クレンペラーのCDBOXシリーズ〜安すぎて、ついつい買って計51枚・・・
オットー・クレンペラーの指揮、
フィルハーモニア管弦楽団他によるCDBOXシリーズ、
安いのでついつい買ってしまいました。
ブラームスの交響曲全集他(ドイツ・レクイエム等)4枚組で1300円程度から、
ベートーヴェン交響曲全集他(3種類の「7番」他と序曲集)
10枚組で2500円程度と、
一昔前では考えられないような激安さです。
しかもアヤシイ海賊版ではなく、EMI(現WARNER)正規版です。
買ったCDBOXのCD枚数を合計すると、なんと計51枚・・・
(※2014年3月15日現在。金額も3月15日現在。
なお、この記事を書いた時点で、さすがにCD51枚全部を聴いてはいません。)
最初はベートーヴェンの交響曲全集のCDBOXを手に入れました。
クレンペラーの指揮については、以前に何回か記事にしていますので、
特にベートーヴェンもの(ピアノ協奏曲含む)については今回割愛します。
Symphonies & Overtures (ベートーヴェン)
→ベートーヴェンの交響曲第7番聴き比べ〜ベスト3はクライバー、クレンペラー、トスカニーニ
→ベートーヴェン・ピアノ協奏曲第1番聴き比べ6種類
→ベートーヴェン・ピアノ協奏曲第2番聴き比べ7種類
→ベートーヴェン・ピアノ協奏曲第5番聴き比べ7種類
→フランクの交響曲ニ短調~ラテン的演奏とドイツ的演奏、どちらがいいか?
クレンペラーの指揮ぶりは、
ベートーヴェン(交響曲、バレンボイムとのピアノ協奏曲、ミサ・ソレムニス)と、
フランクの交響曲ではすばらしさを知っていました。
しかし、他ではどうでしょうか?
クレンペラー=やたら壮大、ノロイ、重い・・・
そんな先入観があったと思います。
しかし、クレンペラーの他のCDBOXを買って聴いてみると、
固定観念を吹き飛ばすような名演が目白押しでした!
おすすめ順で紹介します。
①ブラームス:交響曲全集他(4枚組)
クレンペラーだから、というよりは、ただ単に、
一流指揮者の演奏なのに安いから、という理由で購入しました。
今回買った中で一番思いがけなかった掘り出しモノでした。
ブラームスの交響曲の名盤といえば、
クルト・ザンデルリンク指揮シュターツカペレ・ドレスデン盤(旧盤)か、
同指揮者のベルリン交響楽団盤(新盤)で十分満足できていましたが、
クレンペラーの指揮も素晴らしく、特に3番、4番は特筆に値するのでは、
と思います。
第4番の第2楽章の美しさは、クレンペラー盤で初めて開眼しました。
(たいてい、第2楽章以外のところが魅力なのですが・・・)
第4番と一緒に収録されている「大学祝典序曲」も、
クナッパーツブッシュ指揮のに匹敵するぐらいの名演だと思います。
クレンペラーのブラームスが名曲名盤に取り上げられた記憶は確かないです。
ベートーヴェンの交響曲全集の録音に匹敵するものだと思います。
②モーツアルト:交響曲集、序曲集、セレナーデ他(8枚組)
Mozart: Symphonies / Serenades / Overtures
※発売時期の関係で、このCDBOXだけ、EMIではなくWARNERです。
モーツアルトの交響曲の名盤といえば、ブルーノ・ワルターのですが、
クレンペラーはベートーヴェンの交響曲であるかのような、
見事な造形性をもって演奏しており、ワルターが霞んでしまったほどでした。
がっちりとしていながら、愉悦感には溢れています。
テンポは全体的に少し遅めです。
第38番「プラハ」、第39番、第40番、第41番どれも名演です。
「フィガロの結婚」序曲などの小品も、魅力たっぷりです。
クレンペラー・ファンにとっては、
同じ曲の違う演奏が含まれているのも魅力ですが、
とにかく決定盤がほしい、というなら、
ハイブリッドSACDの3枚組の方をオススメします(私も持っています。)
The Last Six Symphonies3枚組ハイブリッドSACD
③ロマン派交響曲&序曲集(10枚組)
※主な収録曲
・シューベルト:交響曲第5番、第7番「未完成」&第8番「グレート」
・メンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」、第4番「イタリア」
「真夏の夜の夢」
・シューマン:交響曲全集
・ベルリオーズ:幻想交響曲
・フランク:交響曲
・ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界から」
・チャイコフスキー:交響曲第4番、第5番、第6番
・ウェーバー、シューマンの序曲、ヨハン・シュトラウスⅡ世のワルツ他
Romantic Symphonies & Overtures
文句なしの名盤は、ベルリオーズの幻想交響曲とフランクの交響曲、
メンデルスゾーンの交響曲第3番「スコットランド」と「真夏の夜の夢」です。
このCDBOXは、この4曲を聴くだけでも買う価値があると思います。
(もちろん、どれも今まで単品で発売されているものですが・・・)
ただし、これはかなり玉石混淆のCDBOXかもしれません・・・
ドヴォルザークの「新世界より」などは、珍品かイマイチですし・・・
あと、なぜかフランクの交響曲だけが、
第1楽章と第2楽章、第3楽章が別のCDに収録されています。
とはいえ、クレンペラーの指揮の凄さ、スケール感が、
余すところなく発揮されているといえます。
④ワーグナー&R・シュトラウス オペラ・ハイライト、交響詩他(5枚組)
Operatic Highlights-Tone Poems
※AMAZONの画像は既にWARNERのロゴが入っていますが、
届いたのはEMIロゴのでした。やった!
