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2013年3月 2日 (土)

萩原麻未のはじけるラヴェル!〜テレビ朝日系(BS朝日)・題名のない音楽会「前代未聞!ネット実況風ピアノ協奏曲」(2013年2月24日、3月2・3日放送)

ピアニストの萩原麻未さんは、私が注目する若手ピアニストの一人です。
昨年(2012年)の5月にNHKBSプレミアム・クラシック倶楽部で放送された、
フランスの情景~小林美恵、萩原麻未と仲間たち~」で、
すっかり魅了されてしまいました。
(過去記事あります⇒コチラ
その彼女が、ラヴェルのピアノ協奏曲を弾くとあれば、観ないわけにはいきません。

2013年2月24日(BS朝日では3月2・3日)放送の「題名のない音楽会」では、
「前代未聞!ネット実況風ピアノ協奏曲」と題して、
萩原麻未さんのピアノ、山田和樹さん指揮、横浜シンフォニエッタによる、
ラヴェルのピアノ協奏曲ト長調を全曲ノーカットで放送してくれました。
(私が録画して観たのはBS朝日・3月2日放送によります。)
番組では、
演奏と同時に、演奏の録画を観ながら、
司会の佐渡裕さんと演奏者の萩原麻未さん、山田和樹さんが語ったことが、
下の方に字幕で出る、という変わった企画をやっていました。

第3楽章の演奏の際、
あるフレーズの時に佐渡さんが「ゴジラ、ゴジラだね」とコメントしていたのは、
なかなか興味深かったです。
後で、ホントにそうかな、と思ってウィキペディアで「ゴジラ」シリーズの作曲者、
伊福部昭を調べてみたら、
実際そのとおりみたいですね・・・

さて、演奏そのものへのコメントに移りましょう。
第1楽章から、にぎやかでいきいきとした演奏が繰り広げられます。
洗練されたパリの街角というよりは、おもちゃ箱をひっくり返したような、
実に楽しくワクワクするような演奏でした。
(あるいは、シャンペーンがジュワシュワはじけるような・・・)
第2楽章の沈滞感、叙情性はまだまだこれからかな、とも思いましたが、
第3楽章では再び曲の楽しさが全開して、
しかもオーケストラを煽り立てるような躍動感がありました。
まさに、「のだめ」が実際にこの曲を弾いたら、こんな感じなのでは?
とさえ思ってしまうほどでした!
横浜シンフォニエッタの演奏は、多少荒削りな面があるとしても、
ソリストに合わせてイキイキとした演奏を繰り広げていました。
思わず2回も繰り返して視聴してしまいました・・・

萩原麻未さんの演奏はこれほどすばらしいのに、
未だに(2013年2月末現在)CDが1枚も出ていないのは残念ですね・・・


ところで、ラヴェルのピアノ協奏曲での私の愛聴盤は、
エレーヌ・グリモーのCDです。

ラヴェル&ガーシュウィン:ピアノ協奏曲

この演奏は第2楽章が特に秀逸です。
一方、両端楽章は、もう少し愉悦感がほしいところですが、
洗練されたパリの町並みを思わせます。

今回放送で聴いた萩原麻未さんの演奏と、
エレーヌ・グリモーの演奏では、
ピアノの愉悦感で萩原麻未さんに軍配を上げましょう!
オーケストラは、グリモー盤の方がわずかに勝ると思いますが、
全体的な楽しさでは、萩原麻未さんの今回の演奏の方を上としたいです。
早くCDデビューしないのかな・・・
(ちなみに、DVDでは1枚だけ、
ジュネーブ国際音楽コンクール優勝の際のがあります。)

萩原麻未 優勝 ≪ジュネーブ国際音楽コンクール2010ライヴ≫ [DVD]

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コメント

「題なし」の及川様、再コメントありがとうございます。
「ゴジラ」のテーマとラヴェルのピアノ協奏曲の第3楽章の音形の相似点は私にとっても「なるほど〜」と思わされたところです。
野本由紀夫先生は、3月31日のNHKスペシャル「魂の旋律~音を失った作曲家~」に出演されていましたよ。
作曲家・佐村河内守氏の交響曲第1番「HIROSHIMA」についてコメントしていました。確か「素直に感動した!」と・・・

