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2012年10月の17件の記事

2012年10月30日 (火)

晩秋の定山渓、紅葉と虹(2012年10月)

北海道ではそろそろ冬が近づきつつある中、
妻と一緒に札幌の奥座敷・豊平峡温泉と定山渓温泉に行ってきました。

豊平峡温泉には無料送迎バスに乗っていきました。
年配のお客さんが多かったです。
中国系の外国人も何人か乗っていましたよ。

天気はどんよりとした感じで、温泉周辺は紅葉が終わり頃で、
黒っぽい針葉樹林がそろそろ目立っていました。

温泉入浴後、豊平峡温泉名物のONSEN食堂へ。
インド人シェフが作るカレーが有名です。
実は、温泉そっちのけで、カレーだけ食べに来る、と言う人が多いそうです。
(どこかのテレビ番組でもやっていました・・・)
私どもが店に入ったときも満席に近かったです。
私ども夫婦が食べ終わって店を出る頃には、
十数人もの新規客がレジ前で並んでいました。

豊平峡温泉から定山渓温泉までは、歩いていきました。
歩いている途中で少し天候が回復してきました。
所用時間は約20分程度でした。

この写真は定山渓温泉のはずれにある、「湯の花」入口付近で撮ったものです。
2012_jyozankei1

「湯の花」も地下鉄真駒内駅付近などから無料送迎バスが出ています。
何度か利用したことがありますが、今回は素通り。
そこから徒歩で二見吊り橋へ行き(秘密のルート有?)、温泉街の中心地へ。
定山渓温泉街では、なぜかネコちゃんの姿がいっぱい・・・
どれも野良猫らしいです。
人なつっこく、バス停の近くの道路の真ん中にどで~んと居座っていることもありましたよ。

こちらの写真は二見吊り橋方面から温泉街の中心方面を撮ったものです。
2012_jyozankei_2

温泉街の中心近くで撮った写真です。
2012_jyozankei_5

定山渓温泉街からの帰りは、じょうてつバスに乗りました。
途中、小雨が降っている中、日差しが出てきました。
紅葉の山々をバックに、大きな虹を観ることができました!
神様の祝福と恩寵のよう・・・
バスの中で急いで撮った2枚です。
2012_jyozankei_3_2

2012_jyozankei_4

すなわち、わたし(=主)は雲の中にわたしの虹を置く。
これはわたしと大地の間に立てた契約のしるしとなる。

(旧約聖書創世記9:13新共同訳)

周囲に光を放つ様は、雨の日の雲に現れる虹のように見えた。
これが主の栄光の姿の有様であった。わたしはこれを見てひれ伏した。
そのとき、語りかける者があって、わたしはその声を聞いた。

(旧約聖書エゼキエル書1:28新共同訳)

おまけとして・・・
紅葉が美しい真駒内公園にも行ってきました。
下の写真はそこで撮ったものです。
2012_makomanai

ちなみに、私ども夫婦は、真駒内公園に行ったついでに、
近くの六花亭・真駒内六花亭ホール店に立ち寄る事が多いですよ。
真駒内のオススメスポットの一つです。

2012年10月29日 (月)

N響北京公演とアバド/ベルリン・フィルの『大地の歌』(2012年10月28日・29日放送)

日中国交正常化40周年を記念して、北京で行われたN響特別公演。
2012年10月28日早朝のNHKBSプレミアム「特選 オーケストラライブ」にて放送されました。
2012年9月1日、北京・国家大劇院での収録です。
まだ尖閣諸島国有化(9月11日)による騒動・反日デモが行われていない時ですから、
「友好」の記録としては貴重ですね。

 

曲目は、
武満徹「ハウ・スロー・ザ・ウィンド(1991)」
チャイコフスキー「ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 作品23」
ラフマニノフ「練習曲集“音の絵”作品33から 第2番」
チャイコフスキー「交響曲 第5番 ホ短調 作品64」でした。
指揮は尾高忠明。ピアノ独奏は中国人ピアニストのサ・チェン(Sa Chen)。

 

武満徹のは最初から敬遠して聴いていません。
「ピアノ協奏曲第1番」は、冒頭のホルン強奏のところの映像がかっこよかったですが、
ピアノが凡庸でした。
途中で観るのが退屈になりました。
この曲(特に第1楽章)はマルタ・アルゲリッチとかホロヴィッツ級のソリストでないと、
冗長になってしまいますね。
冒頭のところはどんなピアニストでもすばらしい演奏になってしまうのですが・・・
「日中友好」でつきあった程度の演奏かな・・・

 

N響が本気モードだったのは、チャイコフスキーの交響曲第5番でした。
重量感ある演奏でした。
なかなか聴きごたえがありました。
「どうだ、これが日本のオーケストラの実力だ!」とアンサンブルの精緻さ、
迫力を示したような名演奏だったといえましょう。

 

 

2012年10月28日深夜(10月29日早朝)には、
アバド指揮ベルリン・フィルによる、
マーラーの「交響曲第10番から アダージョ」、「大地の歌」の放送がありました。
NHKBSプレミアム・プレミアムシアターの後半です。
よく調べると、この演奏、既に昨年の6月18日に放送済なのですね・・・
(参考)⇒NHK-BS『アバド&ベルリン・フィルの大地の歌(マーラー100th)』:番組情報。 (ブログ名:mimi-fuku通信

 

上記ブログでは絶賛されていますが、さて、実際に聴いてみると・・・

 

「大地の歌」よりも、「交響曲第10番から アダージョ」の方がすばらしい演奏だったと思いました。
「交響曲第10番から アダージョ」は、
今までバーンスタイン指揮の演奏で何度か聴いたことがありますが、
フニャフニャしてよくわからない(ベルクのヴァイオリン協奏曲の方がよっぽどマシ?)、
弱々しい感じ・・・で、その真価はわかりませんでした。
もちろん、部分的にキレイなところはあるものの・・・

 

しかし、今回のアバドの演奏を聴いて、初めて「美しい曲なんだ!」とわかりました。
未完のトルソーのようなこの曲、全体像はやはり不明確です。
それでも、ベルリン・フィルの驚異的なアンサンブルによって、
刹那的な美しさの断片が続いているのだ、と気づきました。
全体を通してマーラーが何を言おうとしているか、ということを気にせずに、
ひたすた美しい響きの連続に耳を傾けているだけでいいのかもしれませんね。

 

「大地の歌」は、テノールがヨナス・カウフマン、
メゾ・ソプラノはアンネ・ソフィー・フォン・オッターです。
ヨナス・カウフマンの歌唱は、「大地の歌」よりも、
ヴェルディの「乾杯の歌」(椿姫)の方が似合いそうでした。
若々しく健康的な歌声ですが(クレンペラー盤のヴンダーリヒに似ていますね)、
酒で身を持ち崩したような不健康さ(ワルター盤のパツァーク)にはほど遠いので、
少し損な役割だったように思えます。

 

メゾ・ソプラノのアンネ・ソフィー・フォン・オッターはさすが、という歌唱でしたが、
第6楽章の”ewig"(永遠に)のところでも感動とはほど遠いように思えました。
これはアバドの指揮だからでしょう。
精緻なアンサンブルを作るには優れていますが、
音楽に没入、というタイプ(たとえばバーンスタイン)ではないからです。

 

とはいえ、聴きやすく、健康的でドロドロしない演奏であったのは確かです。
(感動するかはとにかくとして・・・)
この演奏のDVD等はまだ出ていないようです。
(2012年10月末現在)

 

「大地の歌」のオススメ盤は、今はクレンペラー盤です。
CD1枚分の値段で、2、4、6、7、9、「大地の歌」が聴ける6枚組で、
大変オトクですよ!
「復活」も名演!

