ブラームス:交響曲第1番、SACDで聴き比べ6盤
ブラームスの交響曲第1番については、以前聴き比べ記事を書きましたが、
(→ブラームス:交響曲第1番聴き比べ12種〜カラヤン盤5種を中心に・・・)
今回は、通常CDではなく、SACD限定で聴き比べをしてみました。
それでは、聴き比べです。
オススメ順に紹介します。
指揮者・オケ名、
レーベル・録音年月・
スペック(SACD ハイブリッドorシングルレイヤー)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲は今回省略します。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。
(今回はどれも推薦盤です。)
◯シモーネ・ヤング(Simone Young)指揮
ハンブルク・フィルハーモニカー(Philharmoniker Hamburg)(OEMES CLASSICS)
2007年5月
SACDハイブリッド(Surround、Stereo、通常CD)
ブラームス:交響曲第1番(ハンブルク・フィル/ヤング)
☆4.5
第1楽章 17:39
第2楽章 9:38
第3楽章 4:59
第4楽章 17:27
今回紹介した中で、唯一のサラウンド盤です。
そのせいか、録音でポイントを稼いで、見事1位です!
(余談ですが、SACDシングルレイヤーはサラウンドが付かず、
SACDハイブリッド盤だとサラウンドが付く事が多い、
というのはどうも納得がいかないと思いませんか?
シングルレイヤー盤はハイブリッド盤の1.5〜2倍ぐらいの値がついているのに・・・)
以前、ブルックナーの交響曲第3番の聴き比べ記事を書いた際、
第1稿の演奏(と録音)がすばらしかったのと、SACDとしては安価だったので、
入手してみました。
第1楽章冒頭から、往年のカラヤン指揮ベルリン・フィルみたいな、
重戦車が通り過ぎて地響きを立てるような、力強い響きに驚かされます。
第4楽章冒頭のティンパニの響きも凄く、床が重低音で振動するほどです。
響きの豊かさ、細部の煌めき、音が原色で聴こえる感じ・・・
まるで往年の巨匠の演奏が、最新の録音で現代に蘇ったかのようです。
第1楽章から第3楽章まで、
「ここはこういう風に響かせてほしい!」という理想的な響きと音楽的展開があります。
欲を言えば、第4楽章のみ少し落ちる感じがします。
ほんのちょっとだけ、さらに高揚感が欲しいところです。
しかし、これだけの演奏を聴かせられる、シモーネ・ヤングはまさに逸材です。
女性指揮者は21世紀になってもまだ珍しい方ですが、
結局のところ、指揮者が男性か女性か、なんてことはどうでもよくて、
いかに素晴らしい演奏を聴かせてくれるかだけが大事なのです。
ちなみに、シモーネ・ヤング指揮ハンブルク・フィルハーモニカーによる、
ブラームスの他の交響曲のSACDも既に入手済みです。
(冷やかし程度かな、と思っていた盤が、意外にも本命になってしまった・・・)
◯クルト・ザンデルリンク指揮ドレスデン・シュターツカペレ(DENON)
1971年3,6,11月
SACDハイブリッド(SACD STEREO、通常CD)
※ブラームス交響曲全集
☆4.0
第1楽章 14:22
第2楽章 9:50
第3楽章 5:05
第4楽章 17:15
これぞブラームス、という、自分にとって基準となる演奏です。
幾分くすんだ音ですが、心持ちCDよりも輝かしく聴こえます。
第4楽章の歓喜の主題は、作為がないのに感動的に歌い上げているところが見事です。
何度でも聴きたくなる演奏です。
◯オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団(WARNER)
1956年10月、1957年3月
SACDハイブリッド(SACD STEREO、通常CD)
※ブラームス交響曲全集
ブラームス:交響曲全集(SACDハイブリッド)
☆4.0
第1楽章 14:06
第2楽章 9:25
第3楽章 4:42
第4楽章 16:00
決して微笑まないし、愛想はよくないけれども、
真実を伝えている、そんな印象の演奏です。
例えて言えば、スクリーン上の高倉健?(^-^;
取り立てて甘美なところはない、むしろ辛口ですが、
また聴きたくなるような不思議さがあります。
◯小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラ(DECCA)
2010年12月
SACDシングルレイヤー(SACD STEREO)
奇蹟のニューヨーク・ライヴ ブラームス:交響曲第1番
☆3.5
第1楽章 13:38
第2楽章 9:03
第3楽章 4:53
第4楽章 17:55
病癒えてからの復帰コンサート、といった先入観は抜きで評価します。
録音は少し引き気味。第2楽章のソロ・ヴァイオリンは実に清らかで美しいです。
全体的にスマートな感じの演奏です。
第4楽章の盛り上がりは、「流石!」と思わせるところがあり、
第4楽章だけなら前述のシモーネ・ヤング盤以上かもしれませんが、
その他は良くも悪くも「標準的な」演奏かな・・・
◯ズデニェク・マーツァル指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(EXTON)
2005年10月
SACDハイブリッド(SACD STEREO、通常CD)
※ブラームス交響曲全集
ブラームス:交響曲全集・大学祝典序曲・悲劇的序曲
☆3.5
第1楽章 12:58
第2楽章 8:49
第3楽章 4:42
第4楽章 17:00
まるで大自然そのものがシンフォニーを奏でているかのような、
いい意味でどこにも力みや作為や引っかかるところが見られない、
自然体のブラームスです。
あっさりした中でも、響きは充実しています。
流してなんとなく聴くには最適かも・・・
◯カール・ベーム指揮ベルリン・フィル(DG)
1959年10月
SACDシングルレイヤー(SACD STEREO)
ブラームス:交響曲第1番
☆3.5
第1楽章 12:39
第2楽章 9:31
第3楽章 4:31
第4楽章 16:33
いざ、という時の音の迫力は流石ベルリン・フィル!という感じです。
第2楽章のヴァイオリン・ソロは、今回紹介した中では、
小澤盤に次いで美しいです(コンマス→ミシェル・シュヴァルベ)。
ただ、全体として淡々としたところが多いかも・・・
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