休日、寛いだ午前中によく聴くのが、
ウィンナ・ワルツのCDです。
今回は、ウィンナ・ワルツのSACD(+DVD)聴き比べと行きましょう。
その前に・・・
いつもでしたら、たとえばブラームスの交響曲第1番なら、
第1楽章◯分◯◯秒、第2楽章・・・、第3楽章・・・、第4楽章・・・
といった感じで紹介するのですが、
ウィンナ・ワルツはご存知のとおり、
長くても1曲は10分程度、短いと3分以下です。
また、盤によって収録曲が違いますね。
そこで、今回は、我が家にある盤の収録曲を見比べて、
たいていの盤に収録されている、
ヨハン・シュトラウスⅡ世のワルツ「美しく青きドナウ」と、
喜歌劇「こうもり」序曲の2曲を基準に聴き比べとしました。
なお、一部の盤にはどちらかしか含まれていないものもあります。
それでは聴き比べです。
今回紹介する盤はどれも素晴らしいので、録音年月順とします。
指揮者・オケ名・レーベル・録音年月・
スペック(SACD ハイブリッドorシングルレイヤーor Blu-ray Audio、
2ch Stereo or Surround) 、収録曲の順です。
(☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。)
なお、演奏時間は上記2曲のみ表記とします。
作曲者名は、J・シュトラウスⅡ世以外のみ記載します。
◯フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団(BMG→SONY)
1957年4月
SACDハイブリッド Surround/Stereo
Vienna
☆4.0
1.朝の新聞
2.皇帝円舞曲
3.美しく青きドナウ 8:12
4.舞踏への招待(ウェーバー)
5.オーストリアの村つばめ(ヨーゼフ・シュトラウス)
6.ばらの騎士「ワルツ」(R・シュトラウス)
7.ウィーン気質
8.南国のバラ
9.宝のワルツ
10.雷鳴と稲妻
名歌手エリーザベト・シュヴァルツコップ(Elisabeth Schwarzkopf)が、
「無人島に持っていきたい1枚」として選んだ盤として有名です。
シカゴ響というと、ショルティ指揮のマッチョな感じを思い浮かべますが、
この盤では実に優雅で愉しい響きを堪能できます。
ライナー指揮シカゴ響のSACDはどれも持っていて損はない名演揃いです。
◯ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団(SONY)
1962年1月5日(1‐6)、1958年3月1日(7)
SACDシングルレイヤー 2chStereo
☆3.5
1.美しく青きドナウ 9:45
2.ピチカート・ポルカ(J・シュトラウスⅡ世&ヨーゼフ・シュトラウス)
3.うわごと(ヨーゼフ・シュトラウス)
4.春の声
5.オーストリアの村つばめ(ヨーゼフ・シュトラウス)
6.常動曲
7.喜歌劇「こうもり」序曲 8:00
シカゴ響、クリーヴランド管(しかも、ライナー&セル!)という、
いかにもアメリカ的なオケと、
ウィンナ・ワルツというのは、
なんだかミスマッチみたいにも思えますが、
そんなことは気にならないほど愉しく聴けます。
ジョージ・セル指揮のSACDは、聴けば聴くほど味がでます。
◯カラヤン指揮ベルリン・フィル(DG)
1966年12月
SACDシングルレイヤー 2chStereo
☆4.0
1.美しく青きドナウ 9:47
2.皇帝円舞曲
3.アンネン・ポルカ
4.ラデツキー行進曲(J・シュトラウスⅠ世)
5.喜歌劇「こうもり」序曲 8:08
6.トリッチ・トラッチ・ポルカ
7.うわごと(ヨーゼフ・シュトラウス)
8.喜歌劇「ジブシー男爵」序曲
9.常動曲
演奏がウィーン・フィルではなくベルリン・フィルなのが少し惜しいですが
(カラヤンの最晩年に実現していますが・・・)、
ウィーン・フィルに負けじと甘美な演奏となっています。
選曲としても今回紹介した中では最もウィンナ・ワルツの代表曲を堪能できます。
◯ルドルフ・ケンペ指揮ドレスデン・シュターツカペレ(DENON※タワレコ限定)
1972年12月〜1973年1月
SACDハイブリッド 2chStereo
金と銀~ウィンナ・ワルツ・コンサート
☆4.5
1.喜歌劇「こうもり」序曲 8:04
2.ウィーンの森の物語
3.天体の音楽(ヨーゼフ・シュトラウス)
4.喜歌劇「ウィーンの朝・昼・晩」(スッペ)
5.金と銀(レハール)
6.浮気心
妻のために初めて買ったクラシックのCDです(通常盤の方)。
通常盤も記念のためにとってありますが、
せっかくSACDハイブリッド盤が出たので購入してみました。
第1曲の「こうもり」序曲のカッコよさ!
対抗できるのはカルロス・クライバーだけでしょう。
今回聴き比べの対象ではありませんが、
レハールの「金と銀」の素晴らしさは特筆すべきものがあります。
シャボン玉がふわふわとんでいる遊園地・・・
さて、いよいよ本命(?)の、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートへ!
どちらもカルロス・クライバー指揮ウィーン・フィルです。
◯カルロス・クライバー指揮ウィーン・フィル(DG)
1989年1月1日
DVD DTS5.1/DOLBY DIGITAL5.1/PCM STEREO
(DTS5.1で視聴)
☆4.0
1.(Open Credits)
2.加速度ワルツ
3.田園のポルカ
4.わが家で
5.とんぼ(ヨーゼフ・シュトラウス)
6.喜歌劇「こうもり」序曲 8:44
7.芸術家の生活
8.風車(ヨーゼフ・シュトラウス)
9.ハンガリー万歳!
10.クラップフェンの森で
11.春の声
12.ピチカート・ポルカ(J・シュトラウスⅡ世&ヨーゼフ・シュトラウス)
13.チャルダーシュ
14.おしゃべりなかわいい口(ヨーゼフ・シュトラウス)
15.ジョッキー・ポルカ(ヨーゼフ・シュトラウス)
16.美しく青きドナウ 10:59
17.ラデツキー行進曲(J・シュトラウスⅠ世)
映像付だと☆5.0をあげそうになります・・・
それぐらい、クライバーの指揮姿は魅了されますね。
しかし今回はあえて映像を封印して、音だけで聴いてみました。
圧巻はやはり「こうもり」序曲です!
スタイリッシュ、スマートさでは、今回紹介した中で最も優れています。
◯カルロス・クライバー指揮ウィーン・フィル(SONY)
1992年1月1日
SACDハイブリッド 2chStereo
☆3.5
1.歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲(ニコライ)
2.町といなか
3.オーストリアの村つばめ(ヨーゼフ・シュトラウス)
4.観光列車
5.喜歌劇「ジプシー男爵」序曲
6.千一夜物語
7.新ピチカート・ポルカ
8.ペルシャ行進曲
9.トリッチ・トラッチ・ポルカ
10.天体の音楽(ヨーゼフ・シュトラウス)
11.雷鳴と稲妻
12.美しく青きドナウ 9:56
13.ラデツキー行進曲(J・シュトラウスⅠ世)
カルロス・クライバー指揮による、
1989年と1992年のニューイヤーコンサートは、
やはり最高のニューイヤーコンサートですね!
毎年ニューイヤーコンサートを観ていますが、
未だにクライバーを超える演奏は出ていないと思います。
ただ、曲そのものを静かに堪能したい時には、
クライバー盤は不向きかと思います。
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