書いた記事では、

3位に、らららクラシックの「トムとジェリー」の記事がランクインしたのは嬉しいです。

1位の記事は・・・

なんでそんなに読まれるのか、未だにわかりません・・・

 

さて、本日から、日本では元号が「平成」から「令和」に変わりましたね。

テレビ報道を見ると、なんだか年末年始みたいな感じになっていました。

「平成」最後の日と「令和」最初の日、みなさんはどのように迎えましたか?

私ども夫婦は、あえて、いつもの日と変わらないように、

「平成」のうちに眠りにつき、

いつもどおりに起きて、「令和」を迎えました。

私は可能な限り、日本の元号よりも、西暦の方を使いたいです。

(公文書的なものは仕方ないとして・・・)

 

神は季節と時を変え、

王を廃し、王を立てる。

知恵を授けて賢者とし、知識を授けて悟りのある者とされる。

(旧約聖書ダニエル書2:21新改訳2017)

 

かといって、一部のキリスト者や左翼系の人のように、

天皇制反対、というつもりもありません。

 

そこで、私は何よりもまず勧めます。すべての人のために、王たちと高い地位にあるすべての人のために願い、祈り、とりなし、感謝をささげなさい。それは、私たちがいつも敬虔で品位を保ち、平安で落ち着いた生活を送るためです。そのような祈りは、私たちの救い主である神の御前において良いことであり、喜ばれることです。

(新約聖書 テモテへの手紙第一2:1〜3新改訳2017)

 

だから、皇室や日本の総理のために祈ることは、必要なことだと思っています。

 

新元号、新天皇の即位、

祝いたい人は祝えばいいけど、強制はされない・・・

(別に反対するつもりはない。)

それこそ、寛容な国ではないでしょうか?

 

おまけ

 

本日、私どもは、札幌市中央区の道庁赤レンガの方へ行きました。

ちょうど、道庁の池に、オシドリのつがいがいました。

「おしどり夫婦」というと、「仲がいい夫婦」ということですが、

実は、オシドリは、毎年パートナーを変えるようですね・・・

それはともかく、オスのオシドリはとてもきれいでした。

 

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北海道では、桜と一緒に木蓮の花を眺めることができます。

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今月もご愛読よろしくお願いいたします。

2019年1月14日 (月)

NHKEテレ・こころの時代~宗教・人生~「外国人収容者と共にありて」(2019年1月12日再放送)

NHKEテレの「こころの時代〜宗教・人生〜」。
時々キリスト教関係の人が出てきます。
キリスト教関係の方が出演される場合は、
たいてい社会福祉関係か、人権活動家(沖縄の基地問題含む)です。
そういう方の場合、活動はすごく立派なのですが、
残念ながら、キリストを人権活動家か、
慈善家のレベルに下げて論じてしまうことが多いです。

今回登場する牧師さんも、そんな感じかな、と思いつつも、
一応、キリスト教関係者の出演ということで、録画して観ました。
しかし、期待はいい意味で裏切られました。
2019年1月12日再放送(本放送は2018年9月30日)の
外国人収容者と共にありて」です。
長崎県大村市の「大村入国管理センター」で、
収容されている外国人のためにセンター内で月1回礼拝を捧げている、
長崎インターナショナル教会の牧師、柚之原寛史(ゆのはら ひろし)牧師の活動と、
原動力となった体験についての番組でした。

録画した番組を観て数分で、私にとっては「おっ!」と思えるシーンが出てきました。
収容者のために、柚之原牧師がその手をとって祈るところです。
「主よ、癒やしを与えてください」
リベラル系の牧師サン達なら、たぶんそんな祈りはしないだろう・・・
この人は、どこ系(リベラル派?福音派?まさかまさかの聖霊派?)の牧師先生?
番組を一時停止して、柚之原牧師について調べてその経歴を見ると、
明らかに聖霊派系の方だというのがわかりました。
ライフ・ライン」といった明らかなキリスト教系の伝道番組ならいざ知らず、
NHKでこの系統の方が出るのは珍しいと思いました。
しかも、ストレートにキリストの御言葉を語っていました。

