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2016年4月10日 (日)

シベリウス:交響曲第2番聴き比べ6盤〜ただし、SACDに限る・・・

シベリウスの代表曲の1つ、交響曲第2番。
いろいろ意見はありましょうが、この曲がシベリウスの交響曲の中で、
最も有名かつ親しみやすい、というのは、異論がないはずです。
私もシベリウスの交響曲で初めて聴いたのはこの作品です。
(一番最初に聴いたシベリウス作品は・・・たぶん「フィンランディア」だと思います。)
たぶん、カラヤン指揮ベルリン・フィル(旧EMI)だったと記憶しています。
図書館で借りて聴きました(もう何十年も前です。)。
しかし・・・全然魅力的に思えなかったです。
その後、バーンスタイン指揮ウィーン・フィル盤(DG)に出会って、
シベリウスの魅力に開眼しました。
ただ、今バーンスタイン盤を聴くとしたら、
バーンスタインの体臭プンプンで、辟易すると思います。
人気を感じない、神々しいまでの大自然の美・・・
それこそ、シベリウスの魅力の真髄です。
交響曲第2番は、第3番以降の厳しさや理解を拒むようなものはなく、
美しい旋律美に満ちています。

シベリウスの交響曲第2番の名盤は、それこそたくさんあると思いますが、
今回は、SACD(シングルレイヤー、ハイブリッド問わず)に限定して、
聴き比べをしてみました。
2016年4月10日現在、6盤あります。
(ちなみに、通常CDは、9枚あります。)
上からオススメ順です。
後述のカラヤン指揮フィルハーモニア管盤までがオススメです。
指揮者→オケ名→カップリング曲→レーベル→録音年→
シングルレイヤー(S)orハイブリッド(H)の順です。

◯オスモ・ヴァンスカ指揮ミネソタ管盤(カップリング:交響曲第5番)BIS 2011 H

第1楽章09:11
第2楽章16:28
第3楽章05:47
第4楽章14:38
TOTAL46:14

今回の聴き比べで最も素晴らしかったものです。
ミネソタ管はアメリカのオケですが、響きは北欧そものです。
指揮者の解釈云々よりも、曲そのものの美しさ、北欧の情景が目に浮かんでくるようです。

◯オッコ・カム指揮ラハティ響盤(交響曲全集) BIS 2013 H

第1楽章 09:41
第2楽章 14:26
第3楽章 06:11
第4楽章 14:23
TOTAL 44:56

本場のオケ、ラハティ響を指揮した盤ですが、
凍てつくような表現にまで至らず、
むしろ少し暖かな感じの演奏です。

◯セル指揮クリーブランド管盤(ライヴ・イン・東京 1970)SONY 1970 S

第1楽章09:20
第2楽章12:56
第3楽章05:52
第4楽章14:26

ジョージ・セルが亡くなる前に来日した時の演奏です。
多少、ノイズが混じりますが、聴いているうちに気にならなくなります。
フィンランドの大自然は微塵も感じませんが、
むしろ、この後のカラヤン盤と同様、
オーケストラ曲としてのこの曲の魅力を十二分に引き出しています。
曲が終わると同時に「ブラボー!」が叫ばれるのは残念ですが、
自分も当時の聴衆だったとしたら、熱狂したかもしれません。

◯コリン・デイヴィス指揮ロンドン交響楽団(カップリング:ポポヨラの娘) LSO Live 2005 H

第1楽章09:42
第2楽章14:53
第3楽章06:06
第4楽章14:02

とても精緻な演奏です。
オーケストラ曲としての魅力を十分引き出しています。

◯カラヤン指揮フィルハーモニア管 WARNER 1960 H

第1楽章09:58
第2楽章14:24
第3楽章06:08
第4楽章15:18

年末年始の帰省で、実家に帰った時に、
なぜかこのジャケットのLPレコードがあったので、
興味を持ちました。
カラヤンらしい重厚さがありますが、ベルリン・フィル時代のような感じではなく、
意外にも結構聴きやすいです。

◯ベルグルンド指揮ロンドン・フィル(カップリング:交響曲第7番)LPO 2005 H

第1楽章10:14
第2楽章14:06
第3楽章06:03
第4楽章13:20
TOTAL43:43

ベルグルンドといえば、シベリウスのスペシャリスト。
期待していたのですが、この盤はちょっといただけなかったです。
第1楽章の出だしから、普通は曲想が拡がっていくような感じになるところ、
どんどん収縮していくような印象さえ受けました。
今回紹介した中ではかなり異質な演奏でした。
(異質であっても、説得力があれば別なのですが・・・)
最後まで盛り上がらないし、これはたぶん売却決定?
ベルグルンドの名誉のために言えば、ヘルシンキ・フィル盤と、
ボーンマス響盤は、名演ですよ。
(ヨーロッパ室内管弦楽団盤は・・・フツーかな?)

なお、今回の聴き比べは、あくまでSACDに限ったものです。
通常CDを含めての名盤決定は、別の機会にしたいと思います。
(セーゲルスタム、ベルグルンド/ヘルシンキ・フィル、ブロムシュテット、
ヴァンスカ/ミネソタ管又はラハティ響盤あたりが最有力候補でしょうか?)

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