ワーグナーの序曲、前奏曲集が名演です。
クナッパーツブッシュの演奏に次ぐスケール感あふれる演奏といえます。
(以前、単品で序曲・前奏曲集を持っていたことがあります。
約20年ぶりぐらいの再購入かな・・・)
R・シュトラウスの交響詩は・・・もともと好きでないので聴いていません。
ただし、「メタモルフォーゼン」だけは聴いてみました。
カラヤン盤には全然及ばない、崩壊寸前の演奏かな・・・(ちょっと辛辣・・・)
(参考)R.シュトラウス:死と変容/4つの最後の歌
カラヤン指揮BPO、グンドラ・ヤノヴィッツ(S)
※「メタモルフォーゼン」と「4つの最後の歌」の究極的名演です。
家に所蔵しているCDの中でも特別の位置を占めています。
ただし、「死と変容」は未だきちんと聴いたことがありません・・・
⑤バッハ、ラモー、ヘンデル、グルック、ハイドン
Bach Rameau Handel Gluck & Haydn
前時代的な、大編成のオーケストラによるバッハの管弦楽組曲他です。
バッハの管弦楽組曲第1番〜第4番、ブランデンブルク協奏曲全曲、
ハイドンの交響曲が8曲入っています。
(他はヘンデルの合奏協奏曲、グルック、ラモーの曲)
前時代的でも、美しければいいじゃん!
というわけで、
バッハの管弦楽組曲第3番の「アリア」などは素晴らしいですよ。
ただし、古楽器演奏に慣れすぎた人にはパスかも・・・
⑥協奏曲集
モーツアルト:ホルン協奏曲全曲、
ピアノ協奏曲第25番(ピアノ:ダニエル・バレンボイム)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲(Vn:メニューイン)
ピアノ協奏曲全集&合唱幻想曲(ピアノ:バレンボイム)
リスト:ピアノ協奏曲第1番、シューマン:ピアノ協奏曲
(ピアノ:アニー・フィッシャー)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲(Vn:ダヴィド・オイストラフ)
Concertos
6番目にしましたが、決して駄演だ、ということではありません。
バレンボイムによるベートーヴェンのピアノ協奏曲全集を持っていないなら、
大いに「買い」ですが、もし持っているなら、無理して買わなくていいかも・・・
(参考)Piano Concertos 1-5 / Choral Fantasia
ベートーヴェンのピアノ協奏曲については以前記事にしましたので割愛します。
特筆すべきは、同じくバレンボイムと組んだ、
モーツァルトのピアノ協奏曲第25番です。
先月、アルゲリッチ&アバドによる、
モーツァルトのピアノ協奏曲第20番/第25番の記事を書いたばかりですが、
クレンペラー盤は格が違うというか、
とにかくアバドの軟弱な指揮など比べ物にならないほど立派な演奏です。
単品での現役盤はないようなので(MP3除く)、
これだけでも買う価値はあるかも・・・
クレンペラーのCDにのめり込む後押しをしてくれたサイトを紹介します。
→クレンペラーのページ(An die MusikクラシックCD試聴記)
各演奏について細かく書いていますので、大変参考になりました。
クレンペラーの演奏に対する熱い思いが溢れた記事です。
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