ガーシュウィン:ピアノ協奏曲ヘ調(Concerto in F for Piano and Orchestra)聴き比べ
ガーシュウィンの曲といえば、
「ラプソディ・イン・ブルー」(Rhapsody in Blue)や、
「パリのアメリカ人」(An American in Paris)が有名ですが、
今回紹介するピアノ協奏曲ヘ調(Concerto in F for Piano and Orchestra)も名曲です。
「ラプソディ・イン・ブルー」の終盤に出てくる、
ラフマニノフ級の甘美なメロディはありませんが、
ジャズとクラシックを同時に楽しめるような、
聴いていてウキウキする曲です。
全3楽章です。
今回聴き比べをしてみようと思ったきっかけは、
タワレコで、ドイツのレーベルOEHMS CLASSICSのSACDセールをやっていたからです。
(※2017年7月28日(金)~2017年9月15日(金)10:00まで(予定)とのこと)
→〈数量限定〉OEHMS CLASSICS レーベル SACDハイブリッド・セール〈76タイトル〉
OEHMS CLASSICSのSACDは、
シモーネ・ヤング指揮による、
ブルックナーやブラームスの交響曲の録音の優秀さで注目しています。
優秀録音のSACDが1枚1300円程度で入手できるので、
手持ちにあるもの以外で何か良い録音がないかと探していたら、
見つけたのが、後述のパスカル・ロジェ(P)他による、
ガーシュウィンのピアノ協奏曲の盤でした。
(ついでに、「ラプソディ・イン・ブルー」の盤も買ったのですが、
こちらはちょっと期待ハズレ・・・録音の迫力が全然ダメです。)
音の迫力がスゴイ!
※参考
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー (GEORGE GERSHWIN An American in Paris Rhapsody in Blue / MAURICE RAVEL Concerto pour la main gauche) Hybrid SACD, Import, SACD
※買うのはオススメしません・・・
それでは、聴き比べです。
録音年月順に紹介します。
指揮者、オケ名、レーベル、録音年月、
スペック(通常CD,SACD ハイブリッドorシングルレイヤー)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。
◯アール・ワイルド(Earl Wild)(P)、
アーサー・フィ−ドラー(Arthur Fiedler)指揮ボストン・ポップス・オーケストラ(BMG→SONY)
1961年5月
SACDハイブリッド(SACD Multi、SACD STEREO、CD)
カップリング:ラプソディ・イン・ブルー、パリのアメリカ人、
"I Got Rhythm"変奏曲、キューバ序曲
☆4.0
第1楽章 12:05
第2楽章 10:31
第3楽章 06:16
ラプソディー・イン・ブルー~ガーシュウィン・アルバム Hybrid SACD, SACD
録音年代は古いですが、そんなことは感じさせないほど、
音が瑞々しいです。
オケが奔流のように暴れまくっている!
いかにも、これぞアメリカン!という感じです。
多少、オケのごちゃごちゃ感がありますが、全体的な愉しさの前に、
あまり気にならないほどです。
この録音で、アール・ワイルド(Earl Wild)というピアニストを知りました。
アール・ワイルドでは、他にラフマニノフのピアノ協奏曲全集と、
映画音楽のアルバムをもっています。
どちらもステキなアルバムです。
(参考)
Piano Concertos 1-4 / Rhapsody on Theme Paganini Import
Earl Wild Goes To The Movies Import
※フィギュアスケートの宮原知子さんがフリープログラムで使った、
リストの「ため息」が収録されています。
◯エレーヌ・グリモー(P)
デイヴィッド・ジンマン指揮ボルティモア交響楽団(ERATO→WARNER)
1997年5月
通常CD
カップリング ラヴェル:ピアノ協奏曲
☆3.5
第1楽章 13:46
第2楽章 11:47
第3楽章 06:54
ラヴェル&ガーシュウィン:ピアノ協奏曲
昔はこの盤だけで十分でしたが、
(聴きくらべしようとは思わなかったです・・・)
改めて、聴き比べしてみると、
音質等で小粒ぶりが耳についてしまいました・・・
SACDの録音と比較してみると、かなり色褪せてしまうというか・・・
ガーシュウィンなのに、
まるでブラームスとかのドイツ音楽みたいな内省的さが感じられます。
全体的におとなしめ・・・
グリモーがお好きならオススメですけどね。
(以前は大好きなピアニストでしたが、最近はあまり聴かなくなりました。
特に、DG移籍後は、イマイチが多いかも・・・)
「パリのアメリカ人」ならぬ「アメリカのパリジャン」という感じです。
◯パスカル・ロジェ(Pascal Roge)(P)
ベルトラン・ド・ビリー(Bertrand de Billy)指揮ウィーン放送交響楽団(OEHMS)
※”Roge"の”e"には、「´」(アクサン‐テギュaccent aigu)がつきます。
2004年2月
SACDハイブリッド(SACD Multi、SACD STEREO、CD)
カップリング ラヴェル:ピアノ協奏曲
☆4.5
第1楽章 13:45
第2楽章 12:11
第3楽章 06:53
ガーシュウィン:ピアノ協奏曲 ヘ長調/ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調(GERSHWIN / RAVEL: Concertos For Piano & Orchestra) Import, SACD
SACDのスゴさを堪能することができるアルバムといえましょう。
パスカル・ロジェといえば、
DECCAでエリック・サティとかのフランスものの録音をしているのしか、
印象になかったです。
録音の豪快さが、多少のことをふっ飛ばして楽しく聴けてしまいます。
SACDなのに1300円程度で買えたのは、もうけものでした!
◯ステファノ・ボラーニ(Stefano Bollani)(P)
リッカルド・シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(DECCA)
2010年1月
通常CD(SHM-CD)
カップリング:ラプソディ・イン・ブルー、キャットフィッシュ・ロウ、リアルト・リップルズ
☆4.5
第1楽章 12:16
第2楽章 10:16
第3楽章 06:29
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー、ピアノ協奏曲 ヘ調、他
演奏家・演奏団体名を伏せて聴いたら、
たぶんアメリカのオケとアメリカのジャズ・ピアニストの共演と思うはずです。
しかし、実はイタリアのジャズ・ピアニストと、
イタリア出身の名指揮者に、世界最古のオーケストラの共演だった、というのが、
衝撃モノだと思います。
たまたまAmazonで試聴しただけで、録音のスゴさがわかりました。
通常CDですが、音の迫力はSACD並で、
もしかすると、前述のパスカル・ロジェ盤以上かもしれません。
音の鮮烈さが痛快です!
愉しさもバツグンで、ついつい最初から最後まで通して聴きたくなるCDです。
全体的にテンポが速めですが、それがプラスに作用しています。
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