シューマン:4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュトゥック op.86聴き比べ
シューマンの交響曲全集をいろいろ集めている中で、
この曲が収録されている盤がいくつかありました。
単なるホルン協奏曲ではなくて、「4本のホルン」という設定とタイトルから、
少しワクワクして聴いてみたら・・・
結構ステキな曲でした!
「4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュトゥック op.86」です。
全3楽章、20分前後の曲です。
特に第1楽章冒頭のホルンのカッコ良さ!!!
シューマンファン以外には知られていないようですが、
もっと広く親しまれてもいいのでは、と思ってしまいました。
それでは、聴き比べです。
録音年月順に紹介します。
指揮者、オケ名、レーベル、
ホルン奏者名(H1,H2,H3,H4と表記)、録音年月、
スペック(通常CD,SACD ハイブリッドorシングルレイヤー)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。
なお、ホルン奏者のH2以下は、輸入盤の場合、
日本での一般的なカタカナ表記と違うことがあるかもしれません、悪しからず・・・
◯フランツ・コンヴィチュニー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(BERLIN Classics)
H1:ペーター・ダム、H2:ヘルマン・メルケル、
H3:ヴェルナー・ピルツ、H4:ゲオルク・ベーナー
1960年、1961年(詳細不明)
通常CD
シューマン交響曲全集(3枚組)
☆3.5
第1楽章 7:57
第2楽章 5:44
第3楽章 6:23
交響曲全集 コンヴィチュニー&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管(3CD)
古めかしい城から甲冑の騎士が出てくるような冒頭。
ホルンの上手さが他の盤と比べるとイマイチな気もしますが・・・
コンヴィチュニー・ファンか、ペーター・ダムのファン向けか、
あるいはシューマンの交響曲全集のオマケと割り切るか・・・
◯ジークフリート・クルツ指揮シュターツカペレ・ドレスデン(BERLIN Classics)
H1:ペーター・ダム、H2:クラウス・ピーツォンカ、
H3:ディーター・パンサ、H4:ヨハネス・フリーメル
1983年7月
通常CD
※ホルン協奏曲集(ウェーバー、ロルツィング、サン=サーンス、シューマン)
☆4.5
第1楽章 7:51
第2楽章 5:27
第3楽章 6:10
ホルン協奏曲集(ウェーバー、ロルツィング、サン=サーンス、シューマン)
※私は国内盤ではなく、輸入盤で所有しています。
録音がすばらしく、ホールの残響がまるでお城か、
中世のゴシック様式の教会にいるかのよう・・・
(実際は、ドレスデンのルカ教会で収録。)
颯爽としており、第1楽章冒頭の印象は、
まるで鮮やかな衣装のイケメン4人騎士が、
かっこよく入場してくるようなイメージです。
通常CDであれば、このアルバムがファースト・チョイスです。
◯ジョン・エリオット・ガーディナー指揮、
オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック(ARCHIV)
ロジャー・モンゴメリー、スーザン・デント、ギャヴィン・エドワーズ、ロバート・マスケル
(誰がどの担当かは不明)
1997年5月、10月
通常CD
※シューマン交響曲全集(5枚組)
☆4.0
第1楽章 7:09
第2楽章 5:02
第3楽章 5:39
Collector's Edition: Schumann Box set, CD, Import
軽やかな感じ。中世の騎士というよりは、
現代のスポーツカーというイメージかも・・・
すっきりとした演奏で、聴きやすいです。
オリジナル楽器とかそういう先入観抜きでも十分堪能できます。
◯バレンボイム指揮ベルリン・フィル(EUROARTS)
デイル・クレヴェンジャー、シュテファン・ドール、
イグナシオ・ガルシア、ゲオルク・シェレッケンベルガー
(誰がどの担当かは不明)
1998年4月
DVD(PCM Stereo)
バレンボイム/ベルリン・フィル イン・ベルリン国立歌劇場 [DVD]
※タワレコかHMVで入手することをオススメします。
☆3.0
第1楽章ー第3楽章(通し) 21:08
バレンボイム/ベルリン・フィル イン・ベルリン国立歌劇場 [DVD]
(タワレコ)
