映画「ロバと王女」と、CD「ミシェル・ルグランをうたう」(原題:Entre elle et lui)
先日、ナタリー・デセイ(Natalie Dessay)と、
ミシェル・ルグラン(Michel Legrand)のコンサートが、
NHKBSプレミアムで放映されていたのを、
録画して観た記事を書きました。
(※「ナタリー・ドゥセ」が正しいそうです。)
→NHKBSプレミアム・プレミアムシアター
「ナタリー・デセイ&ミシェル・ルグラン・イン・ベルサイユ」
(2014年9月22日放送)
コンサートの中では、映画「ロバと王女」からの作品も3曲歌われていました。
今回、ようやく、映画「ロバと王女」(原題:Peau d'ane)
(※"d'anu"の"a"にはアクサン・シルコンフレクスがつきます。
文字化け防止のため外しました。)のDVDを、
TSUTAYAでレンタルして妻と一緒に観ました。
原題を直訳すると「ロバの皮」です。
原作はシャルル・ペローの童話です。
ロバと王女(DVD)
ロバと王女(Blu-ray)
完訳 ペロー童話集 (岩波文庫)
映像は少し古臭い感じがしますが、
すぐにそのシュールというかキッチュなというか・・・
独特な映像世界に引き込まれてしまいました!
ディズニー映画のプリンセスストーリーを、
一旦フランス化して、その上で実写にしたような感じ、
とでも言いましょうか・・・
映像の小道具のこだわりは、
おとぎ話をホントに実写にしたらこうなるよ!
といった、真剣すぎて笑えてしまうものになっていました。
王様の国の下僕達は顔まで青、
王子様の国の下僕達は赤・・・
王様の玉座は妙にカワイイ大きな白猫(もしかしてライオン?)。
昔話・おとぎ話のはずなのに、
突然20世紀の詩人(アポリネール、コクトー)の作品が出てきたり、
亡くなったお妃を治めた棺がSF的なデザインだったり・・・
ツッコミどころ満載の映画なのです。
極めつけは、最後のシーンの手前で、
なんと本物のヘリコプターが登場するところ!
これには唖然としました・・・
コメディなのか、子供向けに本気を出したのか・・・
こんな調子だからこそ、すごく楽しい作品に仕上がっています。
この作品の中でたぶん一番耳に残るナンバーである、
「愛のケーキの作り方」(Recette pour un cake d'amour)のシーン。
NHKEテレの「グレーテルのかまど」でも紹介されていました。
→2014年6月6日放送「”恋する王女”のケーク・ダムール」
王様からの求婚から逃れるため、普段は醜いロバの皮を身にまとい、
村人から蔑まれる王女が、
王様に作ってもらった太陽のドレスを着て、
歌いながらケーキを作るシーンです。
こんな豪華なドレスを着てケーキを作るわけないよね・・・
と思いつつも、映像としては見事でした!
私の妻は、ドレスの見事さに感心していました。
王女が元々着ていた水色のドレスもすばらしいですが、
王女が妖精と結託して王様に作らせた、
空のドレス、月のドレス、太陽のドレスはどれも素晴らしすぎ!
妻は特に月のドレスが気に入ったとのこと・・・
カトリーヌ・ドヌーブ演じる王女も美しさの極み!
映像はまさに20世紀の詩人が歌うシュールな風景のような世界です。
そして音楽!
ミシェル・ルグランの音楽がとても心地よく響いてきます。
監督は「シェルブールの雨傘」と同じ、
ジャック・ドゥミ(Jacques Demy)監督。
(「シェルブールの雨傘」と監督、音楽、主演が同じですね。)
話は変わって、
先日の「ナタリー・デセイ&ミシェル・ルグラン・イン・ベルサイユ」を観て、
すぐさまCDを注文しました。
「ミシェル・ルグランをうたう」というCDです。
輸入盤の方が安いですが、
私はフランス語を読むのはほとんど無理なので、
訳詞・解説がついている国内盤を買いました。
実にオシャレなアルバムといます。
ミシェル・ルグランをうたう
ところで、映画を観終えてから、
このCDの「愛のケーキの作り方」を聴いた後、
妻は、「映画版の声の方が、かわいらしい感じでスキ」と言ってました・・・
参考として・・・
映画「ロバと王女」の映像がどんな感じかよくわかるブログ記事です。
→『ロバと王女』――『美女と野獣』+ジャン・マレー作品へのオマージュ
※王様の国が青で、王子様の国が赤、最後の結婚式のところは白・・・
つまり、フランス国旗を表している・・・という読み解きはスゴイと思いました!
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