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2016年9月20日 (火)

シューベルト:交響曲第5番変ロ長調D.485聴き比べ6盤〜ワルター、ブロムシュテット、ショルティ、クレンペラー、ヴァント、ジンマン・・・

シューベルトの交響曲で一番有名なのは、交響曲第7(8)番「未完成」。
最も充実しているのが、第8(9)番「ザ・グレート」。
では、私が最も好きなのは?
それは、チャーミングで愛らしい、交響曲第5番D.485です。

 

初めて聴いたのが、確か高校生の頃だったと思います。
ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団の演奏(後述)。
第1楽章冒頭のウキウキとした気分、まるでモーツァルトの作品みたいだ、と思いました。
シューベルトの交響曲を聴きたい、と思って手を伸ばすなら、
まず「未完成」はとりません。
(実はそれほど好きではありません。)
この第5番か、「ザ・グレート」どちらかですね。

 

さて、今回聴き比べをしようと思ったのは、
先日、ショルティ指揮ウィーン・フィルによる、
ベートーヴェンの交響曲第3・5・7番の2枚組CD(後述)を買ったら、
カップリングとして、ショルティ指揮イスラエル・フィルによる、
シューベルトの交響曲第5番が入っていたからです。
意外にも、なかなかいい演奏だと思い、
本来メインであるベートーヴェンの交響曲の方は未だにきちんと聴いていません。

 

シューベルトの交響曲第5番は、ゆっくりめの演奏でも30分以内で演奏が終わるので、
たいていは別な曲とカップリングされています。
我が家で調べてみると、6盤ありました。
今回は録音年月順ではなく、オススメ順に紹介します。
指揮者・オケ名・レーベル(SACDのみ特記)・録音年月の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。
なお、全集もののみ、カップリング曲は省略します。

 

◯ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団(SONY)1960年2-3月 
カップリング→シューベルト:交響曲第7(8)番「未完成」

 

 

☆4.5
第1楽章 5:53
第2楽章 10:40
第3楽章 5:01
第4楽章 6:25

 

極論を言うと、この演奏があれば、他の盤は要らないほどです。
私にとっては、この演奏が、原点であり、頂点といえます。
音楽から微笑みがこぼれ、喜悦に満ちています。
録音も素晴らしく、これ以上の演奏があるのだろうかと思うほどです。
シューベルトの交響曲第5番を聴くなら、迷わずコレ!
なお、2016年9月現在、国内盤がかなり前(1999年2月)に出たのしかないようです。
SACD化しないかな・・・

 

◯ヘルベルト・ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデン
(BERLIN Classics)1982年? ※交響曲全集

 

 

☆4.0
第1楽章 7:08
第2楽章 10:46
第3楽章 5:12
第4楽章 5:51

 

田園的・牧歌的な演奏です。
田舎のひなびた様子が目に浮かんで来るような感じです。
これ以降に取り上げる演奏が、あまり「自然」を感じさせないので、
相対的に高評価としました。

 

◯ショルティ指揮イスラエル・フィルハーモニック管弦楽団(DECCA)1958年5月
カップリング→ベートーヴェン:交響曲第3・5・7番(2枚組CD)

 

 

☆3.5〜4.0
第1楽章 5:00
第2楽章 9:30
第3楽章 4:23
第4楽章 5:11

 

改めて、この曲の美しさ、愉しさに気づかせてもらった盤です。
機能的な美しさがあり、意外と何度も聴いても飽きません。
(ワルター盤と比較しないなら・・・)
2016年9月に大雪山方面へ旅行した際、
しばしば頭の中に流れていたのは、たぶんこの演奏とワルター盤の合成だったと思います。

 

◯クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団(WARNER)1963年5月
※クレンペラー「ロマン派交響曲&序曲集」10枚組
Otto Klemperer: Romantic Symphonies & Overtures

 

 

☆3.5
第1楽章 5:36
第2楽章 9:48
第3楽章 5:00
第4楽章 6:03

 

ワルター盤のような、微笑む感じはありませんが、
曲の構造がよくわかり、小さくても「大交響曲」という印象を受けます。
あまり期待していなかったのですが、意外とステキな演奏でした。

 

◯ギュンター・ヴァント指揮北ドイツ放送交響楽団(SONY)2001年10月 SACD2枚組
カップリング→ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」

 

 

☆3.0
第1楽章 7:11
第2楽章 10:19
第3楽章 5:12
第4楽章 6:46

 

ヴァント最後のレコーディングとなったものです。
このCDのメインはやはりブルックナーの「ロマンティック」で、
シューベルトはオマケ的存在です。
厳しすぎる、渋面のシューベルト?
SACDですが、フォーマットのメリットをあまり感じさせません。
(むしろ、ワルター盤の通常CDのDSDマスタリングの方が音が瑞々しいほどです。)
ただし、メインであるブルックナーの方は素晴らしい演奏ですよ。

 

◯デーヴィッド・ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団(SONY)2011年9月
※私が持っているのは、ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管による50枚組CDです。

 

Great Symphonies.The Zurich Years 1995-2014
※50枚組で今や5000円台!(2016年9月19日現在)

 

入手しやすい、通常CD1枚ものも紹介します。カップリングは交響曲第6番。

 

☆2.5〜3.0
第1楽章 7:09
第2楽章 9:16
第3楽章 5:01
第4楽章 8:13

 

う〜ん、薄味!そのくせ長い!
ジンマン指揮の特長である、
細部が光るような演奏(ベートーヴェンやマーラーなど)でもないし・・・
私にとってはイマイチでした。
録音もパリッとしない感じかも・・・

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