シモーネ・ヤング(Simone Young)指揮ハンブルク・フィル(Philharmoniker Hamburg)による、ブルックナー:交響曲第3番(1873年初稿版)
ブルックナーといえば、「原典版」がいくつもあるので有名ですね。
先日、聴き比べ記事を書いた、交響曲第3番も、
第1稿から第3稿まで、出版楽譜が6種類もあるそうです。
ただ、一般的には、最後の第3稿(改訂版か原典版)で演奏されます。
今までは、ノヴァーク版かハース版どちらを使っているかしか、
気にも止めていませんでしたが、
第3番の第1稿はどんな感じなんだろうと興味をもって、
女性指揮者(いい演奏をするなら、男性も女性もバイも関係ないと思いますが・・・)、
シモーネ・ヤング指揮ハンブルク・フィルのSACDハイブリッド版を入手しました。
聴き終えて、強く思ったのは、
「フツーの第3稿で、この指揮者&オケの演奏をぜひ聴きたい!」
ということでした。
音の迫力は超優秀です。
スピーカーがまさに音の洪水になってしまいました!
まずは、第1稿と、第3稿で、どのくらい演奏時間が違うか、
比較してみましょう。
(第1稿)シモーネ・ヤング盤
第1楽章 25:26
第2楽章 19:20
第3楽章 06:40
第4楽章 17:09
(第3稿)セル盤
第1楽章 20:05
第2楽章 15:31
第3楽章 7:22
第4楽章 12:22
(参考)セル盤
シモーネ・ヤング盤を聴いていると、
「未完のトルソー」という感じが否めません。
はっきり言えば、「できそこないのブルックナー」という感じなのですが、
録音の凄まじさ、生々しさが、補って余りあります。
蛹から必死に脱皮して今にも羽を広げようともがいている蝶みたい?
ブルックナーの未発見の交響曲が見つかった、というぐらいの気持ちで、
交響曲第3番第3稿のことは忘れて聴いてみると、
それなりにすばらしい曲なのでは、と思いました。
(随所に第3稿の完成した響きが聴こえるけども、
別な曲、と考えた方がスッキリする気がします。)
女性とブルックナーって、あまり合わない気がしますが、
シモーネ・ヤングはブルックナーの聞かせどころをよくわかっているようです。
願わくば、第1稿シリーズではなく、
一般的なノヴァーク版かハース版での録音を望みたいものです。
(参考記事)
→ブルックナー: 第3番 バージョン問題 (稿問題/版問題)
※第1稿のオススメ版の一つとして、シモーネ・ヤング盤が取り上げられています。
この方は、第1稿の方が優れているとお考えのようですが・・・
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