吉田 秋生作『海街diary』は傑作!
NHKEテレの「グレーテルのかまど」は、
私ども夫婦の好きな番組の1つです。
先日、2013年6月13日放送の回では、
「海街diaryの梅酒&梅ジュース」として、
吉田秋生作『海街diary』(各巻ごと名前がついていますが・・・)の作中に出てくる、
梅酒と梅ジュースを紹介していました。
家族の絆のしるしである梅酒のエピソードが魅力的に思えたので、
原作を読んでみようと思いました。
(そういえば、『海街diary』は今年3月に
「マンガ大賞2013」を受賞した作品でしたね。
受賞時、少し興味を持ちましたが、
買って読みたいとまでは思いませんでした・・・)
『海街diary 1 蝉時雨のやむ頃』を早速買って読みました。
冒頭こそ、男女の「こと」が終わったのを示唆する描写がありますが、
それ以外の扇情的なシーンはほぼありません。
3姉妹が異母姉妹である中学生のすずを引き取り、
鎌倉の古い家で暮らす物語です。
4姉妹のうち、末のすずの視点で物語が描写されることが多いです。
とにかく心理描写と背景描写(生活感の描写)が圧倒的です。
事件らしい事件は起こりませんが、
何気ない日常をこんなに魅力的に描けるとは!
読んでいるうちに、悲しい物語ではないのに
(現実の苦さはたっぷり含まれていますが・・・)、
知らず知らず、泣きそうになってしまいます・・・
(妻にこの話をしたら、「女の子みたい!」と笑われてしまいましたが・・・)
喩えて言うなら、沈みゆく夕日を見て、
その美しさとはかなさに感動するのに似ています。
単なるマンガというよりも、
連作短編小説や短編映画のような味わいがあります。
(でも、ドラマ化・映画化したら、鎌倉をきちんと映していても、
何か大切なものが消えてしまいそうな気がしますが・・・)
さっそく大人買いで5巻まで買い揃えてしまいました・・・
私がマンガを読むスピードはかなり速いのですが、
(場合によっては1冊5分〜10分)
この『海街diary』シリーズは、
一瞬一瞬に立ち止まりたくなるような美しさ、切なさが溢れているので、
容易にページを繰る手が進まないほどです。
まさに傑作です!
いちばんお気に入りは今のところ4巻です。
少しずつ近づいていくすずと風太との距離・・・
なんとも甘くせつないものです。
作品の舞台、鎌倉には、何十年も前に1度行ったことがありますが、
また行ってみたくなりました・・・
海街diary 1 蝉時雨のやむ頃
海街diary 2 真昼の月
海街diary 3 陽のあたる坂道
海街diary 4 帰れない ふたり
海街diary5 群青
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