映画「若おかみは小学生!」
先日、アニメ映画「若おかみは小学生!」を、
妻と一緒に観に行きました。
小学生の女の子とその母親、という組み合わせの観客が多い中、
夫婦だけというのはたぶん私どもだけだったと思います。
TVアニメ版の「若おかみは小学生!」を、
今年(2018年)の4月から9月まで、毎週録画して観ていました。
両親を交通事故で失う、という悲劇があったものの、
新しい環境で、
いつも前向きに旅館の「若おかみ」として数々の難題を乗り越えていくところが、
この作品の魅力でした。
TVアニメ版では、どちらかというと、両親の事故死、というのは、
時々話題に出るものの、
主人公に影を落とすようなものではないような扱いだったと思います。
TVアニメ版に触発されて、原作の「青い鳥文庫」(全20巻!)も、
3巻までは読んでみました。
少なくともこの巻までは、両親の事故死については、
TVアニメと同様でした。
若おかみは小学生! Vol.1 [DVD]
若おかみは小学生! 花の湯温泉ストーリー(1) (講談社青い鳥文庫)
しかし、劇場版の方は、原作(4巻以降は知りませんが・・・)やTVアニメ版では描かれなかった、
両親の事故死及び主人公・おっこだけが助かったところから、始まります。
映画そのものが、主人公・おっこのPTSD克服と、
若おかみとしてのプロ意識の確立がメインとなっています。
両親の死がまだ現実のものかどうか気持ちが受け入れないまま、
おっこは温泉旅館「春の屋」を営む祖母の家に引き取られます。
都会から自然豊かなところへ住まいを変えることになったことにより、
虫やヤモリなどを見かけるたびに初めは悲鳴をあげていました。
そういう中で、なぜか見えるようになったユーレイ「ウリ坊」のお願いから、
若おかみとしての修行が始まります。
映画版で出てくるお客は、TVアニメ版の中に出てくるエピソードの精選と、
劇場版オリジナルキャラクターが出てきます。
お客とのやり取りを通して成長していく姿は、
宮澤賢治の『セロ弾きのゴーシュ』みたいな感じでした。
まさに、「情けは人の為ならず」そのもの!
アニメ版ではエピソードの一つでしかなかった、
占い師「グローリー水領」とのエピソードは、
この作品の中で最も華やかなところであり、
ある意味ターニングポイントとなるところでした。
CVはタレントのホラン千秋さん。
実においしい役だったと思います。
主人公・おっこを演じる小林星蘭さんは非常にうまく、
まさに主人公そのものと一体化していました。
PTSDの克服、過去のフラッシュバック・・・
そういうところや、それを乗り越えてしまうところが、
この作品での涙腺ポイントでした・・・
観ながら何度も涙が出てきました。
ネタバレは避けますが、最後の、劇場版オリジナルキャラのお客こそ、
つらい過去への最後にして最大の試練でした。
さすがにこれは酷だな〜と思いました。
ラストシーンは、大切な友達たちとの別れがありますが、
湿っぽく終わるのではなく、むしろ未来への希望を抱かせて、
明るく終わるところがステキでした。
劇場版は、原作やTVアニメをまったく知らなくても、
これだけで完結していますので予備知識不要です。
(劇場版の続編はたぶんなさそうです。)
本来の読者層やTVアニメ視聴層である小学生よりも、
むしろもう少し上の世代の方が一層感動するかもしれません。
余談ですが、TVアニメ版の前期エンディングが結構好きでした。
水谷果穂さんが歌う「君のステージへ」という歌です。
既に劇場版のノベライズ版が出版されています。
私も機会があれば読んでみたいと思います。
小説 若おかみは小学生! 劇場版 (講談社文庫)
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