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2016年12月28日 (水)

ブラームス:二重協奏曲(Double Concerto)聴き比べ7盤

ブラームスの二重協奏曲(Double Concerto)、
正式には「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲」Op.102。
(以下「二重協奏曲」と略記)
ブラームスには珍しく華のあるヴァイオリン協奏曲に対して、
この二重協奏曲は、いかにもブラームスらしい、
地味〜な曲です。
しかし、聴けば聴くほど、
まるでスルメのような(?)味わい深さが出てきます。
指揮者&オケ、ヴァイオリニスト、
チェリストの三者それぞれの持ち味が生かされて、
珠玉の演奏となりますが・・・
どちらかというと、要になるのはヴァイオリンよりもチェロの方です。
最も甘美な楽章は第2楽章Andante。
第1楽章冒頭の響きで厳しそうだからパス・・・
と思ったら、第1楽章はとばして、第2楽章から聴いてみてください。
そして、第3楽章は、少しユーモラスささえあります。

 

それでは、聴き比べです。
オススメ順に紹介します。
指揮者・オケ名・ソリスト名・
レーベル・録音年月・
スペック(通常CD,SACD ハイブリッドorシングルレイヤー)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。

 

◯ベルナルト・ハイティンク指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
ヘンリク・シェリング(Vn)、ヤーノシュ・シュタルケル(Vc)(旧PHILIPS)
1971年
通常CD
カップリング ヴァイオリン協奏曲

 

 

☆4.5
第1楽章 17:04
第2楽章 7:31
第3楽章 8:54

 

すべての点においてバランスの良い、味わい深い演奏です。
演奏者の存在を忘れて、ひたすら音に聴き惚れるような・・・
この盤と、後述のユリア・フィッシャー他盤があれば、もう十分かもしれません。

 

 

◯ヤコヴ・クライツベルク指揮ネーデルラント・フィルハーモニー管弦楽団
ユリア・フィッシャー(Vn)、ダニエル・ミュラー=ショット(Vc)(PentaTone)
2005年12月
SACDハイブリッド(SACD Multi-ch、SACD Stereo、CD)
カップリング ヴァイオリン協奏曲

 

 

☆4.0
第1楽章 16:05
第2楽章 7:36
第3楽章 8:16

 

オケのスケール感は小さいですが、録音の鮮明さがあり、
むさ苦しくないさわやかなブラームスを堪能できます。
21世紀的な、新たなブラームス像?

 

◯アルフレッド・ウォーレンスタイン指揮RCAビクター交響楽団
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)、グレゴール・ピアティゴルスキー(Vc)(RCA)
1960年5月
SACDハイブリッド(SACD Multi-ch、SACD Stereo、CD)
カップリング J・S・バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲BWV1043、
モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K.364

 

 

☆4.0
第1楽章 14:46
第2楽章 6:49
第3楽章 7:43

 

ハイフェッツの名人芸がやはり光ります。
録音もこの年代のものとしては優秀だと思います。

 

◯ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団
ダヴィッド・オイストラフ(Vn)、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)(WARNER)
1969年5月
SACDハイブリッド(SACD Stereo、CD)
カップリング ヴァイオリン協奏曲

 

SACD

 

通常CD

 

☆3.5
第1楽章 16:55
第2楽章 7:54
第3楽章 8:53

 

名盤として名高いものですが・・・
初めてこの曲を聴いたのも確かこの演奏だったと思います。
SACDの割には録音はイマイチ・・・
ゴリゴリという感じで、何度も聴くには不向きかも。

 

◯レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィル
ギドン・クレーメル(Vn)、ミッシャ・マイスキー(Vc)(DG)
1982年9月
通常CD
※ブラームス交響曲全集

 

交響曲全集

 

1枚ものCD

 

☆3.0
第1楽章 17:56
第2楽章 8:24
第3楽章 8:54

 

バーンスタイン+ブラームス=暑苦しい演奏、と思いきや、
意外にそうでもありませんでした。
ウィーン・フィルらしい柔らかな演奏です。
2人のソリストも後年とは違い、あまり自己主張していません。
ブラームス交響曲全集のオマケとしてはOKです。

 

◯フェレンツ・フリッチャイ指揮ベルリン放送交響楽団
ヴォルフガング・シュナイダーハン(Vn)、ヤーノシュ・シュタルケル(Vc)(DG)
1961年6月
通常CD
カップリング ベートーヴェン:三重協奏曲Op.56

 

 

☆3.0
第1楽章 16:57
第2楽章 8:09
第3楽章 9:16

 

標準的な演奏です。

 

◯ブルーノ・ワルター指揮ニューヨーク・フィルハーモニック
ジノ・フランチェスカッティ(Vn)、ピエール・フルニエ(Vc)(SONY)
1959年11月
通常CD
※ブラームス交響曲全集

 

交響曲全集

 

1枚モノCD
※カップリングはバーンスタイン指揮による、
ブラームスのヴァイオリン協奏曲

 

 

☆3.0
第1楽章 16:28
第2楽章 7:57
第3楽章 8:33

 

ブラームス交響曲全集のオマケという感じが否めませんが、
ソリストよりもオケの燃え具合が印象に残りました。

 

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コメント

影の王子様、コメントありがとうございます。
バーンスタイン盤が愛聴盤なのですね。
今後ともよろしくお願いします。

こんにちは。

名曲であり、好きな曲ですが
バーンスタイン盤で満足しており、他の盤を聴いておりませんでした(汗)

旧ソ連からの亡命者である2人のソリストを
バーンスタイン&ウィーン・フィルが暖かく包んでる風情が良いです。

ご推薦のハイティンク、ナクソス・ミュージック・ライブラリーで探してみます。

この記事へのコメントは終了しました。

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