先月、バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニック他による、
マーラーの交響曲全集SACDシングルレイヤー盤(SONY)を購入しました。
かなり高いお買い物でしたが、結果としては大満足でした!
マーラー:交響曲全集(完全生産限定盤) Limited Edition, SACD
実は、この全集、2012年に、まずは廉価なCDBOXで購入しました。
The Complete Mahler Symphonies Box set, CD, Import
このCDBOXでの全集をたいして聴かないまま、何年か後に、
それぞれの盤が、SACDハイブリッド盤で出ているのを知り、
それを手放して、
SACDハイブリッド盤で全集を揃えました。
(一度に揃えたのではなく、1〜2年かかりました。)
マーラー:交響曲第1番「巨人」 Hybrid SACD
マーラー:交響曲第2番ハ短調「復活」 Hybrid SACD, SACD
マーラー:交響曲第3番ニ短調 Hybrid SACD, SACD
マーラー:交響曲第4番ト長調 Hybrid SACD, SACD
マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調 Hybrid SACD
マーラー:交響曲第6番「悲劇的」&交響曲第9番 Hybrid SACD, SACD
マーラー:交響曲第7番「夜の歌」 Hybrid SACD
マーラー:交響曲第8番「千人の交響曲」 Hybrid SACD
マーラー:交響曲「大地の歌」 Hybrid SACD
マーラー:交響曲第10番より「アダージョ」、亡き子をしのぶ歌 Hybrid SACD
これらのSACDハイブリッド盤は、マルチチャンネルなので音質もすばらしいのですが、
あえて、それらを手放しても、今回入手したSACDシングルレイヤー盤を欲しいと思いました。
(先日実際にHMVへ売却しました。)
音質の良さは認めるものの、結局実のところ、いくつかの曲を除いて、
きちんと聴かないままでした。
読書でいうところの「積ん読」ならぬ「積ん聴」?
恥ずかしながら、実は、
マーラーの交響曲全集を一時期10セット近く所有していましたが、
第1番から第10番アダージョ(又は全曲盤)まで全てをきちんと聴いた全集は、
一つもありませんでした。
今回、この高価な全集を入手したことにより、
やっぱりきちんと聴いておこう、という気持ちが働きました。
SACDハイブリッド盤では、CD層もあるので、
たとえば第3番のような長大な曲では、どうしても盤の入れ替えが必要です。
しかし、SACDシングルレイヤー盤では、その第3番でさえ、
1枚に収録されています。
音質の素晴らしさと、ノンストップで長時間再生できるというのが、
SACDシングルレイヤーのメリットです。
もうひとつ言えば、長時間聴いていても聴き疲れがしないのも長所です。
収録内容を、Amazonから転載します。
(引用)
【収録曲】
グスタフ・マーラー
DISC1
1.交響曲 第1番 ニ長調 「巨人」
ニューヨーク・フィルハーモニック
[録音]1966年10月4日、ニューヨーク、フィルハーモニック・ホール
2.交響曲 第4番 ト長調
レリ・グリスト(ソプラノ)
ニューヨーク・フィルハーモニック
[録音]1960年2月1日、ニューヨーク、セント・ジョージ・ホテル
DISC2
3.交響曲 第2番 ハ短調 「復活」
リー・ヴェノーラ(ソプラノ)
ジェニー・トゥーレル(メゾ・ソプラノ)
カレジエート合唱団(合唱指揮:アブラハム・カプラン)
ニューヨーク・フィルハーモニック
[録音]1963年9月29日、ニューヨーク、マンハッタン・センター
DISC3
4.交響曲 第3番 ニ短調
マーサ・リプトン(メゾ・ソプラノ)
ジョン・コリリアーノ(ヴァイオリン)、ジョン・ウェアー(ポストホルン)
スコラ・カントルム女声合唱団(合唱指揮:ヒュー・ロス)
トランスフィギュレーション教会少年合唱団(合唱指揮:スチュアート・ガードナー)
ニューヨーク・フィルハーモニック
[録音]1961年4月3日、ニューヨーク、マンハッタン・センター
DISC4
5.交響曲 第5番 嬰ハ短調
ジェイムズ・チェンバース(ホルン)
ニューヨーク・フィルハーモニック
[録音]1963年1月7日、ニューヨーク、フィルハーモニック・ホール
DISC5
6.交響曲 第6番 イ短調 「悲劇的」
ニューヨーク・フィルハーモニック
[録音]1967年5月2日&6日、ニューヨーク、フィルハーモニック・ホール
7.歌曲集「亡き子をしのぶ歌」
ジャネット・ベイカー(メゾ・ソプラノ)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
[録音]1974年10月、テル・アヴィヴ、フレデリック・マン・オーディトリアム
DISC6
8.交響曲 第7番 ホ短調 「夜の歌」
レイモンド・サビンスキー(マンドリン)
ニューヨーク・フィルハーモニック
[録音]1965年12月14日、ニューヨーク、フィルハーモニック・ホール
