書評:沖田☓華 作『ニトロちゃん: みんなと違う、発達障害の私』 (光文社知恵の森文庫)
先日(2014年5月26日)、
NHKEテレの「ハートネットTV」で、
発達障がいの漫画家、沖田☓華(おきたばっか)さんが紹介されていました。
→ブレイクスルー File6 弱点を笑い飛ばす 発達障害の漫画家・沖田×華
作者の壮絶な小中学校時代を描いた
『ニトロちゃん』という作品と、発達障がい故の生きづらさ、
母との関係、看護師となったもののうまく行かず、
フーゾクの仕事についたこと、漫画家になったきっかけなど、
かなり衝撃的な内容ですが、本人は明るくケロッとしているのが印象的でした。
番組を観てすぐに『ニトロちゃん』を注文し、
届いてすぐ読みました。
ニトロちゃん: みんなと違う、発達障害の私 (知恵の森文庫)
絵ははっきり言って下手くそです。
しかし、内容は、発達障がい当事者でなければ書けない、
とても貴重なものです。
特に、小学校、中学校での教師の体罰、セクハラ等の記述は、
実に痛々しいものでした・・・
アスペルガー等の発達障がいの存在があまり知られなかった時代、
ヘンな子、頭のおかしい子と片付けられていた頃の教育が見事に告発されています。
教師という名の暴君・・・
(そういう暴力教師が後々校長にまでなっているそうです・・・)
すべての教育関係者はぜひ読むべきでは?とさえ思いました。
(もちろん、今では発達障がいの事がようやく広く知られるようになり、
このマンガに書かれているようなことが発覚すれば、
すぐさま新聞沙汰になるとは思いますが・・・)
マンガの最後の方になって、ようやくわずかな希望の光が現れます。
最後のところまで読んで少し泣きそうになりました・・・
発達障がいの当事者の思いを少しでも理解する手助けになる、
価値ある作品です。
発達障がい当事者の声で、教育に携わる人ならぜひ読んでほしいのが、
TOSSで販売している、
『発達障がい児本人の訴え1・2巻セット』です。
(分売もあります。)
発達障がいをもつ小学校6年生が「夏休みの宿題」で、
自分の体験を50ページほどのレポートにまとめた冊子(1巻)です。
以前記事を書いて紹介したことがあります。
→おすすめWEB記事~【解答乱麻】TOSS代表・向山洋一 小学6年「龍馬君」の訴え(2011年2月12日)
※なお、記事中の元々のWEB新聞記事のリンク先が切れていますので、
元記事が保存されているブログ記事も紹介します。
→【解答乱麻】TOSS代表・向山洋一 小学6年「龍馬君」の訴え
(ブログ名:どんぐり倶楽部オンライン・記事データベース)
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