 

クレンペラー盤

2012年10月26日 (金)

夢心地の歌声~NHKBSプレミアム・クラシック倶楽部- サンドリーヌ・ピオー ソプラノ・リサイタル -(2012年10月26日放送)

なんという美しい歌声!
久々に声楽のプログラムなのに聴きほれてしまいました・・・
(普段は声楽のプログラムはたいていパス、なのに・・・)
2012年10月26日放送のNHKBSプレミアム・クラシック倶楽部
サンドリーヌ・ピオー ソプラノ・リサイタル」です。
収録は、2012年9月20日、東京・王子ホールです。

放送されたプログラムと、実際のプログラムを転載します。

放送版
(NHK番組表から引用※演奏者は省略)
「月の光 作品46 第2」
(作曲)フォーレ(作詞)ヴェルレーヌ
「夢のあとに 作品7 第1」
(作曲)フォーレ(作詞)ビュシーヌ
「夜の歌 作品71 第6」
(作曲)メンデルスゾーン(作詞)アイヒェンドルフ
「もう一つの五月の歌(魔女の歌)作品8 第8」
(作曲)メンデルスゾーン(作詞)ヘルティ
「魅惑と魔法の森で 作品36 第2」
(作曲)ショーソン(作詞)モレアス
「時間 作品27 第1」
(作曲)ショーソン(作詞)モクレール
「あすの朝 作品27 第4」
(作曲)リヒャルト・シュトラウス(作詞)マッケイ
「ひめごと 作品17 第3」
(作曲)リヒャルト・シュトラウス(作詞)シャック
「夜 作品10 第3」
(作曲)リヒャルト・シュトラウス(作詞)ギルム
「セレナード 作品17 第2」
(作曲)リヒャルト・シュトラウス(作詞)シャック
「絞首台の歌から 月での出来事」
(作曲)ヴァンサン・ブーショ(作詞)モルゲンシュテルン
「絞首台の歌から 水」
(作曲)ヴァンサン・ブーショ(作詞)モルゲンシュテルン
「絞首台の歌から 絞首台の子供の子守歌」
(作曲)ヴァンサン・ブーショ(作詞)モルゲンシュテルン
「C」
(作曲)プーランク(作詞)アラゴン
「華やかな宴」
(作曲)プーランク(作詞)アラゴン
「なぐさめる人もなく」
(編曲)ブリテン
「何故にイエスは」
(編曲)ブリテン

(引用終)

(実際のプログラム)※下線部は放送されたもの
(銀座 王子ホールのコンサート情報から引用)
(引用)
フォーレ(1845 - 1924):
 水のほとりで Op.8-1/月の光 Op.46-2/ゆりかご Op.23-1/夢のあとに Op.7-1
メンデルスゾーン(1809 - 1847):
 夜の歌 Op.71-6/新たなる愛 Op.19a-4/眠れぬ瞳に宿る光/魔女の歌 Op.8-8
ショーソン(1855 – 1899):
 過ぎ去りし愛 Op.8-2/魅惑と魔法の森で Op.36-2時間 Op.27-1
R. シュトラウス(1864 – 1949):
 あした Op.27-4ひめごと Op.17-3夜 Op.10-3セレナーデ Op.17-2

********** 休憩 **********

ヴァンサン・ブーショ(b.1966 - ): 「絞首台の歌」
  月での出来事/カワカマス/真夜中のねずみ//絞首台の子供の子守歌
プーランク(1899 - 1963): モンパルナス/ハイドパーク
            : ルイ・アラゴンの二つの詩  セーの橋華やかな宴
ブリテン(1913 - 1976): 柳の園/なぐさめる人もなく彷徨いつつ思う

(引用終)

「クラシック倶楽部」では時々声楽プログラムを放送しますが、
たいていは、視聴をパスします。
しかし今回は、ちょっと聴いただけでも、その非凡な歌声に魅せられました。
ベンジャミン・ブリテン編曲の2曲(なぐさめる人もなく、何故にイエスは)を聴いただけで、
「これは録画していてよかった~!」と思わせられました。

夜、テレビがつまらない時を見計らって、番組全体を通して視聴しました。
サンドリーヌ・ピオー自身が語る今回のプログラムのコンセプトも興味深かったです。
テーマは「夢」。夢の世界を「夜」と「昼」にわけて、
フォーレやメンデルスゾーン、R・シュトラウスらのロマンティックな曲と、
ヴァンサン・ブーショ(現役の作曲家!)、
プーランク、ベンジャミン・ブリテンらの曲を対比させています。

冒頭のフォーレの「月の光」!歌が始まってすぐに「なんと美しい声!」と嘆息・・・
フォーレの代表曲「夢のあとに」も絶賛に値します。
美しい夢よもう一度・・・というのがこの曲の主題ですが、
この歌声も、そんな気持ちを引き起こさせてくれました。
エリー・アーメリンクの名唱も忘れるほど・・・

メンデルスゾーンやショーソンの歌曲(今回初めて聴きましたが・・・)に続いて、
耽美的なR・シュトラウスの4つの歌曲。
特に「あすの朝(Morgen!)」の美しさ!
フランス歌曲はもちろんのこと、ドイツリートまで絶品とは・・・

途中、流し聴きしてしまいましたが、歌詞対訳にかじりつかなくとも、
心地よい歌声が続いていました。

今回の放送で最も印象に残ったのは、
ベンジャミン・ブリテン編曲の「何故にイエスは(彷徨いつつ思う I Wonder as I Wonder)」でした。
アパラチア地方の民謡をブリテンが編曲したものです。
歌詞と寡黙な伴奏、そしてピオーの祈るような天へのまなざしが、
忘れがたい印象を与えました。

その歌詞の訳をNHKでの放送から引用します。
(一時停止をかけて書き留めました。)
(引用)
この空の下をさまよいつつ思う
イエスは死ぬためにやってきたのか
あなたや私のような貧しく不幸な人々のために

この空の下をさまよいつつ思う
イエスは死ぬためにやってきたのか

マリアはイエスを牛小屋で産んだ
賢者と農民と羊飼いがともにいた
だが いと高きところ
神おわす天からは 星の光が降り
そして長年の約束が 思い出された
ほんの少しでも
イエスが欲したならば
空の星でも羽ばたく鳥でも
神に仕える すべての天使の歌声でも
望みはかなえられるだろう
イエスこそが王なのだから

(※字幕はここまで)

この空の下をさまよいつつ思う
イエスは死ぬためにやってきたのか・・・

(引用終)

歌が終わる間際、ピオーは客席に背を向け、
天井の方へ頭を上げ、まるで祈るか、
神と対話するかのような沈黙の演技を見せました。
伴奏者のスーザン・マノフも同調して祈るようなまなざしを天井へ向けました。
その余白が、深い余韻につながりました・・・

このコンサートを実際にホールで聴いた人が書いたブログ記事をいくつか読みました。
どれもそのすばらしさを絶賛していました。
(参考)
【演奏会 感想】サンドリーヌ・ピオー リサイタル ~夢のあとに~  スーザン・マノフ(P)  (2012.9.20 王子ホール)(ブログ名:Langsamer Satz)
サンドリーヌ・ピオー・・武蔵野市民文化会館
(ブログ名:あれも観たい! これも聴きたい!)