DISC7
9.交響曲 第8番 変ホ長調 「千人の交響曲」
エレナ・スポーレンベルク(ソプラノ[いと罪深き女])
ギネス・ジョーンズ(ソプラノ[かつてグレートヒェンといわれた、贖罪の女の一人])
ゲニス・アンニアー(ソプラノ[栄光の聖母])
アンナ・レイノルズ(アルト[サマリアの女])
ノーマ・プロクター(アルト[エジプトのマリア])
ジョン・ミッチンソン(テノール[マリア崇拝の博士])
ウラディミール・ルジャーク(バリトン[法悦の教父])
ドナルド・マッキンタイア(バス[瞑想の教父])
リーズ音楽祭合唱団
ロンドン交響楽団合唱団(合唱指揮:ドナル・ハント)
オービントン・ジュニア・シンガーズ(合唱指揮:シェイラ・モスマン)
ハイゲート・スクール少年合唱団(合唱指揮:エドワード・チャップマン)
フィンチレー児童音楽グループ(合唱指揮:ジョン・アンドリュース)
ハンス・フォーレンヴァイダー(オルガン)
ロンドン交響楽団
[録音]1966年4月18日~20日、ロンドン、ウォルサムストウ・タウン・ホール
DISC8
10.交響曲 第9番 ニ長調
ニューヨーク・フィルハーモニック
[録音]1966年12月16日、ニューヨーク、フィルハーモニック・ホール
11.交響曲 第10番 嬰ヘ長調より 第1楽章アダージョ
ニューヨーク・フィルハーモニック
[録音]1975年4月8日、ニューヨーク、30丁目スタジオ
DISC9
12.交響曲「大地の歌」
クリスタ・ルートヴィヒ(メゾ・ソプラノ)
ルネ・コロ(テノール)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
[録音]1973年5月18日、20日&23日、テル・アヴィヴ、フレデリック・マン・オーディトリアム
以上、1~12:
レナード・バーンスタイン(指揮)
[オリジナル・レコーディング・プロデューサー]ジョン・マックルーア(1-12)、トーマス・Z・シェパード(1)
[オリジナル・レコーディング・エンジニア]ヘルムート・コルベ(9、12)、バド・グラハム(11)、エド・ミチャルスキ(11)
[オリジナル・アナログ・マルチ・マスターからのトランスファー、リミックスおよびDSDマスタリング]アンドレアス・K・マイヤー
[ライナーノーツ]
レナード・バーンスタイン「マーラー:彼の時代が来た」(1967年『ハイ・フィディリティ』誌掲載)
ロバート・セイビン「ニューヨークのマーラー」
ハンス・ファンテル「マーラー、人と音楽」
ティム・ペイジ「バーンスタインのマーラー」
エリック・ライディング「バーンスタインの転換点、マーラー」
歌詞対訳付き
(引用終)
とはいえ、マーラーの交響曲は短くても50分以上、
長いと100分近くです。
購入してから、1日1枚ずつ聴いていきました。
全曲聴いての感想・評価です。
音質の素晴らしさ、演奏の素晴らしさは改めて言うまでもありません。
一般的には評価が高い、DGでの全集よりも、
すっきりしていながら若々しく溌剌として聴きやすいです。
(私はあまりにもドロドロ、ネチネチした演奏は苦手です。)
今回は聴き比べにはせず、あくまで印象論に過ぎませんが・・・
☆4.5(通常の意味で最高レベル)に該当するのが、
DISC1の第1番、第4番と、
DISC8の第10番アダージョです。
私にとってはイマイチピンと来なかった、
第4番の魅力をようやくわかった感じでした。
第1番も若々しさが溢れて実に魅力的でした。
第10番「アダージョ」は、この曲のスタンダードとなる演奏です。
☆4.0は、
DISC8の第9番、
DISC9の「大地の歌」、
DISC5の第6番です。
第9番は、DGのコンセルトヘボウ盤と比べるとかなりあっさりですが、
だからこそ、曲そのものの美しさを堪能できました。
「大地の歌」の第6楽章はやはり感動的です。
この盤では、特に第4楽章の音の洪水が大迫力でした!
第6番もこんなに素晴らしい曲だったのかと改めて再認識しました。
☆3.5は、
第2番、第3番、第5番、第7番です。
特に第3番は、初めてノンストップで全曲聴くこととなりました。
(長すぎで辟易ですが・・・)
☆3.0は、第8番です。これはショルティ盤など、他に素晴らしい録音がいろいろあります。
(参考)
交響曲第8番『千人の交響曲』 ショルティ&シカゴ交響楽団
演奏そのものは、どれもスタンダードとなるものばかりですが、
作品そのものとしては、
第3番の第2楽章〜第5楽章までと、
第8番の第2部は、もう聴かなくて結構かな・・・というのを思い知りました。
(第3番は、第6楽章だけで十分かも・・・)
感涙モノは、第2番第5楽章の終結部と、
「大地の歌」第6楽章終盤の”ewig ewig"(永遠に、永遠に・・・)のところでした。
第2番の終結部に至るところまでは、やはり長いな、と思いましたが、
「大地の歌」はあまり長さを感じませんでした。
ようやく、マーラーの交響曲を、
全集(ツィクルス)で聴く、という視点(聴点?)に立つことができた、という意味では、
私はようやくスタート地点にたどり着いたに過ぎません。
折をみてまた聴いてみたいと思います。
最近のコメント