それにしても、刑務所でないのに、なぜ数年(長いと6年・・・)も収容され続けるのか?
番組を観ても、いろいろ調べても、正直に言って、よくわかりませんでした。
なにせ、収容年数は入管の恣意的な判断で決まるわけですから・・・
明らかなのは、日本政府による深刻な人権侵害だ、ということだけです。
イスラム教の人に対してハラル食を提供しないとか、結構問題だと思います。
私の妻はこの番組を通して現状を知った上で、
「典型的な、日本人の優柔不断な態度だ」と言っていました。

番組では、柚之原牧師の改心のきっかけになった、
クリスチャンの母の死と、そこからの変化についても、
きちんと時間を割いていました。

「地の塩、世の光」としてのキリスト者の活動と言動を、
しっかり描いていた番組だと思いました。

外国人労働者と不法滞在の問題は、
これからもっと深刻化してくると思います。
安い労働力は欲しいが、人間としてはみなさない、というのは、
先進国としてあるまじき態度だと思います。

今回の番組の内容については、
私の記事ではなかなか書ききれない内容ですので、
参考記事をいろいろ紹介しておきます。
興味がある方はリンク先をぜひご覧になってください。

外国人収容者と共にありて(番組の文字起こし記事)
難民問題、外国人支援に取り組みながらキリストの愛を伝える。
(大村インターナショナル教会HP掲載)
長期収容・病死・自殺・・・放置できない”入管地獄“(ブログ名「アリの一言」)
「外国人収容者と共にありて」(ブログ名「月の光で澄み渡る」)
集団暴力、無期限拘束……。あまりに酷い、入管収容所における外国人虐待の実態
(ハーバー・ビジネス・オンライン)

「死にたいほど苦しい」外国人、長期収容の実態 入国管理局、就労拡大の陰で インド人男性自殺の「悲劇」も
2018年06月16日 06時00分(西日本新聞)

そこで、王は右側にいる人たちに言う。『さあ、わたしの父に祝福された人たち、天地創造の時からお前たちのために用意されている国を受け継ぎなさい。 お前たちは、わたしが飢えていたときに食べさせ、のどが渇いていたときに飲ませ、旅をしていたときに宿を貸し、 裸のときに着せ、病気のときに見舞い、牢にいたときに訪ねてくれたからだ。』 すると、正しい人たちが王に答える。『主よ、いつわたしたちは、飢えておられるのを見て食べ物を差し上げ、のどが渇いておられるのを見て飲み物を差し上げたでしょうか。 いつ、旅をしておられるのを見てお宿を貸し、裸でおられるのを見てお着せしたでしょうか。 いつ、病気をなさったり、牢におられたりするのを見て、お訪ねしたでしょうか。』 そこで、王は答える。『はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである。
(新約聖書マタイによる福音書25:34〜40新共同訳)
兄弟としていつも愛し合いなさい。 旅人をもてなすことを忘れてはいけません。そうすることで、ある人たちは、気づかずに天使たちをもてなしました。 自分も一緒に捕らわれているつもりで、牢に捕らわれている人たちを思いやり、また、自分も体を持って生きているのですから、虐待されている人たちのことを思いやりなさい。
(新約聖書ヘブライ人への手紙13:1〜3新共同訳)
※下線は筆者による。

2019年1月13日 (日)

NHKBSプレミアム・玉木宏 音楽サスペンス紀行▽ショスタコーヴィチ 死の街を照らした交響曲第7番(2019年1月2日放送)と、M・ヤンソンス指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管による「レニングラード」の名演

2019年1月2日に、NHKBSプレミアムで放送された、
玉木宏 音楽サスペンス紀行▽ショスタコーヴィチ 死の街を照らした交響曲第7番」を、
正月明けに、録画で観ました。
再現ドラマを交えての2時間のドキュメンタリー番組でした。
年末年始の帰省中及び自宅に戻ってからも、
年末年始のいろいろなクラシック音楽の特別番組を観ましたが、
この番組は最も興味深いものとなりました。

