チョン・ミョンフン(Myung-Whun Chung)指揮ソウル・フィルのマーラー〜東洋人による東洋的なマーラー演奏
最近、チョン・ミョンフン(Myung-Whun Chung)指揮、
ソウル・フィルによるマーラーの交響曲第1番、第9番のCDをよく聴いています。
きっかけは、音楽の友社のONTOMO MOOK(レコード芸術だったかも?)で、
かの宇野センセイがチョン・ミュンフンのマーラーを絶賛していたので、
興味を持ちました。
マーラーの第9コレクションを増やすため程度で、
そんなに期待はしていなかったのですが(失礼!)、
聴いてみて、今までのマラ9演奏
(典型的な例としては、バーンスタインやテンシュテットなどの粘着型と、
アバドやジンマンなどのあっさり型)とは見事に違う、
まさに東洋人による東洋的な演奏、といえましょう。
それでいて、曲の美感を十分に引き出しつつも、随所で迫力があります。
第1楽章は、「大地の歌」の"ewig,ewig"の世界観そのままで、
東洋の瞑想的な雰囲気さえ漂わせます。
通常、そういう雰囲気は冒頭で終わって、
「悟り」の世界から脱落して破滅に向かいつつも、
なおも「救い」の世界を希求する・・・
という感じなのですが、
チョン・ミュンフン指揮のこのCDでは、
「悟り」の境地が冒頭のまま持続し、
ほとんど揺るぎないようにさえ思います。
自然と調和し、天命を穏やかに受け入れるマーラー?
東洋的な境地に本当の理想があるのかもしれません。
光、もっといえば「慈光」があふれる、後光がさすような「マラ9」です。
第1番も、実はあまり通して聴くことがなかった作品でしたが、
チョン・ミュンフンの指揮にかかると、
あっという間に50分が経ってしまう、魅惑の作品になります。
北海道の大自然が広がっているかのような、爽やかな演奏です。
交響曲第9番
交響曲第1番
つい先日、新たに第5番と第2番「復活」のCDも入手しました。
「復活」の方は聴くのはもう少し後になると思いますが、
(歌詞付きのは聴くのが面倒・・・)
第5番の方は既に何度も聴いています。
暗すぎず、軽すぎず、それでいて迫力があります。
第5番を久しぶりにまともに通して聴くことができました。
(第1、第2楽章が実はあまり好きではありません。
よく聴くのが第4楽章のみか、第4〜5楽章を通して聴くか、
が今までの聴き方でした。)
交響曲第2番「復活」
交響曲第5番
※2015年9月7日現在、AmazonではMP3のみの取扱いです。
タワレコやHMVではCDの取扱いがあります。
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