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2014年5月の11件の記事

2014年5月30日 (金)

書評:沖田☓華 作『ニトロちゃん: みんなと違う、発達障害の私』 (光文社知恵の森文庫)

先日(2014年5月26日)、
NHKEテレの「ハートネットTV」で、
発達障がいの漫画家、沖田☓華(おきたばっか)さんが紹介されていました。
ブレイクスルー File6 弱点を笑い飛ばす 発達障害の漫画家・沖田×華
作者の壮絶な小中学校時代を描いた
『ニトロちゃん』という作品と、発達障がい故の生きづらさ、
母との関係、看護師となったもののうまく行かず、
フーゾクの仕事についたこと、漫画家になったきっかけなど、
かなり衝撃的な内容ですが、本人は明るくケロッとしているのが印象的でした。
番組を観てすぐに『ニトロちゃん』を注文し、
届いてすぐ読みました。

ニトロちゃん: みんなと違う、発達障害の私 (知恵の森文庫)

絵ははっきり言って下手くそです。
しかし、内容は、発達障がい当事者でなければ書けない、
とても貴重なものです。
特に、小学校、中学校での教師の体罰、セクハラ等の記述は、
実に痛々しいものでした・・・
アスペルガー等の発達障がいの存在があまり知られなかった時代、
ヘンな子、頭のおかしい子と片付けられていた頃の教育が見事に告発されています。
教師という名の暴君・・・
(そういう暴力教師が後々校長にまでなっているそうです・・・)
すべての教育関係者はぜひ読むべきでは?とさえ思いました。
(もちろん、今では発達障がいの事がようやく広く知られるようになり、
このマンガに書かれているようなことが発覚すれば、
すぐさま新聞沙汰になるとは思いますが・・・)

マンガの最後の方になって、ようやくわずかな希望の光が現れます。
最後のところまで読んで少し泣きそうになりました・・・
発達障がいの当事者の思いを少しでも理解する手助けになる、
価値ある作品です。

発達障がい当事者の声で、教育に携わる人ならぜひ読んでほしいのが、
TOSSで販売している、
発達障がい児本人の訴え1・2巻セット』です。
(分売もあります。)
発達障がいをもつ小学校6年生が「夏休みの宿題」で、
自分の体験を50ページほどのレポートにまとめた冊子(1巻)です。
以前記事を書いて紹介したことがあります。
おすすめWEB記事~【解答乱麻】TOSS代表・向山洋一 小学6年「龍馬君」の訴え(2011年2月12日)
※なお、記事中の元々のWEB新聞記事のリンク先が切れていますので、
元記事が保存されているブログ記事も紹介します。
【解答乱麻】TOSS代表・向山洋一 小学6年「龍馬君」の訴え
(ブログ名:どんぐり倶楽部オンライン・記事データベース)

2014年5月27日 (火)

書評:マルセロ・ホッシ(Padre Marcelo Rossi)著『愛するということについて君と語ろう』(サンマーク出版)

紀伊國屋書店のキリスト教書コーナーに立ち寄った時に、
この本が平積みされているのを見、
手にとって読んでみたらなかなか興味深かったので、購入しました。
マルセロ・ホッシ(Padre Marcelo Rossi)著
愛するということについて君と語ろう』(サンマーク出版) です。

邦題は何やらマイケル・サンデル教授の本のパクリ的なものになっていますが、
原題は”Agape"(注:Aにアクセント記号がついています。)。
「アガペー」すなわち「無償の愛、無条件の愛」です。
著者マルセロ・ホッシ(Padre Marcelo Rossi)は、ブラジルのカトリックの神父です。
本の帯によると、この本はブラジルでは850万部の大ベストセラーだそうです。
何年か前(ひょっとすると、十年以上前かもしれませんが・・・)、
『神をたたえる歌』というCDが日本でも発売されていたと記憶しています。
(クラシックのジャンルで発売のはず)
その時は、「妙な神父がいるものだ・・・」と思っただけでしたが・・・