今回のコンサートと同じ曲目(ただし演奏順は違います)のCDが出ています。

Apres un reve(※輸入盤)

APRES UN REVE ~ 夢のあとに(※国内盤)

2012年10月25日 (木)

バレンボイムの「ガラ・コンサート・イン・ワルシャワ」と「ベートーヴェン・ピアノ協奏曲全集」

2012年10月22日早朝(深夜)に、
NHKBSプレミアムの「プレミアムシアター」で、
ショパン生誕200年 ガラ・コンサート・イン・ワルシャワ
~ダニエル・バレンボイム ピアノ・リサイタル~
」を放送していました。

演奏曲目をNHK番組表から引用します。
すべてショパンの曲です。

(引用)
「幻想曲 ヘ短調 作品49」                
「ノクターン 変ニ長調 作品27 第2」          
「ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 作品35」       
「舟歌 嬰へ長調 作品60」                
「華麗な円舞曲 ヘ長調 作品34 第3」          
「ワルツ イ短調 作品34 第2」             
「ワルツ 嬰ハ短調 作品64 第2」            
「子守歌 変ニ長調 作品57」               
「ポロネーズ 変イ長調 作品53“英雄”」         
「マズルカ ヘ短調 作品7 第3」             
「小犬のワルツ 作品64 第1」 
 
(引用終) 

率直に言って、「バレンボイムとショパン?」という感じは否めませんでしたし、
事実、予想通りでした。
バレンボイムはモーツァルトやベートーヴェンのピアノ協奏曲の弾き振りでは、
世界第一級の演奏を聴かせてくれますが、
ソロではイマイチかな・・・

冒頭の「幻想曲Op.49」は、
「♪雪の降るまちを」(内村直也作詞、中田喜直作曲)のメロディが聴こえてきませんか?
思わず苦笑・・・

ピアノソナタ第2番は、ある意味、バレンボイムらしい演奏でした。
なんとなく、ピアノソナタをオーケストラ版に編曲して、
それをさらにピアノに編曲したかのような印象を受けました。
指揮者的なピアノ?
しかし少しぼやけた演奏では、と思いました。
他の曲も同様でした。
全体的に、あまりパッとしないリサイタルだったかな、と思いました。
それでも、このリサイタル、Blu-ray・DVD・CD化されていますよ。

Warsaw Recital Daniel Barenboim [Blu-ray] [Import]

Warsaw Recital Daniel Barenboim [DVD] [Import]

Warsaw Recital: Daniel Barenboim Plays Chopin※CD

ワルシャワ・リサイタル~バレンボイム・プレイズ・ショパン※国内盤CD

ちなみに、ショパンのピアノ・ソナタ第2番では、
私はアシュケナージのCDと、カーチャ・ブニアティシヴィリのCDを持っています。
ブニアティシヴィリのは最近買ったばかりです。
オススメはアシュケナージ盤のほうです。

カーチャ・ブニアティシヴィリ Khatia Buniatishvili
Frederic Chopin※輸入盤

ショパン作品集※国内盤


アシュケナージ
ショパン:ピアノ・ソナタ第2&3番、他※国内盤

※もっと安い輸入盤があると思いますが・・・

さて、ショパンでは残念だったバレンボイムですが、
ベートーヴェンのピアノ協奏曲の弾き振りでは、すばらしい名演奏を残しています。
最近、バレンボイムがシュターツカペレ・ベルリンを弾き振りしての、
ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集のBlu-rayを入手しました。

Piano Concertos 1-5 [Blu-ray] [Import] (2009)

実は、バレンボイムが2005年に札幌のKitara大ホールで、
シュターツカペレ・ベルリンを弾き振りして、
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番を演奏したコンサートを聴きました。
私にとっては今のところ、生涯最高のコンサートです!
モーツァルト的でこじんまりしたピアノ協奏曲第2番だからこそ、
バレンボイムの弾き振りの魅力を十二分に堪能することができました!
(ただし、マーラーはイマイチよくわかりませんでしたが・・・)
⇒参考記事:マーラー 《交響曲第7番》 札幌Kitaraのバレンボイム (2005.2.23)

その同じコンビによるベートーヴェンのピアノ協奏曲全集、
しかもBlu-rayだから、ワクワクせずにはいられませんでした。
期待にたがわず、どの曲もすばらしい演奏でした!
ライブならではの高揚感と、多少のアンサンブルミスはありますが、
まるでベートーヴェン自身が弾き振りしているかのような錯覚さえ抱きます。
特に2、3番の出来がすばらしいですよ!

2007年5月の収録です。
他にDVD版、CD版があります。

DVD

CD輸入盤

CD国内盤

CDなら3枚組、DVDなら2枚組ですが、Blu-rayなら1枚モノです。
オススメはやはりBlu-ray版ですね。

なお、バレンボイムは、ベルリン・フィルを弾き振りした、
ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集もあります。
こちらも第2番、第3番は名演ですよ。

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集

2012年10月24日 (水)

書評:有元秀文著『まともな日本語を教えない勘違いだらけの国語教育』(合同出版)

紀伊国屋書店の教育書コーナーでふと立ち読みして、
即「これ、面白そう!」と思い、買ってしまいました。
有元 秀文著『まともな日本語を教えない勘違いだらけの国語教育』(合同出版)です。

まともな日本語を教えない勘違いだらけの国語教育


著者の経歴を楽天ブックスの本の紹介ページから引用します。

(引用)
1971年、早稲田大学教育学部卒業後、都立新宿高等学校教諭を務め、文化庁文化部国語課国語調査官を経て国立教育政策研究所へ。総括研究官として21年間日本の国語教育、読書教育の研究に従事。2012年3月退官、日本ブッククラブ協会を立ち上げる。本をたくさん読んで書いてディスカッションするブッククラブ・メソッドの開発と普及に力を注いでいる
(引用終)

「まえがきと目次」は著者のブログページに掲載されていますので、
ぜひお読みください。(本文P2~10)
一部だけ引用します。
(引用)
日本の国語教育の問題点は次の通りである。

1.超遅読でばかばかしく授業の進み方が遅い。

2.気持ちが悪くなるくらい気持ちばかり聞く。

3.教科書を絶対崇拝しかけらも批判させない。

4.差別や時代錯誤が多い物語文、まったく読書意欲を起こさなく論理的に支離滅裂の説明文に満ちた国語教科書。

5.ほかの教科の学習にまったく役立たない。

6.もちろん社会に出てからもまったく役立たない。

7.子供の嫌いな教科のナンバーワンで教師がやりにくい教科のナンバーワンである。

 こんな効率の悪い国語の授業をやっているのは私の知る限り世界中で日本だけである。

 しかし、こんなことはみんな気づいていることである。気づかない人や変えようと思わない人は放っておこう。争うのは時間の無駄である。

 少しでもおかしいと思い、変えようと思う人は、私の再建策を読んでいただきたい。私ほど全国や世界の教育関係者にふれ、内外の文献を読んだ人間も少ないと自負するが所詮傍観者である。組織の内部に深く入り込んだのは局部だけである。間違いがあれば、日本のどこかでお会いしたときにご批判ご助言いただくことを楽しみにしている。

 結論を申し上げる。日本人ぐらい国語教育に時間とエネルギーを注いでいる国民はいない。しかもその効果は最悪である。しかし教師たちが学び方を変えれば日本の国語教育は世界最高になるだろう。なぜなら教師たちは間違った方向に時間とエネルギーを費やしているからである。間違った教師教育がかれらの潜在能力に蓋をしているからである。
(引用終)

とにかく、痛快なほど(現場教師には耳が痛くなるほど)、
国語教育の問題点をメッタ斬りにしています。

著者は現在の国語科教育ではディスカッション能力が育たないことを、
一番の問題点としています。
意見をただだらだらと述べるだけで、批判が生まれない・・・
そういう国語教育を「役に立たない」と断じています。
教科書の題材の古さや前時代性、変な道徳的性格を帯びていることも指摘しています。

再び、著者のブログページから、本の第1章~第3章の見出しを引用します。

(引用)
第1章 どこが役に立たないか

文章を読んで正確に理解できるようにならない

論理的な文章が書けるようにならない

スピーチやディスカッションができるようにならない

国語や本が好きにならない

クリティカルリーディングができるようにならない

課題を解決できるようにならない

ほかの教科の役に立たない

会社や社会に出て必要な国語の力がつかない

第2章 なぜ役に立たないか

<言葉の技術を教えないから>

正確に読む技術を教えない

論理的に書いたり話したりする技術を教えない

ディスカッションして課題を解決する技術を教えない

<授業のやり方がおかしいから>

だらだらと気持ちばかり聞いて感想ばかり言わせている

教師の考えを押しつけ、個性的で創造的で多様な意見を認めない

クリティカル・シンキングを教えず、意見を対立させず、課題を解決させない

自分の問題として考えさせない

第3章 役に立たない教科書教材

何も教えないで気持ちばかり聞く文学教材

センチメンタルで絶対に平和を築かない戦争教材

差別を押し付ける人権無視の教材

男ばかり出てくる女性蔑視の教材

退屈で国語を嫌いにさせる説明文教材

論理的でない支離滅裂な構成の説明文

科学的な文章なのに道徳を押しつける教材
(引用終)

