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2017年6月15日 (木)

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その4)21世紀のスタンダードは?

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ、
第4回(最終回)は、21世紀に入ってからのの録音です。

21世紀の録音となると、SACDマルチチャンネルや、
Blu-rayも含まれます。
ただのSACD 2chStereoよりも音の迫力が有利な面がありますが・・・

それでは、聴き比べです。
録音年月順に紹介します。
指揮者・オケ名、レーベル、録音年月、
スペック(通常CD,SACD ハイブリッドorシングルレイヤー)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。

◯クルト・ザンデルリンク指揮ベルリン放送交響楽団(harmonia mundi)
2002年5月19日
通常CD
※Berliner Sinfonie-Orchester KURT SANDERLING(5枚組CDBOX)
ザンデルリンク引退コンサートを中心としたもの

☆4.0
第1楽章 12:03
第2楽章 04:39
第3楽章 05:47
第4楽章 10:21

Various Symphonies/Concertos Box set, Import

長い指揮者人生の有終の美を飾るにふさわしい、
まさに大団円という言葉がぴったりな演奏です。
第4楽章は、「人生いろいろあったけど、ハッピーエンドを迎えた・・・」
ということを思わせるような感じです。
人生の絶対肯定!

なお、ザンデルリンクの最後の演奏会の演目は、
◯ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲
◯モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番(ピアノ:内田光子)
◯シューマン:交響曲第4番
の3曲でした(どれもCDBOXに収録)。
特に、内田光子のピアノによる、モーツァルトのピアノ協奏曲第24番は、
バレンボイムの旧録音と並ぶ、超名盤だと思います。
「ハイドンの主題による変奏曲」も名演奏です。

(参考)Mozart: the Complete Piano Con Box set, CD, Import

◯ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団(ARTE NOVA→SONY?)
2003年10月
通常CD
※シューマン交響曲全集

☆4.0
第1楽章 09:44
第2楽章 03:42
第3楽章 05:45
第4楽章 08:02

シューマン:交響曲全集

※我が家にあるのは、下の50枚組CDSET。
Great Symphonies.The Zurich Years 1995-2014 Limited Edition, Original recording remastered, Box set, Import

細部で「おやっ?」(たいていは装飾音)と思うところが幾つもあり、
聴いてみて新鮮さがあります。
(何回も聴くとどうなのでしょうか?)
ただし、スケールは小さめです。

◯トーマス・ダウスゴー(Thomas Dausgaard)指揮スウェーデン室内管弦楽団(BIS)
2007年5月、10月
SACDハイブリッド(SACD SURROUND、SACD STEREO、CD STEREO)
カップリング  交響曲第3番、マンフレッド序曲、「ヘルマンとドロテア」序曲

☆4.0
第1楽章 09:38
第2楽章 03:34
第3楽章 05:26
第4楽章 07:39

Schumann: Symphonies Nos. 3 & 4 [Hybrid SACD] SACD, Import

キビキビとした演奏です。
第4楽章を聴くと、実に爽快さを感じました。
こんなに爽やかな曲だったっけ?
なぜか、フランクの交響曲の第3楽章フィナーレを思い出してしまいました・・・
なお、ダウスゴー指揮では、初稿版(original version 1841)の録音もありますが、
今回は取り上げません。

(参考)
Syms 2 & 4 Hybrid SACD, SACD, Import

◯上岡敏之指揮ヴッパータール交響楽団(DENON)
2008年10月
SACDハイブリッド(SACD SURROUND、SACD STEREO、CD STEREO)
カップリング  ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲

☆4.0
第1楽章 10:37
第2楽章 04:01
第3楽章 05:21
第4楽章 08:54

シューマン:交響曲第4番 Hybrid SACD

第3楽章の長いタメをプラスと見るか、マイナスと見るかで、
評価が分かれるかも?
(私はプラスにとりましたが・・・)
フルトヴェングラー指揮の名盤を少しスケールダウンして、
音を鮮明にしたような感じがします。
第4楽章が特に生き生きとしています。


◯パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン(SONY)
2011年12月
SACDハイブリッド(SACD SURROUND、SACD STEREO、CD STEREO)
カップリング  序曲・スケルツォとフィナーレOP.52、
4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュトゥックOP.86

☆4.0
第1楽章 10:22
第2楽章 03:58
第3楽章 05:32
第4楽章 09:38

シューマン:交響曲第4番、序曲・スケルツォとフィナーレ&コンツェルトシュトゥック SACD

"I LOVE Schumann!"と公言してはばからない、
P・ヤルヴィのシューマン愛が詰まった、
若々しく力強い演奏です。録音も優秀です。
ベートーヴェンの交響曲全集(DVD)と並んで、
21世紀のスタンダード演奏になるかもしれませんね・・・

(参考)ベートーヴェン:交響曲全集~2009年ボン・ベートーヴェン音楽祭ライヴ [DVD]


◯パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン( C major)
2012年?
Blu-ray(DTS-HD MA5.1 / PCMステレオ)
※シューマン交響曲全集 SCHUMANN AT PIER2

☆4.0
第1楽章 10:40
第2楽章 04:18
第3楽章 05:30
第4楽章 09:43

シューマン : 交響曲全集 (Robert Schumann : The Symphonies / The Deutsche Kammerphilharmonie Bremen , Paavo Jarvi / + A Concert Film by Christian Berger) [Blu-ray] [輸入盤] [日本語解説付]

映像付です。
基本的な解釈はSACD盤とほぼ同じです。
ボーナス映像その他を考えると、揃えておく価値はあると思います。
(若干ながら、こちらの方が演奏・録音共に優れているかも?)
なお、映像の字幕は、「英独仏西中韓」です(;д;)

今回でひとまずシューマン:交響曲第4番の聴き比べシリーズが終わりです。
今回の聴き比べ記事に間に合わなかった盤は、各記事の追記で取り上げることにします。

(参考)
シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その1)1950〜1960年代まで
シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その2)1970年代
シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その3)1980年〜1990年代まで

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コメント

影の王子様、コメントありがとうございます。
ジンマン盤のシューマンは何度も連続して聴くと評価が下がるのかもしれませんね。
その代わり、時折聴く程度に止めれば、新鮮な印象を保てるかもしれません。
良くも悪くも細かい職人的な指揮者ですね。

この中ではジンマン盤を聴きました。
引き締まった響きは良いのですが
それ以上の何かが不足していた気がします。

ジンマンといえば物議を醸したベートーヴェン全集も全曲聴きました。
「なんだかなぁ・・・」というのが正直な感想でした。

ジンマンのCDではマーラーには感心せず、R.シュトラウスは良く
N響定期ではグレツキの交響曲第3番の名演あり・・・と
なかなか評価の定まらない指揮者ではあります。

この記事へのコメントは終了しました。

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