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2014年3月 2日 (日)

キリスト教雑誌「舟の右側」Vol.3(2014年3月号)を読んで

2013年12月から創刊された、
キリスト教の新しい雑誌「舟の右側」をご存知ですか?
私がこの雑誌を知ったのは、敬愛する水谷潔牧師のブログ記事からでした。
新雑誌「舟の右側」に本ブログ「自己愛性人格障害シリーズ」が短期連載
Vol.1(創刊号)から最新のVol.3まで、全部買って読んでいます。
出版社は「地引網出版」で、
前は「リバイバル・ジャパン」とかのいかにも聖霊派系の出版物が中心でしたが、
現在では、ヘンリー・クラウド&ジョン・タウンゼント共著の、
『境界線(バウンダリーズ)』、『クリスチャンの成長を阻む12の誤解』など、
プロテスタントなら教派に関係なく読めるような本を出しています。

境界線(バウンダリーズ)


クリスチャンの成長を阻む12の誤解


雑誌中の広告を見ると、スポンサーは聖霊派の教会・教派・神学校などのようですが、
雑誌本文は、一部を除いて聖霊派色は薄いです。
一冊700円+税です。
(半年購読は5000円、1年購読は1万円です。
キリスト教書店がない地域の方にとっては半年購読等の方がお得ですね。)

Vol.3(2014年3月号)では、冒頭の特集で「葬儀」を取り扱っています。
葬儀から、日本の地域社会(特にムラ社会)と教会との関わりのあり方について、
示唆に富む内容となっていました。
たとえば・・・
福島県での事例を、雑誌記事から引用します。
(引用)
 以前、あるキリスト教宣教団体が、その熱心さからか、野馬追(註:東北大祭りの一つ「相馬野馬追」)の武者行列に割り込むようにして入り、「福音を信じるように」と街宣スピーカーを鳴らしたそうです。この事件をきっかけに、キリスト教への反感は強まったとのことでした。この地域で地道に伝道し、地域との信頼関係を築いてこられた教会の苦労を思うと、とても複雑な気持ちになりました。
 自分たちの地域コミュニティにとって大切な祭りを汚す余所者、それがキリスト教会のイメージになったのかもしれません。あの日
(註:東日本大震災直後に支援を申し出た時)、担当者の引きつった顔の意味が分かるような気がしました。
(PP.10から引用終)
「これが真理だから!」と一方的に地域社会を断罪し、
悔い改めを呼びかけたところで、イソップ寓話の「北風と太陽」のように、
心を閉ざすだけなのです。
(同様なものとしては、2/11の「建国記念の日」を、
一方的に「信教の自由を守る日」と読み替えて、
「日の丸・君が代」反対を声高に主張し、
デモ行進するリベラル系教会(カトリック含む)なども挙げることができます。)
対決姿勢を貫くキリスト教では、多くの人々の心を閉ざすだけで、
福音の進展の邪魔をしているだけではないでしょうか?
この「葬儀」の特集記事では、閉鎖的な地域で、
歴史上初めてそこでキリスト教の葬儀を執り行った記録が出ています。
地域の人々の不安感を、十分な対話をしながら地道に払拭していく姿は、
感動的とさえ言えるほどのものでした。

「シリーズ社会の今を知る」では、前月号に引き続いて、
栃木県鹿沼市の小学校に隣接する児童養護施設の話が取り上げられていました。
前月号の記事は、小学校での不登校の取組などが書かれていました。
先月号も実は当ブログで記事を書くかな、と思ったのですが、
その小学校でやっている「学び合い」授業を賞賛していたので、
紹介するのは躊躇しました。
多分記事を書いた人は教育の分野の素人の方かなと思いました。
児童養護施設の方はクリスチャンの方ではないですが、
素晴らしい働きをしていると思いました。
(前月号の小学校校長はクリスチャンとのこと。)

私にとっては、雑誌の後ろの方にある、
敬愛する水谷潔牧師、高橋秀典牧師の記事が楽しみです。
(たぶん、このお二方の記事がなければ、
そもそも購入はしていないはず・・・)

キリスト教雑誌(プロテスタント)の主なもの
(デボーション誌や教会学校関連の類は除く)としては、
「信徒の友」(日本キリスト教団)、
「百万人の福音」(福音派)、
「ハーザー」(聖霊派)などがあります。
「信徒の友」や「百万人の福音」は、
どちらかというと内向き、クリスチャンの親睦誌という性格です。
(私なら「信徒の友」はタダでも読みたくないかな・・・)
「ハーザー」はかなり極端な主張で、ついていけない面があります。
そういう中で、この「舟の右側」が、教派を問わず、
教会を元気にしたり、
宣教の新しい視点のヒントを与えるような存在に成長・発展していってほしいと願います。
ちなみに雑誌名「舟の右側」とは、
舟の右側に網をおろしなさい。そうすれば、とれます。
(新約聖書ヨハネの福音書21:6新改訳)
からとったそうです。
そう、日本の教会の「舟の右側」には、
まだまだキリストの救いを知らない人々がたくさんいます。
ただ、日本のキリスト教会は釣り方が稚拙か、
そもそも網を降ろそうともしないで不毛な神学論議ばかりしているか、
あるいは、外国の成功したやり方を真似て特に韓国)うまくいかないと逆ギレするか、
どれかなのでしょうね。
まずは、「魚」の性質を知ることが大事だと思います。
私はしばらく購読を続けようと思っています。
(欲を言えば、600円+税ぐらいにするか、
あるいは、ページ数をあと20〜30頁は増やしてほしいな、と思います。)

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