プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番聴き比べ4種〜アルゲリッチ新旧2種、アシュケナージ、ラン・ラン
プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番、
ようやく最近になってその面白さ、素晴らしさがわかるようになりました。
以前は敬遠したいたのですが・・・
きっかけはアシュケナージ(P)、
プレヴィン指揮ロンドン交響楽団による、
プロコフィエフのピアノ協奏曲全集(2枚組)(※後述)を購入したことです。
模範的な演奏といえますが、かえって余計な味付けをしないからこそ、
作品のよさがわかりました。
(ただし、理解できたのは、今のところ、第1番と第3番のみですが・・・)
第1楽章の冒頭は、ロシアの朝焼けと白樺の林が見えてくるような感じです。
シベリウスの交響曲第6番第1楽章と似た雰囲気があるかもしれません。
都会性・モダンさとロシアの大自然の同居・・・
わかれば実にオモシロイ!
初めて覚えるブラックコーヒーの味に近いのかもしれませんね。
(最初はただ苦いだけですが・・・)
今回聴き比べする4枚のCDを、録音年順に紹介します。
あわせて、各楽章の演奏時間も記載します。
アルゲリッチ(P)、アバド指揮ベルリン・フィル(1967)DG
第1楽章;9:01
第2楽章;9:03
第3楽章;9:00
アシュケナージ(P)、プレヴィン指揮ロンドン交響楽団(1974〜1975)DECCA
第1楽章;9:44
第2楽章;9:13
第3楽章;9:36
アルゲリッチ(P)、デュトワ指揮モントリオール交響楽団(1998)EMI
第1楽章;9:39
第2楽章;9:39
第3楽章;9:47
ラン・ラン(P)、ラトル指揮ベルリン・フィル(2013)SONY
第1楽章;9:46
第2楽章;10:13
第3楽章;10:21
この4枚におすすめ順位をつけるとしたら・・・
1位:ラン・ラン盤
2位:アルゲリッチ旧盤
3位:アシュケナージ盤
4位:アルゲリッチ新盤
ラン・ラン盤は、音の迫力と鮮明さ、楽しさが圧倒的です。
名盤として名高いアルゲリッチの旧盤よりもです!
ラトル/ベルリン・フィルも充実しています。
音の大サーカスといった感じです。
アルゲリッチ旧盤は、やはりアルゲリッチの奔放さが全開です。
アバド/ベルリン・フィルも燃えています。
4枚の中で各楽章とも最も演奏時間が短いです。
スポーツカーで疾走!みたいな爽快さがあります。
特に第3楽章が秀逸です。
ラン・ラン盤を聴いていなければ、文句なくベスト1の演奏でしたが・・・
アシュケナージ盤も、ラン・ラン盤やアルゲリッチ旧盤と比較しなければ、
十分立派すぎる演奏です。
アシュケナージ盤を聴いていなければ、
そもそもこの曲の価値がわからずじまいだったのですから・・・
以上3枚はオススメできます。
アルゲリッチ新盤は、旧盤の奔放さが影を潜めたのと、
録音がマイナスです。
旧盤が「総天然色映画」だとしたら、
新盤は白黒映画に戻ってしまった感があります。
デュトワの指揮もサポートで終わっているかのようです。
ただ、アルゲリッチファンにとっては十分価値があるとは思いますが・・・
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