年末年始のクラシック音楽番組あれこれ2012ー2013〜N響「第九」、東急ジルベスターコンサート、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート
年末年始のクラシック音楽番組恒例といえば、
N響の第九、東急ジルベスターコンサート、
そしてウィーン・フィルのニューイヤーコンサートですね。
2012−2013年の年末年始に放送された、
上記3つのコンサートについて書きます。
1.N響の第九(2012年12月31日・NHKEテレ)
今年の指揮はロジャー・ノリントン。
例年の「いかにもドイツ〜」的な演奏とは一線を画すものだとは、
聴く前から予想していました。
果たして・・・
ノリントンのトレードマークである「ピュアトーン」(ノン・ビブラート)。
N響の皆さんはだいぶ苦戦したのでは?
ノン・ビブラートでの「第九」を聴くと、確かにすっきりして聴こえました。
余分な贅肉と脂分が全部搾り出されたような感じというか・・・
別なたとえで言えば、カスタマイズした機械を、
工場出荷状態にリセットしたような感じとでもいいましょうか・・・
今まで音の洪水に阻まれてあまり聴こえなかった細部がよく聴こえてきました。
ベートーヴェンのスコアをX線で透視して見えるようにしたような演奏、ともいえます。
第3楽章はとてもあっさりと終わりますが、
セカセカと早い、という印象は受けません。
薄味そうに見えながら、
しっかりと味がついている関西風のうどんみたいな感じ?(*^-^)
第4楽章は、テナーのソリストがかなり残念・・・
声楽が入るところのバス独唱は、
もう少し朗々と歌わせた方がいいのでは、とも思いました。
アルトとソプラノは合格点でしょう。
合唱はハリのある声がとても美しく、満足できました。
女声を前に、男声を後ろにすると、
少し男声パートが弱く聞こえるのは難点でした。
第4楽章スコアの843〜850小節の解釈は実に独特でしたよ。
(かなり間延びした印象を受けました・・・)
全体としては、「音のドラマ」をこの演奏に求めるのは酷です。
情念をゆさぶる感動とは対極の演奏といえますが、
曲の細部の魅力を知るのは価値がある演奏記録といえましょう。
ちなみに、「第九」につづいて「らららクラシック」がやっていましたが、
最初の10分程度見て、後は紅白歌合戦を見ていました。
「ららら〜」としてやるぐらいなら、
例年通り「クラシックハイライト」として放送した方がよかったのでは?
2.東急ジルベスターコンサート
(2012年12月31日〜2013年1月1日 テレビ東京系&BSジャパン)
こちらは、23:30からの放送でしたが、
紅白歌合戦が終わり、「ゆく年くる年」の除夜の鐘を聞いた後、
確か23:53頃から視聴しました。
既にカウントダウン曲の「威風堂々第1番」が始まっていました。
今年の指揮は藤岡幸夫。
見事に2013年0時0分0秒ぴったりに、
曲を終わらせたのはさすがでした!
これは「ブラボー!!!」ですね!
2013年最初に聴いた曲は、
ワーグナーの「ローエングリン」第3幕への前奏曲でした。
奇しくも、後述するウィーン・フィルのニューイヤーコンサートでも
取り上げられていました。
モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」も
新年早々聴けたのはうれしかったです。
神様に感謝!
3.ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート(2013年1月1日 NHKEテレ)
今年の指揮はフランツ・ウェルザー・メスト。
2011年に引き続き2回目の登場でした。
今回のコンサートで最もよかったのは、
ワーグナーの「ローエングリン」第3幕の前奏曲でした!
演奏会用の特別コーダのところなど、実にカッコイイ!
それともう1曲、スッペの“軽騎兵”序曲!
シンフォニックな響きが立派でした。
この2曲は録画したものをもう何度も再生して視聴しています。
残念ながら、肝心のウィンナ・ワルツは、
「知る人ぞ知る」という曲がほとんどで、
あまり楽しめませんでした。
知っているのは、ラストの定番の2曲を別とすれば、
せいぜい「天体の音楽」ぐらい・・・
立派な演奏なのですが、愉悦感には乏しいかな、とも思いました。
(ブルックナーやブラームス風の重量感あるウィンナ・ワルツ?)
「エルンストの思い出 作品126」では、
楽団員に何かプレゼントを上げるという演出がありましたが、
あまり面白いものではありませんでした。
昨年のヤンソンスの時の方がまだ面白みがあったといえます。
他に評価できる点としては、バレエは衣装が鮮やかで見事でした。
このコンサートも例年どおり、早々とCD&Blu-ray化されるのですね。
CDは1月23日、Blu-rayは2月13日発売予定とのことです
(※国内盤。輸入盤はもっと早くて安いです。)
(私は録画したものをさらに編集し、抜粋保存で十分ですが・・・
全3時間のうち、結局録画として残したのは51分程度となりました。)
CD
Blu-ray
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