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2015年1月12日 (月)

ブラームス:交響曲第1番聴き比べ12種〜カラヤン盤5種を中心に・・・

2014年12月〜2015年1月のマイブームは、
ブラームスの交響曲第1番ハ短調Op.68です。
ただし・・・
今回のマイブームは、従来のような、
いろんな指揮者による演奏ではなく、
カラヤンの演奏、という限定がありました。
たぶん5、6年前なら、カラヤン指揮の演奏など、
R・シュトラウスとか一部を除いて、見向きもしなかったはずですが、
最近は、評価が変わってきました。
ブラームスの交響曲第1番とカラヤンの指揮は、
結構相性がいいのかもしれませんね・・・
今回は、カラヤン指揮の5種類のブラームス:交響曲第1番と、
他の演奏7種類の聴き比べについて書きます。
中心はカラヤン盤5種です。

まずは、カラヤン盤5種のそれぞれの録音、レーベル、カップリング、
発売年月日、演奏時間を書きます。
※カラヤン盤以外は発売年月日は省略します。

ウィーン・フィル盤(1959)DECCA
カップリング;ブラームス:悲劇的序曲
発売:2013.05.15(国内盤)
第1楽章;13:57
第2楽章;09:10
第3楽章;04:58
第4楽章;17:34

ベルリン・フィル盤(1963)DG
カップリング;ハンガリー舞曲集
発売:1996.12.02(国内盤)
第1楽章;13:48
第2楽章;09:11
第3楽章;04:54
第4楽章;17:57

ベルリン・フィル盤(1977-1978)DG
カップリング;ブラームス:交響曲第3番
発売:2012(輸入盤)
第1楽章;13:15
第2楽章;08:57
第3楽章;04:43
第4楽章;17:36

※入手しやすい、1970年代の全集盤を紹介します。

ベルリン・フィル盤(1987)DG
カップリング;ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲Op.56a
発売:13.3.20(国内盤)
第1楽章;13:22
第2楽章;08:23
第3楽章;04:47
第4楽章;17:38

ベルリン・フィル盤(1988)Testament
カップリング;シェーンベルク:浄夜
発売:2012(輸入盤)
第1楽章;13:37
第2楽章;08:50
第3楽章;04:57
第4楽章;18:14

クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団(1956-1957)WARNER
※ブラームス:交響曲全集他(4枚組)(輸入盤)
第1楽章14:06
第2楽章;09:25
第3楽章;04:42
第4楽章;16:00

ワルター指揮コロンビア交響楽団(1959)SONY
※ブラームス:交響曲全集他(5枚組)輸入盤
第1楽章;14:04
第2楽章;08:28
第3楽章;04:45
第4楽章;16:51

ミュンシュ指揮パリ管弦楽団(1968)WARNER
※カップリング;なし(国内盤)
第1楽章;14:44
第2楽章;09:51
第3楽章;05:07
第4楽章;18:22

クルト・ザンデルリンク指揮ドレスデン・シュターツカペレ(1971)DENON
※カップリング;なし(国内盤)
第1楽章;14:35
第2楽章;10:00
第3楽章;05:05
第4楽章;17:25

クルト・ザンデルリンク指揮ベルリン交響楽団(1990)CAPRICCIO
※ブラームス:交響曲全集他(4枚組)(輸入盤)
第1楽章;16:33
第2楽章;10:23
第3楽章;05:36
第4楽章;18:01

ジュリーニ指揮ウィーン・フィル(1991)DG
※ブラームス:交響曲全集他(5枚組)(輸入盤)
第1楽章;15:49
第2楽章;10:49
第3楽章;05:18
第4楽章;19:46

ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団(2010)SONY
※Great Symphonies - The Zurich Years 1995-2014(50枚組)(輸入盤)
第1楽章;15:24
第2楽章;08:37
第3楽章;04:26
第4楽章;16:30
※3枚組のブラームス:交響曲全集も出ています。