神をたたえる歌

さて、本書はヨハネ福音書に基いた説教集です。
説教集といっても、プロテスタント的な堅苦しいものではなく、
むしろ、聖書を出発点とした宗教講話、
もっといえば、詩の朗読のような感じです。
たとえば、こんな感じです。
ヨハネ福音書4章の「サマリアの女」の話から・・・
(本書3章「渇きはいつか癒されるーサマリアの女」PP.58〜67)

(引用)
 このサマリア人の女性は、さまざまな理由で差別を受けている大勢の人々の象徴といえるでしょう。こうした人々は、社会からのけ者にされて生きていました。純粋さ、信心深さ、裕福さ、気高さのすべてにおいて低く見られていたからです。ほとんど注目されていなかった、といってもいいかもしれません。
 しかし、驚くべきことに、イエスはそこにおられて、その渇きを癒す力を持った水をお与えになります。肉体と精神、両方の渇きを癒す水です。
 イエスはすべてに心配りをされます。ですから、サマリア人女性が本当に必要としているものに無関心ではおられなかったのです。イエスは女性の苦悩と疲労を理解されていました。女性は毎日、自分と家族が飲むための水を汲みに行かねばならず、それが苦痛の種になっていました。イエスには、すべておわかりでした。それで、ご自分の言葉で少しずつ女性の心を動かし、時空を超え、決して尽きることのない精神の糧をお与えになったのです。
 私たちは何に渇きを感じているでしょうか?
 思いやりですか?
 愛ですか?
 認められることですか?
 平和ですか?
 幸福ですか?
 有意義な一生を送ることですか?
 私たちを差別したり嘲笑したりする人々が、私たちのことをどう考えていたとしても、イエスは私たちを迎えに来てくださいます。破れた衣服や傷ついた心に気づかないわけではありません。ただ来てくださって、ともにお過ごしになり、私たちを回復させる水をお与えくださるのです。

(同著PP.64〜65から引用終)

この後、説教の締めくくりは必ず詩のようなお祈りがあります。

本書はカトリック系出版社ではなく、
どちらかというとニューエイジ系の出版社であるサンマーク出版から刊行されています。

マルセロ・ホッシ神父について調べてみると、
ブラジルではアイドルのような人気がある人で、
先に紹介した「神をたたえる歌」というCDでは、
5万人を集めた「歌ミサ」をささげた時の記録だそうです。
カトリック・カリスマ派(聖霊刷新)の「ポップスター」とまで言われています。

ブラジルでは80年代にプロテスタント福音派の台頭により、
かつては人口の90%を占めていたカトリックが70%にまで落ち込んだそうです。
そういう中で、福音派と同じようなポップな讃美歌(ワーシップソング等)を使い、
まるでロックコンサートのような感じでミサを捧げるホッシ神父の「歌ミサ」が、
カトリック離れの防波堤になっているそうです。

動画でその様子を観ると、彼こそは現代の聖フランシスコなのでは、と思いました。
(清貧、ということではなく・・・
人々を神に立ち返らせる熱狂さ・・・)
日本のカトリック教会のお葬式みたいな様子からすると驚天動地の光景です。


Padre Marcelo Rossi

マルセロ・ホッシ神父についての記事をいくつか見つけましたので紹介します。

歌うアイドル神父で信者増!? ブラジル・カトリックの新戦略(MEGA BRAZIL)
「宗教文化」について(翻訳家・工藤庸子氏)
※フランス文学の翻訳家。コレットの作品の翻訳で有名。
山田正信「カリスマ刷新運動――プロテスタントの伸展に抗うブラジル・カトリック教会」(天理大学)

マルセロ・ホッシ神父のCDとDVDです。
Agape Musical(CD)


Agape Amor Divino(DVD)

2014年5月20日 (火)

NHK・クローズアップ現代「シリーズ 主婦パワーを生かす②  検証 103万円・130万円の“壁”~どう変わる?家計と働き方~」(2014年5月20日放送)・・・「働く」だけがまもとな生き方なのか?

