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2014年5月20日 (火)

NHK・クローズアップ現代「シリーズ 主婦パワーを生かす②  検証 103万円・130万円の“壁”~どう変わる?家計と働き方~」(2014年5月20日放送)・・・「働く」だけがまもとな生き方なのか?

「103万円・130万円の“壁”」なる言葉をご存知ですか?
(引用)
「103万円」の壁とは、年収103万円未満であれば、夫の所得税の負担が軽くなるというもの。「配偶者控除」があるためです。

一方、「130万円」の壁とは、年収130万円未満であれば、妻が年金の保険料を払わなくても、国民年金の受給資格を得られる「第3号被保険者制度」が適用などされます。
番組ブログから引用終)

「クローズアップ現代」に限らず、NHKではこの「壁」を、
専業主婦を家庭に縛り付けるもののように描いています。
(本当は主婦を守る「壁」なのかもしれないのに・・・)
(※たとえば2014年4月19日放送の「ニュース深読み」、
“配偶者控除”見直し? どうなる女の生きる道」など・・・)

番組HPから、放送内容を転載します。
(引用)
成長戦略の一つ、「女性の活躍推進」ため、税と社会保障制度の見直しが行われようとしている。所得税の「配偶者控除」や保険料を負担しなくても年金が受給できる「第3号被保険者制度」などだ。こうした制度は、妻の「内助の功」を評価するために設けられたとされる。しかし、共働き世帯が片働き世帯を上回る今、「103万円・130万円の壁」と呼ばれ、「女性の就労拡大を抑制する効果をもたらす」可能性があると言われているのだ。一方で、そもそも子育てとの両立や雇用の「壁」があるため、働きたくても働けないとする女性も少なくない。制度の見直しは就労拡大につながるのか、その有効性と課題を検証する。
(引用終)

専業主婦は共働きの方から見れば、いまや妬みの対象であり、
場合によっては蔑みの対象にさえなっています。
ある意味「絶滅危惧種」ですかね・・・
しかし配偶者控除廃止とは、
「税の公平負担」、「女性の社会進出」という美名に隠された、
政府による実質的な社会的弱者いじめ、増税です!

本当に働きたい人ならそんな「壁」をものともせずに働いています。
番組では一応触れていましたが、保育園を増やすとか、
その他の社会的環境の整備
(最低賃金を上げるとか、子育て手当を充実させるとか・・・)が伴わないで、
専業主婦を追い詰めるのはやめてほしいものです。

働くだけがオンナの幸せのすべてなのでしょうか?
子育てはそんなに価値がないことなのでしょうか?
あるいは、親の自己実現のために、子供はひたすら寂しさに耐えよ、
ということなのでしょうか?
私の妻は専業主婦です。
だからこそ、配偶者手当の廃止・縮小についてはいろいろ思うところがあります。
「働かない」、「家で楽しく過ごす」という生き方は認められないのでしょうか?
夫婦ふたりとも働かないでも幸せに生活できる社会の実現こそ、
もっと必要なのではないでしょうか?

今回の番組では、結局、「家庭に縛られている”かわいそうな”専業主婦を、
社会復帰させてあげるいいきっかけになる」という感じで、
配偶者控除等の廃止に肯定的でした。

仮に、配偶者控除等が廃止され、「壁」が崩れたとしたら、
さらに働きたい人は増えるワケですよね。
そうすれば、全体的な賃金はさらに下がるはずです。
人が余っているのですから・・・

経済評論家の三橋貴明氏も、
『図解 逆説の経済学―メディア・評論家に歪められた真実』(遊タイム出版)で、
「経済成長のためには「女性の活躍」が不可欠だ」という通説を否定しています。
(同著PP.70〜71)
現在のデフレ下の日本では逆効果になると指摘しています。
(失業者が多い中で、さらに求職を希望する人が増えるので・・・)

私ならむしろ、低所得者対策用に、配偶者控除をもっと引き上げる
(たとえば103万→200万)なら賛成ですが、
今みたいな形での負担増には反対です!

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