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2021年3月20日 (土)

メンデルスゾーン:交響曲第5番「宗教改革」4盤~マゼール盤最高!

先日、フランクの交響曲を聴き比べするために、

家にある盤に、追加で、

ロリン・マゼール指揮ベルリン放送交響楽団によるDG盤を入手しました。

 

Franck: Symphonie D-moll; Mendelssohn: Symphony No. 5 / Maazel

 

聴いてみて、フランクも激情型で素晴らしかったですが、

それ以上に魅力に感じたのが、メンデルスゾーンの「宗教改革」でした。

 

メンデルスゾーンの交響曲第5番「宗教改革」は、

「第5番」となっているものの、実際に作られたのは、

2番目で、21歳の時に完成。

第1楽章に「ドレスデン・アーメン」(讃美歌567Ⅲ)、

第4楽章にルターの有名な讃美歌「神はわがやぐら」(讃美歌267)が使われています。

ルーテル教会300周年を記念するために作られた、とのこと。

 

そんな肩書や作曲の経緯はさておいて、

曲として、今まで魅力を感じたか、というと、

はっきり言ってNo!でした。

第3番「スコットランド」、第4番「イタリア」に比べると、

かなり落ちる印象しか受けませんでした。

それを見事に覆したのが、マゼール盤でした。

まさに怒涛の演奏!

 

今回、家にある「宗教改革」の盤を全部引っ張り出して聴いてみました。

全部、といっても、いろいろ探して結局4盤(マゼール盤含む)。

結論から言えば、マゼール盤を正真正銘のビールとすれば、

一番最善のカラヤン盤でさえ、せいぜい発泡酒、

あとはビール風味のノンアルコールビールみたいなものでした。

それでも、一応紹介しておきましょう。

 

点数評価の低⇒高の順に紹介します。

〇トスカニーニ指揮NBC交響楽団(PLAGA※原版RCA)

1953年12月

SACDハイブリッド盤

カップリング:メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」、

ワーグナー:「パルジファル」より「聖金曜日の音楽」

 

Mendelssohn: Symphonies 4 & 5

 

こちらはXRCD。こちらの方が入手しやすいようです。

以前所有していましたが、上記SACDを入手したので売却処分。

メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」&第5番「宗教改革」[XRCD]

 

☆3.0

第1楽章 10:37

第2楽章 05:31

第3楽章 03:08

第4楽章 10:18

 

録音はモノラルですが、あまり気になりません。

トスカニーニの超名盤「イタリア」のおまけ、という扱いでしょう。

これでステレオ録音だったら、もう少し評価が変わるかもしれません。

 

〇サー・ジョン・エリオット・ガーディナー指揮ロンドン交響楽団(LSO)

2014年10月

SACDハイブリッド盤(※ブルーレイ・オーディオ盤も付属)

メンデルスゾーン:交響曲全集(+夏の夜の夢、序曲2曲)

 

Symphonies No.1-5 -Sacd-

 

☆3.0

第1楽章 11:00

第2楽章 04:46

第3楽章 03:36

第4楽章 08:43

 

録音は優秀ですが、やはり「宗教改革」という理念に対して、

現代的な、冷めた態度で客観的に俯瞰している、という感じを受けます。

 

〇カラヤン指揮ベルリン・フィル(DG)

1972年2月

SACDシングルレイヤー

メンデルスゾーン:交響曲全集

 

メンデルスゾーン:交響曲全集

(Amazonで2021年3月20日現在、新品が28343円!)

ちなみに、ジャケットの絵は、実はメンデルスゾーンが描いたものです。

フィレンツェの街並み。

絵でも天才的!

 

こちらは通常CD(でも高値がついています。)。

メンデルスゾーン:交響曲第1番&第5番「宗教改革」

 

☆3.5

第1楽章 12:56

第2楽章 06:56

第3楽章 04:24

第4楽章 08:51

 

とても雄大で立派な演奏です。

しかし、マゼール盤と比較すると、

やはり「宗教改革」という理念への共感の薄さが否めません。

純粋な演奏としてはこれで十分なのでしょうが・・・

 

〇マゼール指揮ベルリン放送交響楽団(DG)

1961年

通常CD

カップリング フランク:交響曲

(※オリジナルは、メンデルスゾーンの「イタリア」だったそうです。)

 

Franck: Symphonie D-moll; Mendelssohn: Symphony No. 5 / Maazel

 

☆4.5

第1楽章 10:34

第2楽章 05:22

第3楽章 03:00

第4楽章 07:55

 

第1楽章から、パワフルさ、彫りの深さに圧倒されます。

前述の3盤と同じ曲なのに、まるで違うかのように聴こえてくるほどです。

第2楽章、第3楽章も同様。

この曲の魅力を十二分に引き出した、超弩級名演です!

そして、第4楽章!

オールド・プロテスタントの人なら感涙しそうな、

宗教改革の理念(「神はわがやぐら」)の勝利が、

高らかに奏でられます。

私はこの演奏でようやく、この曲の素晴らしさに開眼させられました。

 

かなり前の一時期、日本ナザレン教団の夕礼拝に出席していたことがあります。

当時の主任牧師が、

宗教改革のことを興奮気味に大声で語るのをなんとなく思い出しました。

 

ちなみに、私にとっての、歴史的・宗教的視点での「宗教改革」はというと・・・

長くて、批判的になりそうなので、割愛します。

10月31日の宗教改革記念日は、すっかりハロウィンに覆われて、

目立たなくなってしまった、というのが実感です。

当のルーテル教会ですら、

今やカトリック教会と、宗教改革について共同で記念するほどになっています(2017年)

ローマ・カトリックと宗教改革500年

 

もはや、カトリックがプロテスタントを異端呼ばわりしたり、

その逆に、プロテスタントがカトリック教会を非難したりするのは、

時代錯誤も甚だしい、と言わざるを得ないのです。

 

そういう意味では、現代的な観点で、

メンデルスゾーンの「宗教改革」を価値づけてみれば、

もしかすると、ガーディナー盤が、

「政治的に正しい」(ポリティカル・コレクトネス )のかもしれません。

マゼール盤は、西部劇やディズニー・プリンセスの時代の産物なのかも・・・

 

ちょうどこの記事を書こうとしていたら、

本日(2021年3月20日)のBSテレ東「エンター・ザ・ミュージック」では、

メンデルスゾーンの「宗教改革」特集でした。

メンデルスゾーン:交響曲第5番「宗教改革」

実にグッドタイミング!

演奏も素晴らしかったです。

讃美歌の事にも言及してくれていました。

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