あるある!
第3章では、『ちいちゃんのかげおくり』や『一つの花』といった戦争文学の定番を取り上げ、
戦争の被害者意識を強調したセンチメンタルな文章で、
教科書に載せる必要があるのかを問います。
(反対に、社会科教科書では、加害者意識を強調しすぎる自虐史観になっていますね。)
また、説明文に隠された道徳的メッセージを取り上げ、
その論理性を批判しています。
国語は文字や文法、文章技術を教えるものであって、「道徳」を教えるものではないはずです。
「道徳」は別にあるのですから・・・

では、あるべき国語教育とは?ということで、第4章では、
著者の主張である、「ブッククラブメソッド」を展開します。
ブッククラブメソッド」については、この本や著者の他の本を読んでいただくか、
NPO法人日本ブッククラブ協会」のHPをご覧ください。

第5章、第6章では、現状改革として、
先ほどのべたセンチメンタルな「戦争文学」や、
支離滅裂でつまらない説明文を一掃することを述べ、
あわせて、教員養成の抜本的改革、学校の組織改革、
文部科学省の権限縮小などにも触れています。

特に中学の教員にとって痛快(こうあってほしい!)と願うのは、
第6章の「5 段階的に部活動を短縮していく」(P.123~126)ではないでしょうか。
(引用)
「(中略)生活指導の道具に使うというなら、部活動は全廃すべきだ。なぜなら学校は部活動をする場所ではない。学ぶところだ。教師の側の弊害が大きすぎる。
(P.125から引用)
言いたいけどなかなか言えない「真実」ですね・・・

著者は全国学力テストの問題点(PISA型を意識している、といいつつ、
しだいにPISA型からかけ離れていく出題傾向・・・)も指摘し、
同時に、PISAテストで「学力が上がった、下がった」
と一喜一憂するのにも疑問を呈しています。
PISAの問題作成委員をやった人だからこその言葉の重みがあります。

私は著者の意見に全面同意したわけではありませんが、
(たとえば脱ジェンダー的思考とか・・・)
国語教育・教育界の構造にメスを入れた本書の意見の大部分に賛同します。

国語教育の「勘違い」は、学力低下だけにとどまらず、
国の進路を誤らせるものでもあります。
批判を許さない構造だからこそ、戦前の軍部の暴走を許し、
原発推進が行われ、
あげくの果てに福島の原発事故と報道の自主規制に至りました。
批判精神やディスカッション・ディベートができる国民を増やすことが、
21世紀の日本の活路ではないでしょうか?
本書は国語教育を通しての現状打破のヒントを示唆しています。

2012年10月19日 (金)

NHKニュース「おはよう日本」での効果音使用に疑問~民放ニュースの悪しき習慣をNHKまで真似するな!

今朝(2012年10月19日)、NHK総合の「おはよう日本」を観ていると、
「おや?」と思った場面がありました。
兵庫・尼崎の遺体遺棄事件」に関しての報道です(AM7:10頃)。
疑惑を強調するために、効果音を用いていました。
民放ではよくやっている手法ですが、
NHKではやらない・やってはいけないのではないでしょうか?
ニュースは事実を伝えるのが大事で、
色づけ(価値付け)は各視聴者に委ねるべきものです。

民放では、容疑者の疑惑をドラマ風に仕立てるために、
効果音を用いています。
しかしこれは、視聴者に誤った印象を植え付ける可能性があります。
テレビは裁判所ではないのだから、先走って容疑者を断罪する必要はありません。
ニュースを盛り上げるために使っているのでしょうが、
ある意味、ニュースを水増し・捏造しているのと同じです。
私は、民放ニュースをたまたま観ていた場合、
ワイドショー的に効果音を多用し始めたら他のチャンネルに切り替えます。
その場合、たいていはNHKニュースにチャンネルが切り替わるのですが・・・

NHKの「放送ガイドライン2011」(PDFで全文読むことができます)の
5 表現 ⑦ 音響効果」(冊子として17頁目、PDFで25頁目)には、
ニュースについては、原則として素材にない効果音を加えて内容を強調しない。
と書かれています。
この原則に照らすと、今朝の放送で疑惑を強調するために効果音を使ったのは、
コンプライアンス違反なのではないかと考えます。

NHKまでも、民放の悪しき習慣を実践するつもりなのでしょうか?
それでは、国営放送として失格です。
事実を淡々と伝えるからこそ、NHKニュースは貴重なのです。
余計な効果音を添えて、
報道に変な色づけをするのは即刻やめてほしいと思います。

(参考記事)
NHKが揺れているねこの目日記 2007/01/14)※エムナマエ氏のブログ

2012年10月17日 (水)

NHKBSプレミアム・クラシック倶楽部- エベーヌ弦楽四重奏団 in Japan -(2012年10月16日再放送)

NHKBSプレミアムの「クラシック倶楽部」、
2012年10月17日の放送は「エベーヌ弦楽四重奏団 in Japan」でした。
2011年11月7日、たぶんNHKのスタジオでの収録です。
今年の2月頃放送されていたようですが、その時は観ていませんでした。

実は、弦楽四重奏の放送の時は、敬遠しがちです。
ジュリアード弦楽四重奏団とかのビッグネームならいざ知らず、
あまりよく知らない団体のは原則視聴をパスでした。
(退屈な演奏が多いからです。
演奏者というよりは、「弦楽四重奏」というジャンル自体の魅力のなさ?)
しかし、気まぐれにも今回の放送を録画して観てみたら、
すばらしい演奏でした!

今回の演奏曲をNHK番組表から転載します。

モーツァルト「弦楽四重奏曲 ハ長調K.465「不協和音」から 第1楽章」
ドビュッシー「弦楽四重奏曲 作品10」
E.アーべ「ネイチャー・ボーイ」
ワイズ/リーズ/ラッセル/ルーバニス「映画「パルプ・フィクション」から ミザルー」
J.コスマ(武満徹編曲)「枯葉」

ドビュッシーの弦楽四重奏曲は、
ラヴェルの弦楽四重奏曲とカップリングされることが多いですね。
どうも退屈なイメージしかなかったのですが、
今回ようやくマトモに聴いて楽しむことができました。

今回の放送の目玉は、「ネイチャー・ボーイ」と、
映画「パルプ・フィクション」から ミザルー」、
そして「枯葉」でした。
晦渋な弦楽四重奏が、おしゃれで小粋なものになっていました!
スタジオ録音の映像もなかなか美しかったです。
(途中でイメージ映像になったり・・・)
弦楽四重奏曲の放送で退屈せずに楽しめた、貴重な放送回でした!

エベーヌ弦楽四重奏団(Quartuor Ebene)について調べてみたら、
なんと、実は我が家にCDがありました・・・
フォーレの室内楽全集に含まれていました。

Faure: Complete Chamber Music For Strings And Piano

※買ったけど、あまり聴いていないなぁ・・・

今回放送されたうち、後半のプログラムの曲が収められたCDです。
試聴してみましたが、なかなかよさそうです。

(国内盤)

(輸入盤)

Fiction: Live at Folies Bergere [DVD]

String Quartets Dissonances Kv465 Divertim
(第1楽章のみ放映)

String Quartets

※今回放送されたドビュッシーの弦楽四重奏曲が含まれます。
他はラヴェル、フォーレの弦楽四重奏曲。

ディスコグラフィーを見ると、私としては、
ブラームスのピアノ五重奏曲・弦楽四重奏曲第1番のCDにも興味をもちました。
(そのうち買うかも・・・)

Piano Quintet 1

2012年10月15日 (月)

書評:烏賀谷弘道著『報道の脳死』(新潮新書)~日本のマスコミの病理解剖

2012年度のノーベル医学生理学賞山中伸弥教授に決まり、
日本中が喜びましたが、
例の「iPS細胞で世界最初の手術を行った」とするM氏のニュースは、
報道の信用を大いに失墜させましたね。
読売新聞は調査能力がない、というのが露呈したわけです。
便乗ニュースでスクープ!と焦った結果の大虚報でした。
しかしこういう事例は、果たして読売新聞だけに見られるのでしょうか?
答えはNo!ですね。
昨年の原発事故における報道を見れば、
どの新聞・テレビも「ただちに健康に影響がない」という大ウソをタレ流していました。
「どうして?」と問うことすらせず・・・