番組HPから引用)
第二次世界大戦のさなか、ドイツ軍に包囲され過酷な状況にあったレニングラードで、ある演奏会が行われた。ショスタコーヴィチが故郷・レニングラードにささげた「交響曲第7番」。飢えや寒さと闘いながら、人々はどのようにして“奇跡のコンサート”を実現したのか?一方、作品の楽譜は密かにマイクロフィルムにおさめられ、遠路アメリカまで運ばれた。ソビエトとアメリカの大国同士が音楽で手を結んだ、驚くべき政治的背景とは?
(引用終)

作曲家のショスタコーヴィチに焦点を当てるよりは、
ドイツ軍に包囲されて地獄のような苦しみに喘いでいたレニングラード
(現:サンクトペテルブルク)で、
どのように奇跡の初演を行うことができたのか、というのが、
番組の中心でした。

うろ覚えでスイマセンが、以前(数年前?)、NHKBS1で、
再現ドラマなしのほぼ同内容(レニングラードでの初演に至るまでの部分)の
ドキュメンタリー番組を観たことがあります。
(番組名は忘れてしまいましたが・・・)
ただ、今回は、再現ドラマと、俳優の玉木宏さんによる生存者へのインタビューと、
指揮者パーヴォ・ヤルヴィのコメント、
アメリカでの初演に至るまでの経緯という新要素を加えているので、
新鮮な目で観ることができました。

飢餓の中で、人肉食まで行われた凄惨な飢餓の話は絶句でした・・・
(肉屋から、「もっといい肉があるよ」と誘われて肉屋の家へ行った人が行方不明になり、
衣服だけが残されていた・・・バラバラになった手足がたくさんあって・・・
その先は言うのも憚ります・・・)
人々は音楽よりも、日々食べるのでも精一杯。
(食べられるものなら、壁紙の糊すらも食べていたとか・・・)
世界初演、海外初演、アメリカ初演が既に行われていた上での、
この曲が捧げられたレニングラードでの初演。
飢餓とドイツ軍の攻撃の中、
なんとか初演に漕ぎ着けるまでの実話は感動的でした。
お正月だから、めでたい気分の中、
よくこんな重たい内容の番組を放送できたものだと感心しました。

番組を見終わってから、
早速「レニングラード」を全曲通して聴いてみようと思いました。
実は、私にとって、「レニングラード」は長いし、第3楽章と第4楽章は少々退屈ですので、
全曲聴き通すのはあまりしたことがありません。

その印象を私に植え付けたのは、この曲の名盤として知られる、
バーンスタイン指揮シカゴ交響楽団による演奏だと思います。

(参考)バーンスタイン&CSO盤

通常、第1楽章は27分前後で演奏されますが、
バーンスタイン盤は32分近くかかります。
第1、第2楽章だけで、45分以上になります。
(通常は40分以下)
確かに、昔バーンスタイン&CSO盤を聴いた時は、
第1楽章の迫力に感動したものです。
しかし、第1楽章でお腹いっぱいという感じで、
第2楽章はもう耳に残らない感があり、
第3楽章、第4楽章はCD2枚目に入るので、
「もういいや・・・」という感じで、あまり聴くことがありませんでした。

改めてバーンスタイン&CSO盤を聴いてみると、
出だしこそ音の迫力はいいですが、
そこからはすぐにお腹いっぱい感があり、
第1楽章でさえ、聴き通すのにウンザリしました。

家にあった他の盤では、
昔、アンドリス・ネルソンズ&バーミンガム市交響楽団のSACDがありましたが、
SACDなのに全然迫力がなかったので、すぐ売り払いました。

(参考)ネルソンズ盤

ネルソンズはボストン交響楽団による演奏による新録音が、
2019年2月に発売予定です。

(参考)ネルソンズ新盤

交響曲第12番で凄演を聴かせた、キタエンコ指揮の盤も、
この「レニングラード」ではイマイチでした・・・

(参考)キタエンコ盤
ショスタコーヴィチ:交響曲全集[SACD-Hybrid] SACD, Box set, Import

通常CDで合格は、ルドルフ・バルシャイ指揮WDR交響楽団によるものでした。

ショスタコーヴィチ:交響曲全集 (Shostakovish: Symphonies) Box set, CD, Import

ただ、やはりSACDでいい演奏を聴いてみたいな、と思ったので、
急いでマリス・ヤンソンス指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の
ハイブリッドSACDを買って聴いてみました。