「103万円・130万円の“壁”」なる言葉をご存知ですか?
(引用)
「103万円」の壁とは、年収103万円未満であれば、夫の所得税の負担が軽くなるというもの。「配偶者控除」があるためです。

一方、「130万円」の壁とは、年収130万円未満であれば、妻が年金の保険料を払わなくても、国民年金の受給資格を得られる「第3号被保険者制度」が適用などされます。
番組ブログから引用終)

「クローズアップ現代」に限らず、NHKではこの「壁」を、
専業主婦を家庭に縛り付けるもののように描いています。
(本当は主婦を守る「壁」なのかもしれないのに・・・)
(※たとえば2014年4月19日放送の「ニュース深読み」、
“配偶者控除”見直し? どうなる女の生きる道」など・・・)

番組HPから、放送内容を転載します。
(引用)
成長戦略の一つ、「女性の活躍推進」ため、税と社会保障制度の見直しが行われようとしている。所得税の「配偶者控除」や保険料を負担しなくても年金が受給できる「第3号被保険者制度」などだ。こうした制度は、妻の「内助の功」を評価するために設けられたとされる。しかし、共働き世帯が片働き世帯を上回る今、「103万円・130万円の壁」と呼ばれ、「女性の就労拡大を抑制する効果をもたらす」可能性があると言われているのだ。一方で、そもそも子育てとの両立や雇用の「壁」があるため、働きたくても働けないとする女性も少なくない。制度の見直しは就労拡大につながるのか、その有効性と課題を検証する。
(引用終)

専業主婦は共働きの方から見れば、いまや妬みの対象であり、
場合によっては蔑みの対象にさえなっています。
ある意味「絶滅危惧種」ですかね・・・
しかし配偶者控除廃止とは、
「税の公平負担」、「女性の社会進出」という美名に隠された、
政府による実質的な社会的弱者いじめ、増税です!

本当に働きたい人ならそんな「壁」をものともせずに働いています。
番組では一応触れていましたが、保育園を増やすとか、
その他の社会的環境の整備
(最低賃金を上げるとか、子育て手当を充実させるとか・・・)が伴わないで、
専業主婦を追い詰めるのはやめてほしいものです。

働くだけがオンナの幸せのすべてなのでしょうか?
子育てはそんなに価値がないことなのでしょうか?
あるいは、親の自己実現のために、子供はひたすら寂しさに耐えよ、
ということなのでしょうか?
私の妻は専業主婦です。
だからこそ、配偶者手当の廃止・縮小についてはいろいろ思うところがあります。
「働かない」、「家で楽しく過ごす」という生き方は認められないのでしょうか?
夫婦ふたりとも働かないでも幸せに生活できる社会の実現こそ、
もっと必要なのではないでしょうか?

今回の番組では、結局、「家庭に縛られている”かわいそうな”専業主婦を、
社会復帰させてあげるいいきっかけになる」という感じで、
配偶者控除等の廃止に肯定的でした。

仮に、配偶者控除等が廃止され、「壁」が崩れたとしたら、
さらに働きたい人は増えるワケですよね。
そうすれば、全体的な賃金はさらに下がるはずです。
人が余っているのですから・・・

経済評論家の三橋貴明氏も、
『図解 逆説の経済学―メディア・評論家に歪められた真実』(遊タイム出版)で、
「経済成長のためには「女性の活躍」が不可欠だ」という通説を否定しています。
(同著PP.70〜71)
現在のデフレ下の日本では逆効果になると指摘しています。
(失業者が多い中で、さらに求職を希望する人が増えるので・・・)

私ならむしろ、低所得者対策用に、配偶者控除をもっと引き上げる
(たとえば103万→200万)なら賛成ですが、
今みたいな形での負担増には反対です!

2014年5月19日 (月)

NHKBSプレミアム・プレミアムシアター「小曽根真 クラシックを奏でる」(2014年5月19日放送)&NHKEテレ・クラシック音楽館「N響コンサート 第1777回定期公演」(2014年5月18日放送)

ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」はとても好きな曲の一つです。
ちょうど、『のだめカンタービレ』を初めて読んだあたり(10年前くらい)から、
この曲の素晴らしさに気が付きました。
(初めて聴いたのは20年以上も前だと思いますが・・・)
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番
(エレーヌ・グリモー/アシュケナージ指揮)と合わせて、頻繁に聴いていました。
私の愛聴盤は、ファジル・サイのピアノ、クルト・マズア指揮NYPの演奏です。