今回紹介する、烏賀谷弘道著『報道の脳死』(新潮新書)は、
日本の既存メディア(新聞・テレビ及び記者クラブ)の病巣を見事に暴き、
もはや「脳死」状態である、と宣告しています。
原発事故報道におけるお粗末な報道状況になったのは、
未曾有の大災害だからではなく、むしろ慢性的な原因にある、と著者は分析しています。

報道の脳死 (新潮新書)


(引用)
 ずっと新聞社にいた私にはよくわかりました。3.11報道が見せた報道の不能ぶりは、私が大学を卒業して新聞記者になった26年前からずっと指摘され、解決が急がれていた問題に起因するものばかりでした。26年間待てば十分でしょう。26年も問題を解決できない組織は、いつまで待っても問題を解決することはできないのです。「自己修復能力」や「自浄能力」がないのです。
 また3.11という戦争級の危機が来ても不能のままの報道は、本当に戦争が起きても不能のままでしょう。あらゆる意味で3.11は国家が想定しうる最烈度のクライシスであり、3.11で見せた報道のありようこそが、日本の新聞社やテレビ局が持つ「自己ベスト記録」「最大限がんばった実力」なのです。つまり彼らは揃いも揃って「実力テスト」に落第したのです。
 「報道の脳死宣言」をする時が来た。私はそう考えます。
(中略)
 3.11はそんな私の認識を一変させました。そして改めて現場に足を運び、取材を重ねるにつれ「この国の報道のありようは、この国の民主主義の欠陥の大きなピースなのではないか」と思うようになったのです。報道とはつまり「国民の知る権利の代行者」であり「市民を権力から自由にするための情報を運ぶ仕事」だと私は考えます。この国の「報道の不能」は「民主主義の不能」の一部でもある。この本では、報道の不能を端緒に、この国の民主主義の危機を考えたいのです。
(本書P.9~12から引用)

その具体例として、第1章では、
新聞の常套手段である「パクリ記事」や、
「セレモニー記事」、「カレンダー記事」(「あれから○○年」のたぐい)、
「えくぼ記事」(微笑ましいエピソードを写真付きで掲載)、
「観光客記事」(当事者の視点ではなく、訪問者としての視点で書かれた記事)の手法を、
実に鮮やかに暴いてみせます。
安易な記事作りの手法が、ジャーナリズムの「筋肉」を鈍らせ、
あの原発事故報道における「報道の多様性の欠如」につながったのだ、と
著者は喝破します。(⇒P.100~102)

第2章では、日本のマスコミに「クエスチョニングの欠如」がある、と指摘します。
表面からは見えない真実あるいは本質を探ること」(P.103)が「クエスチョニング」です。
ジャーナリズムの基本中の基本がおろそかにされた結果が、
原発事故の「大本営発表」(=政府の報道タレ流し)になったわけです。
クエスチョニングがされないまま報道されたものとして、
他に「計画停電」とか「計画的避難区域」なども挙げています。
新聞社組織の断片化、セクショナリズム、夕刊の発刊等が原因である、と論じています。

第4、5章では、これからの報道のあり方、あるべき報道の姿が論じられています。
大いに参考になります。

ところで、冒頭に挙げたiPS細胞で世界初手術云々・・・のM氏ですが、
昨日(10月14日)なにげなくテレビをつけていると、
Mr.サンデーという番組で、様々なプライベート事情が暴かれていました。
まるで犯罪者扱いでした。
確かに、虚言をついたのは問題ですが、本来最も責任が重いのは、
ウソを見抜けなかった、見抜こうとしなかった読売新聞他のマスゴミです。
その非を責めずに、プライベートを暴いて社会的なリンチに晒す報道の姿・・・
ゾンビが生者に襲いかかるかのようです・・・

北斗の拳」のケンシロウの決めゼリフは、
お前はもう死んでいる」ですね。
日本の報道は「脳死」状態です。
今こそメディアリテラシーが必要な時代です。
本書を通して、報道の常套手段と病巣を知るのが、
自己防衛のためにも必要ですね。

なお、同じ著者の『カラオケ秘史―創意工夫の世界革命』(新潮新書)もオススメです。
(実は機会があってこの本を読んでから、『報道の脳死』を読みました。)
非常にオモシロイ本ですよ。

カラオケ秘史―創意工夫の世界革命 (新潮新書)

(追記)
本文冒頭の参考記事です。
iPS細胞にまつわる謎の事件- ゲンダイネット(2012年10月16日10時00分)

2012年10月14日 (日)

NHKBSプレミアム・特選 オーケストラ・ライブ「ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団演奏会」(2012年10月14日放送)~マーラー・交響曲第3番

日曜朝のお楽しみ、NHKBSプレミアムの「特選オーケストラ・ライブ」。
2012年10月14日放送は、「ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団演奏会」として、
マーラーの交響曲第3番の全曲放送でした。
指揮はマリス・ヤンソンス
第4楽章のメゾ・ソプラノはベルナルダ・フィンク、
第5楽章の合唱はオランダ放送合唱団とブレダ・サクラメント少年合唱団でした。
収録は2010年2月3日、アムステルダム・コンセルトヘボウです。
NHK番組表

 

実はこの曲、どうも敬遠したくなります。
第1楽章から全曲通しで聴いたことはありません。
第1楽章だけで30分以上。全体で約100分です・・・
マリス・ヤンソンス指揮のこの演奏でも約34分でした。
(以前なら、ブルックナーの長大なアダージョ楽章が好きだったから、
なんとかガマンして聴けたかもしれませんが、
今は「カンベンしてよ」と言いたくなります。)
今回の評についても、第3楽章から、ということになります。

 

朝起きてまず聴いたのが、第3楽章の終わりの大音量のところ。
テレビのスピーカーからオーディオのスピーカーに切り替えた途端に音の爆発!
近所迷惑、ゴメンナサイ・・・でした。

 

第4楽章は、ニーチェの『ツァラトゥストゥラはこう語った』のSuicaじゃなくて「酔歌」から。
メゾ・ソプラノ独唱の深刻な楽章です。
引き続いて、児童合唱と女性合唱の楽しげなコーラスが入る第5楽章。
第4楽章以下は、以前、レナード・バーンスタイン指揮ので視聴したことがあります。

 

(参考)バーンスタイン指揮のマーラー・交響曲第3番のDVDとCD(全集含む)
Symphonies 1-3(DVD)

 

マーラー:交響曲第3番

 

Mahler: The Symphonies ※新全集

 

Bernstein: Mahler Symphonies※旧全集

 

ところで、今回改めて視聴して思ったのですが、
第4楽章と第5楽章のつながりは失笑モノではないでしょうか?
第4楽章は、徹底した無神論者のニーチェのテキストで、
第5楽章になったら、天国の聖ペトロとか、「イエスは言われた」とか・・・
支離滅裂さに思わず苦笑してしまいました。
(よく聴くと、随所に、後年の「交響曲第9番」につながるようなフレーズが
顔をのぞかせているように思いましたが・・・)
はっきりいって、第4楽章か第5楽章どちらかは蛇足なような気がします。
(お盆にクリスマス、みたいな感じでしょうか?)
あの宇野センセイの名著『改訂新版 宇野功芳のクラシック名曲名盤総集版』でも、
マーラーの交響曲第3番のところでは、第4楽章はスルーでした・・・

 

改訂新版 宇野功芳のクラシック名曲名盤総集版

 

第6楽章は実に美しいですね!
夏の終わりの夕暮れを思わせるような美しい調べに
ずっと浸っていたいような気になりました。
録音も優秀でした!
この楽章だけでも、交響曲第3番は「名曲」といえると思います。
マーラーのアダージョ楽章の数々の中でも、最もすがすがしいものですね。

 

