バレンボイムとフランツ・ウェルザー・メストのブルックナー・交響曲第4番「ロマンティック」映像対決
今週(2012年12月9〜15日)、
ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」のテレビ放送が2つありました。
NHKBSプレミアムの「プレミアムシアター」では、
フランツ・ウェルザー・メスト指揮クリーヴランド管弦楽団、
オーストリアの聖フローリアン修道院での2012年ライヴ。
BSスカパー!では、
ダニエル・バレンボイム指揮シュターツカペレ・ベルリン、
2010年のライヴが放送されていました。
ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」は、
ブルックナーの作品の中では7番と並んでメジャーな曲
(◯◯ベスト100とかにラインナップされる、という意味で)ですが、
元ブルックナー・ファンの私にとっては、あまり好きな作品ではありませんでした。
第1楽章・第3楽章は素晴らしいものの、
特に第4楽章は冗長な感じがしていました。
だいたい好きな楽章だけのつまみ聴きしかしていませんでした。
今回、フランツ・ウェルザー・メストとバレンボイムの指揮を聴き比べてみるにあたり、
久しぶりに全曲通して聴くことになりました。
(たぶん十数年ぶり・・・)
まずフランツ・ウェルザー・メストの指揮の方について。
ブルックナーが眠る聖フローリアン修道院の収録だけあって、
圭角がとれた、非常にまろやかな響きになっていました。
(聖フローリアンでのブルックナー演奏といえば、
朝比奈隆指揮大フィルによる「第7番」の奇跡的な名演を思い出しますね。)
ブルックナー:交響曲第7番
まさに大自然・大宇宙が鳴り響いている・・・
普通なら金管楽器の咆哮となるよう場面であっても、
柔らかい響きに抑えられていました。
聴いていても全然疲れない、それどころか、
いつの間にか結局全部通して聴いてしまっていました。
聖フローリアンの美しい映像と優秀な録音によって、
実にすばらしい演奏だと思いました。
一方、バレンボイムの方は、
ベートーヴェン・スタイルのブルックナー演奏だったかな、と思いました。
彼が敬愛するフルトヴェングラーのスタイルの模倣なのかもしれません。
オーケストラを強烈にドライブし、ガンガン聴かせるタイプの演奏です。
オーケストラ演奏としては見事でしたが、
人間的すぎるブルックナー演奏なのかな、とも思いました。
こちらは2012年12月末にブルーレイが発売されます。
→ブルックナー 交響曲第4番「ロマンティック」※HMV
よって、今回の「ロマンティック」映像対決、
軍配はフランツ・ウェルザー・メストに上げます!
なお、CDなら、ヴァント指揮ベルリン・フィルのがオススメです。
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」
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