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2018年1月の3件の記事

2018年1月17日 (水)

CD イリーナ・メジューエワ (P)「京都リサイタル2017 (ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30,31,32番)」

ベートーヴェンの後期ピアノ・ソナタ、第30番、第31番、第32番は、
私にとっては、ベートーヴェンのピアノ作品で最も好きな作品です。
初めて聴いたのは、確か高校生の頃だったと思います。
特に好きなのが、第31番の第3楽章と、第32番の第2楽章です。
第31番の第3楽章では、「嘆きの歌」からフーガが現れ、
精神を再構築して(私はそう思うだけですが・・・)aufheben(止揚)する・・・
そのカタルシスがすばらしいです。
第32番の第2楽章は、
トーマス・マンの小説『ファウストゥス博士』の説がロマンティックですね。
天に引き上げられていくかのような・・・
(あえて文学で言えば、ゲーテの『ファウスト』第2部の最後あたり?・・・)

一番最初に聴いた演奏は、アシュケナージによるものでした。

(参考)

その後、バックハウスやブレンデル、ゼルキン、グールドその他の演奏で聴きました。
変わり種なら、ウゴルスキ盤(ただし第32番のみ)とか・・・
しかし今回、イリーナ・メジューエワの演奏を聴いて驚愕しました!

京都リサイタル2017 (ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30,31,32番)メジューエワ

「今までこういう演奏をした人はいなかったのでは?」
第30番の第1楽章の情報量の多さから驚異でした。
盤を最初から最後まで聴いて、それからもう一度繰り返して聴いてみました。
その後に、我が家にあるベートーヴェンのピアノ・ソナタのCDを引っ張り出して、
とりあえず第30番だけで聴き比べてみました。
(3つのソナタのうち、最も演奏時間が短いからです。)

前述のアシュケナージ盤はもとより、バックハウス、リチャード・グード、
バレンボイム、HJリム、田部京子・・・と聴いてみましたが(今回は一つ一つ紹介しませんが)、
メジューエワ盤と比較すると、どれもムード音楽の域を出ないように思えました。
(唯一、バレンボイム盤がかなりロマンティックに弾いていましたが・・・)

そういえば、メジューエワは昨年(2017年)、
講談社現代新書から、『ピアノの名曲 聴きどころ 弾きどころ』という本を出しましたね。

ピアノの名曲 聴きどころ 弾きどころ (講談社現代新書)

私は立ち読みしただけで、相当スコアに詳しくないと読みこなせないと思わされました・・・
そういうスコアの読みの深さが、見事に演奏に反映されている、
稀有な録音だと思います。

第32番の第2楽章、広々とした天空の世界に引き上げられていくような最後の部分、
その美しさを、高校生の時に聴きふけった時のように味わうことができました。
それでいて、演奏者の個性よりも、ベートーヴェンの音楽そのものしか感じさせない、
そういうところが素晴らしい盤です。

2018年1月 8日 (月)

2017-2018 年末年始によく聴いたCD2盤

2017年末から2018年お正月にかけて、
帰省先に8枚のCD(ほとんどがSACD)を持って行きました。
その中で最もよく聴いた2盤を紹介します。

最も聴いたのが、
チャールズ・マッケラス指揮スコットランド室内管弦楽団による、
モーツァルトの後期交響曲(第38番〜第41番)集です。
2枚組で、第38番と第39番で1枚、第40番と第41番でもう1枚です。
そのうち、もっぱら聴いていたのが(実家で借りた車内等で)、
第38番「プラハ」と第39番が収録された盤です。
特に好きなのが「プラハ」の方。
冒頭は「ドン・ジョヴァンニ」みたいな重苦しい響きですが、
「トンネルを抜けたら雪国」ならぬ、きらめく青い海が拡がっているかのような、
実に爽やかな曲です。
マッケラス盤は、録音がとても鮮明で、細部がよく聴こえます。
オリジナルか、モダンか、といった野暮な議論が不要なほど、
この曲の愉しさが満開に溢れている演奏だと思います。
何回繰り返して聴いても飽きがきません。

Mozart: Symphonies 38 Hybrid SACD, Import

もう1枚は、上記の盤よりは聴く頻度は少なかったです。
上岡敏之指揮ヴッパータール交響楽団による、
シューマンの交響曲第4番
(カップリングは、ブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」)でした。
※この盤、Amazonとタワレコでは新品なし、HMVでは取り寄せ扱いとなっていました。
(2018.1.8現在)

シューマンの交響曲第4番も、「闇から光へ」といった感じの曲ですね。
シューマンの交響曲第4番は、以前聴き比べ記事を書きました。
その中では、クレンペラー盤やフルトヴェングラー盤に高評価をつけていましたが、
今回はなぜか上岡敏之盤で聴きたいと思って持っていきました。
正解だったと思います。

シューマン:交響曲第4番 Hybrid SACD

2018年も、光溢れる1年となりますように・・・

2018年1月 5日 (金)

2017年12月のページビュー(PV)数ベスト10記事一覧

2018年、今年もよろしくお願いいたします!

さて、2017年12月のページビュー(PV)数ベスト10記事は以下のとおりです:
(※トップページ及びカテゴリを除く)
ベスト3までは記事リンクをつけています。

一位.ブラームス:交響曲第1番聴き比べ12種〜カラヤン盤5種を中心に・・・
二位.マーラー:交響曲第7番聴き比べ14種類
三位.「学び合い学習」は日本の義務教育崩壊を招く!
~おすすめ記事『【解答乱麻】 TOSS代表・向山洋一 亡国の教育「学び合い学習」』
(MSN産経ニュース2012年11月24日掲載)

四位.グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調op.16 聴き比べ7盤
五位.マーラー・交響曲第9番聴き比べ10種
六位.インクルーシブ(インクルージョン)教育は子どもにとって本当に幸福なのか?
~おすすめブログ記事「脱インクルージョン教育」(ブログ名:斜に構えてみる)

七位.どの聖書が一番いいか?(新約聖書編)
八位.ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番聴き比べ4盤
〜マツーエフ、アルゲリッチ、ユジャ・ワン、アシュケナージ・・・

九位.ホルスト「惑星」(The Planets)聴き比べ
〜メータ、ショルティ、カラヤン、ボールト、レヴァイン

十位.マーラー:交響曲第8番聴き比べ18盤〜ただし、第1部に限る・・・

先月は2つしか記事を書けませんでした・・・
今月はどうなることやら・・・
うまく更新できないかもしれませんが、
よろしければ、今月もご愛読よろしくお願いいたします。

おまけ

年末年始に、札幌及び旅行先の道東で撮った写真です。

道庁赤レンガのライトアップです。
20172018_winter_hokkaido_1

20172018_winter_hokkaido_2

20172018_winter_hokkaido_3

阿寒湖です。
20172018_winter_hokkaido_4

20172018_winter_hokkaido_5

阿寒湖畔スキー場での雪の結晶・・・
(赤い布は妻のスキー帽子です。)
20172018_winter_hokkaido_6

鶴居村です。雪が少なかったです・・・
20172018_winter_hokkaido_7

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