ブルックナー:交響曲第9番聴き比べ(3)〜その他編4盤
ブルックナーの交響曲第9番、聴き比べ第3回目、最終回です。
今回は、ウィーン・フィル、ベルリン・フィル以外のオケでの演奏を取り上げます。
それでは、聴き比べです。
指揮者、オケ名、レーベル、録音年月、スペック(SACD、CD等)、
カップリング曲、Amazonへのリンク(ジャケット画像)又は、タワレコへのリンク、
演奏時間の順です。その後に、評価です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。
前回と同様、聴く前の予想と、聴き比べての結果、という形で書いてみます。
◯カルロ・マリア・ジュリーニ指揮シカゴ交響楽団(WARNER)※SACDはタワレコ限定
1976年12月
SACDハイブリッド(SACD Stereo、CD)
カップリング曲 ブルックナー:交響曲第2番(2枚組)
(以下は通常CDです。)
Carlo Maria Giulini: The Chicago Years オリジナルレコーディングのリマスター, ボックスセット, インポート
第1楽章 25:16
第2楽章 11:05
第3楽章 26:42
◯朝比奈隆指揮新日本フィルハーモニー交響楽団(タワレコ限定)
1980年6月
SACDシングルレイヤー(SACD Stereo)
ブルックナー交響曲全集(SACD3枚組)
【SACD】ブルックナー: 交響曲全集(0-9番)、アダージョ第2番、「朝比奈隆ブルックナーを語る」<タワーレコード限定>
(以下は通常CDで、しかもプレミア付きの価格なので、参考まで・・・
SACDを聴ける環境があるならば、上記タワレコ盤をオススメします。)
朝比奈隆メモリアル・ボックス/ブルックナー交響曲全集 限定版
第1楽章 27:28
第2楽章 10:47
第3楽章 28:18
◯ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(DECCA)
※タワレコ限定
1995年1月
通常CD
カップリング ブルックナー:弦楽オーケストラのためのアダージョ 変ト長調
(弦楽五重奏曲 第3楽章より編曲)
【CD】ブルックナー: 交響曲第9番, 弦楽オーケストラのためのアダージョ<タワーレコード限定>
(以下、どうしてもAmazonで買いたいという人向けに、参考まで・・・)
Bruckner;Symphony No.9 インポート
第1楽章 24:48
第2楽章 10:08
第3楽章 25:17
◯シモーネ・ヤング(Simone Young)指揮
ハンブルク・フィルハーモニカー(Philharmoniker Hamburg )(OEHMS)
2014年10月
SACDハイブリッド(SACD Multichannel,CD)
カップリング なし
Bruckner: Symphony No 9 Hybrid SACD, SACD, インポート
第1楽章 24:32
第2楽章 11:50
第3楽章 22:36
さて、前回に引き続き今回も、4盤の基本データを紹介したところで、
これから、聴き比べる前の予想と、聴き比べてみての感想を書きます。
聴くポイントは前回までと同様、
1.第1、第2楽章の厳しさ
2.第3楽章の金管コラールと浄福感
でしょうね・・・
聴き比べる前の予想は、
1.ヤング盤
2.朝比奈盤
3.ジュリーニ盤
4.ブロムシュテット盤
という順でした。
実際、この予想の通りでした。
ヤング盤☆4.5
朝比奈盤☆4.0
ジュリーニ盤☆4.0
ブロムシュテット盤☆3.5
といったところでしょう。
シモーネ・ヤング盤は、SACDマルチチャンネルというのが最大のウリで、
もう、圧倒的な音の洪水です!
音の洪水の中に飲み込まれてしまいました・・・
今回聴き比べたすべてのSACD、CDの中でも、
最も録音が素晴らしいものといえます。
女性の指揮者だからといって、侮ることなかれ!
録音が素晴らしい盤で聴きたいなら、このシモーネ・ヤング盤を迷わずオススメします。
朝比奈隆盤は、とても剛毅な演奏です。
とても男性的で、バレンボイムが弾き振りするモーツァルトのピアノ協奏曲や、
ムラヴィンスキーが指揮するチャイコフスキーの交響曲みたいな力強さがあります。
このSACDは、3枚組ですが、
1枚で交響曲第7番、第8番、第9番を通して聴くことができます。
ついつい通して聴いてしまいました・・・
多少、演奏のアラが聴こえてしまいますが、そんな些細なことにこだわらず、
思わず引き込まれてしまう演奏といえます。
ジュリーニ盤は、端正な演奏です。
ウィーン・フィルを振っての演奏と比べると、
さほど個性的ではありませんが、
歌心にあふれています。
ショルティ時代全盛期のあのシカゴ響が・・・
ブロムシュテット盤は、オマケの「アダージョ」のために残しておいたものです。
こちらは標準的な演奏といえます。
全3回に分けての聴き比べ記事を終えて、
結論として、オススメ盤を4枚挙げると・・・
1.シモーネ・ヤング盤
2.ヨッフム盤(DG)
3.朝比奈隆盤(新日本フィル、1980)
4.シューリヒト盤
ということになりました。
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