この演奏のSACDが発売されています。
(国内盤)

 

(輸入盤)

 

ちなみに、上述の宇野センセイの著書でオススメ盤の一つとしてあげているのは、
マーツァル指揮チェコ・フィル盤です。
マーツァルはドラマ版「のだめカンタービレ」に出演していましたね。)

 

マーラー:交響曲第3番 [Hybrid SACD, SACD]

 

もう一枚は、小林研一郎指揮日フィル盤です。

2012年10月13日 (土)

2012年10月13日の札幌・脱原発デモとその報道

今日(2012年10月13日)の午後、
妻と一緒に札幌駅の近くを歩いていると、
脱原発デモの一団に遭遇しました。
かなり大規模なデモで、推定何千人かの行列になっていました。
いろいろな労働組合や、
あまり見たくない「北教祖」の旗までたなびいていました。
(こういう時は存在を認めてあげましょう・・・)
沿道から時折拍手も聞こえていました。
私の妻は珍しく、デモ団に拍手していましたよ。
(私はただ見ているだけ・・・)

脱原発の主張は、昨年の福島原発事故を見れば当然であって、
原発事故を完全に防ぐことはできないことや、
核のゴミの捨て場がない以上、原発を稼働させるのはおかしいのです。
既にある泊原発、これから建設されようとする青森の大間原発・・・
いまや民主主義の敵となった民主党も、脱原発を推進すれば、
まだ救いようがあるのですが・・・

ただ、脱原発デモ団が原発の代替エネルギーとして挙げていた、
「再生可能エネルギー」の推進、というのには、私は同意できません。
太陽光や風力その他は、安定した電力供給ができない大きな欠点があります。
天然ガスを中心としたエネルギー供給、
というのが現実的に可能な「脱原発」の道筋でしょう。

帰宅してから、ふとこの脱原発デモについてどう報道されているか、
ネット上で検索すると・・・
なんと、このデモをニュースとして扱っているのは、
東京新聞や、中日新聞、その他道外の新聞社のサイトばかりでした。
(22時現在、朝日・読売・毎日では取り上げられていない様子・・・
ただ、東京での脱原発デモは取り上げられていました。)

札幌で泊、大間原発反対集会 1万2千人参加 2012年10月13日 19時27分
(東京新聞の記事)
札幌で泊、大間原発反対集会 1万2千人参加 社会/2012年10月13日 19:18
(岐阜新聞の記事)

地元新聞の北海道新聞では、
東京の脱原発集会についてのニュース報道をしていましたが、
札幌のニュースについては、13日22時現在、掲載されていません。
東京で脱原発集会 大江さんら呼び掛け 6500人に参加
(10/13 17:19、10/13 20:06 更新)

(北海道新聞の記事)

なお、主催者発表では、札幌のデモは1万2千人の参加、とのこと。
本当に事実なら(デモの参加数はたいてい水増しなのですが・・・)、
東京のデモよりもスゴイ!ということになりますね。

私どもはデモが行われる中、北海道新聞社の本社横を通っていました。
十分、デモのシュプレヒコールが聞こえる距離でしたが、
(100mぐらい離れていても十分聞こえるし、長蛇の列はかなり派手でした)
スポンサーに遠慮した道新の社員には聞こえなかったのかもしれませんね・・・

最近、書店で見かけて、少し立ち読みした本です。

「本当のこと」を伝えない日本の新聞 (双葉新書)

そのうち読んでみる価値がありそうです。

書評記事:
『「本当のこと」を伝えない日本の新聞』
【読書感想】「本当のこと」を伝えない日本の新聞
参考記事:
突如消えた日経ビジネス記事に思う―「権力のチェック機構のチェック機構」の必要性

2012年10月11日 (木)

書評:平野耕一著『ソーン・バード』(プリズム社)~ダビデの生涯を霊的視点で俯瞰

東京ホライゾンチャペルの平野耕一牧師が2011年に出版した本、
ソーン・バード(Thorn Birds) 痛みの先に輝く希望』(プリズム社)を読みました。

ソーン・バード

「ソーン・バード」とはそもそも何か、著者自身の言葉を引用します。
Amazonの「内容紹介」掲載のものです。

(引用)
 オーストラリアの荒原に生息し、外敵から身を守るために、いばらの茂みの中に巣を作りヒナを育てる鳥は、そのからだがいばらに刺されるたびに、清らかな美しい声をあげて鳴くので、ソーンバード(とげ鳥)と、人々は呼ぶという。

 私がこの鳥の話を読んだその瞬間に「ダビデのことだ」と口走ったが、「いつか『ソーン・バード』というタイトルで、ダビデの生涯を描きたい」とあこがれをいだいた。それから三十年も過ぎて全く忘れていたが、突然ある集会において、長年記憶の底に沈んでいた「ソーン・バード」への思いがよみがえってきた。そのとき、「ソーンバードを書きなさい」という霊のうながす声を聞いたように思う。私の心に沈んでいた記憶を引き出したできごとを話そう。
(引用終)
※本文P.3と同じ文章。

幾多の戦いや危機、堕落を乗り越えて、
なおも神への確信の讃美を歌ったダビデ。
旧約聖書の「詩篇」には、「ダビデによる」とされる詩がたくさんあります。

平野牧師は淡々とした筆致で、「ソーン・バード」としてのダビデの生涯を、
信仰的な視点で俯瞰して描き出します。
また、著者自身の信仰体験からの話も時折入っています。
(平野牧師の本は、
新約モノよりも旧約モノの方がイキイキとしているように思います・・・)

ダビデを「信仰の偉人」として描くよりも、
むしろ、私たちと同じように現実世界で戦い
(戦場だけが「戦いの場」ではなく、ビジネスの世界でも「戦い」は日常的ですね。)、
傷つき、悩み、時には大きな過ちを犯す、普通の人間としてのダビデ・・・
しかし、それらの事を通して、神様への讃美がますます高められていくのは、
私たち平凡なクリスチャンには道しるべとなりますね。

ダビデがイスラエルの王となってからの事を描いた、
九章「霊とまことの礼拝者」と、
その後の失敗と悔い改めを描いた、
十章「懺悔・死角・最後の情熱」のところは特に読み応えがありました。
ダビデの生涯を信仰的にどう捉えるかを知りたい人にはオススメです。
文章自体、とても読みやすく、ページ数もそれほど多くありませんから、
手軽に読むことができます。

最後に、本書から詩篇103について書かれた部分を引用します。
(引用)
 「主の良くしてくださったことを何一つ忘れるな」(詩篇103:2)

 何を感謝したのであろうか。
 咎が赦された。第一に感謝したことは罪の赦しで、これ以上の喜びはない。
 いやされた。彼は魂に多くの傷を受けた男で、戦士ゆえにからだの傷も多かった。病にもなった。心にも多くの傷があった。しかし、主はすべてをいやしてくださった。
 命拾いした。ダビデほどくり返し死と直面した人はいない。ゴリアテから、数多くの戦場で、サウル王から、家臣から、友から、部下から、自分の息子からも、命を狙われた。死の穴に幾度も落ちたが、そのたびに救いの手が伸びてきた。
 恵みとあわれみ。ダビデは自分が偉大にされたのは、ひとえに恵みとあわれみによることを知っていたが、それこそ賛美と感謝の原動力であった。
 良きもので満たしてくださる。ダビデが得たすべてのものは、自分の力によるのではなく、恵みの御座から流れてきた。
 活力が湧いてくる。礼拝はからだに活力を与える。「若さは鷲のように、新しくなる」という体験をした。この霊的体験を、私はある年齢を過ぎてはっきり自覚するようになった。若さを失い、体力が衰えて、それを補う霊の力を知るようになった。
 肉と霊の原理が働いていて、肉が弱ると霊の働きに頼らざるを得ないので、高齢になって霊の力は肉の弱さを越えることを実感し始めるからだ。
 霊の働きは、特にクリエイティビティにおいて現れる。自然の力においては、若ければ若いほど想像力と創造性が豊かだが、霊の世界では反対で、ダビデの創造性は歳とともに深く豊かになっていった。そうならば、クリスチャンは引退する頃にむしろ活発になっていける。
 この詩篇は、主の「あわれみ」、「情け深さ」、「怒るにおそいこと」、「恵みの豊かさ」、「徹底した赦し」、「契約を守られること」などを極めて美しいことばで描いている。

