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2014年1月15日 (水)

NHK・クローズアップ現代「“親子”になりたいのに・・・ ~里親・養子縁組の壁~」と、日テレ系ドラマ「明日、ママがいない」第1話(ともに2014年1月15日放送)

2014年1月15日のNHK・クローズアップ現代では、
“親子”になりたいのに・・・ ~里親・養子縁組の壁~」と題して、
里親・養子縁組制度の問題点について取り上げていました。
番組HPから、放送内容を転載します。
(引用)
虐待等の増加で、親元を離れ施設で暮らす子どもはおよそ3万1000人。一方、6組に1組の夫婦が不妊に悩む今、養子や里子を望む人は急増し、およそ1万人に上る。それにも関わらず、養子や里子として家庭で暮らせるようになる子どもは年間1600人ほどにとどまっている。特に乳幼児は特定の大人から愛情を注がれる必要があるとされているが、施設で暮らす子どもの割合は、日本は世界でも突出して高く、国連から改善を勧告されている。背景には、児童相談所が虐待対応に追われていることに加え、実の親の同意を得ることが難しいこともあることなどがわかってきた。その実態に迫るとともに、各地で動き始めた対策を取材。「家庭が必要な子ども」と「子どもが欲しい大人」をどう結びつけていけばいいのか、考える。
(引用終)

親元を離れ施設で暮らす子どもが日本中で約3万1千人。
国連から改善を勧告されているほどです。
一方で、容易にすすまない里親・養子縁組制度。
番組中では、アメリカやフランスでは、
実の親が養育できない状態になって1年〜1年半以上経つと、
親の同意がなくても自動的に養子に出せる制度になっていますが、
日本では、親権者の同意がどうしても必要なため、
何年も児童養護施設にとどまったまま、というケースが多いようです。

番組中では、大分県の取組と愛知県の取組も照会されていました。
大分県では、「トライアル里親」という制度をとる一方、
愛知県では、児童養護施設を経由せずに、
妊娠中から養育放棄を求めている場合には、直接養子縁組をするようにしています。

妊娠中に養子縁組に同意しても、実際に出産した我が子を見て、
養子縁組を撤回しそうになったケースも紹介されていました。
しかし、いろいろな理由があるにせよ、
妊娠中から里子に出すのを決めていたような「親」には、
親の資格などないはずです。
たとえ決心を翻したにしても、いずれは子どもを虐待すると思います。

番組を見て痛烈に悲しくなったのは、
子どもが幸福になる権利というのが考慮されていないことです。
親の都合ばかり・・・
自治体での取組には限界があります。
養育放棄に対しての親権取り上げを、欧米並にする、
里親への経済的(特に税金)優遇制度など、
容易に養子縁組できる制度に法整備するのが、
子どもの幸福になると思います。

同じ日の夜、新しいドラマ「明日、ママがいない」というのを観ました。
実にひどい内容でした。
ホラー映画かと思わせるようなおどろおどろしい冒頭シーン、
児童養護施設での虐待(殴る、子ども達をペット扱いする、
泣くことを強制する等・・・)、
引き取り先の里親の異常さなど、
善意を無にするような内容にがっかりでした。
制作者は、何を訴えたかったのでしょうか?

(2014年1月16日追記)
上記ドラマを観ていて、「人権団体から抗議が出るかも?」
と思っていたら、やっぱり抗議が出ましたね。
熊本・慈恵病院がドラマ中止要請 日テレ「最後までご覧いただきたい」
ママがいない:養護施設協も抗議へ「フィクションでも…」
野島伸司監修ドラマ「明日、ママがいない」に大反響
「児童養護施設はこんな所じゃない!」怒りの声も

記事の一部を引用します。
(引用)
 多くの人に見られたドラマだが、内容を支持する人ばかりではなかったようだ。主演の芦田愛菜さん(9)らが生活する児童養護施設の描かれ方がかなりセンセーショナルで、怒りの声も上がっている。

「お前たちはペットショップの犬と同じ」施設長が言い放つ

交際相手を灰皿で殴って母親が逮捕された少女・真希(鈴木梨央さん)が、児童養護施設「コガモの家」に預けられるところから物語は始まる。

不穏な空気で薄暗い施設の中では、子供達はあだ名で呼び合っている。芦田さん演じる施設の代表格の少女「ポスト」は、赤ちゃんポストに預けられていたことからそう名乗るようになった。

ポストら施設で暮らす少女たちは、真希に対し「ママが彼氏鈍器で殴ったんでしょ?あだ名ドンキでいいよ」など無神経と思える言葉をぶつける。

「魔王」と呼ばれる施設長の佐々木(三上博史さん)は、杖で床をドンドンと叩き威圧する、言うことを聞かない子供は怒鳴りつけ殴る、バケツを持って立たせるなど、恐怖の存在だ。食事前には「泣け。お前たちはペットショップの犬と同じだ。飼い主の庇護欲をそそるように泣け。泣いた奴から食っていい」と言い放つシーンもあった。

真希は母親と一緒に帰宅することを心待ちにしていたが、釈放された母親は殴った交際相手と結婚すると言って、真希を施設から連れて帰らないと決めた。ポストは真希に「今日、あんたが親を捨てた日にするんだ」という言葉をかけ、真希は施設で「ドンキ」として暮らすことを決意する――というストーリーだった。(中略)

 衝撃作だけあって、インターネット上では視聴者から様々な意見が書き込まれている。

特に児童養護施設の関係者という人々からは、

「こんなのあり得ません。もっと子供たちは純粋だし、職員は親元にいつか返すために本当に頑張ってるし!」
「施設では体罰は虐待として通告義務があり、あのような光景は見られません。怒鳴っただけで通告されます」
「いくらドラマだからってもう少し内実を知って、脚本書いてほしい」
「今後施設児童が『親がいない、離れて暮らしている』ってだけで、学校で虐めやペット扱いされたり、同情されたりしたら許せない」
など、怒りの声が相次いでいる。

児童養護施設から社会に巣立つ子供達の支援をしている、NPO法人「ブリッジフォースマイル」代表の林恵子さんも、Facebookで

「一番残念なのは、施設ってこんなところ、職員ってこんな人たちって、思われる所。児童養護施設で、日々子ども達のために尽力している職員のみなさん、児童相談所のみなさんは、どんな思いでいるのでしょうか。里親さんも、怒っているんじゃないかな。子どもの人権侵害で訴えられてもおかしくない」
と苦言を呈した。

(引用終)

「今後施設児童が『親がいない、離れて暮らしている』ってだけで、学校で虐めやペット扱いされたり、同情されたりしたら許せない」
子役が中心の話なので、小学校でいじめや差別が助長される恐れがあります。
ただでさえ心に深い傷を負っているのに、
なおさら傷口を広げるようなことを、
視聴率という錦の御旗のもとに人権侵害をやっていいのでしょうか?

養護施設にいる子どもたちの人権に配慮して、
私もあんなひどい内容のドラマの放送中止を願っています。

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