テレメンタリー2012年度 優秀賞受賞作品「通知表のない学校~ブタの飼育から学ぶこと~」を観て・・・
長野県の伊那小学校といえば、30年以上も前から、
「総合学習」(※「総合的な学習の時間」とは別なコンセプト)の実践で有名です。
豚の飼育を通して、
算数や保健体育、音楽や理科といった教科を教えるとか、
学習指導要領にとらわれない教育をしています。
北海道では2013年6月16日(日)早朝(深夜)に再放送された、
テレメンタリー「通知表のない学校~ブタの飼育から学ぶこと~」で、
伊那小学校の取り組みの様子を視聴しました。
(東京等では、2013年6月10日)
テレメンタリー2012年度 優秀賞受賞作品だそうです。
放送内容を番組HPから転載します。
(引用)
長野県の伊那小学校には、通知表がない。国の方針に先駆け34年前から「総合学習」を実践している。
3年夏組は1年生の時からブタを飼育している。
ふんを堆肥にして野菜を育て、バザーで販売するなどして餌代に充てている。餌代の計算は算数の授業に組み込まれる。
出産や子豚の出荷、今後について常にクラス全員で話し合って決める。多数決は取らないのがルールで、最後の1人が納得するまで議論する。
子どもが自ら考え学んでいく教育の現場を見つめる。
(引用終)
見る人の立場が違えば、このドキュメント番組、
すごく感動的かつ刺激的なものになったでしょう。
「これこそ本当の教育だ!」とか・・・
しかし私には、醒めた目でしか観ることができませんでした。
小学生たちが豚のエサ代を稼ぐために、
野菜を作ってバザーで売ったり、はては新聞配達をして稼いだり・・・
一見、美談のようにさえ思えます。
しかし、ちょっと待てよ・・・
労働基準法第56条では、年少者(15歳未満)の雇用を禁止しています。
学校教育の一環とはいえ、エサ代を稼ぐために新聞配達をする、というのは、
明確な法令違反なのでは?
(伊那小学校がどういう対処をしているのかは知りませんが・・・)
私が保護者だったら、子どもにはこんな小学校に通わせたくないですね・・・
豚の飼育はユニークな経験でしょうが、
学習指導要領を遵守する指導内容の方が、
子どもの健全な発達に合っているのではないでしょうか?
チャイムがない、通知表も時間割もない・・・
子どもたちの主体性を生かす教育だ!と絶賛する方も多いようですが、
たとえていえば東京から大阪に行くのに、
新幹線や高速道路、都市間バス、飛行機もあるのに、
わざわざ徒歩で行かせるようなものではないでしょうか?
私立小学校ならともかく、公立学校でこういう実践、
今後も続けるつもりなのか、正直言って疑問ばかり残りました。
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