シベリウス:ヴァイオリン協奏曲7盤
シベリウスのヴァイオリン協奏曲。
とても大好きな曲の一つです。
20世紀のヴァイオリン協奏曲としては、一番好きかもしれません。
(グラズノフ、ストラヴィンスキー、プロコフィエフの2曲、ショスタコーヴィチの1番など、
ロシア系も素晴らしいですが・・・)
今回記事を書いてみようと思ったのは、
シベリウスの交響曲第7番の聴き比べ記事を書くために、
いろいろ聴いていて、
カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏を、
第7番からずっと流して聴いていると、
普段まず聴かない、クリスチャン・フェラス(Vn)の演奏での、
シベリウスのヴァイオリン協奏曲を聴いたことによります。
実は、今まで注目していなかったけど、素晴らしい名盤なのでは?
それで聴き比べの旅が始まりました。
(結局、シベリウスの交響曲第7番の記事より先になってしまいました・・・)
低⇒高の順で書きます。
〇ジェニファー・パイク(Vn)、
サー・アンドリュー・デイヴィス指揮ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団(CHANDOS)
2013年6月録音
SACDハイブリッド(5.0マルチチャンネル)
第1楽章 15:46
第2楽章 08:16
第3楽章 07:44
☆3.0
特に印象に残らなかったです。
カップリング曲の「フィンランディア」他が素晴らしいです。
〇ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)、
ワルター・ヘンドル指揮シカゴ交響楽団(RCA)
1959年1月録音
SACDハイブリッド(3chマルチチャンネル)
第1楽章 13:37
第2楽章 06:18
第3楽章 06:48
☆3.5
冒頭の、ブルックナー開始のような、森のささやきのように幽かに聴こえるところ。
ハイフェッツ盤では、露骨なまでにはっきりと聴こえます
(というより、聴かせています)。
シベリウスよりは、ハイフェッツを聴く盤と割り切った方がいいでしょう。
そういう意味では、圧倒的な盤です。
SACDハイブリッド盤は廃盤のようですので、通常CDを紹介しておきます。
所有盤のジャケット。
〇岩谷祐之(Vn)、
藤岡幸夫指揮関西フィルハーモニー管弦楽団(ALM RECORDS)
2020年7月録音
通常CD
第1楽章 17:12
第2楽章 08:51
第3楽章 07:55
☆3.5
シベリウス交響曲全集のオマケ、という感じで、
あまり期待していなかったのですが、
意外と健闘していました。
オケが繊細です。
〇諏訪内晶子(Vn)、
サカリ・オラモ指揮バーミンガム市交響楽団(DECCA)
2002年6月録音
SACDシングルレイヤー
第1楽章 15:29
第2楽章 09:05
第3楽章 07:00
☆4.0
かつてなら、☆4.5つけていたと思いますが、
現在の心境では、☆4.0でした・・・
第1楽章は意外にも平凡かもしれません。
冒頭のさざ波は今の私には聞こえませんでした・・・
第2楽章以降が本領発揮!
純粋に音を奏でているだけにも関わらず、
何でこんなに感動するのでしょう!?
※SACDは入手困難のようですので、通常CDを紹介します。
〇チョン・キョンファ(Vn)、
プレヴィン指揮ロンドン交響楽団(DECCA)
1970年6月録音
Blu-ray Audio
第1楽章 15:25
第2楽章 08:08
第3楽章 07:16
☆4.0
ヴァイオリンの没頭感では随一かもしれません。
北欧の柔和な風景が見えてくるような名演です。
こちらも、以前は冒頭のさざ波が聞こえていたのですが、
今回は聞こえてこなかったです(私の耳の問題かもしれませんが・・・)
〇クリスチャン・フェラス(Vn)、
カラヤン指揮ベルリン・フィル(DG)
1964年10月録音
SACDシングルレイヤー
第1楽章 16:12
第2楽章 09:00
第3楽章 08:05
☆4.5
まさにダークホース・・・
全然期待していなかったのですが、
この曲の美しさを新たに確認することができました。
オケが雄弁ですが、ソロも存在感がありながらも、
人間界を超えた大自然だけが鳴り響いているような、
演奏者を忘れ、曲の美しさだけが溢れてきます・・・
冒頭のさざ波が、実に理想的に、幽かに聴こえてきます。
なお、Blu-ray Audio付の交響曲全集を持っているのですが、
なぜか、こちらで聴くとSACDよりは感動・感銘が落ちる感じがしました・・・
(どうして?)
(参考)
〇ペッカ・クーシスト(Vn)、
レイフ・セーゲルスタム指揮ヘルシンキ・フィルハーモニア管弦楽団(ONDINE)
1996年1月録音
通常CD
第1楽章 18:27
第2楽章 09:12
第3楽章 07:45
☆4.5
カラヤン盤以上に、北欧の大自然とダイナミックさを感じます。
絶景美景が広がっていくのみ・・・
なお、シベリウスのヴァイオリン協奏曲については、
過去に4回記事を書いたことがあります。
⇒シベリウス:ヴァイオリン協奏曲Op.47〜ヒラリー・ハーン(Hilary Hahn)のDG録音他
(※もう手元にヒラリー・ハーン盤ありません・・・
この時は、諏訪内盤がイチオシでした。)
⇒NHKEテレ・クラシック音楽館<ハンヌ・リントゥ指揮 フィンランド放送交響楽団演奏会>(2015年11月29日放送)〜諏訪内晶子ソロによる、シベリウス:ヴァイオリン協奏曲の驚異的な美しさ!
⇒SACDとBlu-ray Audio、どちらが優れているか?〜音響、価格、将来性・・・
(中盤に、チョン・キョンファ盤への言及があります。)
⇒BS日テレ・読響シンフォニックライブ〜オスモ・ヴァンスカ指揮、エリナ・ヴァハラ独奏によるシベリウスのヴァイオリン協奏曲(2016年2月27日放送)
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