2013年2月の「朝まで生テレビ」〜「激論!体罰・いじめ 戦後教育を問う!」(2013年2月22日深夜放送)
「朝まで生テレビ」で教育問題について討議する、
というので、録画して視聴しました。
2013年2月22日深夜(2月23日早朝)の放送です。
収録時間は全3時間でしたが、CMを削除したら2時間40分でした。
司会・パネリストは以下のとおりでした。
(番組HPから引用)
番組進行:渡辺宜嗣(テレビ朝日アナウンサー)、
村上祐子(テレビ朝日アナウンサー)
司会: 田原 総一朗
パネリスト:
馳浩(自民党・衆院議員、元文部科学副大臣)
鈴木寛(民主党・参議院議員、元文部科学副大臣)
東浩紀(早稲田大学教授、批評家)
乙武洋匡(作家、元小学校教諭)
香山リカ(精神科医、立教大学教授)
坂根シルック(東京農工大大学院特任助教、フィンランド出身)
高橋史朗(明星大学教授、元埼玉県教育委員長)
玉木正之(スポーツ評論家、筑波大学大学院非常勤講師)
寺脇研(京都造形芸術大学教授、元文部科学官僚)
藤原和博(東京学芸大学客員教授、元杉並区和田中学校校長)
八木秀次(高崎経済大学教授、教育再生実行会議委員)
(引用終)
番組ではいじめや体罰・教育委員会のあり方について論じていました。
ただ、体罰の定義と線引きについてかなり長々と論じたのは、
少しウンザリしました。
もっと論じるべきところがいろいろあるはずなのに・・・
番組のテーマ展開を流れにそって語るよりも、
司会・パネリストの存在感と説得力についてコメントしていきます。
(それぞれ、5点満点で☆をつけていきます。)
司会・田原氏:時折はいい視点をパネリストに提供していますが、
たいていは、話の腰を折るぐらいの役割しか果たしていません。
「日本人は総括ができない」という持論を展開して、
後述の玉木氏に「ジャーナリズムが機能していないから」
と逆襲されたのは大きな失点でした
(ジャーナリズムの問題を日本人一般の問題にすり替えようとして、
ジャーナリズムの過ちを認めようとしませんでした。)
(存在感☆☆☆☆ 説得力☆☆)
※以下、存在感=存、説得力=説と略記
パネリスト(敬称略):
馳浩(自民党・衆院議員、元文部科学副大臣)
影が薄く、後半になるとほとんど発言0。
(存☆ 説☆)
鈴木寛(民主党・参議院議員、元文部科学副大臣)
自民党の馳氏と比べると雄弁でした。
田原氏からツッコミが入ると感情的に対応したのはマイナス。
「ナナメの関係」というキーワードで、
「子供は社会で育てるもの」という社会主義的思想を強調していました。
(存☆☆☆☆ 説☆☆☆)
東浩紀(早稲田大学教授、批評家)
独特の視点で、香山氏を追い詰めていたのは見事でした。
(存☆☆☆ 説☆☆☆☆)
乙武洋匡(作家、元小学校教諭)
公立学校教員経験者として、非常に適切なコメントをしていました。
「今のままなら、道徳教育は必要ないのでは」という実感は共感しました。
(存☆☆☆☆ 説☆☆☆☆☆)
香山リカ(精神科医、立教大学教授)
いじめのない学校・社会のあり方、という理想論にこだわりがありそう。
日本社会・日の丸・君が代を否定するような発言は大いにマイナス。
(存☆☆☆ 説☆☆)
坂根シルック(東京農工大大学院特任助教、フィンランド出身)
日本とフィンランドとの学校文化の違いを通して、
日本の学校のあり方を告発していましたが、
言い過ぎの面もあったのでは、と思いました。
(存☆☆ 説☆☆)
高橋史朗(明星大学教授、元埼玉県教育委員長)
「親学」の推進で知られる論客。
もう少し発言が多くてもよかったのでは?
(存☆☆ 説☆☆☆☆)
玉木正之(スポーツ評論家、筑波大学大学院非常勤講師)
日本のスポーツ文化、特に高校のスポーツ指導のあり方に、
根本的な疑問を投げかけていました。
司会の田原氏から、「日本人はどうして総括ができないのだろう?」
と振られた時に、
「ジャーナリズムが機能していないから」と切り返したのには拍手喝采!
(存☆☆☆ 説☆☆☆☆)
寺脇研(京都造形芸術大学教授、元文部科学官僚)
「ミスターゆとり教育」ですね・・・
香山氏と一緒に日本社会を否定するような発言をしたのは大きなマイナス。
ある意味、憎まれ役なわけですが、
どんな問いかけが来ても冷静に応答するところはさすがに元官僚だと思いました。
議論展開では、後述の藤原氏と並んで最も巧みでした。
(存☆☆☆☆☆ 説☆☆☆☆)
藤原和博(東京学芸大学客員教授、元杉並区和田中学校校長)
東京都の民間人校長第一号で、「和田中のよのなか科」が有名ですね。
公立校でもここまでやれるぞ、という実践例と、
「心のノート」の問題点を暴いたのはポイントが高いです。
寺脇氏と並んでパネリスト全体をリードする役目を果たしていました。
(存☆☆☆☆☆ 説☆☆☆☆☆)
八木秀次(高崎経済大学教授、教育再生実行会議委員)
もう少し発言を多くした方がよかったと思います。
寺脇氏や香山氏を見下すような目線の姿が何度も映されていたのは、
印象を悪くしていたと思います。
寺脇氏にもっと論争を仕掛けるなどすればよかったのに・・・
(存☆☆☆ 説☆☆☆)
教育問題を論じる際に、これらのパネリストに欠けていたのは、
「家庭教育(躾)の問題」という視点でした。
学校現場や教育委員会の隠蔽体質、
子どもたちの自尊感情・愛国心の低さを論じながら、
それをすべて学校や教育行政に還元するのは視界が狭いのではないでしょうか?
会場に聴衆としていた現場教師や学生らは、
そもそも「体罰」は何であるか、というのをよくわからずに、
自分の基準で「体罰」かそうでないかをコメントしていました。
不勉強が明らかになってしまいました・・・
乙武氏が、「日本のマスコミは現場教師の失態ばかりを報じ、
よい面を報道しない」というような発言をしていたのは同感でした。
道徳教育・愛国心についてはかなり意見がわかれていたし、
司会の田原氏も矛盾するような発言をしていたのは、
それこそ「総括がない」ようなものに思えました。
こういう討論番組は、リアルタイムで見るのもそれなりにオモシロイですが、
録画して、時折発言に対して自分なりのコメントや反論を入れながら見ると、
理解が深まるかもしれませんね。
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