マリス・ヤンソンス指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団盤

こちらは各楽章の収録時間を書いておきます。

第1楽章 27:22
第2楽章 11:20
第3楽章 18:39
第4楽章 17:16

第1楽章、第2楽章の迫力は、バーンスタイン盤を超えます。
第3楽章、第4楽章は、私が元々それほど好きではないせいか、
少し迫力が落ちるように感じましたが、
バーンスタイン盤のように途中で聴くのをやめてしまう満腹感にはならなく、
最後まで聴き通すことができました。
この演奏で、ようやく全曲通して聴く道が開けたように思えます。
いい演奏に巡り会えたと思いました。

参考記事を挙げておきます。
・タワレコがNHKの番組放送後にまとめた記事
NHK BS「玉木宏 音楽サスペンス紀行」で話題!ショスタコーヴィチ:交響曲第7番“レニングラード”
カテゴリ : Classical掲載: 2019年01月08日 00:00

ショスタコーヴィチ 交響曲第7番
---「レニングラード」という標題を外して再評価を ! ---

レニングラード初演に関する詳しい本のようです。
ひのまどか著『戦火のシンフォニー: レニングラード封鎖345日目の真実』

2018年7月19日 (木)

「夏の甲子園」は立派な児童虐待なのでは?〜人が死なないと動かない教育行政・・・

先日(2018年7月17日)、愛知県で小1の男児が、
校外学習後に熱射病(重度の熱中症)で亡くなる、という、
痛ましい事件がありました。
小1男児が熱中症で死亡 校外学習中に「疲れた」訴え
2018年7月17日20時02分(朝日新聞)

この死亡事件のすぐ翌日、
事件が起きた愛知県豊田市の市長が、
小学校の教室へエアコン設置工事を前倒しする、と表明しました。
小1の熱中症死、豊田市が小学校のエアコン設置前倒しへ
臼井昭仁、佐藤剛志2018年7月18日13時36分(朝日新聞)

エアコンが教室に設置されるという、
このニュース自体は、子どもたちにとって朗報といえます。
しかし、あまりに大きな代償を払っての設置となってしまいました。
誰かが人身御供になって犠牲にならなければ、行政が動かないというのは、
情けない限りです。

さて、熱中症に関連して、
実に鋭い記事を読みましたので、紹介します。

2018.7.19
朝日新聞「炎天下の運動やめよう」記事炎上でも甲子園は別!?
窪田順生:ノンフィクションライター(ダイヤモンド・オンライン)

又は
朝日新聞「炎天下の運動やめよう」記事炎上でも甲子園は別!?
2018.7/19(木) 6:00配信(Yahoo!ニュース)※上記の転載記事

朝日新聞では、2018年7月14日に、
運動部のみんな、熱中症「無理」「もうダメだ」の勇気を
編集委員・中小路徹2018年7月14日18時00分
」という署名記事を公開しています。
(我が家では朝日新聞を購読していませんので、
紙面ではどういう扱いかわかりませんが・・・)
これに週刊ダイヤモンドが食いついた訳です。
これが朝日の本気なら、ぜひ全国の高校球児は、
酷暑の中、長時間の試合を強いる夏の甲子園大会をボイコットすべきなのです!

週刊ダイヤモンドの記事は、夏の甲子園大会における朝日新聞のダブルスタンダードを、
容赦なく暴き出し、批判しています。
読んでいて痛快でした。
(もう一つ言えば、NHKも同罪です!)

(関連記事)
ネット上には疑問の声 猛暑もお構いなしに試合が行われる高校野球
2018.7/19(木) 17:12配信(Yahoo!ニュース←リアルライブ)

高校野球自体が、負けを一切許さない(一度負けたら終わり・・・)という仕組みなのが、
そもそも健全育成とはほど遠いものです。
それはさておき、酷暑による熱中症で、
選手か応援の人が誰か死なないと、
批判の声が表立たないのでしょうか・・・
冷房が効いたドーム球場で行うとか、
もうそろそろ炎天下での野球大会はやめるべきだと考えます。
酷暑の中、長時間運動をさせる夏の甲子園は、
もう立派な児童虐待なのでは?

