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2014年6月 8日 (日)

ドヴォルザーク:交響曲第8番聴き比べ〜カラヤン・VPO2種、ジュリーニ、アバド、ブロムシュテット・・・

ドヴォルザークの交響曲第8番は、
第9番「新世界より」ほど有名ではありませんが、
甘美さ、楽しさでは「新世界より」に決してひけをとらない、
すばらしい作品です。
最近(2014年5月下旬〜現在)、ほぼ毎日のように聴いています。
特に第3楽章の美しさに酔いしれています。

以前から、宇野センセイお勧め盤である、
アバド指揮ベルリン・フィル盤は持っていました。
いい演奏だとは思うものの、夢中になるほどではありませんでした。
しかし、先日、カラヤン指揮ウィーン・フィルの旧盤を入手してから、
すっかりこの曲に夢中になってしまいました・・・
それで、短期間でさらに3枚購入してしまい、計5枚の聴き比べとなりました。

今回紹介する5枚を、録音の古い順に並べ、各楽章の録音時間も書きます。

・カラヤン指揮ウィーン・フィル(以下VPO)1961(Decca)
※カップリング→ブラームス:交響曲第3番
第1楽章  9:51
第2楽章 11:08
第3楽章  6:06
第4楽章  9:35


・ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデン 1976
(Berlin Classics)
※カップリング→シューベルト:交響曲第6番
第1楽章  9:50
第2楽章 10:58
第3楽章  6:34
第4楽章 10:08


・カラヤン指揮VPO 1985(DG)
※カップリング→ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
第1楽章  9:43
第2楽章 11:17
第3楽章  5:36
第4楽章 10:02

・ジュリーニ指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 1990(SONY)
※カップリング→ラヴェル:組曲「マ・メール・ロワ」
第1楽章 11:18
第2楽章 11:42
第3楽章  7:18
第4楽章 11:32

・アバド指揮ベルリン・フィル 1993(SONY)
※カップリング→ドヴォルザーク:交響詩「真昼の魔女」
(私が所有しているのは上記カップリングですが、
現在なら、R・シュトラウスの交響詩がカップリングされている盤の方が、
入手しやすいようです。)
第1楽章 10:26
第2楽章 10:22
第3楽章  5:57
第4楽章  9:48

この5枚をオススメ順に並べるなら・・・

1位:カラヤン旧盤
2位:ジュリーニ盤
3位:カラヤン新盤
4位:ブロムシュテット盤
5位:アバド盤

でしょうか・・・・

アバド盤は演奏そのものは美しいと思うものの、
迫力に欠けます。デジタル録音の割に音が飛び出てきません。

ブロムシュテット盤はHMVのレビュー数の多さを見て買ってみました。
第3楽章は確かにこの5枚の中で一番「ボヘミア」を感じさせるかもしれません。
しかし、おとなしい演奏かな・・・
(ブロムシュテットのCDはHMVでやたらレビューが多い割に、
実際に聴いてみるとそんなにピンと来ないかも・・・)

カラヤン新盤は、2位にしてもおかしくない内容です。
第3楽章は出だしこそ早くて多少違和感を覚えますが、
そこを過ぎれば旧盤に近い典雅な演奏を聴かせてくれます。
ただし、馬車の世界というよりは、スポーツカーの世界かも?
メインは「新世界より」の方だと思います。

ジュリーニ盤は、全体的にゆったりとした展開ですが、
弛緩さは感じさせません。
ブルックナーのような悠々としたドヴォルザーク?
第3楽章の美しさはカラヤン旧盤と双璧をなします。
老夫婦が静かに踊っているような光景でしょうか?

カラヤン旧盤は、音質といい、演奏の甘美さ、華麗さといい、
非の打ち所がありません!
特に第3楽章!
VPOの甘美なポルタメントの美しさはため息ものです・・・
華やかながらもどこか影のある、
人生そのものを感じさせる舞踏会といったイメージでしょうか?
カラヤンの指揮もすばらしいですが、
古きよき時代のVPOの音色も大いに魅力的です。
私を「ドヴォ8」中毒にさせてしまった超名盤です・・・
第4楽章冒頭の輝かしいファンファーレも、
この5枚の中で最高です。
録音の優秀さも随一です。さすがDeccaサウンド!
(ただし、カップリングのブラームス:交響曲第3番は、
ザンデルリンク・ベルリン交響楽団の名盤には及ばないかな・・・
第3楽章だけ時たま聴く程度です。)

ドヴォルザークの交響曲第8番の定盤といえば、
ノイマン指揮チェコ・フィルとか、
ワルター指揮コロンビア交響楽団、
セル指揮クリーブランド管弦楽団(SONY、EMI)
とかあたりなのですが、
試聴してみて今ひとつ心をつかむものがなかったので、
今回は入手しませんでした。
カラヤン指揮VPOの旧盤があれば、他はいらないかも・・・
ドヴォルザークだからチェコ・ボヘミアという固定観念よりも、
美しければそれでいいではありませんか・・・

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コメント

「題なし」の及川様、コメントありがとうございます。
第4楽章もとても素晴らしいですよね。
第1楽章から通して聴くよりも、
第3楽章と第4楽章だけをセットで聴くことが多いです。
DTM入力なさってたのですね。聴かせていただきました。

てんしな?日々さん

「題なし」の及川です。
私もLP時代にカラヤンの旧盤でこの曲を知り、その後CDになってから何枚か持った時期はありましたが、結局カラヤンの旧盤に戻っています。CDで買い直しました。この1枚があれば多分十分かも。
私は第4楽章がとくに好きです。第3楽章と第4楽章の一部をDTMで載せていますのでお時間があればお立ち寄り下さい。
ちなみに、ブラームスの3番もこのカラヤン盤で知ったのですが、現在に至るまで、このブラ3というヤツは超苦手です。どこがいいのかサッパリ分からない。有名な第3楽章は余りにも暗いし。

この記事へのコメントは終了しました。

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