ラプソディ・イン・ブルー~サイ・プレイズ・ガーシュウィン


さてこの曲、「ジャズ的なクラシックの曲」なのか、
「クラシック的なジャズの曲」なのか、実に曖昧ですね。
(別にどっちだっていいじゃないか、というのが正直なところですが・・・)

前述のファジル・サイの演奏は、余計な即興をつけないでも十分に聴かせるものです。
対して、2014年5月19日に、NHKBSプレミアムの「プレミアムシアター」では、
小曽根真のピアノ、アラン・ギルバート指揮ニューヨーク・フィルによる、
極めてジャズ的な「ラプソディ・イン・ブルー」を放映していました。
ファジル・サイの演奏では16分で終わる曲が、
小曽根版では26分にもなっていました。
つまり、即興演奏が相当含まれている、ということです。
(今年1月18日にBS朝日で放映された、
小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラによる演奏はもっと長く、
約30分でした。もっともこちらはベースとかも入っていますが・・・)

(参考)Gershwin Night [DVD]

※小澤征爾指揮BPO、マーカス・ロバーツ・トリオ


ファジル・サイのスッキリとした演奏に比べると、
さすがに長さを感じますが、
ジャズを堪能できました。

「ラプソディ・イン・ブルー」の次は、モーツァルトのピアノ協奏曲第9番を、
小曽根真が自ら編曲したジャズ版でした。
だいたい30分前後で演奏される曲が、
50分以上のセッションになっていました・・・
原曲を知っている者からすると、あの曲が分解されてこんなになるのか・・・
という別な楽しみがありましたが、
原曲を知らない人にとってはどうなのかな・・・とも思いました。
さすがに後半は退屈を感じてしまいました・・・
(ジャズ好きにはたまらないのでしょうが・・・)

ピアノ協奏曲第9番の原曲版でのオススメは、内田光子/テイト盤です。
(参考)Piano Concertos [Box Set, CD, Import]


話は変わって・・・
2014年5月18日、NHKEテレの「クラシック音楽館」で、
「N響コンサート 第1777回定期公演」(2014年2月19日)をやっていました。
オール・モーツァルト・プログラムです。
指揮者はネヴィル・マリナー。
モーツァルトの交響曲第35番、第39番は聴くのをパスして、
真ん中の「ピアノ協奏曲第22番」だけ視聴しました。
ピアノはティル・フェルナー
番組の途中から観たのですが、ピアノのタッチの美しさに魅了されました。
後で録画したものを観ました。
オケは平凡な演奏ですが、ピアノはセンスがありました。
私にとっては初耳のピアニストでしたが、今後注目してみようかな・・・
バッハの平均律のCDが評判いいみたいです。

(参考)
Bach: Das Wohltemperierte Klavier

2014年5月13日 (火)

映画「ハナミズキ」〜道東の美しい風景が魅力・・・

NHKBSプレミアムで、2014年5月13日に、
映画「ハナミズキ」が放映されていました。
新垣結衣さん、生田斗真さん主演です。
北海道の釧路市、白糠町、浜中町がかなり重要な舞台となっています。
(他は東京とニューヨーク、カナダ)
特に浜中町の霧多布岬の景色がすばらしかったです。
美しい夕日と初キスシーン・・・
絵になる光景でした。

ただ、主人公の家の方面(白糠〜音別方面)と、
上記のところ(霧多布岬)は、直線で100㎞ぐらい離れているよな・・・
などと余計なコトを考えてしまいました。

甘いラブストーリーと、美しい「ハナミズキ」の曲に彩られ、
なかなか味わい深い作品に仕上がっていました。
(私は1回観たら十分かな、とも思いましたが・・・)
ラストはもうちょっと余韻に浸りたいのに、あっさり過ぎたかも?

ロケ地めぐりのサイトは以下のとおりです。
ハナミズキ ロケ地MAP(楽天エンタメナビ)
くしろロケMAP(釧路総合振興局)

ハナミズキ スタンダード・エディション [DVD]


「ハナミズキ」の歌は、一青窈さんの歌声も好きですが、
ヘイリーさんが英語で歌うバージョンも好きです。

ハナミズキ -君と好きな人が 百年続きますように-(一青窈)


祈り~ヘイリー・シングス・ジャパニーズ・ソングス ベスト

2014年5月12日 (月)

NHKBSプレミアム・アニメ「赤毛のアン」HDリマスタ版の放送に驚嘆!

