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2015年5月28日 (木)

書評:武田綾乃『響け!ユーフォニアム』(1〜3)〜青春小説の傑作!

BS11他で2015年4月から放映されている、
アニメ「響け!ユーフォニアム」。
毎回楽しみに観ています。
アニメを観て、原作も読んでみたくなり、
1〜3巻購入して読破しました。
ストーリーを要約すれば、
「やる気をなくした吹奏楽部に、
新しい顧問が来て、全国大会を目指すようになり、
ついには全国大会まで出場を果たす。」
物語の筋はカンタンですが、そこに至るまでの部活内での人間関係とか、
女同士の友情とか、吹奏楽部の日常とか、そういったものが、
キラキラ輝いているような、青春小説の傑作だと思います。
男女の恋愛要素がほぼ0%に近いのも好感が持てました。
(高校生の恋愛なんて、所詮は一時的なオアソビですよ・・・)
部活に一生懸命な姿こそ、実に魅力的なのです。

ところで、アニメの第8話「おまつりトライアングル」では、
久美子と麗奈が「あがた祭り」の時に、
お祭りの喧騒を避けるように大吉山に登って、
二人だけで合奏するシーンがありました。
原作1巻のP.192〜205に基づくものですが、
原作では、二人は楽器を持たずにただ山に登って、
お互いへの正直な思いをぶつけます。
しかし、アニメ版は、いい意味で原作以上の味わいがありました。
二人だけで合奏するところは、まさに美しい青春の1シーンという感じでした・・・
映画「耳をすませば」のエンディング前のシーンをなんとなく連想しました。
麗奈の「特別になりたい」(=群れる必要を感じない)には、
自分の高校生くらいの気持ちと似ていて共感しました。

原作を読んでいて、気になったのは、顧問の滝先生の勤務時間でした。
夏休みの朝練習のために、朝6時には学校に来る子がいるので、
それよりもさらに早く出勤し、
学校の鍵の管理上、誰よりも遅く帰る日々・・・
しかも土日返上とは・・・
これは小説だからではなく、実際こういうのはよくあることです。
美談ととるか、それともまるでブラック企業みたい・・・ととるか。
過労死やうつ病になってもおかしくないかもしれません。

高校といえば部活・・・というのはマンガなどでは定番ですが、
実際、甲子園を頂点とした高校野球とか、
全国大会を目指すための早朝・夜遅くまでの練習、
土日返上の練習は、果たして必要なのか、
前例踏襲ではなく考えなおした方がいいのかもしれません。
(参考)<部活動指導の外注化> 石井昌浩氏「教師の負担軽減が急務」 渡辺敦司氏「安易な委託は対症療法」(産経ニュース2014年10月24日記事)

おまけですが、アニメのOP曲「DREAM SOLISTER」、
なかなかステキな曲ですね。
最近私の頭の中で、クラシックの曲以外でよく流れています。


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