アニメ映画「言の葉の庭」
NHKBSプレミアムで、2016年3月25日に、
アニメ映画「言の葉の庭」が放映されていました。
録画して視聴しました。
とにかく風景描写が緻密で繊細、
雨の描写が美しすぎる!!!!
対して、人物の描写(特に、ユキノ)は、少々幻想的でした。
何年か前の、桜が花咲く時期に、新宿御苑に行きましたが、
その時そこで観た風景(桜を除いて)が、丁寧に描かれているのにも驚嘆しました。
新宿駅近辺の描写も、たぶん見慣れた光景のはずが、
ここまで精密に描かれると、美の領域に入ります。
スタジオジブリの「耳をすませば」と同様に、身近な風景に美を感じました。
もはや、アニメという枠を超えて、映像詩であり、
川端康成とかの短編小説の世界にまで達している、
見事な芸術作品であり、
それでいて、物語としても十分魅力的でした。
NHKBSプレミアムで先に放送された、
「秒速5センチメートル」、「ほしのこえ」と見比べてみても、
この「言の葉の庭」が最も優れていると思いました。
(「秒速5センチメートル」も傑作ですが!)
ストーリー展開にはあまり関係ないのですが、
サントリーの「金麦」と「モルツ」の缶がやたら目立っていました(NHK的に大丈夫?)。
描写・展開とも非の打ち所のない作品でしたが、
唯一気になったのが、ユキノ役の花澤香菜さんの声でした。
美しい声ですが、少し幼い感じもしましたし、
もう少し低めの声の方が適役だったのでは、と思いましたが、
一方で、花澤香菜さんのその声だからこそ、
タカオとの「心の近さ」を表すことができたのでは、とも思いました。
雨の逢瀬の場面、タカオとユキノの距離が少しずつ縮まるところ、
ラスト前に「ユキノさん」「先生」という言葉で表される、微妙な心の距離・・・
そして、秦基博の歌う「Rain」を背景にしたシーン・・・
映像と音の使い方の巧みさが絶賛に値します!
ケイタイやスマホで言葉のインフレ状態担っている中、
あえて、古風な万葉集で返歌するというところも粋でした。
この作品について多く語れば語るほど、
何か言葉が追いつかないようなもどかしさがあります。
百聞は一見に如かずです。
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