バルトーク:ピアノ協奏曲第3番聴き比べ6種〜アンダ、シフ、アシュケナージ、グリモー、アルゲリッチ、リパッティ・・・
バルトークの音楽は、
今まで晦渋なだけで美しさも面白みもないと思っていましたが、
一度わかってみると、なかなか魅力的です。
(ブルックナーやシベリウスの音楽に似ているかもしれません。
わからなければチンプンカンプンだけども・・・)
代表的なピアノ協奏曲3曲と「オケコン」、「弦チェレ」のみならず、
しまいには、ショルティ指揮シカゴ響他による、
管弦楽曲集7枚組CDまで買ってしまいました(後述)・・・
バルトークでどれか1曲、と問われれば、
私なら迷わず、ピアノ協奏曲第3番を挙げます。
(あとは、「オケコン」と「弦チェレ」のそれぞれ最終楽章・・・)
現在わが家にある6種類の録音を、録音年順に紹介します。
リパッティ(P)、パウル・ザッハー指揮南西ドイツ放送交響楽団(1948)EMI
(MONO)
第1楽章 7:48
第2楽章 10:27
第3楽章 7:20
7枚組CDの6枚目に収録されています。
アンダ(P)、フリッチャイ指揮ベルリン放送交響楽団(1960)DG
第1楽章 7:13
第2楽章 10:17
第3楽章 6:47
アシュケナージ(P)、
ショルティ指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(1980)DECCA
第1楽章 6:56
第2楽章 10:49
第3楽章 6:34
7枚組CDの3枚目に収録されています。
バルトークの作品に興味があるなら、実にオトクなCDBOXですよ。
シフ(P)、フィッシャー指揮ブタペスト祝祭管弦楽団(1996)TELDEC
第1楽章 7:43
第2楽章 9:42
第3楽章 6:42
アルゲリッチ(P)、デュトワ指揮モントリオール交響楽団(1998)EMI
第1楽章 7:17
第2楽章 10:45
第3楽章 6:42
グリモー(P)、ブーレーズ指揮ロンドン交響楽団(2004)DG
第1楽章 7:33
第2楽章 11:13
第3楽章 7:03
この6種類を順位づけするとしたら・・・
1位:アンダ盤
2位:シフ盤
3位:アシュケナージ盤
4位:アルゲリッチ盤
5位:グリモー盤
参考:リパッティ盤(MONOのため・・・)
ランキングの下から紹介していきます。
リパッティ盤の録音年は、作曲されてから3年ほどしか経っていません。
まさにバリバリの現代音楽だったのでしょうね・・・
リパッティの演奏を楽しむにはいいですが、
曲のダイナミックさ等を堪能するには向いていません。
グリモー盤は、今回わざわざ買い直したものです。
期待していたのですが・・・
改めて聴くと、曲の楽しさ、ダイナミックさが全然わかりません。
沈滞しすぎというか・・・
ブーレーズの指揮も分析的で、博物館的とでも言いましょうか・・・
部分的には、他の盤では聴こえてこないようなパートが聞こえるなど、
参考になる部分も多いですが、
グリモーを聴きたい、グリモーで聴きたい、という人以外にはおすすめできません。
アルゲリッチ盤は録音で損しています。
こちらも曲の楽しさに開眼するまでは至らない盤かな・・・
さて、アシュケナージ以降は合格点です。
どれもオススメできます。
アシュケナージは極めて模範的な演奏といえます。
それでいて、曲の楽しさ、美しさも十分に伝わってきます。
ショルティの指揮も細部まで完璧です。
シフ盤は、実にソフトな演奏です。
角がとれてしまったというか・・・
バルトーク=過激、前衛といったイメージを見事に壊し、
歌に満ち溢れたバルトーク像を提示しています。
今回紹介した6種類でたった1枚、といえば、
やはりアンダ盤です。
私にとっては決定盤です。
フリッチャイの指揮は、
ショルティの指揮に引けをとらない剛毅さがあります。
第1楽章から、ニューヨークの大都会が見えてくるようです。
ダイナミックさと、
曲自体の楽しさがこんなにわかっていいのかと思うぐらい、
とても明快な演奏です。
何度聴いても飽きないですよ。
フリッチャイ、フィッシャー、ショルティ・・・
やっぱりバルトークを聴くならハンガリー系の指揮者がいいのかもしれませんね。
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