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2012年9月29日 (土)

吉松隆作品の実演~BS日テレ・読響シンフォニックライブ(2012年9月29日放送)

2012年9月29日早朝放映の「読響シンフォニックライブ」は、
吉松隆作品のスペシャリストとして知られる、
藤岡幸夫指揮によるムソルグスキー展覧会の絵」(ラヴェル編曲)と、
吉松隆の代表作の一つ「朱鷺によせる哀歌」のコンサートでした。
2012年 7月 5日 東京オペラシティコンサートホール にて収録されたものです。

展覧会の絵」はもう少しタメがあったほうがいいな、
と思うところがいくつかありましたが(たとえば「キエフの大門」あたり)、
合格点な演奏だったと思います。

今回の放送で白眉だったのは、
吉松隆の「朱鷺によせる哀歌」の方でした。
この曲、CDでは何度か聴いたことがありますが、実演を観るのは初めてでした。
オーケストラの配置は、上から見ると、
「鳥を見下ろした形を模した両翼配置」となっています。
弦の音が、特殊奏法もあいまって、まるで鳥の声やはばたきのように聴こえます。
目を閉じれば「鳥の楽園」のような世界と、
一抹の物悲しい風景(寡黙なピアノ・パートなど)が目に浮かんで来るようでした。
映像のない映画音楽のような感じの曲調ですね。

吉松隆の作品は、20年近く前から知っています。
「現代音楽」=難解でチンプンカンプン(ケージやシュトックハウゼン、ブーレーズ等)
⇒聴くに値しない音楽⇒クラシック音楽はもう死んだ?
という図式を見事に打ち崩し、
わかりやすく聴きやすい、反アカデミックな作風に、新鮮さを感じたものです。
(クラシック音楽にもまだまだ未来がある!)
吉松隆作品では、「ピアノ協奏曲”メモ・フローラ”」は特にすばらしく、
20世紀後半を代表するピアノ協奏曲の一つでは、と考えています。
(もう一つ挙げるとすれば、マイケル・ナイマンのピアノ協奏曲ですね。)

そういえば、今年(2012年)の大河ドラマの曲は、吉松隆作品でしたね。
私は大河ドラマを観ない方なので、今回初めて聴いてみました。
クラシックからいつの間にかロックになっている感じデスネ・・・


朱鷺によせる哀歌」が収録されている、
「鳥」をテーマにした2枚組CD「鳥たちの時代」です。

吉松隆作品のCDを1枚選べ、と言われたら、
迷わずこれを選びます。
代表作であるピアノ協奏曲「メモ・フローラ」他が収録されているCDです。
Yoshimatsu: Piano Concerto

藤岡幸夫指揮マンチェスター・カメラータ。ピアノは田部京子

吉松隆の代表的な作品としてもう一つ挙げたいのが、
ピアノ曲集「プレイアデス舞曲集」です。
田部京子のピアノが実に美しい・・・

今年(2012年)の大河ドラマのサントラ盤です。

(近年の大河ドラマオープニング曲では、
千住明の「風林火山」が一番勇壮でカッコイイかな・・・
ドラマは観ていないですが・・・)

風林火山(サントラ)


これは余談ですが・・・
2012年の8月から、「読響シンフォニック・ライブ」の司会が、
AKB48のメンバーで現役音大生の松井咲子に変わったのですね・・・
AKB48の人だから、ということに偏見はアリマセンが、
原稿棒読みみたいなのはかなり見苦しいかな~と思いました。
司会として最低限、
しっかりと視聴者やインタビューする人に目線をあわせてほしいと思いました。
(そもそもこの番組の司会、従来どおりの局アナではマズイのでしょうか?
日テレの番組制作姿勢にも疑問を感じます。)

※今回の記事は敬称略としました。

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