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2019年9月17日 (火)

オネシモは盗みをしたのか?〜教会学校説教案への疑問(2019年9月15日)

今私が所属している教会の教会学校では、福音派のCS成長センターが発行する、

『成長』誌を用いています。

2019年9月15日は、

新約聖書の「ピレモン(フィレモン)への手紙」からの説教となっていました。

その日は私の説教担当ではなく、別な方がしました。

その方は、『成長』誌のグレード2(幼児〜小2向け)の説教案を、

ほぼそのまま丸読みするような形で子どもたちに説教していました。

それを聞いていた私は、ある1点にすごく違和感を覚えました。

曰く、「オネシモはご主人の家の金を盗んで逃げ出したのです。

この表現は、『成長』誌2019.7-8-9月No.166のP.134に書かれています。

(ということで、上記は引用、ということになります。)

 

確かに、ピレモン(フィレモン)18節(※『ピレモンへの手紙』は1章しかありません。)には、

もし彼(オネシモ)があなた(ピレモン)に何か損害を与えたか、負債を負っているなら、その請求は私(パウロ)にしてください。

(新約聖書 ピレモンへの手紙18節新改訳2017)

という記述があります。

だからといって、「オネシモは主人から盗みを働いた。」という証拠になるでしょうか?

小学校低学年向けのお話だからといって、

曖昧な話をさももっともらしく断言するのは如何かと思いました。

実際、この『成長』誌のグレード3(小2〜小6向け)では、

ピレモンは何らかの迷惑をかけて、主人の家を飛び出したのです。

(『成長』No.166のP.136より引用)とトーンダウンしています。

 

しかし残念ながら、グレード4(小6〜高1向け)では、

オネシモは、盗みを働いたか何かで主人に損害を与え、」(同誌P.138より引用)とされ、

グレード5(高校生、青年、成人)では、

オネシモとは「有益な者」という意味ですが、おそらく主人のお金を盗んで逃げたのでしょうから、およそその名にふさわしくない奴隷でした。」(同誌P.140より引用)

という記述に戻っていました。

 

参考までに、家に帰ってから、

カトリックのフランシスコ会訳や、岩波書店の新約聖書(新約聖書翻訳委員会訳)、

塚本虎二訳新約聖書で、そういう訳注がないか探してみました。

カトリックあたりなら、「オネシモは盗みをした、という伝承がある」とか書かれていそうですが、

そんな注解は書いていませんでした。

塚本虎二訳では、15〜16節への略註(P.980)で、

「なぜ脱走したかは書いていない。」と記述がありました。

すなわち、「盗みをした」とは断言できないし、

あるいは「盗みをしていない」とも言えないのです。

岩波書店訳では、「解説」のところで、

「(この手紙の)執筆意図は明白である。すなわち、かつてパウロの導きでキリスト教徒となったフィレモンが所有していた奴隷オネシモスが、主人の許から、おそらくいくばくかの金銭と共に、脱走してパウロのところに逃亡してきたのだが、そのオネシモスも獄中でキリスト者となったので、今パウロは彼を主人の許に送り返そうとしている。(以下省略)」

(岩波書店訳P.927より引用終)

とありました。

あくまで、盗みは「おそらく」という予測にすぎません。

新共同訳のスタディ版の註では、

オネシモはフィレモンからお金か所有物を盗んでいたのかもしれない。*あるいは逃亡した事自体が負債とも考えられる。

(聖書スタディ版 新共同訳 新約聖書P.400より引用)

と書かれていました。

この註はある程度納得がいきます。

 

 

フランシスコ会訳

 

塚本虎二訳新約聖書

 

岩波書店 新約聖書

 

聖書 新共同訳 スタディ版

 

 

私としては、「盗んだ」か、「盗んでいない」かよりも、

少なくとも聖書や伝承から断言できない曖昧な事を、

あたかも事実のように子どもたちに伝えるのが、

問題だと思った訳です。

 

あと、グレード2の説教案では、

「悪いことをした人を許しなさい」(いい子ちゃんしようね!)という結論になってしまい、

当時の奴隷制度の中で、使徒パウロが大胆にも

キリストにつくバプテスマ(洗礼)を受けたあなたがたはみな、キリストを着たのです。ユダヤ人もギリシア人もなく、奴隷も自由人もなく、男も女もありません。あなたがはみな、キリスト・イエスにあって一つだからです。

(新約聖書ガラテヤ人への手紙3:27〜28新改訳2017)と主張した革新性が、

ぼやけてしまったように思えました。

だから私はその後の高学年向けの分級で、

「奴隷」という言葉について説明し、

なおかつ、「盗みをした、と先程話があったのは、

低学年向けの説明であり、実際はどうかわからない。」

という解説をすぐさましました。

 

ところで、「奴隷」というのは、現在存在しないはずですが・・・

たまたま、先日(2019年9月11日)放送の、

テレビ東京系「未来世紀ジパング」という番組で、

今知るべき世界の大問題」と題して、

東南アジアにおける現代の奴隷について特集しているのを観ました。

恐るべき人権侵害です!

観ていてとても衝撃を受けました・・・

そういう奴隷によって、

日本の食卓にあがるエビが水揚げされているのかもしれないのです・・・

また、日本の恥とも言える、「技能実習制度」も、

かなり奴隷労働に近いとも言えます。

おそらく10年以内ぐらいに、

第2の「従軍慰安婦」問題のような国際的な人権侵害問題になるのでは、

と私は危惧しています。

(従軍慰安婦問題自体は、本来、韓国政府が保証すべき問題なのが、

国際法上の見解だと私は思っています。)

 

私なら、過去の問題ではなく、現代の問題としての「奴隷」を解説してから、

それらを超えたキリスト者における愛を説く、というやり方で、

子どもたちにお話したいな、と思いました。

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