グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調op.16 聴き比べ7盤
グリーグの代表作の一つ、ピアノ協奏曲イ短調op.16。
とても印象的な第1楽章冒頭の旋律は有名ですね。
よく、CDではシューマンのピアノ協奏曲とカップリングされることが多いです。
しかし、私にとっては、聴く回数では、グリーグの方が多いです。
有名な第1楽章はもとより、北欧の雪融けを思わせる第3楽章も実に魅力的です。
名盤としては、後述のルプー/プレヴィン盤や、
ツィメルマン/カラヤン盤が知られていますし、
それらの盤を聴いたことがありますが、それほど夢中になるものではありませんでした。
私にとって、この曲の魅力を再発見したのは、
CDではなく、NHKBSでの放送でした。
過去記事がありますので、よろしければお読みください。
→NHKBSプレミアム・プレミアムシアター「ベルリン・フィルのジルヴェスター・コンサート2011」(2012年1月21日放送)附:ウィーン国立歌劇場の「こうもり」(2011年12月31日公演)
これは、キーシン(P)、ラトル指揮ベルリン・フィルによる、
2011年のジルベスター・コンサートでの演奏です。
(Blu-rayが出ていますが・・・)
その後、ネルソン・フレイレ/ケンペ指揮ミュンヘン・フィル(後述)の硬派な演奏に出会い、
その盤で堪能していましたが、
アリス=紗良・オット (P)、エサ=ペッカ・サロネン指揮
バイエルン放送交響楽団(DG)(後述)のCDを手に入れたことにより、
聴き比べ熱に火がついてしまいました・・・
ということで、それでは聴き比べです。
オススメ順に紹介します。
指揮者・オケ名・レーベル・録音年月・
スペック(SACD ハイブリッドorシングルレイヤー、Blu-ray Audio)、
2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。
◯アリス=紗良・オット (P)、エサ=ペッカ・サロネン指揮
バイエルン放送交響楽団(DG)
2015年1月
通常CD
カップリング曲
抒情小曲集の抜粋、「ペール・ギュント」から「ソルヴェイグの歌」と、
「山の魔王の宮殿にて」のピアノ版。
アルバム名 ワンダーランド"Wonderland"
☆4.5
第1楽章 13:13
第2楽章 6:38
第3楽章 10:21
この盤については、既に記事を書いていますので、
そちらをご覧ください。
→アリス=紗良・オット(Alice Sara Ott)のCD”WONDERLAND”〜グリークのピアノ協奏曲OP.16と抒情小曲集〜
北欧らしさよりも、この曲の持つロマンティックさを十二分に発揮した演奏だと思います。
◯クリスチャン・ツィメルマン(P)、カラヤン指揮ベルリン・フィル(DG)
1981年9月、1982年1月
SHM-CD
カップリング曲 シューマン:ピアノ協奏曲
☆4.0
第1楽章 14:02
第2楽章 7:14
第3楽章 10:51
ツィメルマンのピアノよりも、
カラヤン指揮ベルリン・フィルのゴージャスな音響を堪能すべき盤です。
オケを主役と考えて、ピアノがオマケぐらいに思えるなら、
これほど雄弁な演奏はないといえるほどです。
◯ラドゥ・ルプー(P)、アンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団(DECCA)
1973年1月
通常CD
カップリング曲 シューマン:ピアノ協奏曲
☆4.0
第1楽章 13:39
第2楽章 6:43
第3楽章 10:35
古くからの名盤として知られていますね。
北欧らしさを感じさせる響きが魅力です。
◯ネルソン・フレイレ(P)、ルドルフ・ケンペ指揮ミュンヘン・フィルハーモニック(SONY)
1968年5月
通常CD
カップリング シューマン:ピアノ協奏曲、リスト:死の舞踏
☆3.5
第1楽章 12:16
第2楽章 6:14
第3楽章 10:06
硬派な響きが魅力ですが、聴き比べてみると、
録音の古さが少し気になってしまいました・・・
◯ゲザ・アンダ(P)、ラファエル・クーベリック指揮ベルリン・フィル(DG)
1964年9月
通常CD
カップリング ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
☆3.0
第1楽章 13:09
第2楽章 7:04
第3楽章 10:46
CDのジャケットを見ると、ゲザ・アンダとカラヤンとの共演と思ってしまいますが、
このCDでは、ブラームスのピアノ協奏曲第2番の方がカラヤンとの共演であり、
グリーグのピアノ協奏曲は、ラファエル・クーベリックの指揮です。
標準的な演奏といえましょう。
◯ディヌ・リパッティ(P)、アルチェオ・ガリエラ指揮フィルハーモニア管弦楽団(WARNER)
1947年9月
SACD MONO(ハイブリッド)
☆3.0
第1楽章 12:36
第2楽章 6:24
第3楽章 10:04
SACD化により、かなり聴きやすくなりましたが、
やはり音の貧弱さはカバーできない感じでした。
超名盤である、シューマンのピアノ協奏曲のオマケとして考えた方がいいと思います。
ピアノは魅力的です。
◯スヴャトスラフ・リヒテル(P)、ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮
モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団(現)
※旧名 モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団
1974年6月
SACDハイブリッド
☆2.5
第1楽章 12:41
第2楽章 6:09
第3楽章 9:57
SACD盤ですが、あまりSACDとしての魅力が出ていないように思えました。
演奏も鈍い感じ・・・
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