みんなが主役?~主役が埋もれるような学芸会劇の愚
先日、縁あって、ある小学校の学習発表会(昔の「学芸会」)を観に行きました。
観たのはある学年の劇。
この劇、学年全員(約100名)が参加していました。
それぞれセリフが最低一言は割り当てられていたそうです。
当然のように、ほとんどの子はセリフが1回しかありません。
主役級と思われる役でさえ、セリフは多くて4つか5つでした。
(「あの子ばっかり目立って!」というやっかみ防止や、
モンスター・ペアレント対策にはいいのでしょうけど・・・)
劇は冗長で、最後のオチは「えっ、これで終わり?」とさえ思いました。
そもそもこの劇、何を訴えたいのか意味不明でした。
もしかすると「みんなが主役!」というのが、劇のコンセプトなのかもしれません。
保護者は親バカ(場合によっては「モンスター・ペアレント」)が多いから、
我が子が一言でもセリフを言っているところをパチっと1枚撮れたら十分なのでしょう。
しかし、「作品」という視点で、その価値から論じれば、
「みんなが主役!」というのは愚かなるものです。
(劇を観る人のことをまったく考えていません・・・)
主役がいて、脇役がいるのは当然です。
また、劇に学年全員が出演する必要なんて、そもそもあるのでしょうか?
こんなくだらないことに約1か月(場合によっては2学期始まってからすぐ・・・)の
準備期間をかけるぐらいなら、
もっと基礎学力の定着に力を入れてほしいものだ、と思ってしまいました・・・
そもそも「学習発表会」と言う割には、「何を学習したのか」がよくわかりません。
(それなら、「全員が九九を暗唱できる」とかの方が、
よっぽど「学習発表会」としてふさわしいのではないでしょうか?)
運動会と学習発表会(学芸会)は、通常の教育を妨げる大きな要素ではないでしょうか?
毎年やっているから、今年もやる、という惰性でやっているに過ぎないものです。
何年か前、車のCMで、
学芸会の「桃太郎」クラス全員が主人公、というユーモアあるCMをやっていましたね。
「えっ! 全員主役 !?」(ブログ名:透明人間たちの気まぐれ日記)という記事を読みました。
(面白い記事ですのでぜひご一読を!)
「桃太郎」や「一寸法師」の主役・脇役の関係や、
従属関係をとことんフラットにした、学芸会の劇について書かれています。
なんでも対等な関係、勧善懲悪もなし・・・
道徳的にもお粗末だし、カタルシスもないわけです。
ということは、教育効果ゼロか、もっといえば、マイナスなのではないでしょうか?
(上記ブログ記事からの引用)
いずれにしても、あまりに過保護で過干渉なうえに無神経で 「木を見て森を見ない」 どころか、木についた虫を駆除しようとして、木そのものを腐らせているようだと言わざるを得ません。
(引用終)
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