NHKEテレ・クラシック音楽館「N響コンサート 第1798回定期公演」(2015年3月8日放送)〜ソリストにユジャ・ワン(Yuja Wang)登場!
ユジャ・ワン(王羽佳, Yuja Wang)が、
N響(しかも指揮者はデュトワ!)と競演、
それだけで、ワクワクしました。
2015年3月8日NHKEテレの「クラシック音楽館」、
第1798回定期演奏会(2014.12.17)の放映を視聴しました。
サントリーホールでの収録です。
ラヴェルのピアノ協奏曲はもちろんユジャ・ワンのソロで決まりでしたが、
実は、前半のプログラムの1曲、
ファリャ作曲「交響的印象“スペインの庭の夜”」も、
ピアノが大活躍する曲でした。
しかも、こちらもユジャ・ワンが弾いていました。
私は今回初めてこの曲を聴きました。
ファリャの曲は、ピアノ協奏曲に準ずる曲だそうです。
ピアノはオーケストラの楽器の一部といった感じでしたが、
ユジャ・ワンが弾くとフレーズの羅列も十分楽しく響いていました。
ピアノパートは伊福部昭の「リトミカ・オスティナータ」の一歩手前?
後述のラヴェルよりも実は印象に残りました。
(もしかして衣装のせいもある?)
さて、ラヴェルのピアノ協奏曲の方は・・・
派手にやってくれるかな、と思いましたが、
意外と控えめな感じでした。
ただし、第2楽章は繊細でありながらも神経質すぎず、
名演だったと思いました。
ちなみに、ファリャとラヴェルの曲では、
ユジャ・ワンは衣装を替えて登場していました。
我が家にあるラヴェルのピアノ協奏曲のCDは、
エレーヌ・グリモー(P)、ジンマン指揮ボルティモア交響楽団の演奏と、
アルゲリッチ(P)、アバド指揮ベルリン・フィルの演奏です。
グリモー盤は、第2楽章が繊細すぎるかな、と思っていました。
ほとんどブラームスの世界?・・・
その代わり、沈鬱で都会的な孤独を漂わせているがゆえに、
第2楽章に関してはアルゲリッチ盤よりもグリモー盤に軍配を挙げたいです。
しかし第1楽章、第3楽章では、華やかさ溢れるアルゲリッチ盤が優れています。
第2楽章で、都会の中の孤独感が漂っているのがグリモー盤だとすれば、
ユジャ・ワンの演奏は、カフェでちょっと一息、といった感じでしょうか・・・
しかし、グリモーの演奏・解釈とは違った魅力が、
この第2楽章にあることを示してくれました。
(参考)
グリモー盤
アルゲリッチ盤
後半の「火の鳥」、さすがデュトワ!といった感じでした。
(さほど好きな曲ではないので以下省略・・・)
おまけの、スクリャービン「幻想ソナタOp.19」もなかなかよかったです。
これは、以前「クラシック倶楽部」で放送されなかった部分にあたります。
→煌めく音の洪水!〜NHKBSプレミアム・クラシック倶楽部- ユジャ・ワン(Yuja Wang 王羽佳) ピアノ・リサイタル -(2013年5月22日放送)
ラヴェルのピアノ協奏曲については、過去何度か記事を書いています。
よろしければお読みください。
→ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調〜アリス=紗良・オットの演奏と、アルゲリッチ旧盤、グリモー盤
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「題なし」の及川様、コメントありがとうございます。私にとって、ユジャ・ワンは若手ピアニストの中では注目度№1です。コンサート後のお辞儀が素っ気ないのは致し方ありませんね・・・演奏そのものに全力を尽くすことがファンサービス、という考え方なのかもしれませんね。
投稿: てんしちゃん | 2015年3月 9日 (月) 21時47分
てんしな?日々さん
「題なし」の及川です。ご無沙汰しています。
ユジャワンを久しぶりにテレビで見ましたが、随分オトナになった感じでした。
録画してあったのを、この曲まで聴いてパソコンの前に座りました。
ラヴェル、強烈な演奏でした。第3楽章の最後の方、こんなに速く弾いた人がいましたっけ。
今後も目が離せません。
ところで、拍手に応えてのお辞儀。相変わらずソッケないですね。2曲やったあととはいえ、アンコールもなし。
ということで、ファンサービスはイマイチかな?
投稿: 「題なし」の及川 | 2015年3月 9日 (月) 00時51分