ところで、教育行政では、プログラミング教育だの、
タブレットを導入だの、そういうところには余計なカネをつぎ込もうとしていますが、
たとえば、札幌市でいえば、教室の窓に網戸をつけることさえなされていません。
ましてや、エアコンなんて夢のまた夢・・・
全国的にも、小中のエアコンの設置率は、全国の半分程度であり、
自治体によっては、1割程度のところもあるそうです・・・
小中のエアコン設置 いまだ半数 暑くても設置率1割未満の自治体も 莫大な予算が課題
内田良 | 名古屋大学大学院教育発達科学研究科・准教授
2018.7/17(火) 8:56(Yahoo!ニュース)

この記事の核となるところを引用します。
(引用)
教育環境の公平性
 市町村としては、自治体内のすべての学校のすべての教室に、一斉にエアコンを導入することが求められる。そのために億単位の予算を計上することも多々ある。しかも設置と同時に、毎年多額の電気代負担も生じることになる。

 設置のための莫大な予算が短期間に必要とされ、しかも多額の電気代が長期的に必要とされる。この財政的負担が各市町村に与える影響は大きく、それがエアコン設置の障壁となっている。

 現在、国は「学校施設環境改善交付金」としてエアコンの設置には3分の1の額を補助している。そうは言っても、自治体の負担はかなり大きい。

 義務教育段階においては、自治体内だけでなく日本社会全体において基本的には同質の教育環境が公平に保障されるべきである。このことを考えれば、エアコン設置の都道府県格差は、国の問題でもある。国からのより積極的な支援が必要である。

 公教育という名のもと、ある地域では子どもも先生もオフィスと同様のエアコンの効いた空間に身を置き、別の地域では今日もまた汗だくになって授業時間を過ごしている。こんな状況を放置していてよいのだろうか。

 エアコンはもはや贅沢品ではなく、必需品である。子どもたちが適度な室温で授業が受けられる環境を、一刻も早く整える必要があり、これは地域住民さらには国民全体で考えていくべき課題である。
(引用終)


誰かが亡くなってから対策をとるのではなく、
大切な子どもたちを守るためにこそ、税金は有効に使われてほしいと願っています。

2017年9月 9日 (土)

「九条教」では国民の平和と安全は守れない!〜百田尚樹著『カエルの楽園』、『戦争と平和』、『大放言』を読んで

2017年8月29日、いつも通り午前5時50分に起きて、
半分寝ぼけながら、目覚まし代わりのNHKニュース「おはよう日本」を観ていて、
ちょうど午前6:02頃、
突然いつもとは違うスマホのアラームが鳴り・・・
テレビの画面はJアラートの画面になっていました。

北朝鮮からミサイルが発射され、
北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、
山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、
新潟県、長野県という広範囲に、
ミサイル発射。ミサイル発射。北朝鮮からミサイルが発射された模様です。
頑丈な建物や地下に避難してください。
」という警報が発表されました。

頑丈な建物や地下に避難」・・・って、そんなの近くにないよ・・・
もしも、本当にミサイルが来たら、どっちにしたって逃げようがなく、
終わりだ・・・
日本を超えて、太平洋の領海外にさっさと落ちてほしい・・・
そう祈るしかありませんでした。

私は大地震を3回経験していますが、
「これで命が終わりだ」と思ったことはありません。
(さすがに津波の経験はありませんが・・・)
しかし、日本の空をかすめた、ミサイルについては、
日本の現行の憲法及び法律では防ぎようがなく、
どうすることもできないのだ、と無力感を実感しました。

次の日の朝、いつも通り起きて、祈りの時間をもっていた時、
当たり前に朝を迎えることができる、ただそれだけで、
神様に感謝すべき、まさに「奇跡」なのだと悟りました。

それ以来、私の中の価値観が少し変わったように思えます。
そんな中、ちょうどいいタイミングで、
百田尚樹氏(以下敬称略)の『カエルの楽園』が、
新潮文庫で緊急出版されました。
寓話という形で、日本と中国、ロシア、北朝鮮、アメリカ、韓国との関係を描いています。

