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2013年2月15日 (金)

社会全体が弱い者いじめをしているようなものなのに、道徳を教育できるのか?〜「いじめ対策で道徳の教科化提言へ」に思う

いじめ対策で道徳の教科化提言へ」というニュースを読みました。
現在、道徳の時間といえば、せいぜいNHKの道徳番組を見て終わり、
というのが多く、
教師も一部の人を除けばあまり力を入れたくない、というのが本音のようです。
「道徳の強制は戦前の『修身』の復活につながる」などと主張する、
教員組合の影響も大きいです。
(道徳の時間は、
「総合的な学習の時間」同様、なくなっても痛痒を覚えないものです。)

これに対して、いじめ対策と、規範意識を高める、という名目で、
政府の教育再生実行会議において、道徳を教科化しようとしているようです。
(引用)
いじめ対策で道徳の教科化提言へ
2013年2月15日(金)21時5分配信

政府は15日、教育改革の司令塔となる「教育再生実行会議」の第2回会合を官邸で開き、いじめ対策として、規範意識を醸成するため、小中学校の道徳の教科化を提言することで一致した。会合後に記者会見した鎌田薫座長(早稲田大総長)は「教科にすべきだという意見が大勢を占めた。それを踏まえて取りまとめる」と述べた。自民党は衆院選の公約に道徳教育の推進を掲げており、“安倍カラー”が強く打ち出された形だ。
(引用終)

いじめ対策は確かに必要だと私も思いますが・・・
一方で、生活保護の削減や税金の負担増(特に消費税増税!)など、
社会全体で、政府が主導して「弱い者いじめ」をしているように思えます。
「アベノミクス」ともてはやされてはいますが、基本的には金持ち志向です。
経済格差がそのまま学力格差につながるのというのが常識であれば、
経済弱者が身分制度並に這い上がることが許されない世の中を作るのは、
さらなる「いじめ」や差別を拡げるだけではないでしょうか?

道徳を教えれば、道徳をテストして点数をつけたりすれば、
いじめがなくなる、というのは幻想にすぎません。

そもそも学校が人としての生き方を教えるところなのでしょうか?
しつけや基本的な道徳を身につけるところは、
学校ではなく、家庭ではないでしょうか?
家庭が本来果たすべき責任を学校に押し付けるから、
問題の根はいつまでも解決しないのではないでしょうか?

先日、こんな記事を読みました。
ドイツの教師 校外で煙草吸う生徒目撃しても注意しない理由
2013.02.10 16:00

記事から引用します。
(引用)
 体罰問題が繰り返されで跡を絶たないのは、子どもの教育をなんでも学校に委ねる風潮も、土壌にあるのはではないか。
「ドイツでは校門から一歩出れば学校の管轄外。煙草を吸っている生徒を目撃しても教師は注意しません」
(中略)「ドイツでは遅くとも1980年代前半には、体罰が法律で完全に禁止されていました。基本、子供の生活態度の管理をする担当は学校ではない、というのがドイツの共通したスタンスです」
 サンドラさんによると、ドイツで「問題行為」(授業中に騒ぐなどの行為。髪の毛を染めるような身だしなみや学校外で起こした問題ではない)を起こした生徒には、まず「口頭」で注意される。その「注意」が3回たまると、校長から生徒の家に「問題行動を起こしたことへの注意」が書面で送られる。そしてこの書面が3通たまったら退学、という。
「ドイツでは教師の家庭訪問もありません。学校と家庭は厳格に区別されています」(サンドラさん)

(引用終)

学校は教科をしっかりと教え、人としての生き方は家庭に委ねる・・・
親は自分の生きざまを通して子供をしつける必要がありますから、
学校で偽善的な道徳をテストしたりするよりも、よほど世の中がよくなるのでは?
私は道徳の教科化には懐疑的ですし、
しつけは学校ではなく家庭ですべきと考えます。
もし学校で教えるならば、
日本国憲法で規定されている基本的人権の尊重と、
異文化・宗教の違いに対する寛容の精神ぐらいにとどめるべきではないでしょうか。

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