我が家には今、世界名作劇場の「赤毛のアン」の全話DVDがあります。
昨年(2013年)12月に妻へのプレゼント用として買ったものです。
(過去記事あります→
世界名作劇場「赤毛のアン」DVDボックス、ついに購入〜!
〜妻へのクリスマスプレゼント2013第一弾

赤毛のアン ファミリーセレクションDVDボックス

2014年4月から、NHKの朝ドラは「花子とアン」を放映していますね。
(我が家でも毎回観ています。)
それを当て込んだかどうかは知りませんが、
2014年3月に「赤毛のアン」のBlu-rayメモリアルボックスが発売されました。

赤毛のアン Blu-ray メモリアルボックス

先日たまたま上記のレビューを読んでいた時に、
2014年4月から毎週月曜日18:30からNHKBSプレミアムで放映されている、
「赤毛のアン」の画質がすばらしい、という内容のコメントを読みました。
(→「画質、音質ともに、ワンランク、いや、ツーランク上」)
「赤毛のアン」のDVDは持っているので、
再放送は対して注目していなかったのですが、
改めて、録画して観てみました。
第6章「グリーン・ゲイブルズのアン」(2014年5月12日放送)です。
まず、今までの再放送を現在の地デジ対応テレビで観ると、
両端に空白部分がありますね。
(当時は4:3の映像が普通だから、仕方ないのですが・・・)
しかしNHKBSの放送では、HDテレシネされ、
フルスクリーンで観ることができます。
そして、驚嘆したのは、その色鮮やかさ!
こんなに鮮やかな作品だったの?
まるでミケランジェロの「最後の審判」の煤けた修復前と、
修復後の鮮やかさを観るかのようでした。
DVD版と見比べてみると、差は歴然でした!
背景の美しさに思わず感涙・・・

NHKBS放映版と、DVD版の写真を比較のため撮りました。
だいたい同じシーンです。
テレビの明るさは同じです。
色の鮮やかさがはっきりわかりますね。

NHKBS放映版
Anne_of_green_gables1

DVD版
Anne_of_green_gables2

う〜ん、これなら、Blu-ray版も欲しいかも・・・

2014年5月11日 (日)

映画「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点」

映画「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点」が、
2014年5月11日にテレビ朝日系で放映されました。
前作と同様、札幌・ススキノを主な舞台とした作品です。
今回は室蘭も舞台の一つとなっています。

作品のストーリー展開よりも、どこでロケをしているかの方が、
前作と同様気になってしまいました。
大倉山ジャンプ台のシーンはかなり笑えました(o^-^o)
市電を使った撮影も見ものでした。
前作よりはコメディ的要素が強く見られました。
マドンナ役は今作の尾野真千子さんよりも、
前作の小雪さんの方が謎めいていました。
主役の大泉洋さん、松田龍平さんの魅力は今作でもすばらしかったです。
(この2人こそ、
実写版のルパン三世のルパンと次元にピッタリな気がしますが・・・)

冒頭の方で、
マサコちゃん(演:ゴリ)の葬儀シーンが行われる教会はどこなのでしょうか?
そこが特に気になりました。
(セット?)

北海道民、特に札幌市民は必見の作品です!
ロケ地についての記事でオススメは次の2つです。
映画『探偵はBARにいる2』ロケ地を巡る旅特集(楽天トラベル)
映画「探偵はBARにいる2」の札幌ロケ地9選
前作についての記事を書いています。
映画「探偵はBARにいる」〜夫婦で評価が割れた作品


探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点 通常版 [Blu-ray]

2014年5月10日 (土)

映画「終着駅 トルストイ最後の旅」(原題:The Last Station)

実に痛々しい映画でした・・・
映画「終着駅 トルストイ最後の旅」(原題:The Last Station)が、
NHKBSプレミアムで2014年5月9日に放送されていたので、
録画して妻と観ました。
最晩年のトルストイの家庭の悲劇を描いた作品です。


