グリーグ:「ペール・ギュント」聴き比べ~第1組曲を中心に
グリーグの「ペール・ギュント」組曲といえば、
第1組曲の「朝」が最も有名ですね。
爽やかで清々しい朝の光景が思い浮かびます。
続いて、同じ第1組曲の「山の魔王の宮殿にて」。
私は最近この曲を聴くと、ついドラマ「家政夫のミタゾノ」を思い出してしまいます(笑)
ある意味、中毒性の高い音楽とも言えます。
それはさておき、最近、ようやくこれら個別の曲だけでなく、
組曲全体の流れがとても好きになりました。
家にもともとあったのが2盤(カラヤン新盤とセル盤)。
その上に3盤買い足して、第1組曲を中心に聴き比べてみました。
ただし、厳密な比較をできるのは、
後述のカラヤン盤2種類の間だけです。
録音の古→新の順で紹介します。
なお、トラック名については、各CDのジャケット・解説書通りの記述とします。
(たとえば「オーゼの死」と「オーセの死」、
「山の魔王の広間にて」と「山の魔王の宮殿にて」など・・・)
〇サー・トーマス・ビーチャム指揮ロイヤル・フィルハーモニー管(WARNER/タワレコ限定)
1956~1957年録音
SACDハイブリッド盤
収録曲(組曲版ではありません)
※第1、第2組曲に含まれるもののみ収録時間を記載。
☆3.5
1.結婚行進曲
2.第2幕への前奏曲 花嫁の略奪とイングリッドの嘆き 4:27
3.山の魔王の広間にて(※声楽入り) 2:16
4.朝 4:10
5.オーゼの死 5:56
6.アラビアの踊り(※声楽入り)4:44
7.ソルヴェイグの歌(※声楽入り)5:20
8.アニトラの踊り 4:03
9.ペール・ギュントの帰還~嵐の情景 3:04
10.ソルヴェイグの子守唄(※声楽入り)
全曲盤は結局私は持っていませんが、これぐらいで十分かも。
歌詞対訳がついていないので、何を歌っているのかわかりませんが、
「山の魔王の~」は迫力十分です。
なお、カップリングは、
グリーグの「4つの交響的舞曲 第2曲」と、
「演奏会用序曲『秋に』」、「古いノルウェーの民謡による変奏曲」です。
なかなかツウな選曲・・・
〇カラヤン指揮ウィーン・フィル(DECCA)
1961年9月録音
SACDシングルレイヤー
カップリング:アダン:バレエ「ジゼル」全曲
☆4.0
収録曲
1.朝 4:04
2.オーセの死 4:47
3.アニトラの踊り 3:36
4.山の魔王の宮殿にて 2:29
5.イングリッドの嘆き 4:22
6.ソルヴェイグの歌 5:50
第1組曲に第2組曲から2曲を足したものと解釈できます。
この盤と、後述のベルリン・フィル盤(1971年録音)が、
最も「山の魔王の~」の迫力がスゴイです。
演奏、録音ともに「素晴らしい!」の一言に尽きます。
〇ジョージ・セル指揮クリーヴランド管(SONY)
1966年1月録音
SACDシングルレイヤー
カップリング:ビゼー:「アルルの女」第1・第2組曲、
ムソルグスキー/ラヴェル:組曲「展覧会の絵」、
ムソルグスキー:歌劇「ホヴァンシチナ」より前奏曲「モスクワ河の夜明け」
☆4.0
収録曲 第1組曲+ソルヴェイグの歌
1.朝の気分 4:12
2.オーセの死 5:03
3.アニトラの踊り 2:32
4.ソルヴェイグの歌(第2組曲より)
5.山の魔王の広間にて 2:24
こういう作品でも決して妥協しないセルの指揮が、
凛とした魅力を醸し出しています。
「山の魔王~」はカラヤンほどの迫力には至っていませんが、
「朝」はカラヤン盤以上かもしれません。
〇カラヤン指揮ベルリン・フィル(DG)
1971年9月録音
通常CD
カップリング
シベリウス:「フィンランディア」、「悲しきワルツ」、「トゥオネラの白鳥」
☆4.0
第1組曲
1.朝 4:01
2.オーセの死 4:46
3.アニトラの踊り 3:44
4.山の魔王の宮殿にて 2:07
第2組曲
1.花嫁の略奪~イングリッドの嘆き 4:53
2.アラビアの踊り 4:38
3.ペール・ギュントの帰郷 2:42
4.ソルヴェイグの歌 6:15
全盛期のカラヤンのパワフルな演奏です。
「山の魔王~」は、ウィーン・フィル盤とこの盤があれば十分かもしれません。
〇カラヤン指揮ベルリン・フィル(DG)
1982年1~2月録音
SACDシングルレイヤー
カップリング シベリウス:組曲「ペレアスとメリザンド」
※既にSACDシングルレイヤー盤は廃盤のようなので、
通常CDを紹介します。
☆3.5
第1組曲
1.朝 4:03
2.オーセの死 4:37
3.アニトラの踊り 3:17
4.山の魔王の宮殿にて 2:15
第2組曲
1.花嫁の略奪~イングリッドの嘆き 4:54
2.アラビアの踊り 4:51
3.ペール・ギュントの帰還 2:55
4.ソルヴェイグの歌 6:09
力が抜けた、少しおとなしめの演奏。
これでは物足りないと思って、買い足しに走ってしまいました・・・
でもこれだけ聴けば、結構良い演奏だと思います。
最近のコメント