プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番&第2番聴き比べ補遺
先日、プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番Op.19と、
ヴァイオリン協奏曲第2番Op.63の聴き比べ記事を書きました。
→プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番聴き比べ14盤
→プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番聴き比べ16盤
今回は、上の2つの記事を書いた後に入手した盤について、
聴き比べ補遺として書きます。
それでは、聴き比べです。
今回は、録音年順に紹介します。
ソリスト名、楽器名、指揮者・オケ名、
レーベル・録音年月・
スペック(今回はすべて通常CDです。) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。
(今回は全部が推薦盤です)
なお、(VC1)=ヴァイオリン協奏曲第1番、(VC2)=同第2番の略記です。
◯(VC1)エリック・フリードマン(Erick Friedman)(Vn)、
エーリッヒ・ラインスドルフ指揮ボストン交響楽団
1964年4月
◯(VC2)イツァーク・パールマン(Vn)、
エーリッヒ・ラインスドルフ指揮ボストン交響楽団
1966年12月
(SONY)
※"Erich Leinsdorf conducts Prokofiev(6CD)"の1枚(CD5)
Erich Leinsdorf Conducts Prokofiev-Son
(VC1)☆4.0
第1楽章 9:29
第2楽章 4:09
第3楽章 8:00
(VC2)☆4.0
第1楽章 10:04
第2楽章 09:16
第3楽章 06:06
元々このCDBOXは、プロコフィエフの交響曲とピアノ協奏曲を聴くために入手したもので、
ヴァイオリン協奏曲2曲はオマケでした。
しかし、期待していなかった割に、2曲ともすばらしい演奏・録音でした!
(VC1)冒頭からしてどストライク!
ヴァイオリンの弱音やオケの細部がはっきりと聴こえます。
第2楽章途中のヴァイオリンソロが、怪鳥の鳴き声のように聴こえるところがユニークです。
(後述のパールマン&ロジェストヴェンスキー盤や庄司紗矢香盤は、
もっとなめらかに聴こえます。)
オケの響きはステロイド増強した筋肉質のアスリートみたいな感じです。
(VC2)
パールマンのヴァイオリンの美音がすごくよく生かされています。
オケも細部までよく聴き取ることができます(通常CDでも!)。
オケの低音の迫力がすごいです。
第3楽章最後のところは、酔っぱらいが倒れるのでもなく、
舞踏家が踊る様子でもなく、
あえて言えば、音のダンスといったところでしょうか。
(具体的なイメージが浮かびませんでした。)
◯(VC1)(VC2)イツァーク・パールマン(Vn)、
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮BBC交響楽団(WARNER)
1980年10月
カップリング なし
プロコフィエフ: ヴァイオリン協奏曲 第1番&第2番≪クラシック・マスターズ≫
(VC1)☆3.0
第1楽章 9:34
第2楽章 3:45
第3楽章 8:31
(VC2)☆3.5
第1楽章 10:46
第2楽章 09:43
第3楽章 06:05
(VC1)
冒頭のオケのさざめきはほぼ聞こえません。
パールマンのヴァイオリンの美音以外は印象に残りませんでした。
(VC2)
全体的にオケが弱くしか聞こえません。
第2楽章の優美なメロディを奏でるヴァイオリンの音色は、
まさに「蕩けるような」という表現がふさわしいです。
第2楽章だけなら☆4.0か、☆4.5をつけられそうです。
ただ、第1楽章、第3楽章は良くも悪くも「標準的」です。
◯(VC2)イツァーク・パールマン(Vn)、
ダニエル・バレンボイム指揮シカゴ交響楽団(WARNER)
1993年5月
※The Erato & Teldec Recordings(2枚組)
The Erato & Teldec Recordings
※AmazonではMP3の扱いしかないようです。
1枚ものCDなら下記で。
Violin Concerto in D Major / Violin Concerto No 2 Import
☆3.5
第1楽章 10:06
第2楽章 09:15
第3楽章 06:13
少し残響が多めです。
パールマンは全体的にロマンティックに歌い上げています。
問題ありとすれば、バレンボイムのテンポのとりかたでしょうか。
「せかせかしているなぁ・・・」と感じるところが何ヶ所かありました。
特に第2楽章途中からの展開は、明らかに少し急ぎ過ぎの感じが・・・
ちなみにこのCDでのカップリングは、ストラヴィンスキーのVn協奏曲です。
◯(VC1)庄司紗矢香(Vn)、
ユーリ・テミルカーノフ指揮サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団(DG)
2012年9月
カップリング プロコフィエフ(VC2)
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番&第2番
☆4.0
第1楽章 9:45
第2楽章 3:54
第3楽章 8:29
このCD、(VC2)の聴き比べ記事では既に取り上げていますが、
(VC1)の記事を書いた後に我が家に到着したので、
今回ここで取り上げます。
冒頭から、オケ、ヴァイオリン独奏ともに、
神秘的(ミステリオーソ)な響きをうまく醸し出しています。
第1楽章終盤の、高音域の弱音で奏でられるヴァイオリン・ソロは、
実にキラキラしていて、雪が降り注いでくるよう・・・
第3楽章ラストは、ソロ、オケともにとても美しく、
見事なまでに幻想的な世界を描きだしています。
(参考)
(VC2)聴き比べ記事での、
庄司紗矢香&テミルカーノフ盤への私の評価
(引用)
☆3.5
第1楽章 11:01
第2楽章 9:51
第3楽章 6:18
庄司紗矢香のソロはそれほど自己主張を感じることなく、
ソロとオケが渾然一体となって美しいハーモニーを響かせようとしている、
という印象でした。
第2楽章後半部のソロの高音部はすごく美しく響いてきました。
(引用終)
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