このお話の中では、「日本国憲法」ではなく、
「三戒」という平和主義のスローガンを守っていれば、
戦争を回避できると、平和な国ナパージュ(日本)のカエル達は信じています。
しかし、実際は、ナパージュの平和は、三戒ではなく、
鷲のスチームボート(アメリカ)によって守られていました。
(→日本を守る米軍)

ちょうど今日(2017年9月9日)、JR札幌駅の近く、紀伊國屋書店のところを通っていると、
どこかの政治団体が、「憲法第九条を守れ!」と叫んで、
最後には、憲法第九条だけをうるさいほどの声で読み上げていました。
しかし私の心の中では、
「憲法第九条がミサイルから国民を守ってくれるのか!」という思いでいっぱいでした。

残念ながら、現在の日本国憲法では、
ミサイルから国民を守ることは無理でしょう。
あるいは、核パルス攻撃に対しては、
どんな防御もできないようです。

北朝鮮のミサイル発射は、もしかすると、
我々日本国民への大きな「プレゼント」なのかもしれません。
すなわち、平和憲法では自分で自分の身を守ることすらできないのだから、
日本国民よ、「九条教」から目を覚ませ!
今こそ、自分の国は自分で守ることができるよう、
憲法を変えなければいけない・・・

同じようなことが、寓話ではなく、
直接的に、『戦争と平和』、『大放言』にも書かれています。

大放言

戦争と平和

『戦争と平和』の中で、こんなくだりがあります。

(引用)
 九条教という宗教
 九条を信奉している人たちと話をしていると、どうやら「九条」に対する盲信のようなものがあるのに気付きました。簡単に言えば、「日本に九条がある限り、戦争は決して起こらない」という思い込みです。
彼らの話を聞いているうちに、これは一種の宗教に近いものだと思いました。つまり、理屈ではないのです。論理を超えた信仰です。私はこれは何かに似ていると思いました。それは、一二◯年ほど前、清朝末期の義和団です。

(中略)
でも最近になって、ようやくその理由がわかってきました。彼らはかつての義和団の信者と同じ、「九条教」という宗教の信者だったからです。
戦後七◯年にわたって、朝日新聞をはじめとする大メディア、そして日教組、さらに市民活動家、進歩的文化人と呼ばれる人たち(実は左翼主義者)が、新聞や雑誌やテレビで、「九条は正しい」「日本の平和は九条によって守られてきた」という布教を続けてきたのです。そして知らないうちに「九条教」という世界でも例のない不思議なカルト宗教の信者を増やしてしまったのです。

(『戦争と平和』P204、206から引用終)

憲法第九条を振りかざして「平和!平和!」と唱えても、
悪意ある隣国には届きません。
残念ながら、国対国は、力で勝負するしかないのです。

『戦争と平和』では、次のような九条改正案を提案しています。

(引用)
一、日本国民は、侵略戦争は永久に放棄する。
二、日本国民は、日本が他国からの侵略を受けた場合、徹底してこれと戦う。

(『戦争と平和』P208から引用終わり)

日本は今、旧約聖書の詩編120がちょうどあてはまります。

わたしは不幸なことだ
メシェクに宿り、ケダルの天幕の傍らに住むとは
平和を憎む者と共に
わたしの魂が久しくそこに住むとは。
平和をこそ、わたしは語るのに
彼らはただ、戦いを語る。

(旧約聖書 詩編120:5〜7 新共同訳)

こちらが平和を望んでいても、相手は戦いしか考えていない・・・
(イスラエルと近隣のアラブ諸国との関係が実に詩編の言葉どおりです。)
日本国民は別に戦争したい訳ではないし、
今更他国を侵略するのは不可能・無意味ですが、
少なくとも、当然の権利である、自国を防衛するためにも、
憲法改正は必要だと思います。

北朝鮮ミサイル関連の話はここまでとして・・・
『大放言』の中で、特に心に残ったのが、
「原爆慰霊碑の碑文を書き直せ」(P79〜85)でした。
まさにその通りだと思いました。

これら3冊の本は、もしかすると、
仮に、1年前に読んでいたら、「言い過ぎだ」と思ったかもしれません。
しかし、現実的な脅威にさらされている現在の日本では、
まさに予言的な響きとなっています。
九条にしがみついても、ミサイルは容赦なくやってきます・・・

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