Great Symphonies.The Zurich Years 1995-2014

ブラームス:交響曲全集


この曲は全部聴くと44〜52分になります。
ちなみに上記で最も短いのはワルター盤、長いのはジュリーニ盤です。
1枚平均45分だとしても、12枚あれば、全部聴くのに9時間ぐらいかかります。
普段は第1楽章から順番にきちんと聴いていますが、
それでせっかくの休日を潰すのはもったいので、
今回は第3楽章、第4楽章だけで聴き比べをしました。
短いので20分、長いので25分、平均22〜23分ぐらいです。
(それでも、4時間以上かかりましたが・・・)
この曲を手っ取り早く味わいたいなら、第4楽章だけ聴くことがよくあります。

以下は第3、第4楽章だけの評ですのでご了承願います。
まずはカラヤン盤5種から。
感銘度から言うと、
1987年盤→1988年盤→1959年盤→1978年盤→1963年盤
となりました。

1987年盤は、響きが充実していながらも、
角がとれた、まろやかな演奏となっていて、
それでいて明るさがあります。
カラヤン指揮のでどれか1枚買うなら、迷わずこの盤をオススメします。

1988年盤は、カラヤン嫌いの宇野先生もオススメしたというものです。
ライブ盤です。
力強さがあり、過去のブラームス演奏の集大成のような感があります。
こちらも捨てがたい魅力があります。
ライブならではの独特の緊迫感、臨場感があります。
カラヤンの指揮がお好きなら、こちらも持っていて損はないでしょう。

1959年盤は、明るいブラームス(矛盾した言い方ですが・・・)でしょうか。
ウィーン・フィルの美感が聴きモノです。
1978年盤は、よくも悪くもカラヤン色満開の演奏です。
ブラームスよりは、カラヤンを堪能する演奏といえます。
1963年盤は、模範的な演奏です。力づくでドライブする感じでしょうか・・・

あとは、残り7種類について・・・

クレンペラー盤は、あっさりとしながらも、
スコアそれ自体が見事に語りかけてくるかのような演奏です。

ワルター盤は、あたたかみのあるやわらかい演奏です。
癒し系ブラームス?

ミュンシュ盤は、よくこの曲のベスト1として挙げられる名盤です。
私も20代の頃まではこの盤で聴いていました。
(というよりは、この盤しか聴かなかった、というのが正しいですが・・・)
ベートーヴェンの「第9」的な、苦悩から歓喜へ、
というイメージにピッタリの雄弁な演奏です。
荒れ狂うような感じがあります。
フルトヴェングラーとかの往年の巨匠の指揮がお好きなら、
かなりハマると思います。

ザンデルリンク旧盤は、たぶん今回挙げた盤の中で最もスタンダードな演奏といえます。
過不足なく、ブラームスのスコアを忠実に再現しているのではないのでしょうか。

ザンデルリンク新盤は、今回聴いた中で最も感動した演奏でした。
味わい深さでは断トツでした。
第3楽章は、森の中のようなイメージが頭に浮かびました・・・
細部の響きも、後述のジンマン盤に次いでよく聴こえてきました。

ジュリーニ盤は、前述のワルター盤よりもいっそうやわらかい演奏で、
まさに「慈愛」という表現がぴったりだと思います。
真綿でくるまれるような・・・
ゆったりした気持ちでブラームスの交響曲第1番を聴きたいなら、
ジュリーニ盤はオススメですね。

ジンマン盤は、50枚組CDの中にあったものです。
正直言って、ジンマンとブラームス・・・というだけで、
あまり期待していませんでした。
実は今回初めて聴くことになりました。
他の指揮者のような、独特な思い入れというのは、
ほぼないと思いますが、
その代わり、厚ぼったい響きが透明化されて、
普段は埋もれているような細かいパートまでよく聴こえてきました。
交響曲第1番を感動して聴きたい、というのには不向きですが、
まさに「解剖する」ように聴きたいなら、とても参考になると思います。
第4楽章の一部で、弦パートの甘美な響きがあります。
その部分に限って言えば、上記の盤の中で最高といえるかもしれません。
「大穴」的な盤といえます。

ということで・・・
私のベスト3を挙げると、
1.ザンデルリンク新盤
2.カラヤン1987年盤
3.ジュリーニ盤
でしょうか・・・

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