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2012年10月14日 (日)

NHKBSプレミアム・特選 オーケストラ・ライブ「ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団演奏会」(2012年10月14日放送)~マーラー・交響曲第3番

日曜朝のお楽しみ、NHKBSプレミアムの「特選オーケストラ・ライブ」。
2012年10月14日放送は、「ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団演奏会」として、
マーラーの交響曲第3番の全曲放送でした。
指揮はマリス・ヤンソンス
第4楽章のメゾ・ソプラノはベルナルダ・フィンク、
第5楽章の合唱はオランダ放送合唱団とブレダ・サクラメント少年合唱団でした。
収録は2010年2月3日、アムステルダム・コンセルトヘボウです。
NHK番組表

 

実はこの曲、どうも敬遠したくなります。
第1楽章から全曲通しで聴いたことはありません。
第1楽章だけで30分以上。全体で約100分です・・・
マリス・ヤンソンス指揮のこの演奏でも約34分でした。
(以前なら、ブルックナーの長大なアダージョ楽章が好きだったから、
なんとかガマンして聴けたかもしれませんが、
今は「カンベンしてよ」と言いたくなります。)
今回の評についても、第3楽章から、ということになります。

 

朝起きてまず聴いたのが、第3楽章の終わりの大音量のところ。
テレビのスピーカーからオーディオのスピーカーに切り替えた途端に音の爆発!
近所迷惑、ゴメンナサイ・・・でした。

 

第4楽章は、ニーチェの『ツァラトゥストゥラはこう語った』のSuicaじゃなくて「酔歌」から。
メゾ・ソプラノ独唱の深刻な楽章です。
引き続いて、児童合唱と女性合唱の楽しげなコーラスが入る第5楽章。
第4楽章以下は、以前、レナード・バーンスタイン指揮ので視聴したことがあります。

 

(参考)バーンスタイン指揮のマーラー・交響曲第3番のDVDとCD(全集含む)
Symphonies 1-3(DVD)

 

マーラー:交響曲第3番

 

Mahler: The Symphonies ※新全集

 

Bernstein: Mahler Symphonies※旧全集

 

ところで、今回改めて視聴して思ったのですが、
第4楽章と第5楽章のつながりは失笑モノではないでしょうか?
第4楽章は、徹底した無神論者のニーチェのテキストで、
第5楽章になったら、天国の聖ペトロとか、「イエスは言われた」とか・・・
支離滅裂さに思わず苦笑してしまいました。
(よく聴くと、随所に、後年の「交響曲第9番」につながるようなフレーズが
顔をのぞかせているように思いましたが・・・)
はっきりいって、第4楽章か第5楽章どちらかは蛇足なような気がします。
(お盆にクリスマス、みたいな感じでしょうか?)
あの宇野センセイの名著『改訂新版 宇野功芳のクラシック名曲名盤総集版』でも、
マーラーの交響曲第3番のところでは、第4楽章はスルーでした・・・

 

改訂新版 宇野功芳のクラシック名曲名盤総集版

 

第6楽章は実に美しいですね!
夏の終わりの夕暮れを思わせるような美しい調べに
ずっと浸っていたいような気になりました。
録音も優秀でした!
この楽章だけでも、交響曲第3番は「名曲」といえると思います。
マーラーのアダージョ楽章の数々の中でも、最もすがすがしいものですね。

 

この演奏のSACDが発売されています。
(国内盤)

 

(輸入盤)

 

ちなみに、上述の宇野センセイの著書でオススメ盤の一つとしてあげているのは、
マーツァル指揮チェコ・フィル盤です。
マーツァルはドラマ版「のだめカンタービレ」に出演していましたね。)

 

マーラー:交響曲第3番 [Hybrid SACD, SACD]

 

もう一枚は、小林研一郎指揮日フィル盤です。

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コメント

「題なし」の及川様、コメントありがとうございます。
実はこの記事を書く前に、及川様の記事を拝見しました。見事な分析で、マーラーの「第9番」との関連など、参考になりました。
(第1楽章とかに、後年の交響曲の断片・萌芽がいろいろあるようにも思えましたが・・・)
第4楽章と第5楽章のテキストのつながりは節操がないですが、それぞれの楽章は音楽的にはわかりやすく、交響曲第3番の「目玉」のような場所ですね。
ただ当面は、この曲については第6楽章だけ抜粋して聴けば十分かな、と考えております。クラシックだからといって全部通して聴く必要はないわけですね・・・

てんしな?日々さん

「題なし」の及川です。

第4楽章と第5楽章の支離滅裂であることをキツくご指摘ですが(クリスチャンならではの?)、そもそも、その支離滅裂なことこそ、マーラーの魅力の一つだと私は思ってます。私に言わせれば、第4楽章と第5楽章をスルーするなんて、モッタイナイ。
私がもしこの曲をスルーするのであれば、第2楽章と、やや冗長に過ぎる感のある第3楽章でしょうね。

私見と貴ご見解の相違はあれども、後の方で、この曲の最大の魅力が第6楽章にあると仰っているのはサスガと思いました。これは全く同感です。

私はこの曲をこう聴いてます・・・というページを既にアップしています。
http://homepage3.nifty.com/tkoikawa/music/mahler/mahler_sym3.htm

お時間かればご笑覧頂けますと嬉しいです。

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