(本書P.138~140から引用)

ちょうど、詩篇103を通して、ダビデの生涯を簡潔に要約していますね。
(私は詩篇103がとても好きです。)

2012年10月 9日 (火)

オーディオ三昧だった2012年秋の3連休

2012年10月の3連休、いかがお過ごしでしたか?
紅葉はまだ早かったので、我が家は「行楽の秋」ではなく、
「芸術の秋」を満喫していました。

我が家では、今年9月に、
パイオニアブルーレイディスク5.1chサラウンドシステムHTZ-626BDを、
10月の3連休中に、
ケンウッドCDレシーバー シルバーKENWOOD R-K731と、
スピーカーシステムLS-K711-Bを購入しました。
以前は10数年前に購入したアイワのコンポをアンプとスピーカーだけ使っていました。
(CDチェンジャーとMDがついていましたが、かなり前に故障してしまいました・・・)

ブルーレイディスク5.1chサラウンドシステムHTZ-626BD

CDレシーバー シルバーKENWOOD R-K731

スピーカーシステム LS-K711-B

パイオニアのサラウンドシステムの方は、
ブルーレイとSACDが再生できる機器です。
最近、クラシック音楽の名盤が次々とSACD化され、
輸入盤なら安価で手に入れることが多いので、
思い切って買ってみました。
ブルーレイやDVDの再生の音の良さには満足しました。
しかし・・・
肝心の、CD・SACD再生の音がボヤけたものになっており、
聴くに堪えませんでした。
風呂場で鳴っている音楽、というような感じでしょうか・・・
この面ではかなりガッカリしました。
なんとかならないものか・・・

そこで、10月になってから、
CDとDVDを再生する新たな機器を買おうと思い立ちました。
家電量販店で実際に音を確認してから、店員さんに相談してみると、
「CDを聴くだけでいいなら、こちらの商品がオススメです。」
と勧められたのが、ケンウッドのCDレシーバーでした。
本来、この機器のスピーカーは、LS-K731が推奨されるのですが、
店頭で聴いた限り、私が選択したLS-K711の方が音に迫力があったので、
こちらを選びました。

(参考)LS-K731

さっそく家でセッティングし、
所有しているCDで音に迫力がありそうなものを次々とかけて聴いてみました。
(ポイントを絞って。例えば、サン=サーンスの交響曲第3番オルガン付の、
オルガンが壮大な響きを出すところなど。)
久々に音を聴く悦びを満喫できました!
つまみ聴きですが、聴きなれた何十枚ものCDが、新しく甦ったかのように響きました!

中でも感動したのは、
クルト・ザンデルリンク指揮ドレスデン・シュターツカペレによる、
ブラームスの交響曲第1番(Blu-specCD)と、
ルドルフ・ケンペ指揮ドレスデン・シュターツカペレによる、
「ウィンナ・ワルツ・コンサート」の中の、
レハール作曲「金と銀」です。
どちらもDENON(日本コロンビア)の名CDで、
図らずもオケは同じドレスデン・シュターツカペレですね。

ブラームス:交響曲第1番 [Blu-spec CD]

ウィンナ・ワルツ・コンサート[Blu-spec CD]

※私が所有しているのは、通常CD盤のほうですが、
たいして値段が変わりませんので、こちらの方をオススメします。
最近ではSACDのシングルレイヤーも出ましたケド・・・

(参考)
金と銀/ウィンナ・ワルツ・コンサート [Limited Edition, SACD, SHM-CD]

ブラームスの交響曲第1番の冒頭、ティンパニが鳴り響くところ。
あまりの音の良さと演奏のすばらしさに、
不覚にも涙が出てしまいました・・・・
既に何度も聴いたCDなのに・・・
(我が家の新しいオーディオでは、ブラームスがよく響いています!
地味~な曲だったハズなのに・・・)

金と銀」は元々好きな曲ですが、
新しいオーディオで聴くと、
あたかもシャンパンの泡のように音がはじけているのがいっそうよくわかりました。
ワクワクする音色はさながら遊園地で歓声をあげているような愉悦感と、
音の高級感がありました!
(実はこのCD、特別の1枚です。
私が妻のために初めて買ったクラシック音楽のCDなのです!)

しばらくは新しいCDを買わずに、
手元にあるCDを新たに楽しんでみたいと思います。
「いやぁ、クラシック音楽って本当にいいもんですね〜」
(水野晴郎風に・・・)

2012年10月 8日 (月)

『テルマエ・ロマエ』の「源泉」は北海道!~NHK・ホリデーインタビュー「創作の“源泉”は北海道~漫画家・ヤマザキマリ~」(2012年10月8日放送)

2012年10月8日の早朝、
ホリデーインタビュー『創作の“源泉”は北海道~漫画家・ヤマザキマリ~』
という番組がNHKで放映されていました。
祝日の早朝なので、録画して視聴しました。
大ヒット作『テルマエ・ロマエ』の作者、ヤマザキマリさんのインタビュー番組です。

ヤマザキマリさんは、幼少期から17歳まで、北海道で暮らしていた、
というのを初めて知りました。
番組では、幼少期過ごした千歳での日々や、
虫好き少女だった頃のエピソード、
小学2、3年生の時に描いた絵
(彫刻の模写は小学生レベルを遥かに越えていました!)などを、
自伝的な『ルミとマヤとその周辺』と絡ませながら紹介していました。

ヤマザキマリさんの肉声を初めて聞きました。
タカラヅカの男役のような低く太く芯の強そうな声でした。
主張の明晰さ、力強さは日本人離れしていますが、
海外生活から、かえって自分の日本人性に目覚めたのでしょうね。

番組の中でヤマザキマリさんが温泉に入浴するシーンが出てきましたが、
おそらくこれは支笏湖畔の丸駒温泉だと思います。
(またはその隣の「いとう温泉」?
余談ですが、丸駒温泉いとう温泉共に私は入浴したことがありません。
温泉の入口まで何回か行ったのですが、
行ってみたら日帰り入浴時間が終っていた、というのが何回も・・・)
晴天の支笏湖がインタビューのバックに垣間見えていました。

テルマエ・ロマエ』の舞台は、古代ローマと現代の日本の温泉・お風呂ですね。
その「源泉」は、実は北海道だった・・・というわけです。
なかなか見ごたえある番組でした。
『テルマエ・ロマエ』によく出てくる、おじいちゃん達を描く理由などもわかりました。
ルミとマヤとその周辺』、そのうち読んでみようかな・・・
インタビューでは、『テルマエ・ロマエ』はあと1、2巻で終わる、というのも述べていました。
「内容を薄めたくない」という潔さ!
作者自身の魅力を発見できた23分間でした。

新装版 ルミとマヤとその周辺(1) (KCデラックス)

新装版 ルミとマヤとその周辺(2) (KCデラックス)

テルマエ・ロマエⅠ

テルマエ・ロマエⅡ

テルマエ・ロマエⅢ

テルマエ・ロマエⅣ

テルマエ・ロマエⅤ

映画テルマエ・ロマエ Blu-ray通常盤

映画テルマエ・ロマエ 通常盤 [DVD]

アニメ テルマエ・ロマエ I【Blu-ray】

アニメ テルマエ・ロマエ II【Blu-ray】

2012年10月 4日 (木)

クラシックギター界の新しいアイドル?~NHKBSプレミアム・クラシック倶楽部「パク・キュヒ ギター・リサイタル」(2012年10月2日放送)

クラシックギターの演奏者のアイドル的存在といえば、
日本では村治佳織さんですね。
CMに出てしまうほどの美人で、しかも演奏もすばらしい!
しかし、今やもう一人の美人ギタリストが、人気・実力とも、
アイドルの地位をゆるがすかもしれません。