終着駅 トルストイ最後の旅


隣人愛や人類愛を高らかに主張し、
聖者のごとき人と世界中から崇められていたトルストイが、
家庭では夫人と不仲になってしまった、というのはなんとも皮肉な話です。
(対立点は金銭に関してであって、それ以外は深く愛し合っていたことが、
映画では描かれています。)
映画では、トルストイ自身は聖者でも何でもない、
等身大の人物として描かれています。
(「サウンド・オブ・ミュージック」でトラップ大佐を演じた、
クリストファー・プラマーが名演です。)
むしろ、異常なのは、チェルトコフをはじめとするトルストイの取巻連中です。
怪しげな宗教団体そのものです。

この作品での実質上の主人公は、トルストイの秘書ワレンチンでしょう。
トルストイ主義者たちの偽善的・観念的な「愛」と、
真実で現実的な「愛」(性愛を含む)を対比させています。
トルストイが秘書ワレンチンに若い頃の情事を語るところは、
倉田百三の『出家とその弟子』で親鸞と唯円が、
恋と信仰について語りあうところを思い出しました。


出家とその弟子


トルストイの妻ソフィアは悪妻として名高いのですが、
彼女が怒り出すのも無理はないなぁ・・・と納得してしまいました。

D・カーネギーの名著『人を動かす』の一番最後の方の章、
「付録 幸福な家庭をつくる七原則」というところに、
トルストイ夫妻の悲劇が簡潔に書かれています。
(引用)
 トルストイの生涯は悲劇だった。その原因は結婚だといえる。(中略)
 (※トルストイ)は著書の印税も受け取ろうとはしなかった。そのことで、夫人は怒ったり泣いたりわめいたり、何年間もしつこく彼を責めつづけた。気に入らないことがあると、ヒステリーの発作を起し、死ぬといっておどかす。
 一九一〇年十月のある雪の夜、八十二歳のトルストイは、家庭の不和に堪えかね、あてどもなく家を出てしまったーーー十一日後、彼は、ある停車場で息を引き取った。死にぎわの願いは、夫人を絶対に近づけてくれるなということであった。
 これが、トルストイ夫人の口やかましさ、不平、ヒステリーから生まれた世にも悲惨な結末である。
 彼女にしてみれば、不平をいうだけの理由は、十分にあったのだろう。だが問題は、その不平をぶちまけることによって、彼女はどれだけの利益を得たかということだ。事態はそのために、ますます悪化したのではなかったか?

(D・カーネギー『人を動かす』(創元社)文庫版PP.334から引用終)


人を動かす


愛には偽りがあってはなりません。悪を憎み、善から離れず、 兄弟愛をもって互いに愛し、尊敬をもって互いに相手を優れた者と思いなさい。
(新約聖書ローマの信徒への手紙12:9〜10新共同訳)
人類愛より隣人愛、もっと身近な家族愛こそ、最も大切なことですね。

トルストイの最晩年のことは、高校生の時に
サマセット・モームの『世界の十大小説』のトルストイの章や、
ロマン・ロランの『トルストイの生涯』で読んでいたので、
よく知っていました。
このような形で映画化されるのは意外でした。
(どちらも今では絶版のようですね・・・岩波で出ていました。)
文学ファンなら一度は観る価値のある作品です。

2014年5月 6日 (火)

スペイン映画「汚れなき悪戯」(原題:Marcelino Pan y Vino)と邦画「なごり雪」(大林宣彦監督作品)

2014年5月のGW中に、テレビ放送された映画を録画して2本観ました。
スペイン映画「汚れなき悪戯」(原題:Marcelino Pan y Vino)と、
邦画「なごり雪」(大林宣彦監督作品)です。

「汚れなき悪戯」は1955年のモノクロ映画です。
2014年5月2日、NHKBSプレミアムで放映されました。
原題は「パンとぶどう酒のマルセリーノ」(劇中のセリフでも出てきます。)。
劇中歌「マルセリーノの歌」が有名ですね。
修道院の前で拾われた赤子マルセリーノが修道士たちによって育てられ、
やんちゃ盛りの幼年期を迎えた頃、修道院2階のキリスト像を見出し、
ある奇跡が起きる・・・という物語です。
ラストはスペイン版「フランダースの犬」?
一度は観る価値がある作品です。

