許光俊著『人生最高のクラシック』 (光文社知恵の森文庫)と、レーグナー指揮ベルリン放送交響楽団による「チャイコフスキー:3大バレエ・ハイライツ集」
先日、書店の文庫新刊コーナーで、
許光俊の『人生最高のクラシック』 (光文社知恵の森文庫)を見つけ、
すぐさま買って読みました。
少し内容は古いものの(元々2003年に出版されたもの)、
クラシック音楽の名演はそれほど変わらないので、
いろいろ参考になります。
(同じ著者で、2015年4月にも『世界最高のクラシック』が、
文庫化されています。こちらも読みました。)
人生最高のクラシック
世界最高のクラシック
『人生最高のクラシック』では、
前作『世界最高のクラシック』の中で取り上げなかった指揮者について論じています。
日本では不当に評価が低いショルティについても取り上げているのは流石です。
この本で特に興味をもったのが、
ハインツ・レーグナーと、ジュリーニの記事です。
もちろんどちらの指揮者も昔から知っていましたが、
レーグナー指揮のチャイコフスキー:3大バレエ集と、
マーラーの交響曲第3番、
ジュリーニ指揮ベルリン・フィルによるモーツァルトの交響曲第40番、第41番。
これらのCDに興味を抱き、早速購入してみました。
(2015年10月26日現在、モーツァルトの方はまだ未着です。)
チャイコフスキー:3大バレエ・ハイライツ集
(引用)
ズバリ、レーグナーの「白鳥の湖」は、同曲の数えきれぬほどある録音の中でも、もっともすぐれたもののひとつだろう。いや、もっともすぐれたものと断言してもいいかもしれない。事実、私はこの演奏以上にすばらしい「白鳥の湖」を知らないのだから。
(『人生最高のクラシック』PP.177〜178から引用終)
この言葉に偽りはありませんでした。
確かに、「白鳥の湖」だけ聴いても、まるで交響曲のような重厚さがあります。
トラック4の有名な「情景」(第2幕)。
普通なら単にムード音楽で終わってしまいますが、
バレエのシーンがありありと目に浮かんできそうなほどでした。
まるで初めてこの曲を聴いたかのような、
あるいは、ぼやけた映像が鮮明に見えるかのような・・・
「白鳥の湖」の「情景」を聴いて涙がこぼれそうになったのは初めてでした。
既に所有しているカラヤン指揮VPOの演奏と聴き比べてみました。
こちらの演奏も見事ですが、BGMの域を出ていない、
というのが正直なところです。
レーグナーの指揮で、単なるBGMのように聴き飽きた3大バレエの曲が、
「こんな立派な曲だったの?」と見違えるような様相を魅せてくれました。
(参考)
カラヤン指揮ウィーン・フィルによる
チャイコフスキー:三大バレエ組曲(DECCA)
「くるみ割り人形」は、クナッパーツブッシュ&VPOの名演も忘れがたいですが、
こちらも素晴らしい演奏でした。
(クナッパーツブッシュ&VPOの「くるみ割り人形」組曲は、
タワーレコードで入手可能です。
タワレコで「クナッパーツブッシュ ポピュラー・コンサート」と検索。)
なお、今回紹介したCDでは、「白鳥の湖」からは8曲が収録されていますが、
元々は「白鳥の湖」のダイジェスト版として製作されたCDからの抜粋です。
(「くるみ割り人形」からは10曲、「眠りの森の美女」からは8曲)
もう少し長く聴きたい方は、2015年10月28日に、
「チャイコフスキー:《白鳥の湖》(抜粋)」というCDが再発売されますので、
そちらでどうぞ。
(「くるみ割り人形」と「眠りの森の美女」も、
それぞれ1枚もののCDとして再発売されます。)
白鳥の湖(抜粋)全11曲収録
くるみ割り人形(抜粋)全16曲収録
眠りの森の美女(抜粋)全22曲収録
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