斎藤 貴男(著)『ちゃんとわかる消費税』(河出文庫)~増税が実施されてもう遅い、と嘆くよりも・・・
書店をぶらぶら散策しているうちに、見つけた1冊です。
斎藤 貴男(著)『ちゃんとわかる消費税』(河出文庫)
消費税がいかに庶民の生活を蝕み、
その引き換えに法人税減税という形で大企業を潤し、
格差を広げ、福祉に役に立っていないか、というのを数字を挙げて論証しています。
読んでいていかに私たち一般国民が騙されているか、唖然とするばかりです。
その片棒を担いでいるのが、新聞各社をはじめとするマスコミの大半です。
新聞業界への軽減税率適用という自己保身のために、
庶民を裏切り続け、財務省見解を大本営発表のように垂れ流しているのが、
読売新聞、産経新聞、そして他の新聞社・・・という訳です。
(本書の第7章「なぜマスコミは黙りこむのか」参照)
ちょっと関係ない話かもしれないですが、個人的な話を・・・
職場の宴会を行う場合、たいてい、課のトップ(課長)など、
役職ある人たちが、宴会のためにいくらか出してくれる、というのは、
普通じゃないでしょうか。
しかし、だいぶ前、ある職場で、
年収1000万超えかもしれない役職の人も、
若いヒラ社員の我々や、非常勤職員に至るまで、
みんなワリカン、という時がありました。
上司の指示でした。
その上司は仕事の面では尊敬できましたが、
宴会に限っていえば、失望しました。
「ノブレス・オブリージュ(Noblesse oblige)」こそ、
真の公平だと思います。
(引用元:合理的配慮は「ずるい」のか )
※ただし、この引用元記事に私は全面賛同していません。
上のイラストは、特別支援教育の
「合理的配慮」という用語をわかりやすく説明するために使われるものです。
”EQUALITY"は「平等→同一」、”EQUITY"は「公正→フェアネス」と説明があるそうです。
消費税は、左側の絵に相当します。「応益負担」というそうです。
では、右側の絵は?
所得税や法人税の、所得や利益に応じての「応能負担」です。
確かに、「公平・平等」という点からすれば、
貧乏な人が食べるラーメン1杯と、
同じ店で金持ちが食べるラーメン1杯の消費税は同じです。
(単純に、1杯800円+税=880円、内消費税80円、と考えましょうか。)
わかりやすく考えてみましょう。
月に払う消費税分を、単純計算して誰もが1万円、ということにしましょう。
(そんなことはありえませんが・・・)
月収20万円の方の支出に占める1万円と、
月収50万円の方の支出に占める1万円と、
月収200万円の方の支出に占める1万円。
1万円は同じですが、その存在の重みが違います。
その1万円だって、業者によっては、滞納していることが多いのですが、
そんなことはほぼ報道されることはありません。
(本書の第3章「滞納される消費税」参照)
そういった、法の不備や抜け穴、そして国を挙げての弱い者イジメとしての、
消費税増税の本性を見事に暴いています。
新型コロナ騒動に乗じてIMFという国際機関の口を使ってでも、
消費税をさらに増税したい財務省。
日本を滅ぼす省庁と化しています。
我々有権者が、「とりあえずビール」みたいな感じで「とりあえず自民党」
(あるいは、「とりあえず棄権」とか・・・)と、
人任せの政治にしているから、
官僚(とその傀儡の政治家)はやりたい放題で、
周回遅れの経済理論を振り回した亡国の政策を次々と実現しています。
もはや、日本国民のためではなく、外国の株主の利益を最大化する政策が次々と出されています。
今現在できるのは、我々庶民の有権者が、消費税について、
マスコミのプロパガンダに惑わされずに正しく認識すること、
そして、いろいろなところで消費税廃止(もしくは減税。増税は論外!)の声をあげていくことです。
もちろん、選挙もそうです。
日本国民はどこまでお人よしの「おバカさん」「よい子ちゃん」でいるのでしょうか?
大本営発表と化した、政府発表(特に経済分野)を鵜呑みにするのは危険です。
ついでに言えば、現政権下で、道徳教育が教科化されましたが、
それを推進している人たち自体、「嘘をついてはならない」
「弱い者イジメをしてはならない」という、基本中の基本を学びなおした方がいいのでは、
とつくづく思います。
それとも、新しい「道徳」を実は推進したいのでしょうか?
曰く、
「バレなきゃ証拠隠滅」「力でねじ伏せろ」「弱いものはイジメ倒せ」・・・
ちゃんとわかる消費税 (河出文庫)
活字が苦手な人なら、マンガでどうぞ。
マンガでわかるこんなに危ない! ?消費増税 (日本語) 単行本(ソフトカバー)
消費税増税前に、もっと多くの人に読んでもらいたかったと思いました。
(かく言う私も、消費税増税後に読んだ部類に入りますが・・・)
現状は変わらない、と嘆くよりも、少しでも希望を実現するために、
行動していきたいものです。
その第一歩は、まず正しく知ることなのです。
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