汚れなき悪戯 [DVD]

「なごり雪」は2002年に公開された大林宣彦監督の作品です。
舞台は大分県の臼杵市です。
2014年5月2日深夜(5月3日)にHBCテレビで放映されていました。
70年代フォークソングの名曲ですね。
名曲の歌詞を時折セリフに用いながら、
50代の男性が過ぎ去った青春時代を振り返る、という物語です。
セリフがわざとに棒読みなのが気になりますが、
映画的な手法よりも、朗読や素人芝居的な要素を出すことにより、
観ている人が自分の青春時代を重ねやすくしようとしていたのかもしれません。
大林宣彦監督らしい、絵になる景色がたくさん出てきます。
うすき竹宵」の光景がとても美しかったです。

なごり雪」の歌詞がセリフに出てくるところが、
私にとっては思わず涙がこぼれそうになった箇所です。
男を一途に待つ女と、その愛に応えようとしない男との心のすれ違い・・・
あるシーンが何度も出てきますが、出るたびにその謎が解き明かされていきます。
須藤温子さんの清純な演技が心に残りました。

なごり雪 デラックス版 [DVD]

2014年5月 5日 (月)

ゴールデンウィーク道央花めぐり2014

2014年のゴールデンウィーク、いかがお過ごしでしたか?
私は両親が来札したので、妻と一緒に道央各地を案内して回りました。

札幌ではちょうど桜が満開になりました。
中島公園で撮った写真です。
かなり風が強かったです。

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ここからは岩見沢公園の室内公園、色彩館での写真です。

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こちらは札幌市中央区の円山公園付近の道路で撮った夜桜です。

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こちらは札幌市南区の真駒内公園で撮った写真です。

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真駒内公園にはカタクリの自生地があります。

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こちらはエンレイソウです。

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真駒内駅の付近で撮った1枚です。
こんなステキな場所もあるのです・・・

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2014年5月 1日 (木)

2014年4月のページビュー(PV)数ベスト10記事一覧

2014年4月のページビュー(PV)数ベスト10記事は以下のとおりです:
(※トップページを除く)
ベスト3までは記事リンクをつけています。

一位.ウコンは肝臓に悪い?~NHK・ためしてガッテン「肝臓の健康を守れSP」
(2011年6月29日放送)

二位.NHKBSプレミアム・プレミアムシアター
「ドミンゴ・ローレライ・コンサート &パリ・エッフェル塔コンサート」
(収録:共に2013年)(2014年4月14日放送)

三位.映画「アナと雪の女王」(原題:Frozen)〜2D版、3D版共に観て・・・
四位.STAP細胞狂詩曲〜マスゴミのバカ騒ぎ
五位.ヴァレンティーナ・リシッツァ(Valentina Lisitsa )の”Chasing Pianos”
(マイケル・ナイマン:ピアノ曲集)〜作曲者自作自演との聴き比べ

六位.NHK総合「サイレント・プア」 VS フジテレビ系「ブラック・プレジデント」
〜2014年春の新ドラマ・火曜日対決

七位.「学び合い学習」は日本の義務教育崩壊を招く!
~おすすめ記事『【解答乱麻】 TOSS代表・向山洋一 亡国の教育「学び合い学習」』
(MSN産経ニュース2012年11月24日掲載)

八位.ヘイリーの"The Water is Wide"と讃美歌21・104「愛する二人に」
※MIDI付

九位.算数の問題解決型学習~学力「崩壊」の決め手
十位.DVD 「新約聖書〜イエスと二人のマリア―選ばれし愛の生涯―」
〜マグダラのマリアとヘロデアは美魔女だった?

先月はどちらかというとテレビネタが多くランキングされていますね。
八位の「ヘイリーの"The Water is Wide"と讃美歌21・104「愛する二人に」
という記事は、NHKの朝ドラ「花子とアン」で、
"The Water is Wide"が歌われたので急遽過去記事なのにアクセスが増えました。

GWが始まっていますね。
札幌も桜が満開になりつつあります。
今月もご愛読よろしくお願いします。

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