Orchestra Soloists - Beethoven, Schumann, Liszt, Wagner
録音がイマイチなので、かなり損しています。
もっと細部がはっきりくっきりしていれば、
間違いなく☆4.0か☆4.5の評価だったかもしれません・・・
◯パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン(SONY)
シュテファン・ドール、エルケ・シュルツェ・ヘッケルマン、
フォルカー・グレーヴェル、トーマス・ゾンネン
(誰がどの担当かは不明)
2012年12月
SACDハイブリッド(SACD 5ch multi、CD)
カップリング:序曲・スケルツォとフィナーレ、交響曲第4番
☆4.0
第1楽章 7:16
第2楽章 4:37
第3楽章 5:57
シューマン:交響曲第4番、序曲・スケルツォとフィナーレ&コンツェルトシュトゥック SACD
いい意味でも悪い意味でも、癖のない演奏です。
21世紀のスタンダードとなるのかも・・・
ホルンとオケのバランスがちょうどよいです。
SACDマルチでこの曲を聴きたいなら、この盤がオススメです。
« NHKEテレ・クラシック音楽館「新日本フィルハーモニー交響楽団演奏会」(2017年6月18日放送) | トップページ | ブラームス:大学祝典序曲op.80聴き比べ »
「おすすめサイト」カテゴリの記事
- noteに投稿しました~「Serenity Prayer(平安の祈り)」(自作曲)のX投稿と楽譜(2024.06.10)
- noteに投稿しました~「あしあと」(自作曲)のX投稿と楽譜(2024.05.13)
- noteに投稿しました~「詩篇100(自作曲)」のX投稿と楽譜(2024.05.11)
- 2022年12月のページビュー(PV)数ベスト10記事一覧(2023.01.12)
- 2022年11月のページビュー(PV)数ベスト10記事一覧~附:2022年11月19日~20日の小樽・ニセコ旅行の写真ベスト(2022.12.05)
「音楽」カテゴリの記事
- noteに投稿しました~「Serenity Prayer(平安の祈り)」(自作曲)のX投稿と楽譜(2024.06.10)
- noteに投稿しました~「詩篇100(自作曲)」のX投稿と楽譜(2024.05.11)
- 2022年12月のページビュー(PV)数ベスト10記事一覧(2023.01.12)
- 2022年11月のページビュー(PV)数ベスト10記事一覧~附:2022年11月19日~20日の小樽・ニセコ旅行の写真ベスト(2022.12.05)
- 2022年10月のページビュー(PV)数ベスト10記事一覧(2022.11.03)
「クラシック音楽・シューマン」カテゴリの記事
- シューマン:交響曲第1番「春」私のベスト3盤(2020.03.31)
- シューマン:交響曲第2番ハ長調op.61聴き比べ(2019.12.19)
- シューマン:ピアノ五重奏曲Op.44聴き比べ6盤(2018.11.30)
- 2017-2018 年末年始によく聴いたCD2盤(2018.01.08)
- シューマン:4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュトゥック op.86聴き比べ(2017.06.22)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
« NHKEテレ・クラシック音楽館「新日本フィルハーモニー交響楽団演奏会」(2017年6月18日放送) | トップページ | ブラームス:大学祝典序曲op.80聴き比べ »
影の王子様、コメントありがとうございます。
「ティーレマン盤、そのうち聴いてみますね!」と、書きたいところだったのですが、現在廃盤なのですね・・・
(Amazon、タワレコ、HMVで確認)
そのうちタワレコで復刻しないかなぁ?
ティーレマンの指揮した盤は、いくつか買いましたが、手元に残っているのは、R・シュトラウスの「アルプス交響曲」のSACDシングルレイヤー(DG)だけとなってしまいました。
この盤もお気に入り、というよりは、買い溜めておいているだけで、しっかりとは聴いていない状態(2017.6.25現在)です。
投稿: てんしちゃん | 2017年6月25日 (日) 21時28分
こんばんは。
ティーレマン盤(DG)で聴きなおしてみましたが
実に良い曲ですよね!
朗々として雄大で、生きる活力が湧いてきますね。
ティーレマンはソニーのベートーヴェンの交響曲全集
があまり良くなかったですが
このシューマンの様に良いものは確かに良いです。
投稿: 影の王子 | 2017年6月25日 (日) 20時06分