「てんしな? 日々さん」

「題なし」の及川です。
「ららら」が単に日時を変更するだけだった、と気が付き、放送を見て実際に確認もしたので、誤った情報を書き込んでしまったことになり、お詫びを兼ねて修正コメントを書こうとしたら、既に訂正頂いたあとでした。お手数をおかけし、申し訳ありません。

この記事にビビビと来たのは、グリモーのCDを挙げておられること、そして萩原麻未の演奏を2回繰り返して聴かれた、という点でした。
私もグリモーが好き・・・というより今最も演奏を信頼しているピアニストの一人でもあり、私のブログで「常推薦」としているほどです。
また、萩原麻未のこのときの演奏。「題名のない音楽会」は常に録画保存しているのですが、今回は彼女の演奏だけのDVDにしました。

さて、長くなって申し訳ないのですが、改めて記事を読み返しているうちに、思わぬ再発見をさせて頂きました。
「ゴジラ」のテーマのことです。
ラヴェルの曲のあの箇所とゴジラのテーマが似ているというのは、単に音型が似ていることで云々されているのだとばかり思ってました。私はとっくに気がついてましたし、あの番組内で言及していたのも、音型の類似で云々しているだけだったかも知れません。
しかし、ウィキで確認しますと、伊福部昭はラヴェルを尊敬していて、「ゴジラ」のテーマに先立つ曲でも似たフレーズを使った曲があるんですってね。
だから、単に音型が似ているから、というのではなく、ラヴェルへのオマージュとして用いた、という可能性が否定できないわけですね。これが私にとっての再発見でした。
これ、「名曲探偵アマデウス」の野本先生だったら、どのように解説されたことでしょうね。
「アマデウス」も然りですが、全体としてNHKはクラシックの時間枠を減らそう減らそうとしていように見受け、腹立たしく思ってます。
FMでやっていた「気ままにクラシック」、ご存知ですか。あれもなくなったのですかねえ。
その番組を鈴木大介と高橋由美子がやっていたとき、音型が似ているが、違う曲だしジャンルも違う曲。というのを聴いている人から応募する、というコーナーがあり、上記のラヴェルの曲も応募作となっていたような・・・。
ちにみに、年間最優秀作品は、スーザの「海を越える握手」と、「こがねむし」でした。

「題なし」の及川様、コメントありがとうございます。
「ららら♪クラシック」、日曜9時からは撤退となりましたね。
(土曜日夜9時半の30分番組に変更となります。)
次の番組は、日曜日朝6時からやっていた、「特選 オーケストラ・ライブ」と(たぶん)同内容の、N響コンサートを中心とした「クラシック音楽館」ですね。
日曜日の早朝よりも、夜にこそ、こういう番組はふさわしいと思います。中途半端な「ららら♪クラシック」よりもずっと期待できます。

「てんしな?日々さん
すっかりご無沙汰です。「題なし」の及川です。

萩原麻未のラヴェル、良かったですねえ。彼女、題名のない音楽会2012年9月16日放送の「出光音楽賞受賞者ガラコンサート」(http://dainashibekkan.cocolog-nifty.com/music/2012/09/2012916-eebe.html)にも出ていました。
そのときは「左手」でしたが、今回は「両手」。この2曲とも私は大好きで、ひの2曲ともこんなに楽しい音楽を聴かせてくれた彼女にブラヴォーです。

実況中継と称する字幕、こんな方法もあるのかと感心する一方、ちょっとうるさい感じもしました。

その少し前から私も注目していました。ジュネーブ国際コンクール優勝したときの映像がチラっと出たとき、そのチラだけで、中々いい演奏だと思いまして。
その彼女が、らららクラシックに出演するというので、見たくもない番組を我慢して見ましたが、結果、余りにもひどい扱いで、怒り心頭に達した記事(http://dainashibekkan.cocolog-nifty.com/music/2012/07/2012715-3724.html)も書きました。
まあ、大方の、かつてのN響アワーのファンが予想した通り、結局1年という短命に終わるようですね。余程視聴率がヒドかったのでは?
次の番組、どこまで専門家からの解説がつくかつかないかが、勝負の分かれ目でしょうね。

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