先日(2012年10月2日)再放送の、
NHKBSプレミアム・「クラシック倶楽部」では、
パク・キュヒ ギター・リサイタル」を放映していました。
録画して視聴しました。
確か以前に一度少しだけ観た気がしますが、
どちらかというと、ギターはあまり好きではないので、
パッと観て録画を消してしまったかもしれません。
しかし今回はしっかりと観ました。

容姿のかわいらしさは芸能人風ですね。
しかし今回は、実力がありそうな人だからこそ、
音だけで判断してみました。
音だけでも、十分にすばらしいものでした。
タレガの「椿姫の主題による幻想曲」と、
バリオスの「森に夢みる」、
そしてアンコール曲の「アルハンブラ宮殿の思い出」
(ギター名曲の定番ですね)、
どれも音がイキイキとしていました。
弾いている喜びが、確かなテクニックによって伝わってきます。

私のブログにしばしばコメントを下さる、
「題なしの及川」さんのブログ「ミニ音楽評」でも、
パク・キュヒの演奏が賞賛されていましたので紹介します。
クラシック倶楽部 2012年10月2日 パク・キュヒ ギターリサイタル
ギクシャクした日韓関係のことにも言及されていますが、
正直、音楽とか味などは、政治に関係なく、「うまければいい」のですよね。
「題なしの及川」さんの意見に同感です。

番組冒頭では、パク・キュヒさんのインタビューが出ていました。
日本での生活が長いので、日本語は日本人と変わりませんでした。
これからの活躍が楽しみですね。

パク・キュヒさんのCDです。

sueno

SONATA NOIR

スペインの旅

2012年10月 3日 (水)

書評:『マンガ 神なんていないと言う前に キリスト教入門』(原作:パク・ヨンドク 訳:藤本匠)

愚か者は心の中で、「神はいない」と言っている。
神を知らぬ者は心に言う 「神などない」と。

(どちらも詩編14:1。上は新改訳、下は新共同訳。)

神も仏もない、自分は無神論者というのが、知識人の証であり、
世の中は自然発生と生存競争、進化と自然淘汰、
偶然と必然だけで成り立っている、
宗教を信じているのは心の弱い人だ・・・
というのが、現代人の「信条」ですね。

いのちのことば社で2012年8月に発刊した、
マンガ 神なんていないと言う前に キリスト教入門』を読みました。


※Amazonよりも、「いのちのことば社」のオンライン通販サイトでか、
あるいはキリスト教書店に行くと入手は容易です。

この本の冒頭、第1章では、「神はいない」というのも「信仰」でしかなく、
進化論的な考え方の問題点を見事に視覚化して暴いています。

また、5大宗教(仏教、儒教、キリスト教、ヒンズー教、イスラム教)の
主要な信仰内容も整理しつつ、キリスト教の主張を明確に打ち出しています。

第2章では、「キリスト教を遠ざける16の理由」として、
キリスト教を信じられない人、信じたくてもつまづいてしまう人がよく挙げる、
16の理由と、それに対する反証が描かれています。

第3章、第4章、第5章は救いへの招きです。
第4章では、原作者の証も描かれています。
韓国らしい、徴兵制の下での軍隊生活の中で、
神様が祈りに答えられた見事な証ですよ。

日本での宣教は、どうも心理的なものに偏りがちですね。
また、創造論に立たないで、進化論的なものと妥協しがちでもあります。
創造⇒堕落⇒救済、という聖書の教えをしっかりと見直す必要があります。
この本はマンガながら、ヘタな「キリスト教入門」の何十倍もすぐれています。
とても読みやすく、わかりやすく、しかも福音の核がブレていません。
クリスチャンでない人に勧めるのはもちろんのこと、
クリスチャン自身も自分の信仰を改めて問い直すために、
本書を読むのをオススメします。

2012年10月 2日 (火)

おめでとう!北海道日本ハムファイターズ パ・リーグ優勝!(2012年10月2日)

テレビ画面に向かって思わず拍手してしまいました・・・
道民の誇り、北海道日本ハムファイターズが3年ぶりにパ・リーグ優勝しました!!!
おめでとうございます!!!
北海道民として、とてもうれしいです!
優勝インタビューを聴きながらこの記事を書きました。

日本ハム3年ぶりの優勝!栗山監督17人目の新人監督V

2012年10月2日のロッテ対西武戦。
NHKBS1では、9回ウラの西武の攻撃から、
試合がなかった札幌ドームからの中継が小さく出ていました。
2位の西武が敗れて自滅し、優勝が決まる、という形でしたが、
優勝は優勝デスネ。
(札幌ドームでの試合で勝って優勝!というのが見たかったですが・・・)
※西武ライオンズもすごく健闘していましたね・・・

絶対エースのダルビッシュ選手が抜け、
ベテランの梨田監督から新人の栗山監督に変わり、
田中選手などがケガで脱落・・・などと、不安要因は多々ありましたが、
見事に不安をはね返して、気づけば常に1、2位をキープしていましたね。
(参考)⇒(「責任はこっちにある」、日本ハム栗山英樹監督の選手起用術
コラム名:青島健太 “オヤジ目線”の社会学
目指すは日本一です!!!
札幌での夢のような凱旋パレード、また見に行きたいなぁ・・・
明日からはデパートやスーパーで優勝セール!
いざ、出陣?

今年のパ・リーグは6位のオリックス以外、実力が伯仲していて、
ハラハラドキドキの順位展開でしたね。
セ・リーグのような出来レースと違って、結構楽しめました。
(巨人と中日が強すぎて、横浜が弱すぎるというセ・リーグの二極化は、
日本のプロ野球にとってマイナスではないでしょうか?)

ところで、プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)、
そろそろ廃止しては、と思いませんか?
リーグ優勝=リーグ代表として日本シリーズで戦う、でいいと思います。
パ・リーグの人気があまりなかった頃の遺物ですね。

今やセ・リーグよりもパ・リーグの方が地域に根ざした人気があります。
北海道では日ハム戦の中継が、
視聴率20%近くかそれ以上とることが珍しくありません。
余計な人気取りは不要です。
リーグ優勝を決めてから3位以上でまた争う、というのは、
リーグでの百何十試合の結果を軽視する蛇足だと思います。

2012年10月 1日 (月)

2012年9月のアクセス数ベスト10記事一覧

2012年9月のアクセス数ベスト10記事は以下のとおりです:
(※トップページを除く)
ベスト3までは記事リンクをつけています。

一位.ウコンは肝臓に悪い?~NHK・ためしてガッテン「肝臓の健康を守れSP」
(2011年6月29日放送)

二位.NHKニュース「おはよう日本」でシスター渡辺和子さんを特集
(2012年9月17日放送)

三位.「学びあい」という美名の下の教育の堕落~
NHKEテレ・ETV特集「輝け二十八の瞳 ~学び合い 支えあう教室~」(2012年2月5日放送)

四位. NHK・クローズアップ現代「大人がハマる“数学ブーム”の謎」
(2011年7月27日放送)

五位.上野でフェルメールのハシゴ&渋谷のレーピン展~2012年夏の旅(1)
六位.日本テレビ系・「三谷幸喜のコトバのソムリエ ~人生を変える魔法の言葉~」(2010年12月28日放送)
七位.退職すると訴訟?!社畜から奴隷へ?ブラック企業の恐怖・・・
~NHK・クローズアップ現代「やめさせてくれない~急増する退職トラブル~」
(2012年4月26日放送)

八位.音楽の「修道女」、五嶋みどり~BS朝日「五嶋みどりがバッハを弾いた夏・2012」(2012年9月23日放送)
九位.「代受苦」と十字架~瀬戸内寂聴さんの青空説法から
十位.NHKBSプレミアム・特選 オーケストラ・ライブ「N響ほっとコンサート2012」(2012年9月2日放送)

ベスト1は相変わらずですね・・・
今回は五位の記事を除いてみなテレビネタでした。

つい10日ぐらい前までは真夏だったのに、今やすっかり秋ですね。
我が家の近くでもうっすらと紅葉が始まっていますよ。
今月もご愛読よろしくお願いします。

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